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「ブルース・ブラザース」の再発見

 名作音楽コメディ映画「ブルース・ブラザース」(1980年)、最近またガッツリ見直しました。ブラックミュージック界のスターたちのパフォーマンスも素晴らしい映画ですが、意外な発見。
 なんと、作中に主人公たちを付け狙う悪役として、ネオナチが登場していたんですね、すっかり忘れていた。当時は完全な出オチのギャグキャラでしたが、今は全く同じ主張をする政治勢力がアメリカで現実の脅威として台頭しているんだから、時代は変わったというか、明らかに民主主義の劣化が進んでいるんだなあと。当時は思ってもみなかったことでしょう(トランプを見ても、現実の”ギャグ”化=リアリティショー化が進んでいる)。

 あと、ブルース・ブラザースのバックバンド、もちろん劇中で音はアテフリですが(存在しないバリトンサックスが聞こえたりねw)、それにしてはかっちり動きが合っているし、どうしてだろうと思って調べたら、スティーブ・クロッパーを始め本物の著名ミュージシャンが演じていた。ちなみに食堂で妻役のアレサ・フランクリンに突き飛ばされているギター弾きマットは、マット・マーフィで、この人も本当にブルースギタリスト。

 そして、教会の牧師に扮したジェームス・ブラウンの大迫力の説教&ライブシーン。これは本当の生収録で、撮影時に音楽も一発録りだったとのこと。流石! バックの聖歌隊にやけに目立つ女性がいるな、と思ったら、チャカ・カーンだった(笑)。

(さすがにブルースブラザースに仕事を横取りされるカントリーバンドの人達は役者さんだよな……)

 ラスト前にスティーブン・スピルバーグがチョイ役で出ていたり、なかなかに配役も面白い映画です。

(あと、主演の一人、ダン・エイクロイドは元々R&Bやブルースに造詣が深く、ブルースハープも弾くとのこと)

迫力のサンダーバード・マーチ

「謎の円盤UFO」のテーマを演奏する海外市民オケのイマイチな動画を見ていたら、「サンダーバード」のテーマを演奏する日本の市民オケの完璧な動画が出てきた。

広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ / サンダーバード・マーチ
https://youtu.be/BZ6vLfgCVAU

 フルオケじゃなくてチャンバーオーストラなので、人数が少ない分フレージングがキビキビしていてリズミカルで素晴らしいと思えます。特筆すべきは向かって左の方を見てもらうとわかるけと、大きな図体の楽器が2台並んでいますが、これグランドハープなんですね。(普通はフルオケでも1台)これでツインでグリッサンド(シャラララ……ってやつね)をやってますが凄い迫力! ちょっと編成を変更するだけで非常に効果的になった例といえそう。
 この動画、固定アングルなので、楽曲のどの位置でどの楽器が鳴っているか一目瞭然で、オーケストレーションの参考にもなります。例えば音楽マニアが見ても面白いと思います。

 こうしてみると、やはりオーケストラは全体で一個の楽器にみえますね、少なくとも作曲家からは。昔は電気・電子楽器やPAもなかったし、大きな会場である程度のボリュームの音楽を演奏させたかったら、オーケストラに頼るしかなかった。そんな中で音響的にも優れた楽器編成が先人たちによって練られていったのだと思います。

歌うシリア・ポールさん

 Youtube見てたらおススメにすごい映像が出てきた。僕ら世代だと若い頃はオーディオブームで、しかもFMエアチェックが流行ってた。今時死語だが、昔はネットもレンタルもないから、FMラジオから流れる曲をラジカセやコンポでカセットテープに録音して、皆楽しんでいた。FM番組を紹介するためだけの雑誌すら3-4誌も出ていたくらい。

 で、洋楽好きだと皆聞いていた番組が、土曜14時からの……もうわかる人いますね?(笑) 「ダイヤトーン・ポップスベストテン」で、毎週ベストテン形式で洋楽が掛かってました。書いてて今ただひたすら懐かしい、随分音楽体験の上でお世話になった。そのDJをしていたのが、シリア・ポールというハーフの女性パーソナリティでした。チャーミングな声の、今にして思えば英語も日本語も噛まない、非常に喋り技術も優れた人でした。ラジオパーソナリティなので基本声だけだけど、何かの雑誌に写真が載っていて、声のイメージそのままのチャーミングで(小柄な)人で、学生の自分はおおーと思ってましたよ。おい前置きが長いな。

 そのシリア・ポールさんが、なんとあの大滝詠一さんとデュエットしている映像が出てきたんだよ。これが驚かずにいられようか。どうも渋谷公会堂らしいけど、70年代のナイアガラレーベル関連のライブのようだ。まあ聞いてみて下さいよ。

https://youtu.be/930dE5c8rMw

 もういっちょ、曲はあの「夢で逢えたら」ですよ。

https://youtu.be/dvLJ-6FuIHY

 ほら、どうですか? こんなに歌が上手かったのか、ってこれもうパーソナリティの余技とかじゃなく本業の歌手だよ。それもそのはず、我ながら無知で恥ずかしいが、シリアポールさんはなんとナイアガラで歌を吹き込んでいたんですね。この「夢で~」をはじめ数曲。昔みたプロフィールにはそんなこと書かれてなかったが、世間的にも知られてなかったのかどうなのか。
 もうこりゃ生きてて良かったレベルのお宝映像っすわ。いやーYoutubeのおススメは侮れない。

ネットラジオ配信6/11

ヒカリ真王子さんがゲスト出演しているネットラジオ第4回が配信になっています。
当方で制作させて頂いた「翼の王国」という曲もOPとEDで流れています。
今回で最終回。(☆恒例のこぼれ話は…なんと!?)

2021/06/11【美遊空間】【第180回収録】ちよ媛の、あなたのそばに・・・居させてください【カテキンボイス ヒカリ真王子さん『うたうタクシードライバー』第四話】
https://honmaru-radio.com/biyuukuukan_mainichi0180/

映画「レディ・プレイヤー1」観た

 VRゴーグル装着で遊べる超巨大ネットゲームの世界、「オアシス」を舞台にした映画。……というとよくある感じの話だろうと思われるかもしれませんが、正にその通り(w)。ただこの映画の醍醐味は臆面もない他作品からのキャラの引用、パロディというより楽屋オチみたいなことを堂々とやっていること。ハリウッド映画はもちろん日本アニメ・特撮のキャラもたくさん登場します。ネットゲームでプレイヤーがアバター(自キャラ)として使っているという設定です。
 創業者が亡くなるが、ゲーム世界で謎を解いて幾つかの鍵を集めれば、巨大産業となったゲームの運営権を相続させると発表され、世界中のプレイヤーや大企業がこぞって参戦……という、まあ宝探しのようなストーリー。(以下ネタバレ)

 最初のカーレースのシーンで、キングコングが襲ってくるんだけど、これってどこかで見たな……と思ったら任天堂のドンキーコングだった(笑)。映画「シャイニング」の世界が舞台の試練があったり、ゲーム中でアタリのゲームをプレイする試練があったりと、まあ飽きさせない。
 面白いのは、主人公のアバターをホログラムで現実に投影して、敵大企業の社長がアバターと会話するシーン。ARですな(今の技術で可能)。敵に捕まってゲーム世界で強制労働させられるヒロインが、外れないゴーグルを付けられてしまったり。小ネタが笑えます。
 主人公とヒロインがゲーム中のディスコ(死語)でデートするシーンで、ビージーズが掛かっていたりして、バブル世代はフィーバーできるぞ。

 最後の決戦シーンでは、ガンダムやメカゴジラ、春麗など色んなキャラが総出演。何にも考えずに楽しみたい時に良い映画です(w)。
 それにしても、一応実写映画のくくりだけど、映像の8割以上はCGじゃなかろうか。もうハリウッド映画もアニメなのか実写なのか区別が曖昧。そういった意味では、だんだん人間の役者も要らない方向に来てるのかもね。

阿久悠さんの意外な習慣

 花粉症が目に来て毎日目薬は朝夕2回ですわ。これ酷くなると激痛ってレベルまでなるからね。スギだけでなくヒノキで出ることもあるし、皆さまも発症しないよう祈ります。ある日突然来ますよ、前兆ないですよ。

 そんな中、阿久悠さんが書かれた本を読んでいて思うこと(歌謡曲の周辺みたいな内容の新書)。以前も思ったが、この方はいつも最新の流行や世の中の大きな動きを、意識して詳細にリサーチしてたようですね。それは職業作詞家として、どんな注文にも応えるためネタ仕入れという意味もあったろうし、作詞の実務で流行を取り入れないといけないということもあったでしょう。経歴を拝見すると、もともと広告代理店勤務で、そこから作詞を始めて専業になったらしい。後には作家業(小説)にも手を広げられますが。
 そういえば昔NHKの番組で出演されていた時、毎日自家製壁新聞みたいなやつをノートに書いている、という話をされていたと思う。無論手書きですが、見出しやレイアウトにも配慮して、大きなニュースや面白い事件がメモ程度の「本文」で記載されていて、確かにこれはネタ帳になるな、と感心した記憶があります。もともとは日記をつけていたそうですが、後から読み返すとイヤになる、あの時あいつはこう言ったどうしたと細かいグチばかりで、と。(主に学生時代、自分もすごく心当たりがある(笑)。日記が続かない理由ってこれなんですね、ズバリ言い当ててるのは流石。司会の夢枕獏さんも頷いてました)。このノート新聞も、読み返しているとこの時はこんなことがあったな、と不思議と日記代わりになるという話でした。

 その阿久さんのような作詞家でも、ある時期から仕事がかなり減っていったと聞きます。(この方クラスは別格としても、食えなくなる人も出るくらいだった)それはズバリ、シンガーソングライターが台頭したからなんですね。阿久さんは彼らにはなかなか批判的であったらしい(作詞の部分で)。
 それはともかく、ヒット曲を作るのためには、それこそ広告代理店的な、情報リサーチの必要性もありそうです。考えてみればプロダクションはどこもやっているんだけど。最近話題の某ユニットも、あれは仕掛け人が売り方なんかをネット時代に合わせて詳細なリサーチをして、入念に準備したと聞くし。
 商業音楽である以上、売っていくためには戦略やリサーチはやはり要るということでしょう。それはたとえ小規模なインディーズでも同じ。もっとも、自分の好きな音楽だけを好きなように作るという道もありますが……。

オーディオアンプご臨終

 花粉が身体を直撃!ここ数日はヘロヘロです。今年は鼻水はそうでもないが、身体のだるさはなかなか半端ない。
 そして確定申告の作業も続く。もちろん本業のお仕事も。そんな合間を縫って音楽制作は止まらず進んでいくわけです。

 久々に制作曲を焼いたCDを実家の古いステレオコンポで再生してたんです。目的の曲を聞き終わって、次のCDを入れたら、なんだか急に音が出ない。CDプレイヤーは正常そうなのに、アンプかスピーカー接触が悪いのかな?と(いつものこと)カチャカチャやってみたが影響なし。そうこうするうちに、アンプの通気口からなんだか焼け焦げるような臭いが……これは半田か? ヤバイ、ってことですぐ電源切ってコンセント抜きました。
 ヒューズが飛んだわけでもなし、どこか部品が溶けたんだろうと(w)。
 とうとうこの日が来たか、まあ以前も書いた40年物のプリメインアンプなので、逆によくここまで持った、ご苦労さんといいたい。なんせメーカーは「TRIO」……「KENWOOD」の前身です。もう今の人は知らんよな。調べたら社名変更は1986年で、その数年前に買ってるから、下手をすると45年超えているなあ。
 もう修理もできそうにないし、このまま引退させることにした。スイッチやボリューム類もガリや接触不良でほぼ限界でした。
 あまりに古い電化製品は危険だよって話でした。火災にでもなったら最悪だもんな。
 しかし’80年代頃のオーディオ製品の頑丈さといったら、まあ奇跡ですね。日本の絶頂期と重なっているんだよなあ。

ヘソマガリアン・ラプソディ

 “世間で流行っている時は見たくない”派なので、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を今頃見たよ。感想は……うーん、悪くはないが、あれほどヒットしたのはちょっと理解できない、という大体おじさん世代の共通コメント(w)。自分らは’70-80年代にリアルタイムで本物見てるから、現実はもっと格好良かったよな、って思っちゃう(それほど熱心なファンでない派からしても、そう)。普通こういうもんは実際より格好いい役者がやるもんじゃないの? まあ俳優陣も頑張ってたとは思うが、本物がぶっ飛びすぎてたか。特にフレディ役の人、たぶんあれ出っ歯の入れ歯だと思うけど、カメラが回っているときも始終口の中で位置を直しているので、なんかコントみたいだった。ここまでやることはない、という意味でちょっと可哀想ではあった。
 あと監督が途中で交代してるそうですね。映画としても焦点が絞り込めていない感じ。ライブエイドのシーンが最大の山場って、そこで終わってしまうので尻切れトンボな感じ。まあ文句は言ってますが面白かったですよ。
(クイーンを知らなかったヤングピーポー向けの映画なのかもしれん、その世代にかなりウケていたみたいだし)

 個人的にツボだったシーンは、レコーディングのところですね。時代が時代なので、録音はマルチトラックのオープンリール・テーブレコーダー。あの太い昆布みたいなやつ(w)。昔はどのスタジオにもあれが鎮座していたんですね。デジタルネイティブ世代には何かわからない人も多分いたと思う。で、巻き戻さないと「今のところもう一度……」はできないんですね、隔世の感があるなあ。あとリテイクやりすぎて音質が劣化とか、今は何度でもできるから。(スタジオがデジタル録音に対応しても、記録媒体は結構長くテープでしたね)

 あと、バンド内で揉めるシーンがあって、フレディがブライアン・メイに「おれがいなけりゃお前は天体物理学の博士で、誰も読まない論文でも書いてるんだろ」と啖呵を切るところ(笑)。今は本当に博士号を取ってるんだから、天国のフレディに見せてやりたい。
(ライブエイドのシーンで、ブライアンはVOXのギターアンプを12台くらい積んでたんですね、あれは音への拘りが見えて面白かった)

 リアルな話、’91年にフレディがエイズで亡くなった時は、突然のことで本当にびっくりした。あれで日本中が(というか世界中が)、エイズって怖い病気なんだと認識したと思います。
 しかしフレディの乱痴気パーティのシーンは見たくなかったなあ。自己破滅型ロックミュージシャンそのまんま(きっとドラッグもやっていたはず)。
 「バイシクル・レース」でアメリカ帝国をコキ下ろし→世界からロックな行動に賞賛を受ける、からの、「フラッシュ(ゴードン)のテーマ」→結局ハリウッドの金に負けとるやないか~い→みんなズッこける、っていう一連の事件は映画で触れられてなかったな、これは良かった(w)。ファンに怒られるわ。