月: 2021年12月

ダメなデジタル化

 今回はちょっとITの話題。

 実家の電気代の支払いは振込み用紙でしたが(名古屋なので中部電力)、しばらく前に中電から封書が届いてて、来春くらいから、クレカや口座引き落とし以外は支払いにも手数料加算するよ、という通告だった。今はなんでも値上げ。
 それでネットのカテエネというサイトに登録して、そこから各種手続きをしてくれという話だったので、早速やってみた……というかやろうとしたら、IDの登録が面倒臭いのなんの。

 まずカテエネ登録の前に、TCIDというものを登録しないといけないらしい。そこには住所氏名等はもちろん、電力請求書のお客様番号を書いて……それで発行されるかと思いきや、セキュリティ確保のため、葉書で暗証番号を送るから、それを見て入力しろと(アナログ2段階認証)。これでまず数日待たされるわけです。

 届いた葉書の数字を再びサイトで入力して、さあこれでカテエネにログインできるかと思いきや、なんとカテエネのID発行にもまた封書で暗証番号送るって(w)。これ実話。
 封書で届いた二つ目の暗証入力して、ようやくカテエネにログインできた。
 一体誰がこんなぐちゃぐちゃの設計をしたのか?サイトもイラスト多用してはいるが、根本的に機能がわかりにくい。かなり駄目なWeb屋が作ったんじゃないか(雰囲気、イラスト以外は内製した?)。

 自分みたいなプログラマー上がりでもイライラする出来だから、一般利用者は怒って書類を投げ捨てるんじゃないか。というか確実にサポートのコールセンターは電話殺到してるだろう。
 ダメなデジタル化はいらぬ仕事を増やすよ、って話でした。
(中電も2回暗証を郵送してるわけで、これ全世帯にやったらどえらい金額だろう。もちろんそれは将来の電気料金に……)

「真夜中のドア〜stay with me」の名カバー

 名曲の素晴らしいカバーを見つけたのでご紹介。

 しばらく前、松原みきさんの「真夜中のドア〜stay with me」をアマゾンミュージックで聞いていたんですね。そうすると、自動リコメンドで同タイトルのカバー曲が出てくるんです。で、インスト含めて色々聞いましたが、その中に島谷ひとみさんのがあって、これ最新アルバムかららしいけど、プレイバックしたら、これがもう筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい歌唱。バックトラックもとびきりセンスが良くて、ワンコーラスだけ……と思っていたら止められなくなって最後まで(+何度もリピートw)。
 日本を代表する歌手のお一人だから、上手いなんて褒め言葉は却って失礼かもしれませんが(当然なので)、しかしこんなに上手く歌ったら、天国の松原みきさんが怒っちゃうんじゃないか……ってレベルの歌唱。各サブスクやYoutubeでも聞けるので、ご興味のある方は是非。

 バックのアレンジは、実は原曲を結構なぞっていたりするんですね。当時の演奏を現代でリファインしたらこうなる……という感じ。ちょっと驚いたのが、サビのところのストリングアンサンブル(シンセ)。これ明らかに実機だけど、ソリーナとかじゃなくて、この濃厚なコーラスエフェクトの感じ、ローランドのVP-330じゃないかと思うのですが……。だとしたら当時の機材を引っ張り出してのリスペクト、心憎い限りです(ジャパンドメインだしね。まだ稼働する機材があるのは奇跡)。ミックスも非常に良質。
 全てがハマったカバーでした。

 ちょっと前も別のカバー曲のことを書いたけど、もう無理やり別のアレンジをもってくることはないんじゃないかと。必要なのはリスペクトと、そのシンガー独自の素晴らしい歌唱。これがあれば、アレンジはもう透明でもいい。
 名曲は時代を超えて生き続けていくんだなあと実感。

12月の雑記

 年の瀬もだんだん押し迫って参りました。サイトの更新時期が来たので、自分の1年を振り返ってみたい。

 2017/12開設のこのサイト、最初はデモ曲の置き場でしたが、だんだんとお仕事をさせて頂くようになり、作曲家・音楽制作者として足場を固めてきました。

 なんといっても今年は7月のJASRACとの信託契約。結構春頃から準備やら事前の勉強、打ち合わせ等で忙しかったです、流石に。信託契約すると権利関係が大きく変わってしまうので、シミュレーションも欠かせませんでした。あともちろん契約に当たっては各種書類や印鑑証明なんかも必要になるので、そのあたりも動き回ってましたね。書類が揃っても審査があるので、それで落ちる可能性もありました。最低限音楽著作権について普段から理解・遵守していないと無理なので。(違法コピー万歳みたいな人はまず…というか絶対入れません)
 やはりこれだけの組織なので、加入に当たっては緊張しました。(ほぼ公的機関に準ずる団体と思います、まず所属されている諸先輩方が凄すぎる…。日本/世界の音楽著作権についての有識者会議・提言もバンバン行っている。ABBAのビヨルン氏も欧州代表として先頃シンポにネット参加してたらしい、日本側パネラーは都倉俊一先生)

 その後は、インディーズレーベルDew Ridge Recordsの立ち上げ、怒涛のリリースと、Ai Fields Recordsさんでお仕事させて頂いた作品のリリースなどで、あっという間に12月…。
 とりあえず作曲・制作だけでなく、リリース後にどう「売る」か、というマーケティングの視点も持つに至った1年でした。

 そんなこんなで、あんまり音楽プロジェクトACTiVATEではリリースできなかったので、来年はリベンジしたいと思います。とりあえず1/4にACTiVATEで新曲を出しますので。
 新年になってもガンガンいきますよ。

オーディオI/F放浪記?

 蛇足ながら、オーディオインターフェス購入までかなりドタバタしたのでその話。

 夏くらいから新調しようと色々調べていたが、やっぱりRMEのBabayFaceが諸条件からベストだから……と思っていた矢先。世界的な半導体不足で、いきなりの在庫切れ。次回入荷は何ヶ月先か不明、という状態。もうちょっと待てば……と思っていたら、(定価が)値上げになるわ、しまいには受注停止になる店まで出てきた。なんと秋の段階で、もう来春まで入荷しないことが確定。

 こりゃいくらなんでも待てないと代替機を選定し始めた。で、迷いに迷って選んだのがMOTUの828esでした。MOTUはアメリカのメーカーで、やっぱりアメリカンサウンドには憧れがあるわけですよ。入出力も豊富でスリムなラックサイズ、なかなか良い。設計も比較的新しい。
 で、色々調べてYotubeの比較動画も見ましたが、RMEの20万台機に比べて多少パンチの効いた音、ある意味色づけだけど、この程度なら良いかと。(逆にRMEは四角四面で面白味がないともいえる)
 レビューなんかをみると、昔の設計のMOTUはドンシャリらしいが、こいつはそうでもない。
 ただ、ブログ情報だとやっぱりここはドライバーに不安があるんですね。元々Mac用に発売されたものをWin用に拡張しているので、そのあたりはどうか……。あと製造品質が「アメリカ」だったらイヤだなあと(w)。自分のHPノートパソは3年持たなかった、ひでえボロでした。

 いやでも、売れている機種はそれだけ不具合情報も多いわけだし……と自分を納得させたわけです。で、もう明日買うぞと思ってふと思い出した、某有名作曲家の方がMOTUユーザだったなあと。で、SNSを拝見したら……なんと、MacユーザなのにMOTUドライバの大トラブルの真っ最中。それでまた数日躊躇していると、運よくBabyfaceの在庫が見つかったので飛びついた。ドライバの不具合はほんとDTM制作には致命的なので。

 実はYoutubeで828esやMOTU他機種が故障したって海外の動画も見た。故障はやっぱり多いのか、どうなのか。このあたりも分母が大きいメーカーなら当然故障も多くなるから、本当のところはわかりませんね。(なんで英語圏のお前らはため息付きながら哀しそうに報告するんだよ…)

RME BabyfaceProFS導入

 制作環境アップグレード第2弾として、オーディオインターフェースの「RME Babyface Pro FS」を導入しました。YAMAHA/SteinbergのUR242からのリプレース。

 セットアップしてひと通りリファレンス音源や弊社音源を聞いてみたが、GENELEC8020で鳴らすと驚くべき透明度と密度であきらかに「いい音」(リスニング的に)なので意外。もっと厳しい、小姑(or小舅)サウンドになるかと思った(皆さんご存知のように、本題はアラ探しなので)。
 全帯域に渡って高品位になった感じです。バランスもフラットで疲れない。たぶんGENELEC+RMEの組み合わせは、相性的なものがあるならかなり良いと思われる。

(ただウーファーが4インチなので、ベースの音は流石にちょっと不自然。なんとか小さな口径で聞かせているのでこれは仕方ない。音はしっかり見えるので、こういう音だと覚えれば大型SPに持って行っても破綻のないミックスができるでしょう。←従来もそうしてた)

 ヘッドフォンで鳴らした場合ですが、SHEREのSRH440-Aだと、これまで一枚掛かっていたベールが取れた感じで、(少なくとも完成音源は)リスニング的に「いい音」になりました。ある意味心配だがこれでいいのか? 透明度や密度の印象は上記と同じ。自分はいつもこいつは作曲~アレンジの段階で使ってる。(だからあまり「聞こえ過ぎる」のは良くない、耳が疲れるので)

 オーディオテクニカのATH-M50xだと、以前に増して音の情報量が溢れんばかりになって、これは流石に小姑サウンド(w)。いわゆる耳に痛い音だったりします、これでミックスの時アラ探しにするわけ。(だから、これはリスニングに向かない、たぶん耳に有害)

 Babyface、なかなか満足できる製品です。よくこんな新書版サイズの筐体にこれだけの品質と機能を詰め込んだものだと思う。ドイツの底力恐るべし。

 ただこいつバスパワーで動くんだけど、電源スイッチないんですね(w)。あとさすがに極限まで小型化されてるので、スイッチ類も整理されていて、TotalMixFxというパソコンアプリでルーティングやコントロールを行う設計なんだけど、やっぱりジャーマン思想で作られているので操作しづらい。
 あとヘッドフォンアウトが2つあるんだけど、片方はイヤフォンに最適化されていて、そっちはヘッドフォンでは音が変で使えませんでした。これは残念。

 ウチのような打ち込み制作中心、あるいは宅録でボーカル+ギターくらいしか録らない人ならこれはベストバイですね、RMEとしてもかなりのサービス製品に思えます。
(色々レビューも見まくったが、Windows用のドライバも優秀らしい)

GENELEC 8020DPM導入

 音楽制作のモニター環境を改善すべく、まずはスピーカーにGENELEC 8020DPMを導入しました。フィンランドのメーカーだったのですね。
 早速セットアップして音を聞いてみたが、YAMAHAのMSP3に比べて明らかにステレオイメージや音の解像度が高くなりました。あと低音が締まってよく「見える」ようになった。ミッドはそれほど変化なし、ハイは上品になった印象。

 ただ音が良くなっているのは事実だがそれほど劇的かというと、それほどでも……という感じはする。MSP3は値段の割りにかなり頑張っているんじゃないかと却って思った。

 8020の箱の中にポエムのカードが入っていて、ちょっと笑ってしまった。ちゃんとしたフィンランドの詩人の作だそうです。

 4インチウーファーなのに意外と小ぶりで、下手したら3インチのMSP3より容積小さい。GENELECのスピーカーは独特の丸みを帯びた形が特徴ですが、思ってたほど格好悪くなかった、好印象。

 オーディオIFの電源をうっかり後入れして、いきなりポップノイズを発生させてしまった。なかなかのパワーなのでギョッとした。

 ニアフィールドモニタとして今後制作に活躍させまっせ。

(1月リリース予定の弊社最新音源を聞いてみたが、アラは見えず。これはMSP3+ATH-M50xでミックスダウンしたもの。やっぱりCDに焼いて大型ステレオコンポ含む色々な環境で、最終調整しているのが効いている)

注)現状、オーディオインターフェースはSteinberg/YAMAHAのUR242です。近日アップグレード決行。

Paypalの大トラブル

 DTMで制作していると、ブラックフライデーは言うに及ばず、海外ショップのプラグイン&音源バーゲンがたくさんあるし、そんな時は支払いにPaypalを使う機会が多い。最近は国内ショップで買える物も多いが、まだ内外価格差があったりする。Paypalを使うとカード番号をショップに知られることなくカード支払いができるので、大変便利な訳です。銀行に準ずる国際決済機関のイメージですね。

 ところが、先日経験したトラブルが物凄かった。Paypalにあった資金の残高が、朝イチでログインしたらきっぱりゼロになっているんです。すわハッキングされたか、と思ったがどうも様子がおかしい。なんと勝手にWithdraw(払い戻し)されている、しかも自分の銀行口座に……。なんじゃこりゃ?前日操作を誤ったかと思ったが、どう考えても違う。やっぱり誰かに悪戯されたのでは、と心配になって、Paypal日本法人の窓口に電話してみた。
 外国訛りの受付に確認してもらうと、驚いたことにPaypal側が勝手にやりました、と言いやがる(w)。先日の規約変更読んでませんか?あれで当社が自由に払い戻しできるようになったんですよ、とのこと。取り消しもできないというし、そう言われちゃ引っ込むしかないんで、国内の銀行口座への着金を待ってたんですよ。しかしこれが一向に来ない。
 そしたら二日後。ネットメディアでニュースになってました。Paypalがシステムトラブルで一部の顧客の預かり金を勝手に払い戻しましたと。おい(w)。うちにも詫び状メールが来て、払い戻しは結局取り消し、Paypal口座に戻されました。もうしっちゃかめっちゃか。

 年末なのでPaypal側が何らかの理由で資金を持ち越したくない(税金対策?)のか、と思ったら全然違っていた。日本のメガバンクにも似たようなところがあるが、ちょっとこれは酷い。ここもあんまり信頼しない方が良いようです。(流石にこれまでクレカの情報が漏れた、って話は聞かないが……)

 早く国際決済で使えるステーブル電子マネーが出てきて欲しい。MUFG系のやつも実証実験ばっかやってて全然実用化の話が聞こえてこない。

 しかしこういうトラブルは誰かに相談できるわけでもなし、結局自分で解決するしかないようです。最後はお上(金融庁)に泣きつくか。