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再びマスタリング考

 またぼやっと制作話を書いてみます。
 Ozoneでマスタリングしていて結構前に気付いたことだが、これってボーカルが2mixより大きくなるね(少なくとも聴覚上は)。ボーカルだけでなくコーラスも大きくなる。だから人の声にフォーカスするように作動してる。
 たぶんそういうニーズを汲んでアルゴリズムが作られたんだろうが、つい忘れて痛い目に遭いがち。2mixでジャストの音量だと、マスタリング後にボーカルが大きくなりすぎるから。だから2mixはやや抑え目ぐらい(バックキングがやや大きいかな?…程度)がちょうど良い。

 このあたりも、ヘッドフォンやミニコンポではなかなか判別がつかず、フルサイズのステレオコンポでようやく気付いたりする。

 ……しかし、毎回このステレオコンポの話も書いてるが、このネット配信時代に本当にコンポをリファレンスにするのが正解か、ちょっと疑問になってきた。モニターSPの他は、ミニコンポかラジカセにすべきじゃないか、とか。以前も書いたが、音圧を上げたマスターは、ハイファイのコンポで聞くと、結構耳がつらい音になる。かといってそっちにガチッと合わせてしまうと、今度は音圧が足りなくなるんじゃないかと心配。
(まあ、コンポだと純粋にアラが見えることが多いから、助かっているけど。逆にいえば、今のところコンポであわせると、他の環境でも録音物のバランス・品質は向上します)

 マスタリングも、目指す「音」によって、正解が複数ある世界だから、考え考えその時々で(曲によって)ベストの答えを見つけていくしかないのでしょうね。

ProToolsとかPSPのバグ

 少し前に書いた通り、制作でMIX工程からProToolsでの作業にしています。打ち込みは使い慣れたABILITYで、その後ProToolsという分業はなかなか合理的で、この方式に安住してしまいそう。
 プロツーにバウンスにしたWAVを持ってくる時に、一緒にMIDIもメロだけでもつけると、AメロBメロ……といったコメントも表示してくれるので、曲の構造がわかって便利。

 しかしプロツーも、自分の環境だけかもしれないが、多少変なバグが残っているな。Windowsなので音楽環境と本業の仕事環境でアカウントを分けているんだが、音楽アカから別アカに行って戻ってくると、再生周りのボタンが押せないとか、スクロールがバグるとか時々出る。
 またこうなると、プロツーを終了したあとに、なぜかもう一度「自動起動」する(w)。なんやねん、ほんと20年前の海外ソフトか。

 それと、またもやPSPのプラグインがバグってます。AAXでもか。Nexcellenceがエラーを吐いて動かんし、無理やり使おうとすると、DAW巻き込んで落ちます。Vintage Warmerとか2445はちゃんと動いた。PSPはたぶん開発のマンパワーが足りてない、その割に製品数が多いので、ちゃんとバグ取りができてないんじゃないか。やはり怖くて全面依存できないメーカー。
 そこへ行くとWavesはAAXも鉄壁の安定動作だなあ……。実用性を考えたら、やっぱり大デペロッパーの製品になりますね。Softubeも完璧に動いてるな。あとNIのKomplete付属系のやつも。

Roland TR-8導入

 楽曲のクオリティ上げのためにどうしてもハードのドラムマシンが欲しくなり、TR-8を購入。今更感は自覚してる。現行機種のTR-8s/6sと迷ったが、ちょっと操作が複雑そうなので、結局出物を見つけてTR-8。808系はどうせ絶対必要。正直そろそろソフト音源では物足りなくなってきました。
(Boutiqueシリーズは、コンパクトだが操作性が疑問だった。ベリのクローンは音が違う気がする)

 で、届いたブツを見て、結構デカくて驚くという(w)。B4サイズくらいはありますね。
 色々触って鳴らしてみたが、やっぱり迫力・音の説得力が段違い。一番感心したのは、これはテルミンやオンド・マルトノを祖先とする、“電子楽器”の末裔だな、ということ。ちゃんと演奏性も考えられているもんね。

●良かった点

・パターン16ステップ固定でなく32ステップもOK
・3連系もいける
・16ドラムキット内蔵、909系もアサインできる
・USB-MIDIで11インストをパラでDAWで送れる(超時短録音)
・その際、96/48/44kHzが選べる(ファーム対応済)
・パターン鳴らすと音に加えてMIDIも出力
・ステップ単位でリバーブ掛けると驚きのカッコ良さ

●悪かった点

・演奏中は良いが、DAW作業中は照明がド派手で気が散るw
・5分経つとネオンサイン攻撃も発動

 ネオンサイン(スクリーンセーバー)は設定で時間延ばせます。この電飾デザインはたぶんDJプレイでテンション上げのためだろうな、こいつはハード音源というより楽器なので。
 弄り倒していると新しいタイプの曲が書けそうな感じはする。
 あと、音色や発音タイミングの揺れがあって、ベタ打ちでも心地よいシーケンスが可能。このあたりはエミュレーションながらさすがに公式の完成度。ベロシティにも反応するよ。

音圧つれづれ

 サブスクで色々な時代の曲を聴いていて思ったんだが、やっぱり時代が下るに従って明らかに曲の音圧が高くなっていくんですね。現代的なミキシングが完成したのが1970年代後半だとすれば、それを受け継いだ80年代はまだしも、90年代からだんだん音圧が上がっていき、2000年代前半には、世界で音圧戦争とでもいうべき状態になってしまっていた。
 音圧こそ正義、もうありとあらゆる手段で音圧を稼ごうという風潮でした。この時代の幾つかの楽曲を今聞くと、もう奇音とでも言うべき凄まじいク●音質で、おいおいMXRのペダルディストーションでもマスターに掛けたのかこれは、みたいな歪みだらけの、聞くに堪えないものが散見します。いっそもう、おぞましい音、と断言しても良いくらい。
(別にMXRのペダルをけなしているわけじゃないよ、適切にギターに掛ければ素晴らしい効果。でもマスターに挿しちゃダメだろうw)
 確かに見かけ上の音は大きいかもしれないが、音質が犠牲になって楽曲が死んでしまってる。音圧のために音楽が壊されたんですね。風船を限界を超えて膨らせている感じか。実際やり過ぎてクリップノイズまで出した曲もあるらしいし。

 で、流石にこれはまずかろう、ということで、2010年代頃からは、そこまで音圧は重視されない風潮になってきてはいる、一応は。まあプラグイン等の発展で、歪ませずに音圧を上げることもできるようになってきてる、ってのはある。
 ただ注意深く良いオーディオ機器で聞くと、やっぱり現代の音圧が高い曲は、かなり無理をしているのがわかる、音が不自然なんですね。(歪みも聞こえます…)

 やはり音質的なことを考えれば、70-80年代のミキシングや音圧が最高なんですけどね。おかしな音圧歪みも全くないし、ステレオコンポで大音量で鳴らしても、非常にバランスが良く気持ちいいわけです。逆に現代の高音圧曲は、とても居心地の悪い、奇ミックスに聞こえます。(なんせスマホのイヤフォンに合わせあるからな、トホホ…)

 これらの話は、無論ジャンルによっても違ってきますが(クラシックやジャズなどは、音圧など完全無視でしょう)、なんと「高音圧化」の話は、演歌にさえ当てはまります。

 そこで弊レーベルの戦略は…って話は、まあ一応置いておきますが。とりあえず、いま音圧を気にしないといけない曲をマスタリングしているので、例によってぼやっと書いてみました。

(余談。あれだね、最近の洋楽のチャート上位曲が、ほぼボーカルと簡単なリズムとコード鳴らしているだけ、みたいなパターンが散見するが、ラップの影響と言えなくもないが、実はスマホのイヤフォンでは情報量の多い曲を鳴らしづらいからじゃないか? ハードウェア的にドライブできないってこと。テクノロジーが音楽を単純にした、って言えるかもしれない?)

ProTools導入

 「ProTools 12 Artist」を導入しました。トラック数がオーディオ・MIDI・AUX/FXで各32本だが、弊社の制作だとこれで大丈夫(結構ギリだが)。もし足りなくなったら、とりあえずステムを導入してストリングスやブラスをまとめる。
 いずれにせよまずはABILITYと併用する体制で、打ち込みはそちらで、ミキシングからProToolsにしようかと考えている。

 実は、数年前に試用版のProTools First(廃版)をダウンロードしてあったんですね。当時使ってみたが必要性を感じず、先日残っていたファイルを試しにインストールしてみたら、Win10でもいけました。で、マスタリングだけABILITYと同じ条件でやってみて音を聞いたら、やっぱりこれが全然違う。明白にわかるくらい高音質。(ABIもイイ線いってはいるんだが、さすがに世界のスタジオ業界標準と比べたら…)
 昔もちょっと比較したことがあったが、とにかくプロツーは「みっちり」した感じ、情報量のグッとつまった、非常にクリアで高品位な音。
 無理やり饅頭に例えると、薄皮にアンコがぎっちり詰まっているイメージ。これに比べたら他のDAWは、まあアンコが少なくて皮がぶわぶわしてる。
 これだけ違うんじゃもう製品版を入れるしかない。今はプロツーもサブスク形式なんですね。

 しかし、インストーラが結構ポンコツで、終るまで3時間くらい掛かってしまった。なんか昔の海外ソフトにありがちな感じのやつだった。リセットのタイミングも慣れてない人はわからんと思う。

 メーカーのAVIDは、アメリカ・マサチューセッツの会社だったんですね(iZtopeと同じく)。音楽関係のソフトや音源はご存知のとおり欧州勢が滅法強くて、個人的には米国ふがいないと思っていたが、一番大事なスタジオユースの根幹部分を押さえていたわけだ(OSと似ているな)。言われてみれば、ブライトでクリアな音質、アメリカンといえなくもない、面白いところです。
 ともあれこれで弊社もささやかながら、モニター環境も含めて業界標準の体制が出来ました。

Dew Ridge Records一周年

 いつの間にやら、弊社「Dew Ridge Records」のサイト開設一周年。なんとか格好がつく陣容になってきた。形になるまで2~3年は掛かると予想していたので。

 まだプロジェクト初期段階だから、口はばったいが、才能あるシンガーさんたちに出会えたのは非常に大きい。やはり、人を決めて曲を当て書きすると、とても作りやすい。この人ならこう歌うだろうな、ということがわかるしね。信頼関係も出来てくるので、毎回仕上がりを心配しなくて済む。とはいえ、売り方を含めてまだまだ五里霧中、状況はどんどん動いていくわけですが……。
 ネット時代のレーベルはどうあるべきか、っていう頭もあり、それに即した動きも始めましたしね。

 まだまだ頭の中にある計画・アイディア、山積みです。一歩一歩、進めていこうと思います。
 現在の課題は、やはり宣伝体制だな、と思います。みんながやっていることをしても埋もれてしまうだけだが、それすらしないと全く知って貰えない。といってネット広告も正に無駄でしょう。(楽曲の広告って見たことないですね)
 リスナーに曲を知ってもらうにはどうしたらいいか。永遠の課題ですね。(メジャーだったら、専門の宣伝チームがいるんだから…)

(昔、Google広告がワンクリック1円だった時代があったが、今は10円でも相当厳しい)

 このところ色んなレーベルの興亡史を読んで、レーベルは生き物だということがわかってきた。どんなに勢いのあったレーベルでも、中心的な作家陣・制作陣がいなくなったり、熱意を失う、ビジネスに失敗すれば、失速して最終的には消えていく。音源はまとめて売られてしまうか、管理専門の会社に移る。もちろんこれはメジャーの話ですが。ちょうどバンドの盛衰と同じです。

 いま、弊社はまだ立ち上げが終わった直後くらいの段階ですが、今後の展開は正直全く見通せない。日々、良い音楽を作り、それを世に出す努力をする、その繰り返しで過ぎていきます。

ABILITY4に移行中

 仕事が一段落したので、ABILITY3Proから4Proに移行中。流石にお仕事の途中で変えると、万一バグがあった時に怖いので。
 2から3の時はオーディオエンジンが刷新された印象だったが、今回は多分同じ。色々と細かい使い勝手は改善されているが、大きな変更点がない。

 とはいえ一番のウリが、新マルチティンバー音源AMS。これはインタネ社のオリジナル。ABILITYにはSSW時代からRolandのサウンドキャンパスというマルチ音源が入っていましたが、これ32ビットなのとバグが放置されているので(もう直せないらしいです)、代替品が用意された格好。
 音質的には、端的に言って「ビザール(ストレンジ)ブライト」(←違うか)。かなりナチュラルハイな音質という感じ。ブライト系ピアノなんか、KorgのM1ピアノに対抗できるんちゃうか? デモやらレイヤーなら出番は充分ありそう。

 他には、マスターアウトでDITHERのON/OFFが出来るようになったのと、ミキサーでパンの一発OFFが出来るようになったのがお気に入り。
 インタネの組み込みDITHERは、他の使ってみて今回わかったが、結構ワイルド・アナログ系な音になってた印象。ここを楽曲に応じて切り替えられれば、更なる音質アップが望めます。

 バージョンアップと関係ないが、ミキサーのインスペクターボタンを押すと、大きいサブウィンドウでインサートやらストリップが一目瞭然だったのね。ここはハードのミキサーにない便利さ、こうしてみるとコントロールサーフェスはやっぱり要らないなあと思える。

(一応、まだちょっと不思議バグ現象が見られるなぁ。ABILITY3のファイルを読み込んだ時の変換が上手くいってないのか?Kontakt内のインストが読み込まれなかったりした。再立ち上げしたら読んでた)

インスタで動画削除

 インスタグラムに掲載していた動画を、運営に削除されてしまった。Dew Ridge Recordsのアカウントだけど、当然MVも載せていたんですね。ちゃんとインスタ用に画面サイズも調整して。そうしたら権利侵害と考えられるから……と削除報告のメールが来た。3ヶ月くらい前の掲載したやつだが、今頃です。
 インスタ/Facebookにもミュージックスタンプとして弊社の楽曲を配信しているから、そっちの方でひっかかったのでしょうが。

 で、異議申し立てというリンクもメールにあったのでクリックしてみたが、これが何度やってもエラーが出て正常にページが表示できない。念のためサブPCでもやってみたが同じ。これで詰みました。

(削除されてもメールが来るだけで、インスタにログインしてもメッセージ等、本体では何も来ないんですね)

 以前も書いたがインスタはサイトがスマホ用に最適化してあるし、レーベルの宣伝用にと作ったが、そういう役にはほぼ立たないと思われる。なんか、動画表示も中途半端だし、時々ジャケット写真でも載っけておく、ゆるゆるの運用が良さそう。
 適材適所で、MVはやっぱりYoutubeでいいんじゃなかろうか。

(エド・シーランとか、アリアナ・グランデのアカウントもフォローしてみたが、やっぱり、暇なときポツポツ写真やストーリーを上げているだけという印象。すべてが低血圧、インスタ。もっとキラキラピカピカうるさいと思ってたら、意外?w それともそういう人を見ていないだけで運が良いのか…)

ZENOLOGY意外と重い?

 先日書いたRoland Cloudのソフトシンセ、ZENOLOGYのことだけど、一見動作が軽そうに思えるが(UIもシンプルだし)、意外と重いかも、というかメモリをバカバカ喰ってる予感。
 割とプロジェクトサイズの小さい曲で、ZENOLOGY Liteを2本使ってみたんですね。それで急激にDAWがおかしくなることはなかったんだが、曲の完成間近になって、なんとボカロのホストプログラムであるPiapro Editorが、「メモリ不足」のエラーダイアログを吐いて落ちました。直後にDAWも巻き込まれて落ちるという大惨事。
 Piapro Editorというのは非常に優秀なVSTiで、これまでこいつが原因で落ちたことって全くない。もう10年は使っていると思うが、ボカロは結構重い処理っぽいのに、クリプトン・フューチャー・メディアは技術力のある会社ってことですね。悪いがRolandよりクリプトンを信じるわ(w)。ハードは優秀でもソフトベンダーとしてはまだあまり信用できる段階ではない。(最近はアメリカのソフトハウスと協業してるが)

 結局無駄なプラグインやサンプリング音源(といっても軽めの奴)を外して、メモリや処理能力を開放したら、なんとかこのままでも落ちなくなりました。

 たぶんソフトシンセとしての使い勝手より、Rolandサウンドを再現するほうを主眼に設計されていると思うから、普通の軽めのソフトシンセのように何本も挿すというのは、避けた方が良いっぽい。
 こうなると、ハード再現系の買い切りプラグインも結構重そうだなと予想。
 こちらを立てればあちらが立たず、じゃないけどなかなか上手くいかないもんです。

Roland FA-06危機一髪?

 メインキーボードとして使っているRoland FA-06ですが、先日危うく病院(メンテ)送りの危機が。システムプログラムをしばらくアップデートしてなくて、もうv2.xになっているんですね。それで流石にこれはそろそろと思い、アップデートを決行。Rolandのサイトからアップデータを入手して、USBメモリにコピー。これをFAの裏のUSBコネクタに挿して、特定スイッチを押しながら電源入れるとUSBから本体のプログラムが書き換わる仕掛け。(最近のシンセはもう中身コンピュータだから)

 で、やってみたのだが……30分経っても書き換えが終らない。マニュアルには3分と書いてある。これはおかしいぞと思ったが、アップ中は電源絶対切るなと書いてあるし、接触が悪いのか?と、恐る恐るメモリを抜き差ししてみた。
 それから30分……やっぱりダメ。これはもうトラブル確定だな、と腹を括って、電源を落としてみた。

 ダメだろうな……と思いつつ電源入れると……なんと普通に起動した(w)。やっぱりシステムバージョンは古いままだったが、こんなクリティカルな状態から復帰するとは、なかなか優秀なファームウェアだな、と。たぶん運も良かったんだろうが。
 なぜ書き換え失敗したか不明。外側にはTOSHIBAと書いてあるのにPCで中身を見ると違う社名が出るメモリのせいか(w)。ご想像通りアマゾンで買いました。

 実際、アップデートは失敗すると修理するしかなくなる場合があるようです。次はいつ試してみる気になるか……。パソコンじゃないんだから不用不急のアップデートは避けるべきかもしれない。