月: 2023年6月

雑記シリーズ

 とにかく実家の庭木が、この季節を迎えて大爆発状態。ジャングルなのは昔からなのであきらめてるが、下手すると道路へ枝が出たり隣家を侵食する状態。日々の手入れが欠かせないが全然追いついてない。しかも家の裏に回ったら、竹が6本生えていた。3本は見えていたが2倍とは恐れ入る。先月は生えてなかったのにこの生命力。幸いまだ人の背丈くらいで、柔らかいから下の方で簡単に折れる。竹はすぐ2階の屋根の高さになるから油断できない。植物パワーはほんと無敵です。

 インボイス制度、いよいよ実施が迫ってきましたが、やよいで帳簿作業していたら、バージョンアップで機能が追加されていた。うちは課税業者ですが、それでも日々の入力業務がアプリを使っても思いのほか面倒になりそう。本当にお上は庶民を苦しめることしかしない。免税業者、つまり小規模自営業者が、いわゆる益税を得られなくなるので、世間ではインボイスを歓迎する声もありますが、あれは元々煩雑になる消費税関連業務をお願いする代わりに……というバーターだったはず。益税無関係の課税業者・大企業等もかなり業務に影響を受けます。
 複数税率もあってどんどん複雑になってる。穿った見方をすればややこしくしてお役人の利権を確保したい、また増税をわかりにくくしたいって意図も見える。どうなってんでしょうね。

 ワイドショーで見ましたが、円安で韓国からの観光客が増えているという話題で、韓国ヤングが大喜びで渋谷でJ-POPのCDを買っているらしい。インタビューで、K-POPと違いメロディアスだったり、バンドサウンドが聞けるのが良いという話。やっぱり音楽は多様性が大切ですね。日本では出羽守が欧米では~韓国では~と全部真似すればうまくいくと相変わらず叫んでますが、連中は音楽のことを1mmも愛していないでしょう。まともな音楽ライターや評論家諸氏でそんなことを言っている人は一人もいない。あれは数字だけを見てるマーケッターなんで。やっぱりグッズとしてCDは非常に優秀なんですね。配信で聞いて気に入ったらCDでアーティストに還元する。これは非常に良いエコシステムだと思います。

6月の雑記

 話題のアニメ「推しの子」9話まで観た。地下アイドル業界だったり、芸能界の制作側を舞台にしたアニメで、音楽ネタかと思うと若干肩透かしを食う。ネットミームをストーリーに組み入れたり、ってこれネタバレだが、さすがに推しのアイドルの子供に転生(極秘出産)……ってのは人によっては拒否反応かも。犯人探しのミステリー要素もあり、ただ主人公は顔も親に似てるし非常に狭い界隈の話なので、素性はほぼバレバレじゃなかろうか。そのあたり作り手の“嘘”の付き方が下手、っていうかご都合主義っぽい。主人公、クールなようでいて親を真似た女優の演技にイチコロだったり、結構チョロイ(w)のが面白い。
 主題歌はYOASOBIでまたまたの大ヒットですが、曲単体で聞くと「?」なものの、アニメ観たあとでは、非常に世界観に合った楽曲と判明。Ayaseさんの作曲家としての力量に脱帽。ちなみ、英語バージョンはイントネーションの関係か中国語感がある。

 実家の玄関、雨が降るとちょくちょく夜に明かり窓のところにヤモリ(トカゲ)が出る。もちろん益虫ですから静観ですが、なんと初めて2匹目が出た(w)。玄関のスリガラスをだんだんと登っていくんですが、上にいる個体は見えているらしく、微妙に位置を移動して離れていく。縄張りというか譲り合いなのか。2匹とも腹の色を見ると若い個体だと思う、数年前に出ていた奴は随分年季が入っていた。この移動の動き、スパイダーマンですね、あれって蜘蛛じゃなくてトカゲの動き。

 自作でモジュラーシンセ用の簡単なエフェクターを作ってみたが、苦労した割りには音は「うーん」みたいな出来で、しかも自作だからハンダ付け不良があったり、こりゃオリジナル自作系は手を出さない方がいいな、と悟った次第。キットならまあ別だけど、キットもモジュラーのセットの中に入れるときは結構緊張する。不良で他のモジュール故障させたらたまらんもんね。やっぱりメーカー製は音質も品質も非常に良いですね、餅は餅屋ですわ。自作が趣味なら別だけど、大人しく完成品を買った方が良い結果が出ます。
 自作系の海外サイトには、自作のやつはメーカー製モジュールと一緒に使うな、壊してしまったら大損害だぞ、みたいなことがほぼ書いてある(w)。

KENDRIXから著作権登録

 以前ここで書いたKENDRIXで、JASRACへの著作権登録が直接できるようになったので、やってみた。ブロックチェーンに楽曲ファイル情報を登録できるサイトね。
 まず前段階として、KENDRIXにIDを持っていないといけないのですが、これは誰でも無料登録できます。というか、ブロックチェーンへの楽曲登録そのものが無料できる(大サービスですね)。

 ただ、ここからJASRACに著作権登録しようとすると、JASRACとあらかじめ信託契約していないといけません。自分のときは印鑑証明や戸籍謄本が必要だったが、今後マイナンバーカードでもできるようにする計画があるらしい。JASRACも急ピッチでDX進行中。要はちゃんとどこの誰か曲を書いたのか証明できないといけない。

 ちょっと脱線したが、ここからはKENDRIXのIDを、ベーシックからビジネス+へと変更する手続きが必要です。

 申請そのものはオンラインでできるが、やはり確認は厳重で、登録した住所に郵便が届きます。そこに記載されたパスワードをサイトで入力すると、ようやくビジネス+に昇格。自分のときは届くまでに1~2週間掛かったと思った。

 ここから簡単で、KENDRIXに楽曲ファイルをmp3かWAVで登録して、そこから著作権登録申請に進むだけ。入力項目は、通常のJASRAC本体からする時と同じです。
 ただ、こちらは楽譜や歌詞は登録しなくて済む、っていうか登録する項目はありません。楽曲ファイルそのもので代用してるんですね。
 現代の曲は譜面に書くのも難しいことが多々あるから、この方が便利でしょう、って利便性を提供しているんだと思います。

 登録ファイルですが、一応リリース用の完成音源が推奨されているが、ミックスが終ってない等の場合は、デモ音源でも良いようです。ただ、流石にアレンジ等全て完成したものでないとマズいと思う。
 デモ音源で著作権登録して、あとから完成音源をそこにぶら下げることも可能なので心配はいりません。

 登録したら自動で著作権登録されるのではなく、JASRAC側で通常の場合と同様、人力のチェックがあります。その後、めでたく著作権登録が完了したらJ-WIDに載ります。

 KENDRIXから著作権登録できるのは、作詞・作曲のみで編曲は対応していません。実は編曲で著作権登録するのは元から難しい。編曲審査委員会というところで審査があるんですね。高度な編曲作品でないと無理ってことです。例えば冨田勲「惑星」は編曲で登録されています。

 まだ機能が実装されていくようなので、面白いサービスが追加されたら報告します。

音楽と健康

 自分は音楽始めたのがかなりいい歳からなので、あと何年曲を作っていられるかは結構意識してるんですが、それはともかく、この歳になって思うのは、健康ってつくづく大事だな、ってこと。……なんて、昔は年配の人がこんなことを言うのを聞いてケッなんて思ってたんですが(w)、自分がその歳になって、これは事実だってわかりましたよ。
 まあ音楽制作も業務としてやっていくならば、健康管理が重要なのは考えてみれば当たり前で、自分も始める前(音楽マニア時代)は、プロの楽曲制作は夜も昼もなく、猛烈に集中して徹夜してでも完成させるのが普通では……なんてイメージしていました。もちろん時間がない時はそういうのもあるようですが(往年のスタジオミュージシャンは確かにそういう感じだったと聞いた)、それでも大手スタジオは実は深夜は空き時間だったりね。ビジネスタイムはあったりした。
 インディーズで、今のDAW・宅録中心の制作だと、そんなことをやっている人はまずいないでしょう。

 これが作曲・編曲になると、確かクラシックの有名作曲家の方も、やっぱり朝起きて普通に仕事(作曲)をして夕方終り、夜はちゃんと寝て……みたいな規則正しい生活をしつつ、長年大作をいくつも書いていたって話をどこかで読んだ。決してエキセントリックに、閃き→髪振り乱して一心不乱に作曲→倒れる、みたいなサイクルではないのです(怒られるかw)。
 そういった意味では、インドアワークでもあるし、ストレッチや適度な運動も日々必要です。もちろん自分もしています。あとウォーキングね。昔はジョギングしてたけど、交通事故が怖いのとアスファルトは脚に負担(膝がすり減ってやられるらしい)なので。ウォーキングはあれでなかなか運動になるので、ぶらぶらでも早歩きでも、まあ気分次第で。

 あと、通り過ぎてわかったけど、男性40代の厄年ってのは結構当たりますね。お祓いすべきとかいう話ではなく、ちょうど身体にあちこちガタが来る時期なんです、42歳前後ってのは。気をつけてないと、これきっかけで大病なんてしたら大変ですからね。そろそろ若くないから身体を労わって……という昔の人の知恵だと思います。
(人によっては男性ホルモン等の減少でちょっと鬱っぽくなるから注意。自分も元気なかったなあ、この時代は。やっぱり抵抗力が落ちたのか、大病したし)
 これが50代になるとまたふっ切れて安定してくるんだから不思議。まあ60代になるとまたガタガタと来ると言いますが……。
 なんとなく作曲健康論(?)を書いてみました。

ハードは壊れる運命

 いきなりユーロラックのシンセモジュールが一台故障。米国ガレージメーカー、Synthrotek/MSTのMIDI-CV変換モジュールでした。ウチの制作体制だと必須のモジュールで、ベロシティなんかも変換できて便利だったんだが……。わずか3ヶ月ほどの命でした。といっても中古だが、やはり安さの反面こういうリスクもある。どういう使われた方をしたかもわからんもんね。専用拡張モジュールまで用意していたんで結構キツイ。
 ただ、我ながら勘が働くというか、なんだかイヤな予感がしてたんで、先代のベンリガーMIDI-CVを処分せず持っており、こいつに差し替えてコト無きを得た。さすがはベリンガー……と褒めたいところだけど。

 今度はベリのベースシンセTD-3のスイッチの反応がいきなり鈍くなった。このお約束の展開どうですか(w)。鍵盤のスイッチのところで、ウチは音源として使っているんで、ほとんど押していない、音色確認のとき以外は。もし本来の利用法みたくガジェットとして使い倒していたら、半年持たなかったかもしれん、確かにスイッチはかなりチャチい。本体でガチガチ打ち込むのが、本来の使い方だもんね。
 もっとも、それを見越してか、USBでパソコンから本体内蔵シーケンスを編集できる。やっぱり今はガジェット派の人もそっちが主流かな。
 ベース音源としてはなかなかしっかりしていて、以前は文句書いたけど、結構気に入っています。外部のモジュラーとも連携できて、フィルターを外部から制御できますからね。

 TD-3はスイッチだから自分で交換できる可能性があるが、MIDI-CVは完全に電子部品がイカれている。修理しても今後うまく作動し続けるか不明。最悪異常な電流電圧出して他の高価なモジュールを道連れにされたら、目も当てられない。嗚呼引退決定。

 まあ経年変化や故障っていうのは、楽器である証拠でもあると思います。こんなの例えばギターなら当たり前ですからね。ソフトシンセばかり使いすぎて、ちょっと基本的なところを忘れていたかもしれない。

ベリンガーのmoogサウンド

 ドイツのベリンガーといえば、品質イマイチだけど価格はお手頃……みたいなメーカーとして業界では永らく知られてきました。ところがアナログシンセのブームに乗って、名機のリイッシューやらオリジナル製品を出すようになって、評価は一変、高品質プロダクトも出せる会社として大いに名を上げています。(むろん、今でも早い・安い・旨い系の製品も作っている)

 自分が使っているモジュラーシンセのSystem100シリーズも、無論80年代にRolandが出していたSystem100mのリイッシューです。入手不可の部品があったり、ユーロラック向けに機能を追加していたりで、完全なデッドコピーではありません。こうなると当時の音を再現するのはかなり難しいと思うけど、この製品は見事にやりきっていますね。
 自分は、80年代のオリジナルの100mの実機に触れたこともあるし、使われている曲も知っているので、一応当時の音は知っているつもり。本物の音は、ベリンガーのよりもっと荒々しかったと思うけど、ベリのは現代的にキレイにまとめている感じ。決して別物とは感じられないから、非常にうまく作り上げていると思います。
 このあたり、導入前にYoutubeで海外勢の動画を色々見てみたが、やっぱり多くのユーザーは同じ意見でした。彼らが実際に曲を演奏させている動画を見て、こりゃイケると判断したわけです。
 で、ベリンガーすごい!ってなったわけです、ここまでは……(w)。

 ベリは、同じようにユーロラック規格でモジュラーシンセの決定版、moog system55のリイッシューも作っているんですね。通称タンス、フルセットでは巨大な壁のようになってしまいますが、これはユーロラックなので、実はかなりコンパクトになっています。とはいえフルで揃えるとかなり壮観で映えます。ところが……。

 結論をいうと、これ結構moogと音が違う。
 ベリの公式動画を見ると、ちょっとイケてるベリのおじさんがモジュールを紹介していますが、音を出した時に、「あれ、なんか違うな」って顔してる(笑)。結構正直なんですね。どうかな、他人の空似、みたいな音じゃないかなコレ。moogというよりgoomみたいな感じ。
 なんか違うよな、と思いつつユーザーの動画を色々見てみたが、やはり皆微妙な空気。面白いですね、system100のやつはほぼ絶賛なのに、sytem55はやはりリイッシューとして出来が悪いんじゃないかろうか。
 実はmoog自身がsytem55はフルサイズで何度かリイッシューを出していますが、海外勢で本物とベリのやつを並べて、音を比較している動画までありました。これは意地悪だ(w)。当然、誰が聞いても違うよね……ってなります。なんか惜しいんだけどな……。

 リイッシュー品なら当時と必ず同じ音、とは限らないという話でした。特にmoogは有名メーカーで、みんな音を知っているし、評価は厳しくなります。