月: 2024年2月

MIDIのI/O複線化

 弊社制作環境の話なので、どこまで他の方の参考になるかわかりませんが、一応記録も兼ねて書いてみます。

 これまでは、USB-MIDIがブルースクリーンを出すこともあったので、それらは全部外して、Babyface ProFSのDIN-MIDIで全てのハード音源をドライブしてました。
 ただこれだと、MIDIチャンネルが被ったりしてさすがに不便なので、恐る恐るUSB-MIDIを復活させてみた。
 一番問題なさそうだった、Roland TR-8をUSB MIDIでドライブすることにして、ここからDINのMIDI OUTで繋いで、Mother-32とモジュラーシンセSytem100をディジーチェーンで繋ぐ。

 そしてBabyfaceのMIDIは、Roland FA-06専用とした。

 これで数日様子を見ているが、以前のようにブルースクリーンが出ることもない。PCに繋いでるUSB機器を減らしたのが功を奏したかもしれない。

 また意外な嬉しい副作用として、アナログシンセ類のMIDI制御で反応が明らかに良くなった。遅延が結構出ていたんですね、DIN MIDIはレガシーでシリアル通信だから。

 ただ、少しまだTR-8からのMIDI OUTで、信号が出ないことがある。仕様なのか相性なのかわからない。このあたりは運用で逃げるしかない。

 弊社程度の規模のハード音源の数でも、制作に組み込もうとすると苦労しているんだから、昔のハード全盛の頃は、随分トラブルも多かったのでしょうね。

 仕様上繋がる、って話と、実際に繋がってトラブルがない、って話は全然別だもんね。

 ハード音源の音は、やっぱりソフト音源とは質感が全然違う。具体的には録り音に迫力と存在感がある。それで最近はかなりシンセパートはハードで賄うようにしています。

デジタル未開都市?

 今は日本の多くの都市で、コンビニで住民票・印鑑証明・戸籍が取れるようになってますね。ところが名古屋は例外で、なんと政令指定都市で唯一の未対応、お寒い限りの状況。

 なんでいつまで経っても始まる気配がないのかと思ったら、河村市長がマイナカード反対で、待ったを掛けていたらしい。一貫してるといえばそうだが、さすがにこれは大失態だろう。(あと、住民票は昼間に奥さんが取ってくれば良い、みたいな時代錯誤発言をしていたが、これもマイナス)

 それで来年度からようやく調査費が付くんだと。早くて2年後開始……。信じられないこのデジタル未開都市ぶり。勘弁してほしいものですわ。

(一応ローカルのデジタル商品券はアプリで配っていたことがあったから、ITが憎いわけではないらしい)

サブスク配信屋も戦国期に突入か?

 ウチは楽曲配信にnarasuという配信ディストリビューターを使っていますが、先頃ここから価格改定のお知らせメールが来た。
 このnarasuですが、一定額の月額料金を払うと、払っている期間は何曲でも追加料金なしで配信できるというサービス形態です(つまりこれもサブスク)。その代わり払うのを一度でも止めると、全ての曲の配信が止まります。
(TuneCoreだと1曲1551円で1年間、という形態ですね)

 で、このご時勢だから、てっきり値上げなんだろうな……と思ったら、なんと大幅値下げ(w)。月額660円が110円に。正直こんな料金で会社が存続できるのかと心配になります。
 一応、配信サイト側から払われる利益の10%を手数料として取られますが……。

 ただ、ディストリビューターも乱立気味で、従来もFrekulやBIG UP!フリーは無料だったし(ただし支払手数料30-40%)、最近はEgg Plus(旧タワークラウド)のように無料で手数料20%という好条件のところも出てきました。
 なので、ディストリ屋さんも激しい競争の時代に入ったのかもしれません。

 そもそもサブスク配信サイト自体が、Spotifyのように支払条件改悪のところも出てきているので、たぶん利益が上がらず苦しいのだと思います。そりゃそうだよね、音楽を激安叩き売りにしてるんだから利幅は小さいはず。膨大なサーバー群と回線の確保・管理に費用もかさんでるんでしょう(外注するにしても)。なのに新規参入組も後を絶たない。
 今後、中小のサイトでサービス終了というところも出てくるかもしれません。結局アップルやアマゾンのような最大手が強い。

(思い出したが、そのAmazon Musicも近頃支払利益大幅切り下げ。やはりどこも苦しいのだろう)

声:音読さん

スマホ&サブスクが音楽に与えた影響

 今のデジタルデバイスの主流はスマホだから、やはり音楽はスマホで一番聞かれているんだろうか。…そうだろうね。
 サブスクのデジタル決済とも相性がいいし、音質的にもmp3で充分なのでデータが軽く、配信事業者側も扱いが楽。なんだかデフレ・スパイラルな話。

 世界がインフレになっているとの連動して、再び音楽再生周りの仕組みがハイクオリティ化しないかと自分は思ってる。スマホ+サブスクという組み合わせは音楽的にはほぼ最悪で、出だし勝負のボーカル音量極大、ぺたんこダイナミクス、アレンジの薄いハンコ曲ばかりが量産される結果になってる。イントロで飛ばされることを怖れるのと、低品質の再生環境を考えれば必然的にそうなりますね。

 そりゃラップが売れるわけだよね、要はアーティストの「語り」さえ聞こえればいいんだから。あとは体のいい単なる伴奏。
 そろそろこの仕組みについても、何らかのブレイクスルーが起きて欲しい気がしてる。


声:音読さん

レシートのインボイス対応

 確定申告の作業をしていて気付いたが、去年の10月から、小売店で渡されたレシートもインボイス対応になっていたんですね。適格領収書という形態になっており、インボイス事業者番号がレシートに入ってる。
 たぶん全国規模のチェーン店等でこれをやるのは、動作確認を含め大変な作業だったでしょう。そもそも、既に軽減税率の時にかなりのシステム変更が必要だったと思うが。

 なんだかお上の都合で現場は振り回されてばかりだなあ、日本のデジタル化は効率化とは違う方向に進んでいる。役人は効率化・シンプル化を怖れていますからね。自分たちの仕事がなくなると思っているから。これは彼らのDNAがさせる業で、結局は業務を複雑にして権限や人員を増やしたいんだから。デジタル・ガラパゴスは今後も深化しそう。