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スラップベース音源の暴発

 スラップベース、自分の世代だとチョッパーベースって言っていたけど、いつの間にかスラップという名になったんですね。これはエレキベースの弦を叩く・はじくなどしてパーカッションのような強烈なアタックをつける奏法で、名前は知らなくても音を聞けば誰でもすぐわかると思います。ちなみに超カッコイイ音です、フュージョンで多用される奏法でもある。
(この奏法の登場で、ベーシストがソリストとしてスポットライトを浴びる機会が格段に増えた)

 そのスラップですが、当然サンプリング音源でもそれを再現したものがありまして、先日それを使って曲を書いていたんですよ。今の音源は、何度も書くけど本当に優秀で、まあミックス前でも実際の演奏と聞き分けは非常に難しい。ミックスしちゃうと、ちゃんと打ち込めばほぼリアル演奏との区別は無理、と思われます。
 ところが、その優秀な音源が、曲の特定の箇所で暴発のような状態になるわけです。意図してないのに「バイーン!」と爆発音のような感じになる。おっかしいなあ、さすがにスラップだからサンプルが均一じゃないのかなあ、とか、ベロシティを下げても同じだし、奇妙でした。それも曲の最初から再生するとそうなるが、途中からだとならない。「???」となりつつも、しばらく放置していたのですが。

 ある時、ミキサーに刺さってたコンプのプラグインを見つけました……ははぁこれかと、いやもっと早く気付けよと。オフにしたら音圧は下がったが、非常に安定した音になりました。犯人こいつでした、って随分杜撰な捜査だなこれ(笑)。
 有名ハードコンプをモデリングしたやつだったので、非常に正直に挙動を再現していたんですね。途中からと最初からで挙動が違ったのもそのせい。
 ただ音質や音圧感は自体は非常に良かったので、解決策としては、こいつのあとにもう1個コンプを挿して更にダイナミクスを潰しました。これで「バイーン」現象も解消して安定した音になりました。

 やはりスラップベースのような、アタックが非常に強い癖のある楽器の処理には、念入りなダイナミクス管理が必要なのかと痛感。昔も使ったけどその時はどうしてたっけか。
 あんまり潰すと音がペタペタになって、スラップベースがスクラップになっちゃう。オヤジギャグが出たところでまた今度。

ストリングス問題

 本物のストリングスなのに、なぜか打ち込みに聞こえてしまうという問題。自分には結構前からあるんですね。TVやYoutubeなどでオーケストラの弦やスタジオ弦が映っているのに、なぜか打ち込み(サンプリング音源)に聞こえてしまうというアレです。
 最近耳が良くなったからなのか? はたまた? とりあえず昔、音楽マニアだった時代にはそんな現象はなかったのですが。
 なんでこんなことが起こるのか、ちょっと考えてみました。

 まず前提として、打ち込みのストリングスの音を知っていないと、こんなことは感じない、というのがあります。なので音楽制作をしている人間特有の問題なのかもしれません。

 「ストリングス音源」の音というのは、もちろん音源作製の段階で音質的にも音程的にもかなり処理されているので、かなり整った音ということになります。ここが乱れていたら音源として売り物にならないので。(逆に、フリー音源や超安価なスケッチ音源などでは、かなりおろそかにされている。最も手間もお金もかかる部分)
 またレガート等各種奏法も網羅しているので、これらを自然に組み入れるソフトウェア・エンジンも完備し、それで全体として非常に美しいストリングス・サウンドを実現しているわけです。今の主要音源は全部そう。
(とはいえ、いわゆるシンセストリングスではないので、生サンプリング特有の微細な「乱れ」はある。そこがリアルさに繋がる)

 問題は、本物のストリングスがなぜ音源のように聞こえてしまうのか。今回考えてみて思い至ったのですが、それはつまり生ストリングスがずばり音源並の精度の演奏に近づいている、もうそのものになっている、ということではないかと。つまり、奏者の方々が非常に正確な演奏をするようになった、ということ。これしか考えられないですからね。もちろんトップレベルのプロ限定ですが。

 思い起こしてみれば昔の弦は、大抵は今のように正確無比な演奏ではなかったのです。ピッチが悪かったり、リズムが乱れていたり、それが普通にプロのスタジオ演奏でもあった。また音質的なところでも、いまのような超ハイファイ録音というわけでもないから、それが生々しいリアリティに繋がっていた。
 今は演奏正確だわ録音は完璧だわで、皮肉なもので(?)音源に近づいてしまっている、ということではないでしょうか。それで生なのに音源に聞こえてしまうわけです。

(商用音楽でサンプリング音源が全盛になった時点で、大半のスタジオ弦奏者は職を失いました。今残っている弦の皆さんは、音源以上のクオリティで演奏できる人ばかり、ということに当然なります)

 こう考えるとかなり面白いところです。ここで制作屋としては、逆に音源を生々しく聞かせるにはどうしたらいいか、という難題にもぶち当たるんだけど、このあたりの話はまた今度(w)。

ハープシコードの不思議

 先日書いた曲でハープシコード音源を使ったのですが、面白いことに気付いた。あの楽器というのは、ピアノの前に発明された鍵盤楽器なので(バロック時代)、鍵盤をどんな風に弾いても、音の強弱がつかないのですね。つまりずっと同じ大きさの音。
 で、まあサンプリング音源の方も、ちゃんとそのあたりを再現していて。鍵盤を弾く強さは全く関係なく音が出ます。
 クラシックのバロック系の曲ならそれで良いのですが(インストとか)、今回は歌物だったので、このベロシティ固定はどうか、とふと思いました。やっぱり歌物なら鍵盤楽器は強弱付けたいし。

 で、音源をよく見ると、これが手回しよくベロシティ(強弱)付きのパッチも入ってました。ベロシコード、とかなんという無様な名前(w)。これは、と早速使ってみたのですが。
 結果……大失敗(笑)。あのきらびやかな音で、ベロシティが付くと、とんでもなく奇妙な感じ。具体的には、音だけハープシコード似の超ヘンテコ楽器。すぐに元のパッチに戻したよ。

 だから、人間の耳ってのは本当に優秀で、ハープシコードは強弱固定、というところまで含めて認識してるんですね。自分なんかはクラシックをそれほど聞いているわけじゃないが、明白。
 楽器というのは、制限があるからこそ楽器、そこまで含めて楽器なんですね、特に世界に広まっているものは全部そう。
 だからまたまた、今のサンプル音源は本当に優秀だなあ、と思ってしまった次第。

(正確にいうと音を大きくする方法はあって、それは打鍵に対してスイッチでオクターブ上や下の弦を重ねるって方法。オルガンと同じで8’に16’とか4’を足すってことらしいです←ボヤッとしてるな、おいw)

●おまけ

 この数日、アーティストさんのYoutubeライブやインスタライブを拝見。インスタは最初PCでライブ見られないのを知らなくて、見逃してストーリー?(録画)になってしまった。恐れ多い話ですが、生放送は人となりが見られて身近に感じられて良いっすね。でも見てる時間捻出するのがもう今の時点で限界(w)。何はともあれ流石最前線にいる方々の生演奏は素晴らしいのひとことに尽きます。もちろん普通にYoutubeの演奏動画も拝見してます。こういうのもネット完結で見られる時代になったんですねー。

Eギターのミックスで気付いたこと

 といっても例によって打ち込みですが、エレキギターというものはアンプと組み合わさって初めて一個の「楽器」となるわけですね。正確にいうとアンプと(ペダル)エフェクターか。
 今の音楽制作だと、ご存知のない方は驚くと思いますが、ギター音源はギターのほぼ生音そのまんましか入ってない、それに本物と同じように、プラグインのエフェクターやアンプを繋げ、それをマイクで拾う、というところまでパソコン内でできてしまう。こうすると、打ち込みかリアルかの判別は非常に困難といっていい、ベタ打ちじゃない限り。特に歪ませてしまうとまあ判別不能。(それでも微妙なニュアンスや、音の揺れやノイズなどで、結局は本物が一番なのも事実)

 で、こうなると実際と同じように音作りをしなければならないわけで、リアルな分面倒といえば面倒(この分野にもプリセットはあるが)。
 今は打ち込みのことを書いたけど、別段アンプシミュレーターは本物のギターに使ってもいい。リアルタイムの音出しにも、録音にも使えます。というか、今の主流はこっちの用途の方が大きいのかな? エフェクターやアンプを持ち運ばなくてもノートパソコンがあればそれで済んでしまう(やや簡易版だがスマホ用もある)。

(ここからいきなり作曲勢にしかわからん話)
 で、最近少しづつアンプシミュをGuitar Rig5からAmplitube4にしてみてるんだけど、アンプリはリアルで確かに音がいいんだが、その分結局ミックスで苦労するんですわ。Guitar Rigは、作曲中に音を聞くとなんだか冴えない音抜け悪い感じなんだけど、ミックスするとかなりハマる。だから用途が違うのかもしれんね。アンプリはリアル用、ギタリグは打ち込み用の製品じゃないのかしらん。イタリアvsドイツで、音にもお国柄が出てる気がする。アンプリはスカっといい音だが暴れ馬、ギターリグは糞真面目なドイツ人のカチコチ感がある。
 それでも流石にギターリグは音をもう少し何とかして欲しいって思う時があるから、両者のちょうど中間くらいの製品があったら嬉しいんだが。Ver6に期待か。
(BIASもリアルな分、ミックスで苦労するのかな?)

 ちなみにWavesのアンプシミュは、なんだか無印駄アンプの音がして、それはそれで嫌いじゃない(w)。世の中ブランド製品じゃないのも欲しい時があるじゃないですか? 根無し草なのはイスラエルだからか。あとストンプは意外と出来がいいです、皆持ってると思うから一度試して下さい。(これもなんかのモデルって感じじゃないが)

 悩める秋の夜長に。

実機としてのキーボードシンセ

 最近、曲を書いていて気付いたこと。ハモンドオルガンをバッキングに使おうとして音源を色々試していたのですが、NIのKompleteに入っているVintage Organs、あの中のパッチを色々試してみたがどうもしっくりこない。(一見高品質で良さそうだが、こういうことが多い気がする)
 それで、目の前の高級MIDIキーボード(として使うことが多いw)FA-06もハード音源だったなあと思い出して、この中の「B3 Organ」を呼び出してみたら、まあ一発でハマりまして。
 たくさんパッチを用意しても使えない音色ばかりだったら無駄というか邪魔でしかないな、と、やはり70年代からオルガンやキーボードを作っているハードメーカーは、ソフト音源のデベロッパーとは積み重ねが全然違うし、ノウハウも段違いですわ。実戦的な音色ばかり揃ってる。
 これはあんまり書いている人がいないが、キーボード(シンセ)は「実機」なわけで、DAWからドライブしてもその音の説得力は歴然としてますね。オルガンとかエレピならソフトより絶対こちらの方がいいし、シンセでも歌物で使うような典型的な奴は、やはりハマることが多い。(まあこのあたりはソフトシンセもカバーできるやつはあるが)
 実機は、やっぱり音色や操作性がハードに合わせて練りこまれているわけで、実体のないソフト音源よりはるかに優位かと。弾いたそのまんまのフィーリングで打ち込みでも使えるわけで。

 だから、打ち込み制作の場合、音源のないMIDIキーボードで作業する人も多いが、できれば少し奮発してキーボードシンセを揃えた方が、あとあと幸せになれる気がする。(Roland FA-06の場合、フェンダーローズの音もかなり良いっす、FM系のエレピも入っているし。まあYAMAHAでもKorgでも好きなメーカーを選べばOK)
 これは一番手軽に揃えられる「実機」なので。

(さすがにギターやら弦やら菅やらは、もう容量無制限のソフト音源にハードは太刀打ちできないが)

 FA-06の場合、レスリースピーカー(回転スピーカーね、扇風機の前のワレワレハ~、の原理)もシュミレートしていて、ピッチベンダーを倒すと、回転数が上がってレスリー効果が出ます。これが、実機に即して徐々に上がっていくの、切ると徐々に下がる、リアルでかわいくて笑えました。まあライブで使うときはペダルにアサインするしかないんだろうな、両手塞がってるし。打ち込みは後からできるから関係ありませんが)

 ちなみ、ハモンドオルガンも元はトーンホイールという歯車が中でぐるぐる回って発音していたという、「電気」オルガンですからね(「電子」オルガンではない)。
 エレピもローズやヤマハCP-70は電気ピアノだし(ピックアップで弦の振動を拾う、エレキギターと同じ原理)
 こういうのは重いし高価だしメンテも大変だしで、ほぼ全て「電子」キーボードに駆逐されましたね。現代では、サンプリングから更に進んで、こういう物理的な機構をソフトでシュミレートするような方向に来ているのが面白い。ハモンドもかなり前に潰れて、日本の鈴木楽器(浜松)が買収して鈴木ハモンドとして、今は製品展開しています。
 伝統的な「電気」楽器も、消えることなく技術の発達により受け継がれていくわけです。

Kontaktトラブってるの巻

 ソフトのアップデートが来ても安定しているうちはなるべく適用しない。というのは長い経験からの鉄則でいつもは守っているのですが。

 ちょっとコンペが途切れたので、これを機会にkompleteバンドルの溜まっていたアップを消化してた。膨大な製品が含まれるバンドルですが、今は、Native Accessという専用アプリでインストールやアップデートが簡単にできるようになってる。

 起動すると、ずらっと製品一覧とアップ通知が出るんですが、このアプリがまず曲者。アップデートを個別選択すると、エラーが出て止まってしまう。個別にやりたかったら、1個終わったらまた1個、という面倒な手順になる。
 一括更新だと、なんせKomplete Ultimateは巨大バンドルだから、時間が掛かってたまらんという。

 で、まあその中の中心製品であるKontaktも随分アプデさぼってたんで(5.2とかじゃなかったかな?)、最新の5.7にアップしたんですよ。GUIも若干カッコよくなってて、サンプルの読み込みも高速化され、なかなかいいじゃないか?と思った矢先。

 サンプルを鳴らす度に盛大にブチブチノイズ出しやがる。
 その頻度、ほぼ2秒に1回(笑)。
 こりゃひでえと、色々ASIOの設定触ってみたり、256sampleから1024にすると5秒に1回位になるから、アプリが重くなったせいか?とか。しかしこんな設定使い物にならない。4コアCPU対応オプション出来たから、ここの設定切ったりとか。それでも改善しない。
 ウイルス検知ソフト止めて、ネット切って、リセットしても変わらず。

 万策尽きて、バージョンダウンするかと思ってやり方調べたら、古いバージョンのファイルもズラッとサイトに載せてるんですね、NIは。やっぱりこういうことがちょくちょくあるからだろうな。
 それで無事5.66を上書きインストールして、ブチブチノイズがパタッと出なくなりました。
 どうやら5.7はライブラリの追加に前述のNative Accessを使うよう改訂されてるから、ここでなんらかの悪さをしているらしい。(といっても、同じような症状出ている人はいないようなので、当方の環境のせいかもしれない)

 ASIOはYAMAHA/SteinburgのUR242についてたドライバなので、主にこいつとの相性か。こっちもこっちで、Win10環境で不具合が出るらしく、最近煩雑にアップデートしてる(汗)。

 いやはや、パソコン1台ちゃんと運用するのも大変ですわこれ。下手すりゃマイクロソフトのアップデートでパソコン止まるしなあ、インテルの例の超絶バグもあるし。どうなってるやら。

(実は年末くらいにNTTの光隼にして、これまたオーディオ再生でブチブチノイズが出るようになって、ようやくこいつを解消した矢先だった。原因は、なんと溜まったWindows Update。掛けたら止まりおった。どうもバックグランドの更新チェックが影響してるらしい?)

 あれだね、今音楽やりたい!って思って、DAW使うのももう必須だから、勉強し始めた人なんか、地獄を味わうんじゃなかろうか。オレみたいなIT屋でもウンザリするのに、いくらヤングメンがデジタル機器に慣れてるといっても、この面倒さは度を越している。いちばんいいのはDTMが趣味の友人を作ることだろうなあ……。
 ただ、DAWがあれば事実上自分のスタジオと腕のいいミュージシャン(バンドからオケまで)雇えるのと同じだから、そこは便利になったとはいえるけど。

 ただ便利になった分、自分で全部やらないといけない時代になっているので、もうコマネズミのように働かなくてはいけないのです。
 今音楽をやりたかったら、パソコンオタクになることは必須条件です。楽器できるとかよりも重要度は上じゃなかろうか(w)。

 激変してるんですよ、音楽制作も。

(実際、DAWと音源を自在に扱えるようになるには、楽器をひとつマスターするのと同じくらいの時間と労力が掛かると思う。逆に現代の音楽制作者にとって、DAWは楽器、という考え方もできます)

ギター音源「Scarbee Funk Guitarist」の謎

 また出た「謎」シリーズ。(違うか)

 Native Instruments の Kompleteバンドルに入っている表記のギター音源。単品でも売ってるが、ほとんどの人がバンドルで入っているから、ちょっと使ってみる、って感じではなかろうか(サンプル数:オレ1名)。
 ひとことで言うと、キメキメのカッティングギター(ストラト)をフレーズ単位で作れる、なかなか便利なヤツである。便利ではあるが、少し扱いが厄介なので、やっぱりほとんどの人が「面倒くせえなぁ~」と思って、そのままそっ閉じで終わるのではないだろうか(w)。
 デフォルトのカッティングパターンが「’70 Disco Party」だったりするので、そういう感じの曲に合う、そういうパターンが多く入っている音源だと思われている。ところがどっこい、違うのも沢山あって普通のPOPSにもちゃんと使える。
 プリセットだけじゃなく、自分でも自由にパターン組めるからね。コードもこれでもか!って位たくさん入っていて、自由度が高い。その関係で操作が少しややこしい。

 こいつが癖があると思うのは、例えばDisco Partyのプリセットをロードすると、デフォルトで一緒にサンプリングのコード一式までロードされちゃう。これが結構重いから、SSDならともかくHDDだと待たされて、極めてうっとうしい。切り替える度にこれだから、皆「こりゃ使えないわ」と思って、放り出すんじゃないだろうか。

 実は、パターンとコードセットは別々にロードできるからね。ちょっとタブをクリックするだけです。こうするだけでパターンを切り替えながらのブラウズが極めて楽になる。放り出した方は、一度試してみてください。

 たぶんScarbeeは、Disco Partyならどうせこんなコード使うだろ?そしてお前らはパターン聞きながら曲書くんだろ?……と思ってこんな仕様にしたんではなかろうか。自分のような曲の書き方だと、極めて余計なお世話である。w 全部コード入れ直しだから。
 これを避けるTIPSも持っているが、まあ詳しい使い方は Youtube で 親切なSLEEP FREAKSさんの解説ビデオでも見て下さい(笑)。
(なに?教えろって? コード選択画面でA/B/CってあるボタンのBとかを押すだけですわこれで真っ新な鍵盤にコードを割り当てていける)

 例によって、ここまで前置きで、今回の本題はこれからです。
 下の画面を見て下さい。これがFunk Guitaristのコード選択画面です。
 ほんと、よくこれだけ集めたな、ってくらい様々ポジションとボイシングのコードが並んでますね。これはDbメジャー(トライアド)を選んだところ。
 しかし……よーく見て下さい。右の選択画面でなんか足りないコードがありませんか?

 そう…作曲勢の方はもうわかりましたね。
「Augment(オーギュメント)」がない!(ドドーン)
 …おい、嘘だろ(笑)。先月これに気付いて(遅いわ)、ほんとパソコンのディスプレイを穴があくほど凝視したわ。見落としじゃないかと10分くらい。いやー驚いた。念のため、コラ画像じゃないからね!

 オーギュメント、日本語だと増三和音というやつです。増毛とはたぶん関係ありません。増えるのは5thの音の高さ。
 例を挙げれば、ド・ミ・ソのソの音を半音上げてソ#にします。ド・ミ・ソ#です。かなり不安定な、不安感のある響きのコードです。クラシック方面では不協和音といわれます。
 ところがこれ、現代のポップスではよく使うコードなんですね。例えば「ゆず」の曲なんかにもちょくちょく出てきます。
 いかんよね、ゆずみたいな曲書きたい時に困るじゃん、これじゃ。

 なんとか回避策はないかと、最初は考えました。作曲の世界には代理コードという考え方があって、様々な理由から本来のコードと同じような響きを持つコードを使うことがあります。一番簡単な例はハ長調における、Cの代わりにEmとかAmとか。構成音が共通してますからね。違う調から持ってくることもあります(だんだんオシャレ度が増しますが、使い方にセンスがいるようになってくる)。

 しかし!オーギュメントの代理はオーギュメントしかない(ババーン)。
 特殊コード故の特殊事情。
 なんとかギター独自のボイシングで逃げられないかと思ったんですが、無理でした。そんなことを考えないといけない時点でギター音源失格です。

 おいおい、まいったな。
 なんでオーギュ(略)がない?
 そこで、Scarbeeのサイトでサポート宛に英語で質問を投げてみました。
「ワタシ、ニホンジン。ふぁんくぎたニAugガナイ。リユウオシエロ」
 嘘です、ちゃんと書きました。送った直後に、「おれたちはKomplete方面のサポートはしないぜ。それはNIに聞けや」って注意書きを見つけました。
 仕方ないなあ。今度はNIに同じ質問を投げてみました。なんと、ドイツNI社は日本法人があって、日本語で質問できるんです。Komplete売れまくっているからな。

 質問したら次の日に回答来たよ。
 ・当該製品にAugはありません。
 ・将来、サポートされる予定もありません
 ・コードごとにサンプリングしている製品なので、自分でAugを作ることもできません
 とのこと。嗚呼、やっぱり。こっちの見落としじゃないんだ。バグでもない…

 OMG、万事休す。
 なんでかなあ。Augはギターだと響きが悪いってこと?(しかも変な押さえ方になりがち) しかしオクターブやパワーコードまでサポートしておいてこれはおかしい。
 なんとなく、だけど、単に「忘れてた」んじゃないだろうか(w)。向こうのブラザーやアニキは、クールに見えて肝心のところで頭がファンキーだったりするからなあ(汗)。たぶん数限りなく指摘が行っていると思うけど、最初に聞いたときは、”Dove face under beans attack”、つまり「鳩が豆鉄砲を食らった顔」をしたと思うね。

 Funk Guitaristって意外と使えるよ、って意図で書きだした記事なのに、なんだか致命的な欠陥を指摘する結果になってしまった(笑)。
 あ、自分は、曲にAugが出てきたときは、とりあえず前回は主音をオクターブで弾くことで逃げました。CaugならCのオクターブ指定。もうコードじゃないんだけど、幸いというか他のパートが盛り上がっていると、ほぼわかりません。ある意味リズム主体の音源なので。コード感がいきなり薄くなるのは隠しようがないがw
 次はせめて主音と5th#の音くらいは、もうひとつ楽器をロードして鳴らすべきだな。これでもギターのボイシング的にはもう無茶苦茶です。
 あとは和音の構成音さえ弄れるメロダイン上位版(魔法の音程修正ソフト)を使って強制的に書き換えるしかないわ。あれも音質は良くないらしいが…。

 Funk Guitaristって検索しても日本語のブログとかほとんど見つからないからね。ほんとユーザーがいないんだろうな。
 ただ今回、英語で検索してみたら、以下のNIのフォーラムが見つかった。

https://www.native-instruments.com/forum/threads/scarbee-funk-guitarist-has-no-augmented-chords.322730/

 ここでやっぱり、なんでこの製品はaugがないんだ、って質問した人いて、んだんだ困ったもんだ、的展開になってる。海外でもみんな参ってるみたいだ。
 で、やっぱり解決策は、上に書いたような感じで締められています。

 ねえSCARBEEさんよ、忘れたんだろ? YOU、白状しちゃいなよ。
 Kompleteに入るような海外の有名音源でも、意外と穴がある!という話でした。まあほんとのとこ、これ位ならまだマシで、この前見つけた別の音源のやつは目が飛び出るほど酷かった。これはまたいつか。