月: 2018年10月

スマホ新調

 ちょっと前、スマホを新調したんだが、流石に4年位使ったあとだったから、その速さにウヘッとなった。というより、こんなに遅いスマホを使っていたのかと、ちょっとやるせない軽おこでしたわ。
 なんせ、WiFiモバイルルーターをリモート起動して、リンクして、サイトにログインしてメール読む、という一連の作業完了まで、マジ5分掛かることもザラ(笑)。回線が混んでいる時間だと本当にそれくらい。とにかくワンステップ毎の動作が激遅なので。

 この頃WiFiも遅くなったなあ、と思っていたが、新スマホだとほぼ一瞬でした。たかがメールチェックだけでもどれだけ時間を無駄にしてたんだ、って話。デジタル機器は適当なところで更新していかないと痛い目に遭うね。

 まあ新調理由も、アンドロイド4.2だったから、そろそろ非対応サイトが増えてきたからなんだが。4万くらいの国産スマホから2万の中華製だけど、体感速度は軽く10~20倍以上。
 この世界の進歩は怖ろしいもんですなあ。というかこの分野でも日本の存在感は日々薄くなるばかりw 安くて高性能の電子機器を供給しているのは、いまや完全に中華勢だもんね。日本のハイテク神話なんてとっくに終ってますわい。

 で、データの整理や移行してたんだけど、自分はメロが浮かんだらスマホに録音してるので(これは多くのアーティストさんもやられている方法のようですね)、溜まりに溜まったその曲の断片の整理。ほぼ2/3くらいは、イマイチだったり、既存の曲に似てたりで削除。その時はいい!と思っても、後で聞き返すとう~んってことも多い。まあ気軽に音メモできるので、スマホは便利。
 こういうものがない時代は、携帯型のテープレコーダーを持ち歩いていた方もいたらしい。それがマイクロカセットレコになり、メモリレコになり、今やそれも不要になったということ。どんどん文明は進歩してますな~。

 そういえば最近、宅配の受け取りなんかで、ハンコの代わりにタブレットに指でサインを求められて驚いたけど、世間もデジタル機器で変わっていきますわ。グズグズしていると自分みたいなおじさんは置いてかれますなあ、ははは。
 しかしこの指でのサイン、時間が掛かって実は却って面倒だった。ハンコは一瞬で済むからそこは便利よ。

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ブライアン・メイがはやぶさに乗っかってた!

 伝説のロックバンド・QUEENのギタリスト、ブライアン・メイが、日本が誇る探査機「はやぶさ2」に乗っかって、小惑星「リュウグウ」に到着した!

 ……という話ではありません、残念ながら(この今更な無理やり感)。

 ブライアン・メイが、はやぶさの撮ったリュウグウの写真2枚を使い、3D画像を作って、ビデオメッセージと共に日本のJAXAへ送ってきたらしいです。そういう意味での乗っかりです。
 ただ意外にもこれは事実(笑)。

 何やってんすか、ブライアン。と思ったが、以下の記事をみると、以前から「はやぶさ」の活動に関心があったらしい。

https://mainichi.jp/articles/20180628/k00/00m/040/044000c?mb=ys

 なんと記事中に「天文学者でもある」と書いてある!
 もしかしてQUEENの解散後、学問の道に進んだのかな? ドゥービー・ブラザーズのギタリストのジェフ・バクスターの例もあるし……と思ってWikipediaを見たら、なんと、もともと宇宙物理学を大学院で学んだエリートだったんですね。QUEENが軌道に乗るまでは、中学で音楽講師をしていたそう。その後バンドが爆発的人気を得て、学問も中断。
 QUEEN解散後、2007年研究生活に戻り、論文を完成させ、博士号を取得。正式に宇宙物理学者(天文)となる。

 ……人は見かけによらないなあ(笑)。70年代の映像を見ると、もうギタリストのカッコ良さをすべて備えた、DQNじゃないカッケエ不良そのものですからね。「ロック」そのものを作り、体現したバンドのひとつ、そこのギタリストなんで、もう色んな意味で現人神。

 現在は、小惑星の地球衝突を避ける活動に熱心とのこと、今回は欧州宇宙機関の探査ロボットもはやぶさは積んでいたので(投下成功)、それもあってのことでしょうか。
 非常に面白いところです。無論JAXAは宣伝になるし大歓迎。

 しかし、こんな堅い世界でも活躍していたとは。あのロックミュージシャンそのものの容姿で、学会で発表したりするんでしょうか? メガネ掛けてスーツ姿で「Ladies and gentlemen」なんて言っていたらムチャクチャ面白いなあ(←怒られるわw)。

 この人は作曲家でもあり、QUEENの名曲の数々を書いているんですね。フレディ・マーキュリーも作曲していたので、このバンドは強力なソングライターが二人いたことになります。

 あとあっしの食いつきポイントとしては、ブライアンはアコーディオンも弾くんだそうで(!)。
 ほらほら、欧米でセンスのいい人はみんなアコーディオンを取り入れていたりするんだよ。ボズ・スギャグスに続いてキーマン中のキーマンだもんなぁ。
(もしかして、QUEENの曲でも使われていたりするのか?いつか調査してみたい)

 
 以下、JAXA公式の記事です。1970年代、ティーンエイジャーの頃QUEENのヒット曲の数々をリアルタイムで聞いていた人間からすると、なんだか感動モノだな。世界にインターネットがあって良かったね。

ブライアン・メイさんによる小惑星リュウグウのステレオ視画像
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180704je/index.html

(追記・写真で対談してるフランスの天文学者の人、明らかにビビってますやん)

ヤマハから届いた怪しい小包?

 そういえば、しばらく前ヤマハから怪しい小包が届いていたのを思い出した。こんなやつです。


 ね、確かにヤマハでしょ?
 何か通販で注文してたっけかなあ? 記憶がない。
 もしかして、無意識のうちにオーディオI/Fでも買ってたりして(おいおい)。
 そこで、開けてみると……

 
 

 ジャジャーン! レトルトカレーとドレッシングの詰め合わせでした。

 実はこれ、株主優待のギフト。
 ……この小芝居、思ってたより疲れた(笑)。
 

 この前の投稿の関連だけど、株主に優待をくれる企業もあって、ヤマハもそんな会社のひとつ(配当のところもあり、業績や企業の方針によって、そのあたり様々)。

 で、なぜかヤマハの場合はカレーセットなんですね。まあカレーなら日本人ならほとんどの人が好きだもんね。
 ヤマハの音楽関連製品で使えるギフトカードもあり、どちらか選べる。両方とも1500円分。1500円じゃ貰っても仕方ないんで、今回はカレーにした。

 このカレー、ヤマハリゾートが運営する葛城ゴルフクラブのレストランで出しているヤツなんだと。1箱650円だって、そんな高いレトルト買ったことねーわw
 これが2箱と、謎のニンジンドレッシングの詰め合わせ。
 言われてみれば、なんとなくゴルフコンペの参加賞の雰囲気も出てる。

 ヤマハはカレーまで作っているのか、とあきれた次第。まあさすがにこれは業者が納入してるんでしょうが……。
 100株だとこの内容で、株数が増えるとカレーセットの中身が増えますw

 今更ですが、ヤマハという企業は、楽器ならそれこそ欧米のコンサートホールにも置かれるような最高級グランドピアノから、家庭用のアップライトまで、バイオリンを始め弦楽器一式、生ギターはクラシックにフォークに、エレキギターも豊富にラインナップ……と、書いていけばキリのない位たくさんの楽器を作ってる。もちろん管楽器も打楽器もほんと全部網羅してる。

 電子楽器もご存知のように凄いですよね、シンセもフラグシップから家庭用、ホームキーボード……。いまは撤退したけどドラムマシンやハードシーケンサーを作っていた時期あるし。
 エレクトーンは登録商標だし(さすがに最近下火か?)。

 まさに作っていない楽器はない、という位の充実ぶりです。
 こんなメーカー、世界のどこを探してもないハズです。生楽器系だけでも凄いのに、電子楽器のほうもやってるんだから、ほんとクレイジー。欧米人もかなり驚いてるだろうな。

 ソフトウェアもスタインバーグを買収したし、ボーカロイド製品も基幹部分はヤマハの技術だし。
 まさに楽器界の巨人、音楽世界のガリバー企業と申せましょう。
 こんなメーカーが国内にあるってことは、自分もだけど音楽やっている人には本当に心強く幸運な話。

(オーディオ製品、ネットワーク関連機器と、他にもいろいろ。分社化してるけど、ヤマハ発動機はバイクにボートの船外機……と、これまた範囲が広がる)

 ヤマハの本拠地は浜松で、これは中部圏の物づくりの伝統が生きている証拠。なぜかローランドも大阪からあの近辺に移ってるんですよね。河合楽器も浜松だから、あの辺りは楽器の開発・生産がやりやすい体制が整っているんだろうな(関連・下請けが豊富)。
 意外と気づかれてないけど、浜松は楽器メーカーのメッカなのです。

 ま、日本という国は、そのヤマハにカワイにローランドにコルグに、カシオまで入れたら5強っすか。世界市場で巨大な存在感がある楽器メーカーが揃っているわけですよ。
 実は、凄い国なんだよね。その割りには音楽そのものの存在感はちとショボイのは事実。もっと色々と変な音楽をみんなで作って行きましょう。そして世界の音楽野郎どもに吠え面をかかせるのです。いかがですか作曲勢の皆様。(←こういうのは、まず自分が出来なきゃ説得力ないなあw)

 ところで、優待でカレー貰うには3月31日を挟む一定期間、株を持っていればいいのです。すいませんヤマハさん、偶然その時期買ってたんだけど、すぐ売っちゃいました。だって株価が強すぎでヘッジファウンドか海外の仕手筋が遊んでいるようにしか見えないんだもん(笑)。連中は吊り上げるだけ吊り上げて、あとは一気に売り→株価急落っすから。

 貰ったカレーは近々おいしく頂きます。

世界同時株安来るか?

 結構前から、株は時々買っていて、まあ本格的に運用してる人からみたら完全な遊びだけど、それでも株やってると自然と世界経済の動きに敏感になって、なかなか勉強になって面白いです。

 で、とうとう来ましたね日経平均1000円安。安倍政権になって以来、日銀が年金資金ぶち込み株価ドーピングしてきて、そろそろ高値圏から暴落があるのでは?と、ちょくちょく言われていたので、来るものが来たかという感じ。アメリカの小学生・トランプが保護貿易「戦争」を続けているので、これはとりも直さず世界経済の縮小をもたらす行為なんで、あっちの金利も上がるし、どうやらこのまま坂道をまっしぐら、の線が濃厚。(などと言っていると逆に上がったりするんで相場は怖いんだがw)

 あっしもこの暴落で少しやられましたよ、手持ちのトヨタ株売って4万円の損。いいの、6月くらいにここで5万儲けたから、ここで損切りしても差し引き1万の利益。それよりこのまま下がっていったときが怖い、7000円くらいの株(100株で70万)だから、これがリーマンショックみたいのがきたら2000円とかになる。
 やけに売買のスケールが小さいって? そりゃあ100株しか買ってないからなあ(笑)。
 売買単位増やすと儲けも大きいが、当然損も大きくなる。自分みたいに冷やかしだったら、ちょこちょこ100株単位やってるのが一番安心・安全よ。
 株の秘訣は石橋を叩いて渡らない、これw 信用取引なんてもってのほか。ノーリターン樹海ツアーへの最短切符ですわ。

 で、まあぶっちゃけ、塩漬けの株があと2銘柄あるんだけど、こっちは合計で10万近く含み損があるので、意地でも売りません(笑)。3年でも5年でも回復するまでアホルダー(アホみたいに保持し続ける人)になってやる。こういうの、証券会社が一番いやがるよね。口座維持の手間ばかりかかって儲けが発生しないので。
 彼らは売買手数料で儲けてるんで、よく株は下がったらすぐ損切りしろ、なんてアドバイス記事を見かけるが、あれは全部提灯記事だと思っていい。不要不急のお金なら、塩漬けにしてもなんの問題もないものね。これが株の面白いところ、ギャンブルとは違います。
 この2銘柄、どっちも日本を代表するような大企業なんで、まあ潰れることもないから安心はしてる。

 実はヤマハにも今年は少しだけ儲けさせてもらいました。3万くらいかなあ? 去年あたりから3000円台からぐんぐん上がって、ほんと不気味なくらいの強さ。先日6000円まで行った(今は爆下げ中)。ヤマハは半導体やネットワーク接続機器(ルーター)もやっているので、そっちかと思ったら、どうやらド本業の楽器が好調とのこと。ウソだぁ、と思うでしょ?巷で楽器なんて売れてないものね。
 ところが、中国で今楽器がバカ売れらしいんですわ。ちょうど日本の高度成長期と同じですから、富裕層や中産階級がピアノをバンバン買ってるらしい。ヤマハはメンテ網もしっかりしてるから、欧米メーカーより安心でしょう。
 やっぱり日本は斜陽なんですねえw

 ローランド(非上場)が日本ではほぼ売れないようなVアコーディオン(シンセアコ)や電子カホンを作っているのも、もう欧米市場を主眼にしてるからなんでしょうね、哀しいけど。日本でVアコ使っているのはひと握りの先鋭的なアーティストさんだけですらい。

 実は電子アコ自体は、70年代にもトンボ楽器が作っていたらしい。少し前オークションにメンテ済のやつが出てた。
 また、イタリアでも同じ時期、向こうのメーカーが作っていたらしい、さすがアコーディオンの本場。

 今回もなんとか最後は強引に音楽の話に結びつけた(笑)。

素人庭師奮闘記~2018秋

 またもや、実家の放置庭から道路側に笹状の大束が飛び出してきてて、しばらく前から切らなきゃいけないなあ、と思ってた。かなり高い位置から出てるので、道路側からは切れずに(梯子かければ別だけど)、庭のほうから切らないといけないのだが、問題が。
 生えているところが、一番隅っこ、お隣りとの境界のところで、そこまで辿りつくには、ジャングル(庭)を分けて入っていかねばならない(笑)。

 もちろん小道はあるんだけど道路側ルートは背の高い雑草だらけ、家側ルートは木々が低く生い茂り、ツタやらなにやら垂れ下がってまさに川口探検隊か!みたいな様相。
 こう書くと大きな庭のようですが、実際は駐車場にして3~4台分くらいの面積です、しかし本当にぎっちり茂っているので、道の部分は昼でも暗いw

 道路に出てる植物は、放っておくと人や車に当たったり、電線に絡んだり大変なので、早めに始末しないといけません。
 そこで昨夜決死の覚悟で(←煽り過ぎ)、懐中電灯とノコギリを持って踏み込んだのですが、最深部に辿りついてみると、ジャングル故どれが問題の木かわからん。
 が、どうやら青竹がうじゃうじゃ生えている一角があり、こいつではないかとギーコギーコやってみた。
 (竹は意外とカンタンに切れる)
 1本倒して、ザザーッ。2本倒して、ザザザーッ……と、調子よく5本ほど切ってみると、やっぱり笹状の葉が茂ってたのは竹だと判明。
 苦労してすべて庭の中へ引き入れ、とりあえず処理は放置して外へ出て確認すると、飛び出していた笹束が半減。(「ドバッ」だったのか「デロン」に)

 やれやれ、続きは明日にするか、となっていたのでした。
 本当に、若竹のエネルギーはすさまじいよw おっさん庭師は圧倒されるばかりです。今後も見守っていきたい。

 ふらふらヨタヨタしながら、仕事と並行して音楽制作だけは欠かさず続ける毎日です(笑)。
(時々勘違いされるが、ワテは自営業や。ニートちゃいまっせ~)

アウトボードの話

 少し前の話ですが、アウトボードを導入したらミックスが良くなるんじゃないかと思い、物は試しと一度やってみることにしました。
 アウトボード、つまりスタジオなんかにあるハードのオーディオプロセッサの総称ですね。
 といっても、そんなに高額な物をポンと買えるわけでもなし、とにかく一度実験してみようと、目ぼしい製品を探していたら、ちょうどラックマウント型のステレオコンプレッサーが安く出ていました。
 具体的な値段は、恥ずかしいので書きません(笑)。そういう価格帯だと思って下さい。

 本体に多少傷はあるが完動品で、前オーナーは大事に使っていたらしい、これはいいと思って。特に80年代(の多分後期頃)の製品なので、もしかしたらこのコンプを通したら音が80年代になるのではないか?とホワンホワン(妄想)してまして、期待度マックスでオーディオI/Fに接続したわけですよ。

 DAWから出力した2mixの音を、I/Fから結線したコンプの入力に通し、アウトをまたI/Fに入れて、DAWで録音する、というルーティングです。デジタルで回っていた音がアナログ信号に変換され、コンプを通って、またデジタルに変換される流れ。アナログの歪みもいい感じに付加されるはず(きっと)。

 信号を出してみたところ、コンプのレベルインジケーターも点灯し、DAWにも信号が入ってきており、ちゃんと動いている模様。
 いよいよ、モニターヘッドフォン装着。これでミックスが終ったばかりの曲の2mixをプレイ! これ、どうなったと思いますか?

 「キャッ」ですよ「キャッ」。
 あまりの音の酷さにリアルに身をよじったね。
 いい歳したおっさんにこんな声出させるなよ(w)。

 いやー、この時の音の薄っぺらさ、ペタンコな感じといったら。驚くべきものでした。2mixの音って、もうあらゆる楽器の音やらボーカルやらすべて信号処理が終わって、膨大な情報量があるわけです、考えてみたら。この時点でかなり音が立体的になってますのでね。音の定位や奥行き感まで考えてミックダウンしてるので。
 それらの潤沢な情報が全部飛んで、ほんとペタンコ。3次元が2次元になってしまった感じ。ある意味凄い。

 それで思い出した、こんな感じの音、確かに80年代にあったっけ……CDが出た当初、SHARPあたりが低価格のCDラジカセを作ってたけど、あれと同じ音だわ、とw
 80年代っていっても、そっちじゃ困るなあ……。

 ということで、ショボーンとなりつつこのコンプは押入れ行きになったのでした。
 そもそも、この製品は元の価格からいっても、2mixの音圧上げとかではなく、ギターやキーボードのエフェクトボードに入れたりするやつだからなあ。こんな使い方をしちゃいかんでしょう(今更)。

 そして悟ったよ。こりゃ10万以下のアウトボードは問題外だ、ってね。
(もちろん、前述のエフェクトチェーン入れるやつでは、安くてもいい製品はあるが、あくまでミックス用製品の話)
 しかも高額なアウトボードはそれこそ精密機械なので、年中温湿度管理が必要でしょう。故障も心配だし(ほぼ修理不能と思われる)、経年劣化もする。こりゃ個人が手を出すのは得策じゃないってね。
 ある程度まではソフトのプラグインでやって、それ以上のクオリティを望むなら、スタジオに依頼した方が早いし確実っすわ(それなりにギャラは発生しますが)。

 インディーズで本格的にやっておられるアーティストさんも、やっぱり信頼できるミキサーとスタジオを幾つか知っていて、そこへ頼んでいる感じのようですね。宅録である程度やって、今はネットで送れる時代なので。

 よほど儲かって仕方がない作家さんならともかく(税金対策にもなるし)、流石に自分のような立場の人間が、アウトボードに手を出すのは無茶のようです。
(怖ろしいことに、本当にスタジオ級の機材を揃えている作家さんは、これまた結構いますが…w)

 また、今のプラグインは本当に優秀で、安いハードなんて全く不要なんですね。アナログ風味を出せるやつもたくさんあるので。
 色々わかって面白かった実験でした。

(あと、このレベルで機材を使いたいなら、もうケーブルも確実に音に影響しますわ。アナログルートを通るので)

リチャード・カーペンターと小林明子

 「リチャード・カーペンター」で検索していたら、意外なアルバムがヒット。小林明子の「City of Angels」が、なんとリチャードのプロデュースなんですね。1988年だから、カレンの死後5年。声が似ている(?)からとダメ元で依頼したら、デモが気に入ってもらえてOKが出た、とのこと。
 当時はバブル時代でもあり予算が今より潤沢だったのは確かですが、これは素晴らしい展開。

 間違いやすいけど、ダイヤル回して電話したのが小林明子(実はしてない)で、小さな家を建てた(建ててない)が小坂明子ですね。そもそもヤングメンは電話とダイヤルがもう結びつかないな……わからない人はお父さんお母さんに聞いてみようw

 早速入手して聞いてみましたが、良質なポップスに仕上がっていて、オプティミティックでとてもいいアルバムでした。半分くらいは英語詩の曲です。サウンドは80年代と70年代をミックスした感じで、さすがリチャードのプロデュース。あんまりAORな感じがしないのは、R&B色が薄いからかな?
 バックはカーペンターズの元レギュラーバンドで固め、アンサンブルは鉄壁です。鍵盤はもちろんリチャードで、バッキングコーラスとしても参加。作曲は小林さん自身、リチャード、海外の作曲家と様々で、アレンジはすべてリチャード。
 レコーディングはA&Mスタジオを始め米国数ヵ所で、ミックスダウンはA&Mスタジオで行われました。なんとも贅沢な企画だなあ。

 小林明子さんにとっても、このアルバムはもちろん非常に大切な1枚になったようで、このあと渡英して結婚し音楽活動を続けており、折に触れてカーペンターズの曲を取り上げているらしい、と今回知った(wikipedia情報)。

 このアルバムの中で日本語詩と英語詩が混じった曲が何曲かあり、日本語詞を書いたのは「Reiko Yukawa」……誰であろう、今日本の音楽業界でもっとも元気と噂される、湯川れい子先生ではないですか!w
 さすが、道理で詩が深いと思ったよ。

 実は、って知っている人は知っているんだろうけど、小林明子を世に知らしめた大ヒット曲「恋におちて」(ダイヤル回すやつね)も湯川先生の作詞なんですね。洋楽に精通してらっしゃるし、実際他に考えられない人選です。

 話をリチャードに戻すと、これまでも海外の著名プロデューサーに依頼した日本人アーティストがいましたが、往々にしてどこかツボがずれてて「ん?」てな出来上がりだったりして。でもリチャードはガチでした。全部ズバッとハマっていますね。やはりこの人は名プロデューサーだと思う。

 本当に日本と縁が深い人です。そもそもこれだけカーペンターズをちゃんと評価できるのは、日本の音楽ファンは誇っていい。それがしっかりリチャードにもわかっているんだろうなあ。

 リチャード・カーペンターの力量を再確認した2018年初秋でした。

(追記:小林明子さんは、シンガーソングライターであると同時にいわゆる作家でもあり、当時数々のアーティストに楽曲提供されていますね。不勉強で今回知りました)