月: 2019年12月

軽減税率の謎?

 今回はちょっと硬い話。

 消費税10%で景気減速が予想外の大きさとかで(まあ当たり前ですが)、同時に導入された軽減税率。これもまた持ち帰りとイートインで税率が違ったりして、客の側からヤヤコシイのはもちろん、店側も店員への周知や、レジ・帳簿システムの改修などで大変な手間と資金が掛かっています。食物を扱う全ての店に関わってくることだから、全国で一体どれだけの無駄なお金が使われたか。あまりの複雑さと帳簿付けの労力で、小さな店は畳んでしまうところも出ました。
 これは実は国が、もう零細小売店などやめてしまえ、と暗に締め付けているんですね。結局こんなところも大資本優遇、今の与党政権が続く限りずっとこの路線でしょう。軽減税率も、「庶民の声をきいて食品だけは8%にしました」という体だったのですが、蓋を開けてみればいつもの締め付け策だった、という訳。うまいこと官僚にやられてしまったのですね。(政治家は誰も気付いてなかったろうなあ…)

 もうひとつ、軽減税率と同時にそれはそれはヤバイ政策がほぼ誰も気付かないままスルリと導入されてしまいました。それはインボイス制度。軽減税率のため、レシートなどを見ると各品目ごとに税率8%か10%か明記されていると思いますが、簡単にいえばあれがインボイスです。税金誤魔化してないよ、ってことを示すための処置ですが、正式なインボイスは「消費税課税」事業者しか発行できなくなります。固有番号が付くのです。「消費税免税」事業者は番号がないのでこれが発行できない。

 免税業者は、年1000万円以下の売上の小規模事業者への特例措置でした。益税になると一部で批判されていたアレですね。といっても、商売すればすぐわかるけど売上1000万以下というのは本当に零細も零細、昔あった街角のタバコ屋みたいなのがせいぜいです。粗利20%計算なら年収200万だからね。
 だから、益税はその通りなんだけど、消費税導入で非常にややこしくなった確定申告や帳簿付けへのちょっとしたお詫び、みたいな意味は最初はあったらしい(擁護はしないが)。

 その益税も、さすがに10%ともなると放っておくわけにはいかなくなったのだろう、という説があり。(実際は、仕入れのときに小売店も問屋に消費税が払っているので、10%丸々懐に入るわけではない。差額ですね)

仕入れ 1000円 +消費税100円 (これは問屋に払ったお金)
小売り 1200円 +消費税120円 (お客さんから貰ったお金)

いわゆる「益税」は: 120-100円=20円
もし課税業者なら、この20円が国に払う「消費税納税額」になります。120円ではないわけ。

 それでお国は、免税業者を課税業者になるよう誘導するか、あるいはそれが無理ならこれまた廃業に追い込もう、という狙いの政策が、ずばりインボイス制度なんですわ。

 まあこれ以上やるとブログの趣旨から外れるので(笑)、あとは簡単に済ますけど、インボイスが発行できないと、今後はBtoB(業者対業者)なんかの商取引が非常に不利になります。消費税の申告計算時に、さっき言った「仕入れ時の消費税」が相殺できないので(10%なら10%丸々払う)。そんな取引先と取引しませんよね、企業は。そうすると、零細事業者にまた課税事業者になる、という事務負担を強いる結果になるわけ。できないところは廃業でしょう、そりゃ。(あとは自分でその分被るか)

 まあ無茶苦茶っすわ。これは経過措置を経て2023年本格導入予定だけど、どうなりますか。とりあえず2020年度からは、帳簿を8%と10%に分けて付けるよう、ウチも含めた全国の事業者(個人含む)に税務署からお達しが来ています。
 本当にロクなことをしないのですわ、この政権は。自営業者の味方だから自営は与党支持だろう、なんていう人が人がいるが、全く話は正反対ですよ。とにかく奴らは個人や零細の首を絞めに来ている、かなり本気で。絞め殺されないようがんばらねば。
(ちなみ、ウチはずっと前から消費税課税事業者です。計算面倒だったけど必死で覚えましたわ、いまは弥生という強い味方もいるw 最初は売上3000万が条件→1000万に引下げ)

 作曲勢の皆様の中には、フリーでの活動なら直接関係してくる話なので、もし課税事業者じゃない方がいたら、もう2020年から準備した方がいいです。これは1年前から税務署への申請が要りますからね。

(思い出したが、税金苦手な人がいたらパートナーが勉強して支えてあげるといいですよw)

ミックスTIPS: リバーブとEQの順序

 久々に実用記事っぽいやつ。ミックスダウンの必需品エフェクトといえば、残響系のプラグイン。リバーブ(お風呂場エコー)とかディレイ(山びこ効果)なんかがこれに当たりますね。これらを入れないミックスは皆無といってもいいでしょう。
 ただ、カラオケボックスで歌うだけならともかく、やはりミックスの場合は掛けるだけでは駄目で、EQ(イコライザ)で音質の補正も必要になってきます。
 具体的には、全帯域にエコーを掛けっぱなしにするのではなく、ローかハイをばっさり切って音の篭りを防止します。そうしないと他のトラックと干渉しあって透明度が失われるので。
 ローかハイ、と書いたのは、実はミキシングエンジニアによって正反対のことを言う人がいるからですね(w)。具体的には、濁りを防止するためにローをカットしろ、でも別の人はハイをカットしろ、とかね。曲のジャンルによっても違ってくるというのはあるのでしょう。
 自分は一貫してローカット派なので、そっちにあわせて書きますが、このカットのためのEQを入れる場所というのも、音質に影響してくるのを最近気付きました。

 エコーなどはFXトラックへSENDで音を送ってそちらで掛けるのが常套手段ですが、そこで音質補正のEQもここに挿すわけです。ところが……

(1) EQ -> REVERB
(2) REVERB -> EQ

 この1と2では音質にかなりの差が出るのですね。自分はつい最近までその辺りは気にせずにずっと1の方式で来ましたが、2の方も試してみたところ、かなり「自然」な残業が得られました。逆に少し篭り気味といえばそうです。どちらかといえば、生楽器などに合う並びといえるでしょう。ナチュナル系。
 1だと篭りは感じられない明瞭な感じになりますが、その分音が軽く微かに不自然ではあります。シンセなど電子音や、ドラムの重低音などあまり音が篭っては困る場合に良さそうです。ソリッドな感じ。
(結局カットとした信号にエコーを掛けるか、エコーを掛けてからカットするかの差)

 こんな簡単なことでミックスが改善するのだから、面白いもんです。やっていなかった方はぜひお試し下さい。

 ちなみ、残響系プラグインの中にもローパス・ハイパスフィルタが入っているものがありますが、自分はあまり触りません。プラグインによってフィルタの効きがバラバラで、制御しにくいからです。やっぱり外部のEQでやった方が効きが同じなので制御しやすいですね。

メルカリ

……あっ違うメリクリだ。死語もキマって掴みはオッケーだぜ。

 ところで遅ればせながらお花ジャケットの新作、拝聴させて頂きました。とてもパーソナルな世界が感じられるアルバムで、メジャーの、たくさんのスタッフが関わった、いかにも「プロダクション(製造/製品)」な作品からは対極にあるような、アーティストさんの息遣いが聞こえる盤。手工芸感のあるアルバムと申しましょうか、それだけ表現していることが近くに感じられて、これは興味深かったです。
 バラードが中心なので、といっても大編成のアレンジではなく、ピアノ主体のバッキングの曲も幾つかあったりして、そこはよりパーソナルな感じを高める結果になっているように思えます。弦や木管は生なのですねー、あれーこのお名前はどっかで見たなーとか(w)。
 名前といえば、ギターはゲストプレイヤーを迎えていますが、The Alan Parsons Projectの方とか、Duran Duranと演っていた方とか、ブリティッシュ系のギタリストが非常に良いプレイをしてますねー。よくこんな上手い人見つけたなと(w)、そこも感心しました。
 ロビーの曲、新編曲も面白い。アレンジの妙が感じられます。
 ベストトラックは、たぶんアルバムの趣旨からは一番外れているんでしょうが、自分はピンクとブルーの曲でした。いいですねー、これは’80年代ロック。メロもキャッチーだし、普段はこういう曲を歌ってないところも良い。このギターは、ハードロックでもメタルでもないし、もちろんR&Bでもジャズでもない。まさしく絶妙、メロウな’80sロック。
 セルフプロデュースの良さが出た、元祖ベッドルーム・ポップとでも呼びたくなるアルバムでございました。いやこれはベッドルームAORか。見事にアーティストさん独自の完成された世界。以上僭越ながら小文謹呈。

サイト開設2周年

 なんとまあ、今月でサイト開設2周年なのでした。この2年怒涛のごとく色々なことがありました。日々気付いてなくてもこうして区切りがあるとわかるもんですね。間違いなく人生でもっとも濃密でクリエイティブな時間を過ごしています。
 なかなか面白い状況になってきたので、それがどう発展するのか、それとも何も発展しないのか(w)、それはわかりませんが、とにかく来年も音楽的に面白い方向に全振りしていこうと思います。

 制作周りでの最近の変化、プラグインや音源を買うとき、値段や品質もそうだけど、どれくらいインストールが面倒か、それをまず考えるようになった(笑)。ぶっちゃけダウンロードしてアカウントとってアクティベートして、ってのに時間が掛かって仕方がない。その時間に曲書けるじゃん?って思ってしまう。だから、単品とかより、バンドル物のほうが便利だったりするんだよなあ、手間は同じなので。(しかもバンドルは品質や操作性が揃っていて扱いやすい。バラバラの製品だと当然バラバラ)といっても、楽器音源なんかそれなりの値段なので、最初は単品からだよなあ、と思うし。
 結局ある程度の品質のものがあれば、現代の制作に間に合うはずなんです。音源もプラグインも充分プロユースに耐えるものが安価に入手できる時代なので。
 あんまり変なの買うと邪魔になるだけだしね、仮想音源といってもディスク上の領域は食うし。試している時間も無駄。
 だからかなり新規購入に慎重になったなあ。

 余談ながらMy体重、おじさんのは誰も興味ないでしょうが(w)、二十歳代のベスト体重をここ何年か維持。お陰様で身体の調子は比較的良い。しかし油断するとすぐ+800gとかになってショックなのであった。ウォーキングと柔軟体操と腕立て腹筋を欠かさない日々。しかしこの歳になって体力落ちたなあとしみじみ思う。もう人生の折り返しはとっくに過ぎているわけですよ。余分なことをしている時間はない。

 ということで来年も皆様よろしくお願いいたします。(……まだちょっと早いねーこの種の挨拶は)

さびしい廃業状

 廃業といっても当方のことではありません(開業したばかりなので 汗)。先日届いた葉書を見てびっくり、懇意にしていた自動車修理工場の廃業のお知らせでした。長年、ほんと親の代から50年あまり、ずっと車検や修理を頼んでいたところ。しかもこの12/31で終るという。色々と感慨に耽ってしまいました。
 ここは個人の方の自営で、ご主人がもう70歳過ぎていたので、今後どうするんだろうと思っていたんだけど、最近若い人も雇っていたようなので、これで安心と思っていた矢先。
 愛知県・名古屋はトヨタのこともあり自動車王国で、公共交通機関も結構貧弱、その分道路網は立派でどこに行くにも自動車必須みたいな世界、なので自動車の数は多いのですが、この不景気と高齢化でどんどん数も減っているんだろうなあ、と。今はエンジン(内燃機関)の修理検査技術も必要だが、今後は電気・水素自動車が主流になれば、もう不用な技術になる。確かにこのタイミングは止め時かもしれない。
 それにしても時代の流れは怖いねー、日本中で、そして世界中で、今後どれくらいの修理工場が消えるんだろう。走行系やらブレーキやらは同じなので、全部ではないけど、これも絶対数はかなり少なくなるでしょう。
 ガソリンエンジンの車なんて、修理できる場所もなくなって、今に廃棄するしかなくなりますね。(F1なんかどうすんだろう、全部電気自動車になる?)
 時代の流れ、そして個人商店がだんだん消えていくこの世の中、年末ということもあり考え込んでしまいました。GAFAみたいなのが世界に蔓延って、どんどん個人は生きにくい世の中になってるんですね。

 あまりに大資本を肥太らせるとロクなことはありません。経済団体なんてまだ消費税を上げろって言ってるしね(30%とかね)。法人税を減税した分が消費税増税されているから、これを元に戻せばずいぶんボクら庶民の暮らしは楽になるはず。所得税の累進税率も昔に近づけるべき。
 次の選挙でちゃんと考えて投票しないと大変なことになりますね。

(今は大資本が金を貯め込んで全く使わないなら、経済=金の流れが停滞して不景気になっている。ここから金を取り上げて国民に広く再分配すべきです。結局単純なことで景気は浮上する。簡単な政策なのに、今の与党には無理なんですねー、彼らは大資本&上級国民のための政策しかしないから。ドラキュラが血=金を国民から吸い上げて溜め込んでいるんですな。十字架を打ち込まないといつまでも続くよ?)

アマゾンのレビュー問題

 最近ちょっとした小型家電を買おうと思ってアマゾンを見ていたんだけど、本当にレビューのサクラ汚染が酷いですね、今のアマゾンは。5つ星で絶賛されていてるような商品は、レビュアーのプロフィール見てみると、他にも5つ星レビューを山のように書いていて、ああサクラだと。一般の人が50も100もわざわざ書かないからねえ。
 しかも、最近読んだネット記事に書いてあった話だと、サクラのバイト募集がFacebookなどで堂々と行われているそうで、日本人が率先して犯罪行為に手を染めているんですね。昔のヤラセレビューは日本語がちょっと変ですぐわかったんだけど、こうなるとレビューの信頼性はゼロだなあ。といってももっぱら中国製を中心とした安価な製品に限られているがw (1万~の商品ではない気がする。あと日本製品もないなあ)

「やけに親切」「洗脳でもされているように明るく朗らか」「いかに商品が素晴らしいか一点の曇りなく力説」「文章の整った長文」みたいなのは、もうヤラセだと思っていいですね。
 こうなってくると、「安かろう悪かろう」というところは本当なんだろうなあと思うしかない。中には本当に安くて良い製品もありそうだが……(アフィリエイトでないブログでレビューがあったら信用しても良さそう)。

 最初は性善説みたいなところに頼って、それでも上手くいってたんだけど、だんだんそうもいかなくなったきた。レビューというのは長らく最強の口コミとして君臨してきたが、今やSpamとおんなじで宣伝チラシの腐海に沈んでいくのですね。AIとかの自動判定でサクラは撥ねるようになるのかなあ。全部は無理だろうなあ。

 アマゾンの斜陽化はこんなところから始まるのかもしれません。こいつら抜け穴使って法人税払ってないからね。これだけ道路をはじめ社会インフラ使いまくりなのに、文字通りのフリーライダー(ただ乗り野郎)。同一商品・同一価格なら、なるべくヨドバシか楽天で買いましょう。メルカリ・ヤフオクでもいいですが。

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CDが溜まってきた

 山積みの蔵書の類をかなり処分して安心していたら(といっても、まだ半分くらい残っているがw)、今度はCDが増えてきました。困ったもんだ。
 本も一部はスキャン代行に出したりしたが、結局その程度の本はPDF化しても2度と見返さないですね。

 CDの方は、聞き終わったコンピ等は必要なものだけデータに吸い上げて捨てるにしても、昔から持ってたやつでも、もう聞かないなあ、ってのは出てきてます。例えば童謡関連のやつ、一時期集めていました。あれは児童合唱団の歌唱のが多くて、それが実にいいんですね。澄み切った穢れなき少年少女の歌声、っていっても日本の児童合唱団はほとんどが少女だけど(これは世界的にみても特異だそう、海外は少年が主流)。
 バブルの頃のCDで、J-POPを歌ったものもあるけど、児童が歌うと面白いっすよ、歌詞の意味が全然違ってしまう。例えば「濡れた瞳」って歌詞があるとして、普通大人が歌えばそこに背景とか色んな意味が備わってくるじゃないですか? 児童が歌うと、ほんとに物理的に「濡れた瞳」w(雨かシャワー?)
 あと日本は歌唱技術が異常に高いのも特徴。アニメや特撮の主題歌・挿入歌でプロとしてレコーディングも多いからね、有名どころの児童合唱団は。

 まあ、そんなのがあるとしてもよほどのもの以外はさすがにもう聞かないなあ、と。吸い上げたら童謡コンピは断腸の思いで処分していくしかない。(合唱団単独名義のやつは捨てないが)
 本で懲りたのに、またCDをこれ以上コレクションし始めたら大変なことになる。実はレコードは少しまた集めてしまって、ヤバイと思っています。しかしCD化されてない音源もたくさんあるんだよなあ。昔買ったやつはもうお宝だから捨てられないし。

 とりあえず、置き場所を決めて、そこからはみ出すようになったら整理、って方式にしていこうと思います。
 この難局をポジティブ思考とユーモアで乗り切るぞ。

 もちろん最近買っている、先鋭的アーティストの皆様のCDは別腹で永久保存っすよ(w)。

産みの苦しみ?

 以前長編小説を書いていて思ったことは(さすがに小説はモノになりませんでしたがw)、完成が近づくにつれて書くのが難しくなる。それは、それまで書いてきた内容が重くのしかってくるわけで、それに矛盾しないよう最も似つかわしいラストが必要になってくるからでしょう。極端な話、最後まで書き終わったあとの推敲や直しも非常に難しい。全体を見て適当でないところを修正するということなので。無論、何が適切なのかということは、自分で判断するしかない。(あるいは編集者がやるか)
 こういうのは、ソングライティングも同じかもしれませんね。また全体をみて……というのは、アーティストさんのカラーや目指す方向まで分かってないといけないから、最終的にはプロデュース作業ということにも繋がる。プロデュースが難しいのは、そんな理由でしょうか。もちろんデキる方はセルフプロデュースになるわけです(今の時代は、だんだんそうなってきてますね、録音も宅録だったり)。

 そういや自分は、Aメロ~Bメロ~サビまでワンコーラス分全部作ってから、イントロを作り始めることが多いです。「こういう曲があるので、イントロはどうするか」という逆算で作れるからですね。これも全体を見られるからやりやすい訳で。まあイントロ最初に思い付いたらそのまま作るけどw

 曲作りって、それこそ和音の構成音みたいな細かいところから、曲全体といった大きなところまで、つまりミクロからマクロまで、常に行ったりきたりしながら考えないといけないので、独特の意識や思考法が養われますね。これは実際に音楽を作り始める前まではわからないことでした。
 そりゃクラシックみたいな交響楽の作曲が難しいわけですよ、細かいところと大きなところの落差が非常に激しいから。単純に曲も長い。もっとも、前衛音楽でない限り、クラオケの常道的な語法もあるそうですね。某SGゴースト騒動のとき、音大の教授の方が、助手が代作する部分も多いですよ、ってバラしてました(w)。

 まあ今はDAWでオーケストラでさえ鳴らせる時代だから、ハードルは下がっているといえますね。昔の作曲家は本当に異常な特殊能力者だったと思います、確かにオケがいつも傍にいる等、環境は整っていたとはいえ。今の制作環境見せたら、怒るだろうなあ便利すぎて(笑)。

久々に弱気

 大体からして自分は楽観主義者なので、滅多に落ち込んだりしないのですが、最近はちょっと弱気になっています。現在の悩み:デモ曲のボーカルさんが全然見つからない……。そろそろ毎回違う人に頼むのは止めたほうがいいと分かってはいるが、全然違うタイプの曲ばかり書いているので。合う人、歌えるだろう人を捜すのにひと苦労。時々依頼後、没もあるからなぁ。予算もそんなにあるわけじゃない。昔頼んだ方で、仮歌受託をやめてしまっている人も結構出始めている。体調や生活環境の変化で、永遠にできる仕事でもないですからね。こうなるとこの世界も一期一会なんですねえ。

 弱気なのは自分の体調のせいもある、3日くらい調子がいいと1日体調不良だったり。どうも駄目っすね、自律神経失調症もう治らないと諦めているけど、学生時代からの長いつきあい。高校出るくらいまでは、よく医者にも行っていたから、親は大変だったと思う。そんな自分も今は独り立ちしてますが……。
 あ、時々こいつは(普通の)仕事してないのではないか、と思われるらしいけど、ちゃんと労働してまっせ(笑)。何の変哲もない一労働者ですので、不労所得とかもありません。音楽制作はその合間、でもまあこれが案外いい体制。ずっと音楽ばかりに向き合っていたら、自分なんかはきっと煮詰まってしまうだろうと思う。関係ないときにいいアイディアが出たり曲想が湧いたり。面白いもんです。

 しかしなあ、今年もインフルエンザの季節がやってくるし(自分の防御法は、とにかくしつこく外出時のマスク!不審者上等)、そのあとスギ花粉と、まあ病弱男子にとってはきついイベントが待っているわけですよ。あと25年音楽作るって大見得切ったが、実はもう3年位で寿命尽きるんちゃうか。余命三年作曲日記でもやるか、3年経ったら2代目になるやつ(w)。

 音楽業界は本当に尊敬できる方ばかりですので、そんな方々のお姿を拝見してパワーを貰いつつ、不肖弦央も本番化する冬を乗り切ろうと思います。
(今年は多少暖冬のようで、そこは有り難い)

究極の目標

 年末だからという訳でもないですが、改めて自分の目標を確認しておきたい、それは「(今よりも)より良い音楽を作ること・作れるようになること」。仕事とかなにかはそれに付随して、もし付いてくるなら、くるんでしょう。
 とりあえず、良い音楽とは何か、ということは、長年それこそ良い音楽ばかり聞き続けた結果、この歳になってようやく判りました。昔の人がいった「門前の小僧、習わぬ経を読む」というのは本当でした。あとは、それを目指して際限なく曲を作り続けてゆく。

 面白いことに、「究極の一曲」というやつは、たぶん音楽(制作)の世界にはないようなんですね。最高の一曲が出来た、と思った瞬間、それを超えるものが書きたくなる、曲想が浮かぶ。どうやら作曲には「終わり」というものがないようです。
 これが、文学書き物の世界だと、その書き手にとっての究極の作品というやつは、たぶんある。もうやりきった、これ以上はない、というところは、存在するかしないかと問われれば、やはりある。だから世の中には筆を折ってしまう作家もいるんでしょう(無論そうでない人もたくさんいるが)。
 この違いがどこから出てくるのかは、自分にはまだわかりません。

 だからまあ、「究極の目標」が更にそれを踏みこえていくこと、なんだから、矛盾してはいるんだけど、究極がない世界なので「常に進化していくこと」が目標にならざるをえない。曲単位では終わりがあるのに、音楽そのものは違う、むしろ無限に連なっているらしきもので、そこは面白いところです。
 やはり音楽には「何か」がある、宇宙とか世界の根本原理に触れるような要素が内包されている、というとちょっとスピリチュアルでコワいけど(w)、たぶんそう。自分が思うのはどうやら「時間(とエントロピー)」、これが最大の要素。あと1オクターブの12音と、時間の12・24という単位の一致は偶然か?……などと考えると眠れなくなりそうですが(w)。

 まあ時間のことをいえば、何度もいうが自分もいい歳なので(笑)、音楽の究極に近づくためには、余分なことをやっている時間はないのです。今後も分相応に、チマチマやっていきますわ。そりゃ自分ごときは、業界の諸先輩方のお仕事を拝見して勉強させて頂くのが第一で、それ以上を望むなんてカンチガイは致しませんので。

 にしてもまあ、風の噂で、なんか自分は業界で独自の位置(地位?w)を確立しつつあるとかなんとか、かつてないユニークなポジションになるのではないか?どうなのか。ねえ、どうなんすかこれ。業界の隅っこで地道にやろうと思っていたのに、どうもそうさせてくれない謎の力が働いているのか?それとも? や、これはまあ、あくまで風の噂ですから……。
 人生わからんもんすなー、今後どうなっていくかは、どころか来年どうなっているかもはっきりしない。
 とにかく、曲を作り続けていることだけは事実でしょうね。(ドヤ顔)