月: 2023年1月

カセットロン(仮称)構想

 最近、またハンダゴテを握ったりしているんですが、まだ電子工作はリハビリ段階。
 で、部品やらキットやら、ネットのウィンドウショッピングが楽しくて、道具類の進化に驚いたり、こんな高機能モジュールがこんな値段で……なんて止まらなくなる。

 そんな流れで、前々から構想していた、ある楽器の構築計画が実現できないか調査してた。その名もカセットロン……メロトロンのカセットテープ版、といえば分かって貰えるかと。
 メロトロンという楽器が’60年代・’70年代に、欧米のバンドを中心に非常によく使われていたんですね。ビートルズも使ってたし、富田勲先生も多用してた。いわばアナログサンプラーで、見た目はオルガンだがなんと鍵盤の数だけテープ再生装置を内蔵して、鍵盤を押すと最長9秒間その音(音程)を再生する。かなりクレージーな代物です。
 これをカセットで代用できないかという話。

 実は2500円程度で、再生専用のカセットプレイヤーがアマゾンで売られています。少なくとも2オクターブは欲しいので、そうなると25台(2oct+1)、62500円。鍵盤はMIDIキーボードで代用し、MIDI信号はArduinoかラズパイ(マイコン基板)で受けて、カセットを駆動する。

 第一案では、ソレノイドを制御して、カセットのプレイスイッチやストップスイッチを押す形態。ソレノイド500円として、500x2x25=25000円。更に調べると、ソレノイド駆動回路も要るらしい。大掛かりになり過ぎだし、メカ工作的な難易度も高い。(巻き戻しも問題)

 第二案は、カセットを回しっぱなしにして、MIDI信号が来たらその鍵盤の音を流すようにする。これだと電子回路だけで済む。ただピアノのようなアタックのある音はダメで、ストリングスやコーラスのような持続音のみってことになる。これならいけそう。

 ただ、よくよく考えてみれば、2オクターブ分の楽音テープを用意するのは大変だし、当然ピッチもカセットでは狂うから、ここまで費用を掛けて稼動したらガラクタだった、という可能性も非常に高い(w)。
 で、今のところ構想だけにしているんですが。誰かお暇な方やってみませんか。Youtubeでちょっと調べたが、流石にここまでバカげた(いい意味で)ことは試みられていないようだ。ただ発想は単純だから、きっと世界のどこかで作った人がいるんじゃないかと思っている。

 実は、テープのローファイ感が欲しいだけなら、もっと単純な方法はある。それはトラックを一旦テープに落としてそれをまたDAWに読み込むってことだけど、これを応用してKontaktに食わせれば、それでサンプリング音源になってしまう。音程ごとに本当に書き出し・読み込みすれば、かなりリアルな「カセットロン」になるでしょう。実用上は、こっちが妥当かと思う。
(音源にも、よくテープストリングスって名前の音色があるが、あれは正にこういう形態を模したものでしょう)

追記 サンプリング音源で良ければ、メロトロンのは結構ありますね。

アッテネーター代用

 今回モジュラーシンセ関連の話。

 Moog Mother32とベリのSystem100の間の接続ですが、一応どちらもユーロラック仕様だから、そのまま問題なく繋がるはずと思っていた。が、調べていくときっちり規格が決まってない箇所もあるらしく、ベリからムーグにEnvelope GeneratorのCVを送ると、あきらかにM32側がクリップした音の動きになっているんですね。つまりベリ側の信号が大きすぎるってこと。

 どうもsytem100はmax 10Vppで、M32は8Vppみたい。そこでこんな時登場するのがアッテネーターですが、これはまあ要は抵抗器です。一応、ユーロラックでアッテネーターのモジュールもありますが、大抵パッシブ(無電源)、中身ただの可変抵抗(ボリューム)なので。
 それを入れてもいいけど、またパッチポイントが増えるのと、ラックの場所も食うので、なんとかならないかと考えた。
 そのまま自作で抵抗をかますかと思っていましたが、ふと思いついた。オーディオアクセサリーでボリューム付きの延長ケーブルがあったではないかと。

 アマゾンで捜したら、30cmくらいのものでボリューム付きのノーブランド品が、2本セットでリーズナブル価格で見つかった。3.5mmプラグのステレオ仕様だけど、今回は実質的に無害のはず。(モジュラーはモノプラグ)
 で、買ってつなげてみたら、もともとの抵抗値もあるし、実にいい具合にアッテネートしてくれて、CVが落ち着いてドンピシャでした。ボリュームもあるし、場所も食わないしで最高。

 ただ、中国製ノーブランド品ゆえ、可変抵抗の接続が入出力逆らしく(w)、本来とは逆向きに繋がないと機器に負担が掛かる。(一応、最近のオーディオ機器は設計が優秀なので大丈夫だけど、モジュラーシンセはどうだかわからない)
 このあたり、アマゾンのコメント欄で親切に警告してくれている人がいて助かった。自分もテスターで測って確かめた。

 こういう、パッチケーブル間に挟むだけのアッテネーター製品もモジュラー業界にあるけど、やっぱりお値段はそれなりにする。
 工夫次第で気をつけて使えば、オーディオ用の製品で代用できますよ、って話でした。

蘇る70年代ビンテージペダル

 実家に転がっていたBOSSのエフェクター(ペダル)3台。昔はペダルって言い方もなかったけど、いずれも70年代後期~80年代初頭あたりのもの。自分はかれこれ音楽は30年ブランクがあったので、まあティーンエイジャー時代にアナログシンセに挿して遊んでいたやつです。
 このブログでも前に書いたけど、どれも電源が入らなくて、ああ電子スイッチとかコンデンサーあたりがイカレたか、いつか修理を……なんて思ってた。それで、先日ちょっと一台の裏蓋を明けて基板を見てみたんですね。わかりやすく電解コンデンサーの液漏れとかあるんじゃないかと思って。意外に、コンデンサはセラミックのやつばかりで、見たところ傷みもないし、かなり高密度に部品実装してあるし、これは修理するには非常に手間が掛かるなあと思って、ほぼあきらめて裏蓋戻した。
 ここでふと、もしかしたら入出力のジャックにプラグ(ケーブル)を挿したら、ちゃんと電源入るんじゃないかと、まさかなあ……と思って試したら。電源LED、入ったー!(笑) おい、そういう仕組みだったっけ?すっかり失念していた……。

 ということで、めでたく「コーラス」「フランジャー」が蘇りました。正確には故障もせず40年「持って」ました。「イコライザー」だけは、かなりLEDが暗い、動作は不安。
 なんと本物の80sビンテージ、アナログエフェクターです。これはベリやムーグ(あえてモーグと書かない)のモジュラーに挿して使わなければ、という使命感に今燃えています。
 いやはや、びっくり。この時代の日本の電子楽器・機器は異常な品質でしょ、これ。まあ、毎日40年使い倒していたわけではないので、そこは割り引きたいが、普通故障しますからね。電源も入れてなかったわけだし。
 なかなかの嬉しい驚きの夜でした。

徒然ProTools

 ProToolsへの文句を結構書いてますが、それでも使ってみて良かったと思うのは、ミックス全体の見通しがとても良くなったということ。お陰でミックス作業がとても捗ります。また、従来はやれモデリングのチャンネルストリップだ、コンプだEQだとゴテゴテ挿していましたが、トラックに挿すプラグインも非常にシンプルになってきています。見通しが良いのですぐ狙った音を作れるからですね。
 ミックスが完成形に近づいてから、ここは足りないな……というところにモデリングプラグインを入れたり、サチュレーターを入れたり、という感じで、要所要所に使う感じです。従来は、プラグインを入れても効果が把握しづらかったので、つい重ねて入れてしまっていたということです。

 面白いのは、サチュレーターの違いもはっきりわかることです。テープ系のやつなんか、ワウフラの揺れまで聞こえたりする。ほぼ効果が聞こえなかったARのVinylも、ちゃんと聞こえます。ヘッドフォンは同じなのに、やはりオーディオエンジンが優秀ということでしょう。

 そのせいか再確認できたのは、やはりプラグインも適材適所だな、ということ。こういうトラックにはこれ、みたいな自分なりの知識があると、ハマったときにとても効果的。
 あとWavesのモデリング系のやつは、これはよく言われることだけど、ほんとマンガチックに効果が誇張してある。実機でもたぶんこんなにはっきり変化しないはず(w)。もっと上品だったりするんで。(まあ他社でも大体その傾向だけど、Softube以外は)

 意外といいのがHシリーズのラインですね。あれは特定機種をモデリングしたものではないので。これも効果濃い目ですが。
 ProToolsはデフォルトで付いているプラグイン群がかなり優秀で使えます。

 ということで、ざっくりプロツーの最近の使用感などを書いてみました。

TR-8の不思議な挙動

 ドラムマシンTR-8ですが、不思議な挙動をすることが発覚。どうもDAWから送られてくるMIDI信号を、時々「無視」しているようで、演奏させていると、なぜか時々一拍分くらい無音になります。そんな馬鹿な……と思われるかもしれませんが、結構頻発していて、5分の曲なら必ず1回、あるいは2回起こることもある。必ず再現する現象です。場所は不定。
 USB-MIDIの悪影響かと思っていたが、DINのMIDIに変えても全く同じ。これは何か?
 むろんDAWやインターフェースには問題がない(他のハード音源は正常にドライブしているので)

 どうやら、DAW画面で打ち込んだリズムパターンだと、この現象は起こらない。ではどういう時にか、というと、TR-8側で直にリズムパターンを打ち込んで、それをMIDIでDAW側に一度吸い上げた場合。それをプレイバックすると、この奇妙な現象が起きるようだ。

 なんでこんな面倒なことをするかというと、TR-8のリズムのゆれを最大限再現したいので、こうしています。実際ピアノロールを見ると、なんともいえない微妙なズレがデータに発生していて、TR-8のアナログエミュレーションはかなり優秀であることがわかります。
 どうも、バグっぽいデータまでMIDIで送ってしまっているんじゃないかと思うんだけど、まだ確かめていない。
 さすがに元になったTR-808も、時々リズム演奏が「お休み」するという話は聞いたことがないので、何らかの不具合じゃなかろうか。MIDIデータを16進数で見れば良いのだろうけど、流石にそこまでは手が回りません。まあDAW側のMIDI制御が悪いのかもしれないが。
 この件、また何かわかったら書いてみます。

[募集開始] シンガー・歌い手の方

 2023年の新しい試みとして、Dew Ridge Recordsでシンガーや歌い手を募集します。
 オリジナル曲が欲しい方向けの募集で、完成した楽曲はレーベルからリリースします。薄謝ながらギャラも出ます。どれくらい応募があるかわかりませんが、我こそはと思われる方、お待ちしております。

ネット主体で活動しているシンガー・歌い手の方を、テスト的に若干名募集します。
もちろんリアルでライブ活動を行っている方も歓迎です。
弊レーベルと打ち合わせの上、最適な曲を書き下ろします。
その後、ボーカルをご自宅で収録して頂いた後、ミックスして完パケを制作しレーベルからリリースします。

・報酬お支払いします
・18歳以上、性別国籍不問
・制作楽曲はネット上の動画・生放送で自由に利用可能

応募条件

・ボーカル収録できる宅録環境をお持ちであること
・ある程度の活動実績・実態があること
・一緒に良い音楽を作る熱意のある方(リテイクに耐えられる方)
・事務所・レーベル等と専属契約していないこと
・反社会的勢力や公序良俗に反する組織等と無関係の方
・歌唱動画を自分のYoutubeチャンネル等に投稿できる方(*)

詳しくは以下のページで。応募フォームもこちらから。

http://dewridge-records.official.jp/wanted.html

(*)顔出しが無理な方はご相談下さい