月: 2023年11月

シンセモジュール自作の顛末

 今回は頓挫した自作計画の話。

 モジュラーに限らず、シンセで一番重要な部分はたぶんVCO(発信器)でしょうが、アナログシンセのVCOはそんなに様々な波形が用意されているわけじゃないんですね。これがソフトシンセなら100種類ってことも珍しくないが、アナログだと3~5種類くらいが多い。(変調は掛けられるが) アナログ回路で作れる波形は限られているんですね。
 そこでバリエーションを出すために、この出力波形をモデファイしてみようと、モジュラー用の(一種の)エフェクターを構想したことがあった。
 まずは何より歪みだろうと、しかも一番簡単なダイオードクリッパーと呼ばれる回路を作ろうと、色々実験。そして実際にダイオードクリッパーをブレッドボード(仮組み用の基板)で作ってみた。

 実は発光ダイオードを使ったんですが これも普通にダイオードとして作動するんですね。(ギター用のエフェクターで歪素子に使われることもあるらしい)。
 ものすごく簡単な回路ですが、ギター用だと前段にプリアンプ(OPアンプ)が必要になります(あと後段もそうだったと思う)。ただモジュラーは10Vppの世界で動いているので、順電圧が2Vくらいの発光ダイオードなら、そのままで動いてしまう。以前の秋月電子”Neyoトランス”に続いてこいつもパッシブです。面白いでしょ?

 この回路にVCOから三角波を入れたり、のこぎり波、なんてやっていくと。
 動作すると光るんです、発光ダイオードだから。なかなか笑えますね。

 発光ダイオードは色によって順電圧が違うそうで、当然クリップ波形にも違いが出て、音に影響します。

 …とまあ、このあたりも追加実験していく予定だったが(最初は赤色でやった)、ここで計画は見事に頓挫。
 海外の自作サイトに書いてあった、「自作モジュールはメーカー製モジュールと一緒に使うな。壊したら大損害だぞ」という親切な警告にビビりまくったからです(w)。

 そうなんだよ、イモハンダに空中配線のショートとか、ありがちなことをやりかけたのでね。モジュールパネルも作ったし、超簡単な割りには音として面白かったが、まあやっぱり餅は餅屋かなと思いました。
 毎日の楽曲制作に使える堅牢さがあるかというと、なかなか自作ではそこまではできません。

雑記シリーズ

 少し前に寒波で胃腸をヤラれて大変だった。急に冷えるとなぜか直接くるんですわ。これで無思慮に脂っこい物や冷たい物を摂るともう駄目。こんな時は我慢せず大正漢方胃腸薬を連投(w)。食べる前に飲むってやつですな。イヤなムカムカ感がスッ消えします。これでも胃腸は若い時に比べて丈夫にはなっている。すぐお腹壊していたからなぁ。意外と年々健康増進してるのは、ウォーキングやストレッチのお蔭。

 安室奈美恵さんの楽曲がサブスクから一斉に消えて騒ぎになっていたけど、どうやら契約終了ではなく重複リリース等整理のためらしい。これでCDの売上が上がったというんだから面白い。サブスクは「聞く権利」を買っているだけで、曲を所有しているわけではないからですね。だからこういうことは今後も起こりうる。大好きなアーティストの作品は物理媒体で買いましょうね。安心感が凄いし、資本主義社会なんだからそれが一番の応援。最低でもmp3ダウンロード(購入)ですね。

 映画「ローン・レンジャー」見た。期待せずに見たがなかなか良作。ジョニー・デップがインディアン役で出演、ほぼカリブ海のあれのノリ。アメリカ開拓時代の話で、大陸横断鉄道が東西から連結された日前後の話を描いています。白黒TV時代にTVシリーズでありましたが(うっすら記憶)、もちろん現代のVFX技術で迫力満点に描かれます。ハイヨーシルバー!ってやつですわ。西部劇アクションものでした。
 調べたら実は鉄道建設には中国人労働者が移民で大量に入ってきたらしい(作中描写あり)。それが後に西海岸に移住、東海岸からはアイルランドの労働者、だからそちらにはアイルランド系が多いと。米国史の勉強にもなりました。

11月の雑記

 「マトリックス レザレクションズ」見た。ネオとトリニティの軽い再会パーティって感じ? 三部作の最後で二人は明確に死んでいるわけで、もし強引に続編を作るならこうなるかってストーリーでした。それよりネオがもうジョン・ウィックにしか見えないなあ。というか髪型といい雰囲気といい、本邦の名優・役所広司さんにソックリ。たまに入れ替わっていてもわからないんじゃないか(w)。3部作を汚すような出来ではないので結構おススメ。

 ドラマ版「パリピ孔明」見てる。TVerであやうく追いついて今の最新が8話。アニメの最後が5話までで、既に延長戦に入ってる。まさかリアルで孔明の衣装が似合う人がいるとは。配役が凄いです、やり過ぎ感やあざとさもなく、実際に音楽活動している俳優や本物のミュージシャンもいるんで、説得力が段違い。アニメだと音楽制作はavexでクラブミュージック色濃い目だったが、こちらはSMEで洋楽/JPOPな感じになっている。曲は全て別物になっています。

 インボイス制度始まりましたが、ウチはまだ税務署から通知が来ない。本業の方は結構関係してくるんだけど、もう弥生に全て委ねるしかない。来年の確定申告がどうなるか、かなり不安です。ウチなんかは個人商店だからまだしも、これが普通の会社になると作業量は莫大なものになると思われます。来年から電子帳簿保存法も始まるし、なんだか税務関係は電子化して却って色んなことが複雑化している印象。

暴れ馬シンセ?

 最近感心したこと。ある曲のベースパートをアナログシンセmoog mother-32で作って、アレンジ完成したのでProtoolsでレコーディングしていたんですね。(ハードシンセなので録音作業が必要になる)
 MIDIでドライブしているので、レコーディング自体はスムースに終わりました。
 ところが、録った音を聞いたらまあ暴れてるのなんの。単品で聞くとそうでもないが、他のパートと一緒にすると、エッジが効き過ぎてブチブチとまるでノイズみたいな音が頻発。
 mother-32は割りとキレイに音がまとまる系統のシンセだと思うが、パッチングでFM変調を入れていたので、そのせいらしい。
 さすが本物のアナログシンセ、まさか破綻するまで暴れるとは、モデリングとは違うな……などと感心している場合じゃなく(w)、なんとかしないと2mixが完成しない。

 で、エンベロープでAttackを僅かに遅くして再録音したり、コンプの設定変えたり、果てはWavesのSibilance(ボーカルの歯擦音を抑えるプラグイン)をコンプの前後に入れたりと色々やって、なんとか抑え込んだ。最後に一つだけ残ったノイズは、もうボリューム処理ですよ。そこだけ一瞬ベースの音を絞ることで乗り切った。
 ここに至るまで、書き出した2mixの数なんと17本。他のところは全く問題なく終っていたので、この対応だけでそれでけ掛かりました。

 まあ考えたらエレキギターだって、設定によっては録音が破綻することなんて珍しくないもんね。ほんとにアナログシンセは生楽器だな、と妙に納得した日でした。
声:音読さん