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2023紅白感想

 リアルタイムでは見られなかったが、NHKプラスで紅白歌合戦見ました。一応完走したが、ダンス主体と思われるアイドルグループは全部早送りです、スマン。
 時系列バラバラだが、印象に残ったところだけ軽く感想。

 まずYOASOBI、満を持しての「アイドル」披露だったが、あの演出はちょっと……。ほぼ“バックダンサー”の皆さんしか映ってない。NHKは正に無能な働き者ですな。まあ口バク・当てぶりなんだけど、それでもみんなYOASOBIの雄姿を楽しみにしてたはず。

 寺尾聰さんの「ルビーの指環」、バックバンド最高でしたね。イントロで演奏のあまりのカッコよさに悶絶。もちろん歌もそれに増して素晴らしかった。この曲が売れていた80年代の世界は、ほんと音楽好きにとっては楽園でした。寺尾さんは、横に置いたミキサーのフェーダーをご自分で動かされてましたね。(イヤモニ用?) ご存知ない方へ、この曲こそが「AOR」といわれるジャンルの代表曲です。

 Official髭男dism、不勉強で知らなかったが、今年の歌コンの課題曲をやっていたんですね。ドラマチックでメロディラインの美しい、ちょっとトリッキーさもある良曲でございました。バーチャル合唱コラボも面白かった。

 伊藤蘭さんのキャンディーズメドレー、これまたバックバンドの音に仰天。正に70年代の歌謡曲バンドの音を再現しています。ちょっと他では聞かれない音、コーラス2人とあわせてキャンディーズを再現、楽しかったです。

 石川さゆりさんは、ウクライナの民族楽器とデュオでの「津軽海峡・冬景色」で不思議な世界を魅せてくれました。演歌は、実は日本の民族音楽=民謡のDNAも入ってるから、こういう異色コラボも意外と合うんですね。

 そして忘れちゃいけないクイーン(+アダム・ランバート)。流石の貫禄で、エッジ効きまくりのロックサウンドを聞かせてくれました。ブライアン・メイのギターのワイルドさは当時より進化してるかも。ロジャー・テイラーのドラムは、ちょっとPAが良くなかったようで平坦に聞こえた、そこだけは残念。
 ここか、あるいは寺尾さんが今回のMVPかなあ、と思ってたが……。

 ディズニーメドレーの女性司会者二人の歌。ネット記事になりまくってましたが、自分も心の準備をして臨んだものの、パソコンの前で冒頭から爆笑してました(ゴメン)。画面の豪華絢爛さと、歌声の微妙さのギャップが凄い。でもきっと、初めての紅白歌唱で緊張したんですね。次回リベンジ期待。ここに、期待を込めて個人的MVPを贈りたいと思います。

追記
 あのちゃん忘れてた。たぶん実際に歌ってたと思う(録音に重ねる形で)。部分的に完全に生だったはず。久々の大型ソロアイドル、いいんじゃないでしょうか。今の時代はネタ曲っぽく売っていく、という戦略も見えて面白い。作り声で歌うのってそもそも難しいので。
 あと純烈の皆さん。曲も歌唱も極めて正統派でレベルが高いのに、あんなことをやらされて、いいんでしょうか。この件もネット記事になってましたね。

声:音読さん

ユーミンさんの50年

 NHKで放映された「松任谷由実 ~私と荒井由実の50年~」を偶然見ることができました。
 なんと、ユーミンさんはデビュー50周年なんですね。18歳でデビューだったそう。
 タイトルに荒井由美が入っているのは、意外ですが、ご本人のお言葉では、自分は荒井由美を未だに超えられていない、ということのようです。「エッセンシャルなもの」があって、そこがポイントらしい。

 貴重な映像・写真が流れていましたが、荒井由美時代でいうと、やはりバックに気鋭のロックバンド・キャラメルママが付いたことが大きく取り上げられていました。
 また、アルバム「14番目の月」に入っている「中央フリーウェイ」、この曲はとても重要だったそうで、「この曲があったからここまでこれた」という程のもの。
 コードを探りながらピアノを弾いていて、「この曲はどこに行っちゃうんだろう」(弦央註:調性のことだと思われます)と思っていたが、強引に戻してみたらそれで合ってしまった(註:元の調に)。だから、理論的に計算したのではなく、感覚的に決めたコード進行らしいです。凄いなぁ。(1976年発表、シティポップの嚆矢にして完成形)

 で、このアルバムで”荒井由美時代”が終り、松任谷正隆さんとご結婚されるわけですが……。式の写真を見ながら、「互いの才能を独占したいから結婚した」って当時言っていた、というお話。口はばったたいが、本当に凄いご夫婦です。
 あと、「中央~」でベースを弾いたLeland Sklarのインタビューも流れていました。現役でセッションマンを続けているようで、仙人みたいな風貌になっています。
 曲もアレンジも素晴らしい、ファンタスティックだ、という話のあと、「目をつぶると、オーシャンパシフィックウェイをコンティネンタルで走っているような気分になる」とのこと。言い得て妙。

 また、ユーミンさんは時々夫以外のプロデューサーと組まないのかと質問されるが、として、1曲だけならまだしも、アルバムとなるとお互いのエネルギーを合わせてぶつけていかないと完成しない、その場合夫以外考えられない、ということだそうです。
 番組の最後では、ヤマハのAI・ボカロ技術で再現した荒井由美の歌声とユーミンさんが共演した新曲「Call me back」も流れていました。ちょっとボカロっぽさを残した感じで、それが却って良い結果になっているように思えました。

 まだギリでNHK+で無料配信されているので、皆様もぜひ。(22日夜まで)

https://www.nhk.jp/p/ts/R6R5RGQNJZ/episode/te/J5QXQ92XX1/