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POPS=ファミレス論

 ある新曲を聴いていて思ったこと。「ああこれ、バックにストリングスとか一杯伴奏入れたいなあ……」

 シンガーソングライターの皆様が、ピアノだけ、またはギターだけで伴奏する曲を作って発表したくなる気持ちはわかります(少しの付加楽器は、この際考えない)。それだけ純粋に歌のテーマ性が浮かび上がるし、うまくハマれば非常に効果的ですからね。
 ただ、やっぱり作曲やっている人間から言わせてもらうと、より聞き易くするために(=より多くの人に聞いて貰えるように)、ちゃんとフルアレンジしてバッキング一式を付けた方が、一般的には良いんじゃないかと思うわけです。その方が、確実に発表した歌を理解して聞いてくれる方は増えるはずなので。

 ポピュラーミュージックとは、つまるところエンタメであり、料理店で例えればファミレスだと思うんですね。ファミレスの料理って、例え民族料理みたいなやつでも、ちゃんと食べ易くなっていますので。まさにアレンジです。
 ピアノやギターでのソロ伴奏曲だと、専門店になっちゃって、普通のリスナーには敷居が高くなってしまうんじゃないでしょうか。カレーも激辛専門インド料理店より、ファミレスの方が、まあ食べ易いんじゃないかと(あるいはチェーン店でも同じ)。
 自分がインストを好きだから言うのではありませんが、やっぱりフルアレンジ、+アーティストさんの歌、という形が、一番「ああ、曲を聞いたなあ」とリスナーさんに思って貰える可能性が高い。もちろん世の中には、ピアノやギターだけで聞かせる曲もありますが、普通のPOPSのメインストリームからは外れてくる感じはある。

 蛇足めいてきますが、AORってアレンジありきの音楽ですからね。スティーリー・ダンなんて、実はボーカルはそんなに達者というわけではない。だから楽器で……というわけでもないんでしょうが、自分たちの強みと弱みをよくわかっているなあ、などと聞いていて思うわけです。
 なので、どうやったら書いた曲をリスナーさんに理解してもらえるか、って戦略的なところも、特に一人でやっているアーティストさんは考えていないといけない、ということになりますね。まあそれがプロデュース、ってことになるのでしょうが。
 今回は多少の上から目線に聞こえましたら、心の底からメンゴです(w)。
 まあ世の中にはアレンジした方が映える曲もある、ってことです。

(フルアレンジどうこう書いたけど、ピアノだけ、あるいはギターだけで勝負できるようなインスト曲は除きますよ、もちろん。世の中は怖ろしいまでの表現力のプレイヤーがたくさんおられます、御存じのように。ボーカルを超える器楽演奏、正に神業です。インストで売れている方々は実はみんなそうですね)

(追記:大切なことを忘れてました。メロは大変良質でございました、そしてイントロとピアノのバッキングも良い…ので余計に)

デモ曲公開・Orchestral AOR第2弾

「透きとおる夜に」

 また出たフルオーケストラAOR(結構1年振り?)。前回のがケレン味たっぷりのアレンジだったので、今度は真正面からフルオケと向き合ってみました。オペラでもなし、いわゆる超豪華ストリングスセクション風でもなし、本来のオーケストレーションです。

 今回はシンガーソングライターのTATSUYA SAIKIさんに歌って頂きました。例によって類似曲が全くない中、楽曲からよく表現を汲み取って独自の歌唱に仕上げて下さいました。青春な感じの熱さと、真逆のクールさもあります。有難うございます。

 フルオケの弦とPOPSのストリングスは、同じ弦でも全く違いますね。生ギターとエレキギター位離れてる。あと目の前にフルオケが居る、ってくらい具体的にイメージするとアレンジがしやすいようです。

お宝雑誌が発掘された

 実家で古い雑誌を整理していたら、お宝(もちろん音楽的な意味で!)発見。
 ちょっと若手芸人感のあるこの方、どなただと思います?(色々と各方面で怒られそうだなぁ…)

 キーボーディストの向谷実さんでした!(すいませんすいません、土下座←大汗) 若い!細い!黒が似合う、カッコイイ。

 すごいなあー、弾いてるのモロにDX7ですね。ビンテージでも何でもない、現役機種だった頃だから。なんとこの雑誌、1988年5月号。リットー社の「KB Special」(今は休刊)。32年前ですよ。ほぇー。

 当時、CASIOPEAの最新アルバムだった「EUPHONY」にあわせての特集で、リットーの雑誌なので理論的に踏み込んだインタビューが載っています。それによると、「m7(b13)」がバンドサウンドにとって重要なファクターになっている、とのこと。4度堆積コードです。これは半音下降のような進行でdimの代わりに使っても、かなり上品で良い響きになる、と。
(しかし、当時読んでチンプンカンプンだったけど、まさか自分が理解できるようになるとは思わなかったw)

 他にも当時のCASIOPEAライブでのキーボード構成とか、巻頭にカラー特集で。まさにお宝中のお宝。こういうものは秘蔵して誰にも見せません(笑)。なんでも価値ある情報をシェアすると思ったら大間違いだよ。秘匿してライバルに差をつけろ!違うか。

 他の記事で、当時新進女性シンガーソングライターだった方のインタビューもあって、のけぞりました。LAレコーディングの6枚目新作アルバムの話。カラー写真、今と変ってないなー、驚異。32年経ってるのに、本当は絶対おかしいでしょ?
(しかしこのインタビュアーは、今読むと少し悪意がある気がする。ピアノは何曲弾いたの、とか、アレンジはどうしたの、とかやや詰問調。若手苛めって気もしないでもない。アーティストさんも大変だ。なおMajor7thコードがお好きということですw いいっすよねー)

 もう永久保存版ですね、ダンボール箱にしまい込んでいたので状態も良いです(外気に触れず酸化しない)。他にも清水信之さんや久石譲さんの連載とか、デヴィッド・ペイチとか。
 いやー、しかしびっくりしましたわ(w)。

(追記:まさかここを読んでいる人で向谷実さんを知らない人がいるとは思えないけど、日本を代表するミュージシャンの一人でっせ。最近では社長業の方でもよくメディアに出ておいでです)

メルカリ

……あっ違うメリクリだ。死語もキマって掴みはオッケーだぜ。

 ところで遅ればせながらお花ジャケットの新作、拝聴させて頂きました。とてもパーソナルな世界が感じられるアルバムで、メジャーの、たくさんのスタッフが関わった、いかにも「プロダクション(製造/製品)」な作品からは対極にあるような、アーティストさんの息遣いが聞こえる盤。手工芸感のあるアルバムと申しましょうか、それだけ表現していることが近くに感じられて、これは興味深かったです。
 バラードが中心なので、といっても大編成のアレンジではなく、ピアノ主体のバッキングの曲も幾つかあったりして、そこはよりパーソナルな感じを高める結果になっているように思えます。弦や木管は生なのですねー、あれーこのお名前はどっかで見たなーとか(w)。
 名前といえば、ギターはゲストプレイヤーを迎えていますが、The Alan Parsons Projectの方とか、Duran Duranと演っていた方とか、ブリティッシュ系のギタリストが非常に良いプレイをしてますねー。よくこんな上手い人見つけたなと(w)、そこも感心しました。
 ロビーの曲、新編曲も面白い。アレンジの妙が感じられます。
 ベストトラックは、たぶんアルバムの趣旨からは一番外れているんでしょうが、自分はピンクとブルーの曲でした。いいですねー、これは’80年代ロック。メロもキャッチーだし、普段はこういう曲を歌ってないところも良い。このギターは、ハードロックでもメタルでもないし、もちろんR&Bでもジャズでもない。まさしく絶妙、メロウな’80sロック。
 セルフプロデュースの良さが出た、元祖ベッドルーム・ポップとでも呼びたくなるアルバムでございました。いやこれはベッドルームAORか。見事にアーティストさん独自の完成された世界。以上僭越ながら小文謹呈。

さりげない冒険的ミックス?

 例によって古い洋楽コンピのCDを仕入れて聞いていたら、またもや面白い発見。AORベストという、まあ名前からして80年代あたりの曲しか入ってないやつですわ(w)。

 クリストファー・クロス、この人は非常に美しいボーイソプラノのような歌声のアーティストでしたが、その大ヒット曲「セイリング」。アンプを通しただけのようなナチュラルな音のストラトのアルペジオが印象的な曲です。このストラトが手動ダブリング(つまり2回重ねて弾いている)なのは知っていたけど、今回じっくり聞いてみたら、大編成のストリングスがかなり面白いミックスなのに気付きました(チャンバーオケくらいの陣容)。
 だいたい定石だと、こういうストリングスはスケール感を出すために左右一杯くらいに広げて迫力を出すじゃないですか? こいつはなんと、モノラルか、ってくらいに中央に寄せてあって、これがまた曲全体のサウンドの中で非常にハマっててカッコイイんですわ。逆転の発想。
 この曲は、ちょっと内向的というか、インナーワールドな哲学的な詩の曲でもあるし、アレンジもそうなので、これはミックスした人がわかっててやったんだろうなあ。ちょっとクラシカルな感じがイイネな弦でもあります。

 こうなってくると、今時の派手なミックス処理でなくても、こういうさりげない処理だけでも(定位変えただけなので)、もう立派にアレンジの一要素だなあ、と思えてしまいます。
 これはリアルではありえない定位、逆に他の楽器、例えばドラムのタム類は定石通り派手に左右に振ってあるし。ミックスをするときはついリアルに引っ張られがちだけど、あまり固定概念に捕らわれるのも良くないなあ、と思った次第。
(リアルだと弦だけ50m位奥にいたらこういう音場になるか?w)

 今月に入って急に気温が下がってきました、年末年始お忙しい方ばかりだと思いますが、皆様もどうかお身体にはお気をつけて。

時代の流れから影響大なもの

 ある曲を聞いていたら、効果音が入っていてふと思った。これ電話のダイヤルを回す音だけど、今の子はこの「ジーコ、ジーコ」って音何かわからないだろうな、と(w)。ダイヤル式電話機ってもの自体を知らない可能性もある、生まれてからプッシュホンしか見たことないとか。あれはダイヤルを回す間に色々と思ったりするのだけど(回して戻るまで時間掛かるしね)、このあたりの機敏も想像できないよな、とかね(相手が気になる異性だったりすると……)。考えたらこの「間」は、なかなか文学的でそれこそ歌にするには持ってこい。ワンタッチでどこでもすぐ「繋がる」時代ではなかったのですよ。昔は家に一台の電話機が普通だったから、相手の親が出たりね(笑)。

 ちょっと脱線したけど、電話というかコミュニケーション手段の描写というのは、時代の変遷で如実に影響をうける領域ですね。非常に身近でなくてはならないものだから。(電話すらない時代は手紙だったわけで……)

 まあダイヤル式電話が登場する歌は数あれど、拝聴しましたよ白いアルバムのラスト曲で。
 このアルバムがデビューから2枚目かあ、と思うと、(僭越ながら言わせて頂けば)かなり尖がっていたんじゃないでしょうか。名女性アーティストをプロデューサーに迎え、某アニメのあのポップな曲が60年代洋楽フレーバーないぶし銀のアレンジに……ってもあったし、それでいてアルバム後半にいくにつれ曲調が明るくなっていくんですね。アーティストさん自身が希望したプロデューサーだったとのこと、1枚目に続いてサウンドもアレンジも驚きです。こんな作品が35年前にあったのか……(おいおい、今更w)。

 しかしこれはジャケットから音が全く想像できませんでした。アングラっぽいモノクロームのカラーが似合う(あっ、でも白か)。1枚目がフルカラーなら、2枚目は白黒映画。
 80年代という枠には収まらない異端のアルバムでした。プロデュースについて、学ぶこと多々。いやはや勉強させて頂きました。

面白バンド、カーペンターズ?

 久々にカーペンターズのアルバムの感想、「PASSAGE」という1977年発売オリジナル作品です。ネタバレ前に(後述)、実は「Two Sides」という曲を目当てに買ったのですが、これが大当たり。参加ミュージシャンは驚くなかれ、リー・リトナーとジェイ・グレイドン。二人ともアコギを弾いているのですが、ぐっと抑えた甘いプレイ、素晴らしいとしか言いようがない。フュージョンとAORが最も新しく勢いがあった時代の、二人のキーパーソンのツインギター。カレンの歌声も後期なので最高に深みがあり、更にもう2本Eギターがアドホックに入ってくるんですが、まあシングルカットしなかったのが不思議なくらいの曲。カントリー風のAORといえるんじゃないかな、これは。

 カーペンターズは活動拠点がLAだったので、やっぱりLAのミュージシャンと交流があったのですね。これは嬉しかったなあ、カレンもドラマーとしてもかなりの腕前だったので、全盛期の彼らをバックに歌えて相当発奮したんじゃないかな?
 とりあえずこの1曲だけでお釣りがくるので、あとのことは目を瞑ろうという気になります(……そうなんです)。


 さて、ここからネタバレですよ。知っている方は知っているんだろうけど、このアルバム、リチャード・カーペンターが悪い意味でイタズラしまくった作品で(笑)、いやほんと、とにかくヒドイ。

 実は、自分はこれを今年の1月1日に聴いたのですが、とにかく元日からとんでもない目に遭いました。思えば去年の元旦はボズ・スキャッグスの「MIDDLE MAN」を聴いていい意味で腰を抜かしたんですが、今年は悪い方(?)で……。

 まず1曲目。聞き始めたら、なんか曲の定位がおかしいのです。ステレオじゃなくモノラル、それも完全なモノじゃなく、微妙に音の広がったモノラル。完全モノならそういう曲かと思うんですが、これじゃ、あれ?おかしいな?ヘッドフォンの不良かな?となる。それで何度もプラグを抜き差しして、曲聞いてるどころじゃないですよ。
 ヘッドフォン叩いてみたり、コードをくねくねさせてみたり、それでも直らず、そうこうしているうちに1曲目が終ってしまうわけです。で、2曲目。いきなり定位が普通のステレオに戻ります。……ん?
 あっ!やりやがったな、リチャード! なんと、ミックスでわざと擬似モノラルにしていたのです! な、なんちゅうことさらすねん。元旦からプラグ抜き差しして間抜けな心配してたこっちの気持ちは? ……ということです(笑)。ね、酷いでしょ(はぁ)。

 たぶん発売時は、世界中の音楽ファンが騙されたと思います。特に当時はアメリカを中心に大型ステレオコンポブームだったので、世界のオーディオファンがスピーカーやアンプの故障かと、ケーブルの具合を見たりスイッチを入り切りしたでしょう。それで2曲目で騙されたと気付くのです(笑)。リチャード、なんちゅう悪人や。
 これで終わりかと思っていると、これがね……。

 純然たるクラシックのような、男性声楽によるワーグナー風のオペラが始まったり(さすがに後半はカレンが出てくるけど、フルオーケスラ曲)、これなんとミュージカル「エビータ」のカバーなんですね。このオケはLAフィルだそう。(Overbudget Philharmonic=予算オーバー交響楽団という酷いクレジットになっているw)

 DJがラジオでリスナーと電話していたら、なんと、相手がワレワレハウチュウジンダ、だったりして(本当にこういう曲、ドラマ風。カバー)、映画「未知との遭遇」もこの近辺の年だったかな?まあ、しっちゃかめっちゃかな内容。よく発売できたなこれ、と心底あきれる。

 歴代のアルバムの中でもアメリカではかなり売れなかったらしいけど(笑)、それまで頑張ったからA&Mもご褒美代わりだったのかも。逆にジャぱんとエゲレスでは結構売れてしまったらしい……おい変態島国いい加減にしろ(笑)。両国とも性質の悪い音楽ファン多いな、すげえわ。

 ちょっと思ったが、これはビートルズにおける「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド」にあたるアルバムじゃなかろうか。カーペンターズがこんな“ふざけた”バンドだったとは、ますます自分の中の評価が高まりました。名曲だけのグループじゃないですね、音楽マニアや作曲勢の皆さんなら、ぜひ聴いて欲しい作品です。

 自分にとっては、もうビートルズに肩を並べるような大きな存在だなあ、あきらかに。
 そのビートルズも悪ふざけという面ではかなりのものだったけど、プロデューサーが行き過ぎたやつは止めたはずです、当然。カーペンターズはリチャードがプロデューサーだから止める人がいないんだこれが(笑)。今回はプロデュースとアレンジに専念、楽曲は外注またはカバーだけ、思い切ったことにしてます。
(念のため、このアルバムはカレンも共同プロデュース)。

 フルオーケトラをバックにカレンが歌う曲もあと1曲入っているので、いわゆる名曲好きな方も楽しめます。

(いやもう、ビートルズでもここまで酷いイタズラはしてないぞ… ←しつこい)

’80年代音楽の秘密に迫る?

 最近ちょっとしたきっかけで、「’80年代風オーケストラサウンド」というキーワードが浮かんで、自分で思いついた癖に、それってどういうものなのか、考え込んでいた。
 試行錯誤もありつつ、しばらくしてはたと思いついた。
 ――ああ、これは“戦メリ”のことじゃないか(w)。って、実にそのものでした。

 ヤングは何が「w」かわからないと思うけど、この時代に『戦場のメリークリスマス』という映画(大島渚監督)があって、ビートたけしやデヴィッド・ボウイが出てたんですよ。特に出演と同時に音楽まで担当した“教授”こと、今や日本を代表する音楽家である坂本龍一さん(もう業界インサイダーなので、恐れ多いですが“さん”付けです、もちろん)。このテーマ音楽が素晴らしくて、インストなのに大ヒットしてしまった(そもそも日本でインストがヒットするのって稀ですからね)。カンヌ映画祭出品作品、そして音楽は日本人初の英国アカデミー賞・作曲賞。

 この、一見わけのわからない「80年代風オケサウンド」って概念を、それこそ80年代に完璧に実践されていたんですね、というか明らかにこれが本家本元ですが。
 ただ、今このテーマ音楽を聞いてみると、広義のオーケストレーションはもちろんされていますが、意外というか、ほぼ全編シンセがフィーチャーされてるんですね(たぶん全て手弾きの感じ?もちろんハードシンセ)。自分の印象だともっと生楽器が入っていたように思ったんだけど、それだけアレンジと演奏が巧みであった、ということなんでしょうね。(生ピアノはメロとユニゾンしてます)
 ほのかにエスニックで懐かしく、そして(当時最新の概念であった)環境音楽的な響きもある。ブライアン・イーノですね。

 まあそれはそれとして、なんで長々と書いているかというと、今回その戦メリのフルオーケストラ演奏を見つけました、ということを書きたくて。教授ご本人がピアノを弾いています。素晴らしいですよ、3回ガン見した。

Merry Christmas Mr. Lawrence – Ryuichi Sakamoto HD (02-08-13)

 かなりふわっとした認識で書くので、非常に心配であらかじめ妄言多謝ですが、フルオケにありがちな声部がどうこうという感じではなく、もっと音響的なところを主眼にしたアレンジに、少なくとも自分は聞こえます。「線」ではなく「面」のアレンジですね。ある意味、ポピュラー音楽(ジャズ理論をベースにした)的といいますか。作曲勢の方々にはたぶんわかってもらえると思いますが。

 バイオリンでかなり高い音域でハーモニーを作って、それこそシンセのパッドのような効果を作り出しています。こんな音が出るとは、という驚き。こういう冒険的なアレンジは失敗すれば被害甚大なわけで、この結果はさすが、としか言いようがない。
 だから「いかにも」な、ありがちなオケアレンジはやっていない。非常に実験的といえると思います。
 原曲から引き継いで、プチエスニックだったり環境音楽的だったり。今さら自分なんかが言っても仕方ありませんが、やっぱり教授は凄いってことです。
 だから、80年代的なオケサウンドを出したかったら、今みたいなところは最低限クリアしないといけない。かなり高度なチャレンジになりますね。幸い、こういう素晴らしいお手本があるので、僕らみたいな人間には有難い限りです。
(いやー、今回は書いてて冷汗が出た。これはもう、同じ日本にこんな音楽家がいて幸せってレベルだなぁ)

 最近、この曲をはじめ、ちょくちょく日本の80年代音楽を聞いているのですが、あまり表だって書いている人はいないけど、80年代音楽って日本の一つの頂点だったんじゃないか。(それ以降の音楽がつまらないと言ってるのではもちろんありません)。でも、音楽で世界進出もしていたし、売上的にも(まあ時代の流れはあるが)今とは全く違って、自分のような当時の素人からみても業界全体が活気に満ちていました。
 坂本龍一さん、YMOもそうだし、カシオペア、(T)スクウェアといったフュージョン勢、渡辺貞夫さん、日野皓正さん、このあたりはメインストリームジャズとも股にかけた活躍、もちろん冨田勲さんもいた。
 80年代のアイドル音楽も、非常にユニークで、今や海外の若者にYoutubeで再発見されて、一部でカルト人気がありますからね。(ついでにいうと、当時のアニメ劇伴も高い評価を受けている。作家の名前が通じるほどです)当時の日本のAORも素晴らしかったが、やっぱり海外で再発見されてたりする。

 これはちょっと、このあたりをはっきり意識しつつ、「今」曲を書こうという人間は、戦略的に振舞ったほうがいいかも。取り入れられるものは取り入れていく、自国の音楽を模倣するのは模倣といわれませんから、海外のをやるとモノマネといわれるが。
 もちろんただの模倣でなく現在の音楽に発展的に取り入れるってことです。
 あんまり80年代賛美はしたくなかったんですね、自分の青春時代を賛美してるよくいるおじさんみたいだから(笑)。だけど、考えれば考えるほど、これはただごとではない時代だったと思えてきて、こんな文章を書いてみました。

 やっぱり60~70年代洋楽(AORやフュージョン含む)の盛り上がりを受けての、80年代ジャパン音楽の活況と頂点、これは歴史的にみて正しい認識なのでは。
 この時代の音楽を指す良い言葉はないか考えたが、Japanese ’80(Eighties) として、Jeighties(ジェイティーズ)って造語はいかがでしょう。

 ここから、今の音楽制作者は何ができるか。できることはたぶんたくさんありますね、自分はそう思います。

Poem in May – Past and Future?

 ある歌を歌うことで、多くの人を魅了し、目頭を熱くさせ、心に暖かいもの湧かせることができる人。それはやはり、特別な人なんでしょうね。選ばれた星の元に生まれ、それだけでなく、いやそれ以上の特別な努力を人生においてずっと続けてきた人。だからこそアーティストであり続けることができる。

 様々な事情があって、かつては、どらら側にもわだかまりがあったのかもしれない。みな若く、時代は濁流だった。それでも大きな時間のなかで、それを溶け去らせ、いま吹き渡る風の中に聞こえる声々が、これが和解の宴だったと告げている。
 まさしく、歴史を動かしたパフォーマンスといえましょう。そして、こんな瞬間を呼び寄せることができたのも、ずっと音楽と向き合ってきたからこそ。
 ベテランアーティストの真髄を、垣間見るができました。

The song never die, the singer lives forever.

 以上は、SNSや公開された一部映像をみての感慨です。

 この時間、裏番組を見ていたなんて到底……しかも日本のAORセレブ特集だったなんて絶対……いえはしない(汗)。いやあ流石有名スタジオ、高価な機材が無造作に積まれてた(呆)。
 そもそもBS入らないし、まさか生とは思わないじゃないですか? 肝心な局面で、一番大事なシーンを逃すとは、きっとこれはオレがそんな星の元の生まれなんだろうなあ。地上波で再放送されることを祈るのみ。

 今はもう普段アニメも映画も見ない、音楽一辺倒の生活っすわ。

 まあそれはそれとして――。
 やはり、令和はバブル世代がひと暴れしないと始まらない時代になりそうですね。

We, the Bubble generation get hyperactive in this Reiwa period. Go ahead!

デモ曲追加・新概念「Cute AOR」

 新曲追加です、早速いきましょう。

「The days I believe」

 ’70年代ソウル色がありつつ、しかも全体としてはコンテンポラリーなAORを狙った曲。今回は「えかたん」さんに歌って頂きました。
 歌詞からはたぶん、「失意・敗北」からの「再生」みたいな方向だとわかっていただけると思いますが、非常に若い感性のかただったらしく、あんまり喪失感というところは出ずに、「未来・希望」な色が濃厚に出てて軽いショック(?)。ここのデモ曲は、歌って頂く方とのコラボレーションだと思っているので、こういう面白い化学変化なら大歓迎。

 で、このブログで何度か言っていた「Cute AOR」だとは想定してなかったのだけど、ボーカルのカラーで、まさに「それ」になってしまった感。

 ミックスは良い感じの仕上がり、結局最終的にはアレンジがしっかり考えてあれば、音圧も出るし帯域の被りもないし、どんどんやることが少なくなっていく。
 といいつつ、ハモンドオルガンです。低音が被りました、ベースとかなり。バスドラとの被りはいつものようにあらかじめ回避したが、最終工程までいって、まだなんか被っていると思ったら、ハモンドの低音が結構長い音符で鳴っているので、全編。音は目立たないのですが、存在感はしっかり。あまりEQを弄ると音質が犠牲になるので、今回はダイナミックEQで逃げました。ベースが鳴るとオルガンの低域だけEQを絞るようサイドチェイン。

 次の時代が、よき時代になることを願って。…なんて取ってつけたようなことを(笑)。もう平成なんかには任せておけない、昭和バブル世代が大暴れしますので。