カテゴリー: 音楽一般

「サウスポー」関連・補遺

 阿久悠さんのエッセイ本「愛すべき名歌たち」到着。
 該当箇所を見てみたけど、自分の知っている話はこのエッセイだけの情報ではなかったっぽい。とりあえず大筋の経緯は同じです。スタジオでスタッフが待機……という話は、どこか別のエッセイだったか、ライターの記事か、あるいはTV番組か。ディレクター氏が来たのは、阿久さんが仕事部屋にしていたマンションの部屋だったとのこと。そして工場締め切りまで24時間しかなかったのは同じです。(当時のピンク・レディーは初回80万枚だったそうですw)
 あと面白いのは、後に王貞治さんに、曲のことでお礼を言われたそう。(没曲には、一本足打法の打者は出てこなかったとのこと)

 ピンク・レディーは、活動時期が’76~81年で、しかも後期はアメリカでの活動の力を入れていたので、実質的に70年代後期に活躍したグループといえそう。
 今回気付いたことが2つあって、ピンク・レディーの曲も’70年代サウンドだったということ。同時期、冨田勲さんはシンセサイザー作品を発表し自分はリアルタイムで聞いてましたし、ウェザーリポートもこの頃が最盛期でやっぱり聞きまくってました。
 洋の東西はあれ、この時期は本当に音楽がひとつ頂点を極めていたんですね、当時はそんなことは判らなかったが。

 そして、ピンク・レディーのビートを強調したポップな楽曲、歌いながら踊るスタイルというのは、実はすごく新しかった。(女子&児童からの支持が物凄く大きかった印象、皆振り付けを真似て踊ったのでw)
 そしてこのスタイル、「誰か」を思い出しませんか? そう、マイケル・ジャクソンですよ。ポップスのパフォーマンスにダンスを持ち込んだのはマイケルだと言われますが、同時代にピンク・レディーもやっていたんですね。(もしかするとちょっと早いかも?) 今では当たり前になった光景ですが、彼女たちがその走りといえそうです。

昭和の立看板物語~ピンク・レディー(2)

 前回の続き。
 ご存知の方も多いでしょうが、ピンク・レディーはデビュー当初から作詞・阿久悠さん、作編曲・都倉俊一さんという、ゴールデンコンビで大ヒットを連発していました。だから「サウスポー」もお二人の手になる曲なのですが。それについて、阿久悠さんが意外な秘密をエッセイで明かしておられたのですね。
 もう時効だから書くけど……みたいな出だしだったと思います。ピンク・レディー解散後10年は経っていた頃かなあ。

 いいですか、皆さん、心して聞いてください。たぶんこの話あんまり知っている人はいないと思う。「サウスポー」は、作詞・編曲・レコーディングから、ミックスダウンまで、つまり楽曲制作のほぼ全ての過程を、なんと24時間で終らせた曲だったのです。
(たぶん直前の作曲作業まで含めても、48時間掛かっていない…)
 マスタリング(当時はレコードなので原盤製造機で物理的に「盤」を作ったはず)まではどうだったか記述はなかったと思うが、工場にマスターを納入したところで説明が終っていたので、そこは任せたかも。
 あのミリオンセラーの大ヒット曲が、そんな短い時間で作られていたなんて……。ね、驚いたでしょ? 何度あの曲聞き返してもそんな火事場のような状態で制作されたとはわかりません、楽曲の質はどこをとっても超一流の仕事で非の打ち所はない。それが、ねえ……。阿久悠さんの言葉でなきゃ、自分も信じないと思います。
 なんでこんなことになったのか。なるべくエッセイの内容を思い出しつつ、書いてみます(細部が違っていたらあらかじめお詫び)。

 ピンク・レディーのプロジェクトもすっかり順調で、新曲も制作し終えて、阿久悠さんはある日自宅で寛いでいたそうです。そうしたら、夜になってプロデューサー氏がやってきた(お名前失念、面目ない。以下P氏とします。ディレクターだったかも?)。そこで衝撃的なことを告げられるのですね。実は、もう新曲のレコード工場締め切りまで24時間しかないが、今回の曲にどうしても納得できなくなったから、今から作り直して欲しいと……。
 仰天ですね。阿久さんもさすがに面白くなかったそうです。が、P氏が言うには、もうスタッフ全員説得して、スタジオで都倉俊一さんやピンクレディーの二人、そしてミュージシャンやエンジニアが全員待機している、というのです。ここまでされたらやるしかないですね。都倉さんが急遽作ったメロもできていて、用意周到持ってきていた。

 それで覚悟を決めて、徹夜で歌詞を書いたそうです。書きあがったのは明け方。メールどころかFAXすらない時代なので、バイク便でスタジオに歌詞を送った。

 スタジオでは、届いた歌詞を元に都倉俊一さんが大車輪で編曲作業をする。出来上がったメロディと歌詞を持って、ミー&ケイさんは別スタジオで歌の練習。出来たアレンジのパートから即演奏してレコーディング(ストリングスやブラスはパート譜もいるので、助手が書き起こしたり、ってこともあったかも)。それをエンジニアがミックスして……と、全スタッフ本当の不眠不休だったそう。流石にミー&ケイさんは、合間合間に休んでいたそうですが、でないと声も出なくなるもんね。
 それで歌入れがあり、レコーディングが終ったら、ミックスダウンして2mixが完成(これがマスタリング前のいわば「仮マスター」)。無事締め切りまでに工場にマスターテープが送られました、ここまで24時間だったそう。

 綱渡りというかなんと言うか……これを読んだ時の自分の感想は「全員超人か!?」でした。それがあの特大ヒットにつながるんだから……。単にミリオン行ったというだけでなく、当時は本当に日本人なら誰でも知っている曲でした。(まあ、ピンク・レディーの曲は全てがそう、なんだけど)

 阿久悠さんが書いておられたのですが、当時は面白くなかったが、それでも後で冷静になって考えたら、没になった曲はちょっと守りに入っているような面もあって、出来は悪くはなかったがあんな大ヒットには繋がらなかっただろうとのこと。

 まあ、それでもこの件で本当に凄いのは、プロデューサーの方ですね。なぜか締め切り直前に、今のままじゃダメだと判ってしまった。そこで普通やり直しさせるか……と思うんだけど、この制作陣・ミー&ケイさんなら、短時間でもっと良いものが出来ると信じていたし、分かっていた。見事にそれに全員が応えたわけですね。丁半博打というか、出来ると信じていたから博打ではないんでしょうけど……。万一前より悪くなったら責任問題なので。プロデューサーの権限の大きさと同時に、責任も大きいんだなぁと、エッセイを読んで音楽マニア時代の自分は感心していました。

 以上、昭和の時代の偉大な業界の物語でした。おっと、立看板はどこへ行ったかって?
 そこで最初に戻るのですが、中学生の自分が「サウスポー」の立看板に覚えた違和感。そこへこのエッセイが繋がるのです。つまり、気のせいか「時間(準備)不足」と感じたのは、実は正しかったのだ、とw こんな締め切りギリギリに上がった曲では、じっくりポスターの写真を撮る(&企画を練る)時間もあるわけがない。どうですか、なかなか鋭い子だったでしょう?……ということが言いたいのではなく(汗)、この「サウスポー」の偉業をぜひ広めたいと思い、書いた次第です。

(例によってWikipediaを調べてみたら、この没曲はなんと阿久悠さんのCD-Boxに入っているらしい。一部がCMに転用されているとのこと。没曲もサウスポーというネタだったと書いてあるが?w やはり中学生の眼力はこんなもんか(呆)。でも撮り直した可能性もあるしなあ。一応、ディレクター氏のお名前も書いてありますが、エッセイではどうだったか確認できないので、今回はこのままにしておきます。若干経緯も違うようだ、阿久さんのエッセイ本を突き止めたので現在到着待ち)

(今回、当時のジャケットやポスターの画像を検索してみたが、どうもどれも違う気がする……。宣材ってたくさん撮られますからね)

昭和の立看板物語~ピンク・レディー

 少し前にこのブログで、昔あった繁華街の小さなレコード屋さんのことを書いたけど、それ関連の別の話。駅前の超一等地、しかして戦前からある長屋みたいな建物にずらっと間口の狭い店が並んでいる場所でした。その中の一軒がうちが出していた店で、隣がレコード屋さん。年中ヒット曲を流していて、自分も親の店を手伝いに(冷やかしに?)に行った時は、それを聞いていて、流行歌は自然と覚えてしまっていた、今となってはそれが役に立ってるなあ、という話。
 覚えたのは曲だけでなく、このお店は立看板をいつも出していたので、ヒット曲や売り出し中の歌手のポスターはいつも貼ってあり、子供ながらいっぱしの立看板ウオッチャーにもなってしまっていた(w)。

 ピンク・レディーがデビューした時は、自分は中学生くらいでしたが、「おっ、このお姉さんたちは売れそうだな」と、立看板を見ながら思ってた(本当よ?)。もちろんレコード会社の猛プッシュがあったので、よく流れてましたよ「ペッパー警部」。ご存知のようにその後も大ヒットを連発していくわけで、その度に看板のポスターも貼りなおされていくわけですよ。宣材の変遷を常に見ていたんですね。
 で、ある時、ピンク・レディーの新曲のポスターを見て、なんだか得も言われぬ違和感を覚えたのです。曲はあの「サウスポー」でした。発売当初から爆発的な大ヒットになっていくのですが、どうもこれがなんだか変。ミーさんとケイさんが野球帽にピンクのユニフォームでグローブとボールを持っている(かどうか?)構図だったと思う。有体にいうと、どうもこのポスターに若干の「時間(準備)不足」感を感じ取ってしまったのです。もちろんお二人はアイドルで当時売れに売れているから、凄いオーラでしたが、むしろ衣装やライティング・構図などがそのレベルに追いついてない気がした。ずっとピンクレディーの宣材を見てきたからわかることです。何でだろう、まあ自分の勘違いだろうな、などと当時は思ってました。

 まさかその理由が意外なところにあり、それを後年読むことになる阿久悠さんのエッセイで知ることになるとは、その時は夢にも思いませんでした。確か朝日新聞夕刊の連載だったはず。阿久悠さんは作詞だけでなくエッセイも多数発表されていますからね。
 長くなりそうなので続く。

CASIOPEA 3rdライブ拝見

 10月4日の「CASIOPEA 3rdライブ」をネット配信で視聴しました。いや~堪能したあ、最高でした!……で、実は感想が終ってしまうw(だって本当だし)

CASIOPEA 3rd ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO【Streaming+】
日時: 10/4 20時開始

 当日、8時からは外でスマホ+WiFiで見ていたのですが、開演後映像が来るのにかなり時間が掛かって、ギターの野呂一生さん、ドラムの神保彰さん……という具合に「静止画像」が順番に切り替わるので、ああオープニングムービーなんだな、と思っていたら、単に自分の回線が遅くて追いついていないだけでした(汗)。その後映像が動くようになり、音も出てのですが、ここで驚愕の事実が判明。なんと野呂さんのギターの音だけが全く聞こえないw(←嘘のような本当の話) アンビエンス成分だけはかすかに聞こえるので、わぁこれは配信トラブルだぁ~と思い、必死にアンビエンスだけ聞いて3ピースバンドになってしまったカシオペアを補完してました。で、家に一旦帰ってきてパソコンで見たら全く問題なくギターの音が聞こえるんですね。自分の環境が悪かったのか、今もって不明。やはりスマホなんかで見ていちゃいかんですね(当然か)。それでも生放送の臨場感はたっぷり味わえたので(スリリングなところも含めてw)、スマホは動画ラジオみたいな捉え方で良いのかも。

 で、日曜の夜から水曜一杯まで録画がストリーミングで何度でも見られたので、結局生以外で2周半くらい見ました。(もっと見たかったがこれが限界でした残念) 録画も映像・音声ともに非常に安定してて安心感あった。映像の綺麗さはいうに及ばず、音声もほぼFMラジオ並みの音質で楽しめました。

 しかし凄い音を出すバンドだな、と改めて。第1期・2期のカシオペアに比べて、やっぱりキーボードが大高清美さんに変わっているから、よりソリッドな感じのリズムアンサンブルになっているように思えました(といってももう8年目なんですね)。ベースの鳴瀬喜博さんのファンキーなカラーも勿論あります。
 キリキリ緊張感マックスの感じでなく、大人の余裕・遊びがある円熟の鉄壁アンサンブルですね。それでも神保さんの叩き出すリズムがジェントルなので、冷たい感じは全くしない。……うーん幾ら語っても語りつくせないなあ。

 実はカシオペアのライブを生で見たのは20年振りくらいで「Be」の時だったと思いますが、考えたらその頃から全く変わっていないリズムセクションなので(というか進化してるし)、驚異としか言いようがありません。
 弾きまくる野呂さんのギターの圧倒的な表現力、アドリブソロのスピードと溢れ返るパワー……やっぱり進化してますね、オソロシイ…。

 正しくマスターピースとしか、もう言い様がない。ここまで現役バリバリでエッジな音を聞かせてくれるバンドって、世界でもなかなかないんでは。日本だともちろんT-SQUAREもあるけど、海外だとFourplayかスパイロジャイラくらいになっちゃう、懐メロ主体でなく現在の音楽を進化させている系統のフュージョンバンドは。
 いや~良いものを見せて頂きました。なかなか、ファンとしてだけでなく音楽制作をやっている人間としても、勉強になるシーンが多々。(バンドアンサンブルのお手本ですからね)

 ところで元(現?)シンセマニアとしては大高さんのキーボードスタックにどうしても目が行ってしまうw 一番上がJupiter-50、次がメインのオルガンVK-8、その下がFantomG7というRolandで固めた構成なんですね。Jupiterでいわゆるシンセっぽい音やブラス、オルガンは後ろのレスリースピーカーに繋げてメインKB、Fantomはエレピやパッドっぽいゴージャスな音の使い分け、のようにお見受けしました。
 前任の向谷実さんはヤマハ主体の構成だったので、この点だけでもかなり違うサウンドになっていて、とても面白かったです。

 やはり個人的にはカシオペア(3rd)が最高峰です。あと20年は現役でいて欲しい方々ですね。

深夜のムード歌謡

 ムード歌謡大全集みたいなCD-BOXを買ったんだけど、これを深夜にちょこちょこ聞いています、一度に3~5曲くらいづつ。いまBOXの半分くらいを聞いた。こういう時にヘッドフォンで一人静かに聞くムード歌謡の味はなかなかに格別で、実にいいんですね。上質のお酒を味わってるかのよう。
 「夜」の音楽そのもの、といえるかもしれません。以前も書いたけど本当に大人向けのPOPSだと思う、R40くらい。

 で、コンピなので様々な歌手の(アーティストというより歌手というのがしっくりくる)、様々な年代の曲が入っているわけですが。古いのはモノラル録音でたぶん60年代くらいから、新しいところでは80年代まで(このあたりが衰退期)。
 さすがにモノラル時代のものは、戦前から続く日本の歌曲系の伝統を強く感じるものが多いが、フランク永井さんの曲なんて、モノでもぐっとお洒落で洋楽っぽい。もしかしたらアレンジも含めて、当時は革命的だったかもしれません(たぶんそうですね)。山下達郎さんもフランク永井はお好きでしたね(コラボ作品まである)。
 面白いアレンジの曲もあって、おおこれは勉強になるなーとか、美しいメロや歌詞があればブックレットを見て作家さんの名前を確認したり、忙しいったらありゃしない(笑)。ちゃんと静かに集中して聴くよう心がけてはいますが。

 で、ここまで聞いた中で声を大にして言いたいのですが、八代亜紀さんの歌。続けて2曲入っていたのですが、もうその間中、ブックレット見るのも忘れてCDコンポの前で凝固ですよ。凄まじい歌唱力、なんと表現してよいか、もう深淵の表現力。通常の歌唱っていう次元じゃないですわ、この方は。完全に引き込まれてました。今頃ほんと勉強不足ですが、こんな素晴らしいボーカリストでいらしたとは。これは売れるわけですわ(w)、ファンの方々はちゃんと解ってたんだな、と。やっぱり大スターって違いますね。興味のある方は絶対CDでじっくり聞いて欲しい、配信なんかじゃ伝わらないこの表現は。

 そしてあのテレサ・テンさんの曲もありました(あの、って言っても最近は通じないかもなあ)。声質も非常に良いし少し外国訛りが入るから、エキゾチックで実にいいんですね。そしてアレンジやミックスが完全に洋楽! もうあと2歩3歩でシティポップですぜ、これ。歌詞なんかも実に深いし(もちろん一流作家の手になるもの)お洒落で儚く美しい。3曲入ってましたが、当時を思い出しつつ、今聞いても全然オッケーだな、と。(テンさんは元々アジアで大成功したあと、日本でもデビューしたんだそうですね)
 ちょっと面白いのは、ボーカルにほぼコンプを掛けないで録っているらしいこと。声のダイナミズム、息づかいがそのまま残ってる(その分、伴奏に埋もれて聞きづらい箇所もある)。たぶん歌唱を活かすのに最良だったのでしょう。

 なかなか、ムード歌謡というジャンルは奥深い。まだまだ潜れそうです。
 これが消えたことで失われた、あるいは忘れ去られた歌の世界はとても大きいと思えます。

ソロプロジェクト関連

 ソロプロジェクトの第一弾シングル「A’ROUND」ですが、昨日のAmazonデジタルミュージック新着ランキング(ジャズ・フュージョン)で、1位を獲得しました。今日は3~5位くらい。売れ筋ランキングでは25位でした。
 毎回こんなに応援してくれる方がいるとは……と、正直驚きです。やはり良い音楽の需要は今も昔も変わらずあるのですね。今後とも音楽的に面白いことをとことん追求していきますので、皆様温かく見守ってください。今日からは反省してオヤジギャグも言いません。…もとい少し控えます。

 お聞きいただいた方はわかると思いますが、この曲はジャズ系ギターの長いソロがあるので、誰に弾いてもらうかはかなり迷いました。結果としてとても良いプレイヤーが見つかり、曲調から様々なものを汲み取ってくれて、今の仕上がりになりました。

 ギタリストに演奏を発注するのは、ボーカル(仮歌)さんに発注するのとはまた違って、面白かったです。当然コード進行も渡すし、ボーカルよりは細かい指示が入ります。
 今はもうネット越しの発注の方が多いのだから、こういうことも普通にできないといけない。音楽制作側としては。上がってきた演奏を聴いて、ここを直して……というのも当然ありますしね。

 コーラス&ボーカルのかたも、普段はバンド活動やスタジオシンガーをしているそうですが、音楽的に大変面白い個性の持ち主で、高音部で声を張ると幼な声になってしまうのですね。こういう風にしか出来ません……って感じで上がったきたのですが、自分の曲がこんな化学変化を起こすとは、という嬉しい驚きですぐOKでした。こういう一期一会のコラボレーションがあるから面白い。

 一方、配信ディストリビューターには、今回は日本語で安心して依頼できるTunecoreにしました。CD Babyも考えたけど英語だから最初で失敗すると怖いと思って。
 Tunecoreは、かなり機能豊富で、お値段以上のものはあると思います。もっともリリースに当たって、色々と入力しなければいけない項目が一杯で、かなり面倒ではあった。
 そして、入力全て終って審査待ちになったので、2日後くらいに配信始まるのだろうな、と思っていたら、6時間ほどで審査終了で各配信サイトに送られて焦りました(w)。
 そしていくらなんでも実際の配信開始は翌日だろうと思っていたら、何時間かのうちに次々に配信が始まってしまって、もっと焦りました。配信依頼からなんと12時間も経っていない! 現代は全てがスピードアップしてるんですね。アマゾンの配信開始が一番遅かったんじゃないかな?

 ジャケットも描いて頂いたものですが、音楽のわかる方でかなりイマジネイティブな作品を上げてくれました。絵描きさんに発注する時のノウハウも今回わかってきた。(ボカロP時代に何回かやったけれども)

 最後に……前回書き忘れたこと。

「世界よ、これが2020年日本のスムース・フュージョンだ!」

 弦央昭良のソロプロジェクト「ACTiVATE」、ひっそりと(?)本格始動です。といっても新曲はボチボチのリリースですが。

ソロプロジェクト進行中

 実は、今年の初めくらいからちょこちょこと作曲家としてソロプロジェクトの準備をしていて、合間合間にいろいろと作業として、いまもうミックスに入っています。ソロプロジェクト、つまり当方が主体的にオリジナル曲をリリースするということです。
 きっかけは、ここのデモ曲を書いていて、そろそろワンコーラスだけの曲を作るのもいいかと思い、デモ曲代わりに曲をリリースしたら宣伝もなるし面白いんじゃないか、という感じ。アーティストや歌手の方の気持ちもわかるしね。

 ボカロP時代に、(株)インターネットのレーベルからボカロ曲を3曲リリースしているけど、あれはまあオマケみたいなもんだし、全部向こうさんにおんぶにだっこだったから。
 今回は、リリースまですべての作業を担当することに当然なります。ディストリビューターへの登録もそうですね。

 例によって無事発売されたら告知しようかと思ったが、考えたら宣伝媒体がここしかないので、徐々に情報を出して皆様を煽っていくことにしました(違うかw)。

 いやー、もうボーカルと楽器のトラックはとっくに上げてもらってミックスしているんだけど、かなり良い演奏をしてくれて、制作屋としてはこんなに幸せなことはありません。曲としても、ちょっと他に例をみないタイプの曲です。ボーカル曲とインスト曲の中間のような作り。
 冬までにはリリース……出来たらいいなあ(w)。

スラップベース音源の暴発

 スラップベース、自分の世代だとチョッパーベースって言っていたけど、いつの間にかスラップという名になったんですね。これはエレキベースの弦を叩く・はじくなどしてパーカッションのような強烈なアタックをつける奏法で、名前は知らなくても音を聞けば誰でもすぐわかると思います。ちなみに超カッコイイ音です、フュージョンで多用される奏法でもある。
(この奏法の登場で、ベーシストがソリストとしてスポットライトを浴びる機会が格段に増えた)

 そのスラップですが、当然サンプリング音源でもそれを再現したものがありまして、先日それを使って曲を書いていたんですよ。今の音源は、何度も書くけど本当に優秀で、まあミックス前でも実際の演奏と聞き分けは非常に難しい。ミックスしちゃうと、ちゃんと打ち込めばほぼリアル演奏との区別は無理、と思われます。
 ところが、その優秀な音源が、曲の特定の箇所で暴発のような状態になるわけです。意図してないのに「バイーン!」と爆発音のような感じになる。おっかしいなあ、さすがにスラップだからサンプルが均一じゃないのかなあ、とか、ベロシティを下げても同じだし、奇妙でした。それも曲の最初から再生するとそうなるが、途中からだとならない。「???」となりつつも、しばらく放置していたのですが。

 ある時、ミキサーに刺さってたコンプのプラグインを見つけました……ははぁこれかと、いやもっと早く気付けよと。オフにしたら音圧は下がったが、非常に安定した音になりました。犯人こいつでした、って随分杜撰な捜査だなこれ(笑)。
 有名ハードコンプをモデリングしたやつだったので、非常に正直に挙動を再現していたんですね。途中からと最初からで挙動が違ったのもそのせい。
 ただ音質や音圧感は自体は非常に良かったので、解決策としては、こいつのあとにもう1個コンプを挿して更にダイナミクスを潰しました。これで「バイーン」現象も解消して安定した音になりました。

 やはりスラップベースのような、アタックが非常に強い癖のある楽器の処理には、念入りなダイナミクス管理が必要なのかと痛感。昔も使ったけどその時はどうしてたっけか。
 あんまり潰すと音がペタペタになって、スラップベースがスクラップになっちゃう。オヤジギャグが出たところでまた今度。