カテゴリー: 音楽一般

[募集開始] シンガー・歌い手の方

 2023年の新しい試みとして、Dew Ridge Recordsでシンガーや歌い手を募集します。
 オリジナル曲が欲しい方向けの募集で、完成した楽曲はレーベルからリリースします。薄謝ながらギャラも出ます。どれくらい応募があるかわかりませんが、我こそはと思われる方、お待ちしております。

ネット主体で活動しているシンガー・歌い手の方を、テスト的に若干名募集します。
もちろんリアルでライブ活動を行っている方も歓迎です。
弊レーベルと打ち合わせの上、最適な曲を書き下ろします。
その後、ボーカルをご自宅で収録して頂いた後、ミックスして完パケを制作しレーベルからリリースします。

・報酬お支払いします
・18歳以上、性別国籍不問
・制作楽曲はネット上の動画・生放送で自由に利用可能

応募条件

・ボーカル収録できる宅録環境をお持ちであること
・ある程度の活動実績・実態があること
・一緒に良い音楽を作る熱意のある方(リテイクに耐えられる方)
・事務所・レーベル等と専属契約していないこと
・反社会的勢力や公序良俗に反する組織等と無関係の方
・歌唱動画を自分のYoutubeチャンネル等に投稿できる方(*)

詳しくは以下のページで。応募フォームもこちらから。

http://dewridge-records.official.jp/wanted.html

(*)顔出しが無理な方はご相談下さい

ユーミンさんの50年

 NHKで放映された「松任谷由実 ~私と荒井由実の50年~」を偶然見ることができました。
 なんと、ユーミンさんはデビュー50周年なんですね。18歳でデビューだったそう。
 タイトルに荒井由美が入っているのは、意外ですが、ご本人のお言葉では、自分は荒井由美を未だに超えられていない、ということのようです。「エッセンシャルなもの」があって、そこがポイントらしい。

 貴重な映像・写真が流れていましたが、荒井由美時代でいうと、やはりバックに気鋭のロックバンド・キャラメルママが付いたことが大きく取り上げられていました。
 また、アルバム「14番目の月」に入っている「中央フリーウェイ」、この曲はとても重要だったそうで、「この曲があったからここまでこれた」という程のもの。
 コードを探りながらピアノを弾いていて、「この曲はどこに行っちゃうんだろう」(弦央註:調性のことだと思われます)と思っていたが、強引に戻してみたらそれで合ってしまった(註:元の調に)。だから、理論的に計算したのではなく、感覚的に決めたコード進行らしいです。凄いなぁ。(1976年発表、シティポップの嚆矢にして完成形)

 で、このアルバムで”荒井由美時代”が終り、松任谷正隆さんとご結婚されるわけですが……。式の写真を見ながら、「互いの才能を独占したいから結婚した」って当時言っていた、というお話。口はばったたいが、本当に凄いご夫婦です。
 あと、「中央~」でベースを弾いたLeland Sklarのインタビューも流れていました。現役でセッションマンを続けているようで、仙人みたいな風貌になっています。
 曲もアレンジも素晴らしい、ファンタスティックだ、という話のあと、「目をつぶると、オーシャンパシフィックウェイをコンティネンタルで走っているような気分になる」とのこと。言い得て妙。

 また、ユーミンさんは時々夫以外のプロデューサーと組まないのかと質問されるが、として、1曲だけならまだしも、アルバムとなるとお互いのエネルギーを合わせてぶつけていかないと完成しない、その場合夫以外考えられない、ということだそうです。
 番組の最後では、ヤマハのAI・ボカロ技術で再現した荒井由美の歌声とユーミンさんが共演した新曲「Call me back」も流れていました。ちょっとボカロっぽさを残した感じで、それが却って良い結果になっているように思えました。

 まだギリでNHK+で無料配信されているので、皆様もぜひ。(22日夜まで)

https://www.nhk.jp/p/ts/R6R5RGQNJZ/episode/te/J5QXQ92XX1/

ピアノスタイル考

 ジャズピアノ、ロックのピアノ、王道クラシックと、ピアノもジャンルによってプレイスタイルは千差万別ですが、歌伴ピアノ(主にポップス)のジャンルも、歴然としてありますね。
 洋楽ならすぐ思い浮かぶのは、カーペンターズのリチャード・カーペンター。元々は器楽系のピアノスタイルだったのでしょうが、カレンのバッキングでエレピの方も含めて、非常に素晴らしいプレイを聞かせてくれました。兄妹で自作曲なので当たり前ではあるんでしょうが、出しゃばり過ぎず、かといって埋もれてしまうこともなく、ボーカルをプッシュし楽曲を締めています。
 そういえば、エレピはメジャーなフェンダーローズを使わず、ドイツ製ウーリッツァーを、カレンの声質に合わせてわざわざ使っていました。裏方、バッキングに徹する歌伴ピアノの鏡といえる行き方でしょう。
 で、歌伴ピアノの人が器楽曲を弾くと、これがまた非常に面白い響きになって、インスト専業の人とも違うし、なんというか正に歌心のあるプレイで、ハマると非常に素晴らしかったりします。

 しかし先頃Youtubeの演奏動画で拝見した、歌伴ピアノが主な領域の方の、クラシックの名曲。これはちょっとタッチの印象が硬かったかな? あ、でも練習って書いてありましたか。この曲、譜割りは簡単なのに、意外と演奏として成立させようとする難しいようですね。皆が知っているし、録音もたくさんある。ピアニスト独自の物を出すには却って苦労するはずです。
(でも先頃のアルバムでのピアノは良かったと思いました。正しく、歌伴スタイルのスイートでポップな完成度)

 そういえば、ピアノを弾きながら歌を歌う……ってスタイルのシンガーソングライターも居なくなりましたね。(まあサブスク用にコンプでペチャンコになったその種の曲は聞きたくないが。まさかそんなところでもサブスクの悪影響があるかも?)

作詞家の現況

 ちょっと前ヤフーニュースで読んだ記事、記憶頼りにボヤッと紹介。
 ある女性作詞家さんのインタビュー記事で、その方は匿名で登場していたが、モーニング娘の時代から幅広く作品をアーティストに提供して専業でやって来た方。やはり日本では専業作詞家は少ないそうです。

 元々業界に入ったのは、アマチュア時代ツテがある知り合いに歌詞を書いてみないか、と言われ提供して、いきなり採用されてそのままずるずると……という感じだったそうで、才能があったのでしょうね。曲先でスラスラ書ける方のようです。

 ただ、年々要求は厳しくなっていて、良い歌詞が出来たと思い、アーティスト側・制作側から好評にも関わらず、例えばグループの誰か一人がここはちょっと……など言われると書き直し。そんな展開が増えているとか。依頼の時もザックリし過ぎているとか。

 また、サブスクになってやはり作詞家も取り分が減り、辞めてしまった人も結構いるらしい。
 この方も、アイドル向けのコンペなどでは、もう全然通らないそうです。で、今後は演歌やムード歌謡にも提供したい、というご意向。

 もう一点面白いのは、兼業作詞家が増えたという話。たとえば業界で他に仕事を持っている方だったり、サラリーマンや学生だったりでコンペに通った、というパターン。学生だと就職と同時に辞めてしまったり、という形になるそう。

 ここで自分の見解を書けば、やはり従来の形での業界のあり方って完全に限界なんじゃないかと思います。といってこれが次世代の形だ……って示せるわけじゃないが。

JASRAC誕生秘話

 JASRACサイトの会員エリアに、先頃面白いPDF資料が載っていて、ダウンロードして読んでました。「JASRAC80年史」という資料で、優に書籍1冊分の分量がある。元々はセミナーかなにかでの配布資料だったらしいけど、非常に出来がよく、それで公開されたらしい。(2019年版)

 ここに面白い話が載っていて、名前通りJASRACの歴史を紹介した資料なんですが、なぜJASRACが作られたか、その経緯が最初に書いてある。
 それによると、JASの前身となる団体が作られたのは戦前の1939年(昭和14年)。その理由というのが実に意外というか、なんというか…。なんと、外圧です。

 在日ドイツ人の某が、昭和6年に外国著作権管理代行団体を日本で設立した。NHKのラジオ放送や、クラシックの演奏会などで、かなり厳しい取り立てを行い、場合によっては楽譜の差し押さえまでやった。まだあまり著作権は気にされてなかった時代で、かなりの騒ぎになったようです。
 そのうち国内でも勝手に著作権団体を組織して日本の著作権業務を牛耳ろうとし始めたのですね。
 それで大問題になり、国会で急ぎ関連法案などが整備され、JASRACの前身の団体が作られた、とのこと(社団法人大日本音楽著作権協会)。

 だから、JASは誕生の段階から、日本の音楽著作権行政と深く関わっていたといえそうです。
 この資料、奥付をみると編集は日経BPになっていて、かなり信頼性の高いものといえそうです。2018年までの出来事がずらっと編年体で載っている。

 設立時の名簿を見ると、作曲家では服部正、古賀政男、古関裕而、平尾貴四男、本居長世といった名前が見えます。作詞家では西条八十、時雨音羽など。(敬称略)
 この団体が戦後の1948年(昭和23年)に社団法人日本音楽著作権協会と改名され、現在のJASRACとなります。

 余談ながら、こんな背景の組織が、一部で言われているような著作権マフィアみたいなものであるはずがない。先頃音楽教室問題で潜入調査して炎上したが、その前はロクロク調べない、と随分批判されてました。まず世間は調査して欲しいのかどうか、決めないとね。

(ちなみ、なぜ著作権使用料の請求が作曲家からでなくJASRACから来るかは、作曲家が著作権管理をJASに委託しているから。そのあたりは全部わかりやすく公式サイトに書いてありますね)

KENDRIXに登録してみた

 ブロックチェーンに楽曲情報を登録して「存在証明」ページを作れる&公開できるシステム、KENDRIXが10/31から稼動しています。運営しているのはJASRACで、春くらいから試験運用していた。
 簡単にいうと楽曲の著作者情報をネット上に登録でき、楽曲の不正使用や強奪などに対抗できる仕組み。(登録したからといって必ず防止できるわけではない。ただ不正使用された場合に今後は強力な対抗手段となりえます)

ブロックチェーン技術を活用した存在証明機能とeKYC機能を備える楽曲情報管理システム「KENDRIX」の正式サービスを開始
https://www.jasrac.or.jp/release/22/10_5.html

 これなんと、全部無料なんですね。サイトでIDを作って、楽曲をアップして、タイトルとバージョンを登録していくだけ。楽曲登録の作業もサクサク進みますが、ブロックチェーン登録のステップだけは平均30秒程度待たされる。(このあたりは中央集権システムじゃないので…) 技術周りはソニーグループと連携しているとのこと。

 存在証明ページはこんな感じになる。

ファイン・チューニング
https://kendrix.jp/versions/musical_creative_work_version_id:5159d927-af93-4048-8a03-6fb994b37e9e

 登録できるのは、作詞か作曲、あるいは両方の著作権を持つ人だけです。(編曲の項目はなし)
 もちろんJASRACに入っていない音楽クリエイターでも全く同じように登録できます。(というか、JASRACとしてはそういう方々に使って欲しいらしい)

 Youtubeなどでも、楽曲を不正使用された、乗っ取られた、なんて話を時々聞きます。ネット上に楽曲を公開する方は、あらかじめKENDRIXに登録しておくと安心かもしれません。インディーズでやっている方には特におススメです。
(ウチのようなレーベルには非常に有り難い仕組み、もちろん全曲登録した)

 まだサイトの機能的にもVer1.0という感じですが、その分軽くて快適です。JASRACもDXやWeb3を睨んで、ガンガン動いているわけですよ。実はJASRAC本体の楽曲登録も、昔は郵送やFAXだったが、今ではネット上からも登録できるようになっています。

 蛇足ながら、JASRACは音楽家の寄り合い所帯であり、音楽の作り手の味方です。世間では随分悪者にされているが、かなりマスコミのマインドコントロールが蔓延っている印象。マスコミはお金を「払わされる」側だから、面白くないのでしょうね。
(トラブっているのは膨大な管理楽曲中の数曲、あとはしっかり分配してますよ)

 マスコミはこういうニュースはなぜか報道しないんだよね。
(KENDRIX mediaというサイトも立ち上がっているが、これは連動している音楽メディア)

補遺・「PLANETS」再訪

 どうやら「惑星」でmoogモジュラーシステムを2台使っていたのは確定です。
 「惑星」の次に出た「宇宙幻想」のライナーノーツを見たら、機材リストに「moog IIIp」「moog System55」とはっきり書かれていました。さらにRoland Sytem700も載っているので、どうやらフルサイズのモジュラー3台体制だったらしい。正直今回は度肝を抜かれました。
 これって業界や世間で共有された情報でしたっけ? 自分も1台だと思っていたし、色んな記事を見てきたけど、1台…って感じの扱いばかりだった記憶しかありません。
 最初期の写真だとIIIpが映っていて、その後はSystem55ばかりなので、機種を変えられたのか……と自分は捉えていました。
(IIIpは最終的には修理不能なほど故障して、NHKの放送技術博物館に寄贈されていますね)

 あと「惑星」のライナーは冨田先生ご自身で書かれていますが、その中にとんでもないことが書かれていました。
 弦楽パートは、moogとRS-202を併用したというのですね。202はRolandのストリングス(アンサンブル)キーボードで、トミタサウンドにおける弦楽パートという、非常に重要な役割を担っていたわけです。
 実は今回「惑星」を聞き返していて、今の耳で聞くと弦楽パートで、なぜかストリングスKBっぽい音が聞こえるが気のせいか…と思っていたんですね。これまで読んだ分析記事の類だと、必ずmoogを20回とか弾いて重ねて……みたいな話でしたね。なんと、公式中の公式情報、作品のライナーノーツでこんな「種明かし」がされていたのです。(重ねたのも事実でしょうが)…昔読んだけど失念してた(汗)。

 あと面白いのは、シンセの音をスピーカーで鳴らしてそれをマイクで拾った……という試みをしたパートがあること。メロトロンをそのまま使うのではなく、VCFやVCAを通して加工していること(+moogと併用)。そしてシンセに対する姿勢、どういう意識で「惑星」を制作したのかがわかります。「惑星」の物理メディアを持っている方は、ぜひライナーを読み返してみて下さい。

 フェンダーローズが機材リストに載っていて驚いたのですが、一体どこで使ったのか……と考えて、あぁあれだと。隠し味……ではありません。とても目立つところです。音の鳴りかたがモノシンセじゃないので、読者諸兄ならすぐおわかりになるはずです。ぜひ考察してみて下さい(w)。

 今回思ったのは、Rolandはトミタサウンドにおけるバイプレーヤーとして、非常に重要な役割を果たしていたんだな、ということ。あくまで主役はmoogですが。
 ちなみ、宇宙幻想では、デジタルシーケンサーの走り、Roland MC-8が満を持して導入されています。