カセットロン(仮称)構想

 最近、またハンダゴテを握ったりしているんですが、まだ電子工作はリハビリ段階。
 で、部品やらキットやら、ネットのウィンドウショッピングが楽しくて、道具類の進化に驚いたり、こんな高機能モジュールがこんな値段で……なんて止まらなくなる。

 そんな流れで、前々から構想していた、ある楽器の構築計画が実現できないか調査してた。その名もカセットロン……メロトロンのカセットテープ版、といえば分かって貰えるかと。
 メロトロンという楽器が’60年代・’70年代に、欧米のバンドを中心に非常によく使われていたんですね。ビートルズも使ってたし、富田勲先生も多用してた。いわばアナログサンプラーで、見た目はオルガンだがなんと鍵盤の数だけテープ再生装置を内蔵して、鍵盤を押すと最長9秒間その音(音程)を再生する。かなりクレージーな代物です。
 これをカセットで代用できないかという話。

 実は2500円程度で、再生専用のカセットプレイヤーがアマゾンで売られています。少なくとも2オクターブは欲しいので、そうなると25台(2oct+1)、62500円。鍵盤はMIDIキーボードで代用し、MIDI信号はArduinoかラズパイ(マイコン基板)で受けて、カセットを駆動する。

 第一案では、ソレノイドを制御して、カセットのプレイスイッチやストップスイッチを押す形態。ソレノイド500円として、500x2x25=25000円。更に調べると、ソレノイド駆動回路も要るらしい。大掛かりになり過ぎだし、メカ工作的な難易度も高い。(巻き戻しも問題)

 第二案は、カセットを回しっぱなしにして、MIDI信号が来たらその鍵盤の音を流すようにする。これだと電子回路だけで済む。ただピアノのようなアタックのある音はダメで、ストリングスやコーラスのような持続音のみってことになる。これならいけそう。

 ただ、よくよく考えてみれば、2オクターブ分の楽音テープを用意するのは大変だし、当然ピッチもカセットでは狂うから、ここまで費用を掛けて稼動したらガラクタだった、という可能性も非常に高い(w)。
 で、今のところ構想だけにしているんですが。誰かお暇な方やってみませんか。Youtubeでちょっと調べたが、流石にここまでバカげた(いい意味で)ことは試みられていないようだ。ただ発想は単純だから、きっと世界のどこかで作った人がいるんじゃないかと思っている。

 実は、テープのローファイ感が欲しいだけなら、もっと単純な方法はある。それはトラックを一旦テープに落としてそれをまたDAWに読み込むってことだけど、これを応用してKontaktに食わせれば、それでサンプリング音源になってしまう。音程ごとに本当に書き出し・読み込みすれば、かなりリアルな「カセットロン」になるでしょう。実用上は、こっちが妥当かと思う。
(音源にも、よくテープストリングスって名前の音色があるが、あれは正にこういう形態を模したものでしょう)

追記 サンプリング音源で良ければ、メロトロンのは結構ありますね。