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思い出のビッグバンド

 最近、必要があって昭和の時代の演歌やムード歌謡なんかを聞くことが多いんだけど、そうするとちょくちょくバックにビッグバンドやブラスセクションが入っていたりして、やはりこの時代の楽曲にはジャズのカラーが必須だなあ(そしてそっち方面の音楽好きにはたまらんなあ)と思ってたりします。
 昔は、ほぼミュージシャンといえばジャズミュージシャンのことだったので、(ロックは別系統で不良みたいな?w)ジャズバンドが糊口をしのぐために演歌や歌謡曲のバックをやっている、というのは暗黙の了解事項でした。実際TVなどで伴奏しているのはそうしたバンドが多かったですしね。

 ただ、最近少し考えが変わってきて、確かにそうした要素はあったにせよ、実は演歌(および歌謡曲)の人たちの精度の高い歌唱を支えるには、演奏技術的にも優れていたビッグバンドに頼ざるを得ない、という理由もあったんじゃないか。当時の歌手の人たちは(今でも演歌はそうだけど)表現も歌唱技術もとんでもなく高いので。だから、実は持ちつ持たれつだったのですね。

 なんでこんなことを書いてるかというと、もう解散したけど昔、「原信夫とシャープス&フラッツ」という日本人なら誰でも知ってるようなビッグバンドがあって、そういえば昭和の時代は本当に歌番組でよく見たなあ、と思い出していたからです。
 米軍キャンプからキャリアを始めた方々で、文字通り日本を代表するビッグバンドでした、そして演奏も(歌伴だけでなく本業のジャズも)素晴らしかったです。

 たとえば80年代初頭にあったクインシー・ジョーンズ(とそのファミリー)の武道館公演、まさかYoutubeにないよなあ?と思ったらいきなり出てきたけど(笑)、ちょっとメンバー見てくださいよ。当時クインシーがプロデュースしていたり、関係が深かったアーティストやミュージシャンが勢ぞろい。

Quincy Jones: Keyboards, Conductor
Jean “Toots” Thielmans: Harmonica, Guitar
Patti Austin: Vocal
James Ingram: Vocal
Vivien Cherry: Vocal
Peggy Lipton Jones: Vocal
Janna Tyler: Vocal
Carlos Rios: Lead Guitar
Louis Johnson: Bass
Rod Temperton: Synthesizer & Keyboards
Greg Phillinganes: Keyboards
Jerome Richardson: Soprano Saxophone & Flute
Peter Christlieb: Saxophone
Jerry Hey: Flugelhorn
John Robinson: Drums
Ollie Brown: Percussion

 クインシーはクリエイターでやっぱりヒネてるから(←怒られないかなぁw)、この陣容でアメリカでは公演しないんです。なぜかというとアメリカ人聴衆はコンサートでの態度が最悪だから、それに比べてジャパンは素晴らしい(QJ談)、で日本のみで公演。あんさんやっぱヒネてるわ~。
 当時FMでライブが流れていて、エアチェックしながらその演奏にワクワクしながら聞き入ってました。
 そしたら、バックに素晴らしいビッグバンド・ブラスがいて、そのキレキレな演奏にもう手に汗握る感じ、すごいなあこれ、ニューヨークあたりのビッグバンドを連れてきたんだろうなあ、と思っていました。

 賢明な読者諸氏はもうオチに気付いたでしょうが、そう、これが何を隠そう原信夫とシャープス&フラッツだったんですよ! 今聞いても信じられないくらい凄い。
 フルバンドのブラスでこんなにキレるのって、人数多いんで普通まず無理っすからね。しかも音にしっかり腰があるし……(だからLA系じゃなくNYだと思ったのですが)。

 実は、クインシーとシャープス&フラッツは親交があったそうですね。原さんが自らアメリカに出向いて、アレンジを依頼したことがあったらしい。それでクインシーは実力をよく知っていて、この大事なバックをまかせたというわけ。クインシーも認める日本のビッグバンド、どうすかこれ。こんなにレベルの高い人たちが歌謡曲の伴奏してたんだぜ?贅沢すぎるっしょ。

 ジェームス・イングラム、残念ながら亡くなったそうですが、在りし日の素晴らしい歌が聴けます。大ヒット曲「JUST ONCE」だなあ。
 パティ・オースティンもすごいぞ、この日はこのツートップが大活躍でしたね。
 最後の「愛のコリーダ」では、全員入り乱れての大合奏、すさまじい迫力です。こういう音楽がまた復活してくれよ、って心から思う、それならリスナーは音楽に戻ってくると思うんです。
 例えばJイングラムだったら、当時はブラコン(ブラックコンテンポラリー)って言われてた音楽の代表格の一人、今の量産型R&Bと違って、ちゃんと鑑賞できるポップスとして成立してるわなあ、この時代の曲は。
 作り手としては、なんとかこういう音楽を復活させたいなあ、という当然の思いは抱きますね。

(しかしこれ、シンセ&キーボード弾いてたの、あのロッド・テンパートン先生だったのかよ(笑)、当時ライブ映像見てたけど気付かなかったわ。ベースはルイス・ジョンソンだし、フリューゲルホーンでジェリー・ヘイが紛れこんでるわ、流石に超豪華メンバー。テンパ先生がPオースチンに並んでガチ歌唱してるんで、パティがマイクの向きで困ってるじゃんかw 舞台で踊っているおじさんがクインシーですね、当日はMCも務めてノリノリでした)

 音楽の黄金時代は、やはりすごい人たちが支えていたのだなあ、と感慨深いひとときでした。懐かしかったので、つい長々と書いてしまった。

デモ曲追加・スムースラテンPOP

 ところで、このサイトはブログ主体ではありません(笑)。ブロガーじゃないんで、作曲家ですから。ということで、新しいデモ曲追加です。

「ベローズ・チャコール」
 feat. mariko

 今回はスムース・ラテンのようなPOPS曲を書いてみました。シックでスタイリッシュな感じ、そしてまたまたアコーディオンをフィーチャー。前の曲がかなりド派手な入れ方だったので、今回は弦やブラスが入ったなかで、総合的なバンドアンサンブルの中でのアコ、しかもラテンサウンドの中で、というところを主眼に。それで、ラテン曲でよくピアノがやる16ビートのバッキングフレーズがありますが、あれをアコで鳴らしています(当然、右手左手フルアレンジ)。

 アコーディオンの左手のコード(ボタン)は、モロにギターのローコードと音域が重なるのですね。なので下手に鳴らしっぱなしにしていると、最終的にトラックの音が濁ります、響きもよくない。そのあたり気をつけつつアレンジした。(ちなみ、ベースボタンの音域は当然ベースと被る)

 今回は、marikoさんに歌って頂きました。雰囲気あるボーカルで、曲調にぴたりと合いました。有難うございます。

 マスタリングは「Abbey Road TG Mastering Chain」だけで行ってみました。こいつは音圧を上げようとするとすぐ0dbを超えたりするので、今回は音圧低め。後処理でOzoneをかましてみたりしたけど、いかにもOzoneなサウンドになっちゃって、歪っぽかったし、それは止めた。このままだと非常に音に透明感があって、かなり音楽的には正解だと思う。
 このAR-TGMC、プリセットのままではややアレってとこもあるが、少しいじると大変効果的ですね。

CDガラパゴス・ジャパン万歳

 最近、研究のためもあって、J-POPやシンガーソングライター系のCDをよく購入しているのですが、やっぱりCDはええわ~。まずちゃんと形になって音楽が「そこ」にあることの安心感。レコードに比べて小さいとはいえ、ジャケットも楽しめる。そして制作側の人間として重要なのは、レコーディングスタジオやエンジニアの名前、プレイヤーの名前も大抵明記されていること。
 もちろん、音自体これがアーティスト曲のリファレンスなのだし、余計なエンコーディングなどで劣化・変化する心配もない。PCトラブルで消失することもない(笑)。
 よく海外系の記事で、日本はいまだにCDが売れているガラパゴス云々~というのがあるが、なんで批判的にくるのかさっぱりわからん。むしろ劣化配信のmp3などで満足しているガイジンは、その程度の耳しかないのだし、それで満足できる音楽しか聴いてないという証拠だな。音楽の地盤沈下の一因だと思う、悪貨が良貨を駆逐したわけですよ。でも、そろそろちゃんと音楽に向き合った方が良い、世の中は金太郎飴みたいなマスプロダクション・ミュージックばかりではありませんから。良い音楽を良い音で聞けば、やはり音楽の素晴らしさが、無頓着な人にも絶対にわかるはず。

 なんか色々書いてますが、先日ここに書いていた大先輩のCDを、ようやく入手して聞いたのですよ。そしたらこれがね……驚きの結果に……。
 やっぱりあの1曲目より2曲目が、そして2曲目より3曲目が良かったのです。う~ん、CDで聞いてしまうと、全部の曲のレベルがグーンと上がって、その差は縮まらずむしろそのままでした、という。やはり制作側として嘘は書けませんから、これはそう申し述べるしかないのです。アーティストさんのオキニ曲問題は存在していたのか、と。
 3曲目、一番洋楽っぽい、というかもう洋楽そのまんま、どこかで曲が掛かってたらもうアーティスト名を調べたくなるような感じ、少なくとも自分にとっては。
 こちらの先輩は、ボーカルの中域~中低域あたりが、非常によいと思うのですが、そのあたりのフィーチャーされ具合もヒットポイント。(毎回上から冷や汗出るようなこと書いてるなぁw)
 ということで、またまたきっとお許しいただけると信じ、今回はこれにてアウトロ。

アコーディオンの妖精さんが発見される

 暖かくなったり寒くなったり、それでも次第に冬に向けて秋が深まる今日この頃ですが。
 つい出不精になったりして、心も身体も固くなったりしていませんか。そんな方は、以下の動画でも見てほっこりして下さい。

翻訳:
 森の中でアコーディオンの妖精さんが発見されました。ある日私が森を散策していると、遠くからアコーディオンの音色が聞こえてきた。なんだろう?と思ってそちらへカメラを向けると、急速に音が近づいてくる。こ、これは!伝説のアコーディオンの妖精、ユニアコマンだ! この一輪車に乗った妖精と目が合うと、その日から3年間は幸福になれるという。
 妖精は無心にアコーディオンを弾きながら、来た時と同じように唐突に森の奥へと消えていったのだった。

 はい、この翻訳はデタラメです(笑)。
 この方は、投稿者本人らしいです。大意、おれは現代の伝説になる!みたいなことが書かれています。あ、なんかある意味あんまり変わってないか。

 それにしても器用な方だな、というかこれ結構なスピードだけど、乗り降りのときアコーディオン大丈夫だろうか。音がドップラー効果起こしているもんね。
 正直、Youtubeなどで本邦のアコーディオン奏者の皆さんの動画を見て、圧倒的じゃないかわが軍は、なんて思っていたが、海外はやはり本場だけあってレベルが高い(違うか)。

 蛇足ながらこの動画にレスがついていて、それが以下の動画。

 この人はアーティストらしいけど、やっぱり後半で一輪車的なものに乗りながらアコーディオンを弾いています。海外のアコ弾きは皆、こんなことができるのか?(笑) なんかヒップホップやってそうなのに、ラップも歌もなし、最後までアコーディオンのインストです、なかなか硬派っすね。トラックはクラブサウンド的だが。後半、ローランドのVアコーディオンに持ち替えてますな。
(と思って調べたら、超有名なヒップホップ系のアーティストなんですね)

 世界は広い。自分のような曲書きは、内外問わず素晴らしいアーティストさんの仕事を見て、日々刺激を受けたり心躍らせて創作のエネルギーにしています。
 まあ自分もおっさんだしどっちかというと病弱インドア野郎なので、11月は大抵体調を崩してたりしてなかなかキツイですが、そんなとこととは無関係に音楽制作に邁進している日々でございます。

 諸先輩方の仕事は本当にすごいや。既に大きな結果を出している方々には、本当に敬意しかありません。自分のような者は、一曲一曲、謙虚に丁寧に積み重ねていくしかないのですよ。それでも今は音楽制作に携われて本当に幸せだと感じます。

 などと物思う秋に、つらつらと書いてみました。

洋楽コンピで発見した面白い曲

 「Sunday Morning」という洋楽コンピCDで発見した面白い曲。
「Cartoon Heroes/AQUA」

 早速Youtubeの公式クリップを貼ってみます。売れに売れた曲だそうで、知っている人は今更なんでしょうが、この頃(2000年代初頭)って自分はもうインスト曲ばかり聞いていて、完全ノーマークでした。

 まずタイトルが「Cartoon Heroes」ですよ。「うん?」ってなる。ボーカルの女性の声に「はぁ?」、真面目に展開するので「えぇ?」、サビが非常な美メロなんで「うわぉ」ってなるという、久々に音楽そのものの斬新さと楽しさにぶちのめされたというか(w)。

 すごい声だよなあ、これ最初「子供が歌っているのか?」、次に「いやボイスチェンジャー?」「女性の裏声?」となりましたが、ボーカルの人の地声らしい。アニメ声・声優声を超えて、ほとんど安田大サーカスの黒ちゃんだから。

 Wikipediaによると、デンマークの男性3人でデビュー前にボーカルを探していたところ、見つかったのがこの女性リーナだったという。こんな声の人と組もうと思ったのが凄い(w)。もちろんもしハマれば唯一無二の個性になるわけで、事実そうなって、出したアルバム2枚が全世界で3300万枚というデタラメな数が売れたらしい。配信主体になってしまう前の、最後の滑り込みみたいな感じですか。

 まあ見てわかる通り、ビデオクリップが爆笑ものなんで、こういうバカバカしい映像に金をつぎ込む奴らは大好きだぜ(笑)。
 ただ音楽としてのセンスはかなりいいですよ、これは。打ち込みのオーケストラとクラブサウンドの融合も面白い。さっき書いた通りサビの美メロはほんとに癖になる。
 ただミックスはもうヘッドフォンに特化してあって、コンポで聞くと重低音ブーストがきつい。あと、このビデオクリップ、公式なのになんとLとRの定位が逆です。CDで聞くとハープが左から聞こえるけど、こいつは右からだから。すさまじいチョンボですが、まあご愛敬か(結構Youtubeはあるんだよなあ)。

 久々にアルバムも聞いてみたいアーティストだったので、2枚注文した。