カテゴリー: 日記

e-tax奮戦記

 今年の確定申告作業は、e-tax周りのことで地獄のような目に遭った。
 「やよいの青色申告」で申告書を作っているんですが、これはe-taxによるオンライン申告に対応していて、去年からやっています。ちゃんとカードリーダーもマイナンバーカードも用意して、去年は非常にスムースに終ったんですね。それで油断してた。

 今年からやよいのe-tax周りがバージョンアップして、やり方が全く変わってしまった。申告書を作り終わって、いざデータ送信の段階になって、NFC機能付きのスマホがないと送信できないシステムだと発覚。しかも対応機種は少なく、SIMフリー系はほぼ全滅……。なんでこんな仕様にした? マイナカードといえば、カードリーダーがデフォルトの読み取り方法のはず。NFCスマホがあればカードリーダーいらないだろう、という余計なお世話設計らしい。勘弁してよ~。

 今から対応スマホの準備もできないし、仕方がないので国税庁謹製のe-taxソフト(ダウンロード版)を使うことにした。
 去年はやよいから書き出したxtxデータを、WEB版e-taxで送れたんだけど、調べてみてイヤな予感的中。今年からこの方法無理。申告書類、全て手動で打ち直し……。こんなアナログ手法はイヤだ(w)、そこはデジタルでいいのに。で、結局打ち直しましたよ、やよいの画面と首っ引きで。
 この国税庁ソフトがまた曲者で、最初は何度やってもインストールが最終段階で止まってしまう。調べたら同じ症状の人のブログがたくさん見つかって、解決策も授かった。なんと、JavaのJREの32か64かどっちか、あるいは両方入ってないとダメなんだって。で、入れました。
 お役人思考で作られたソフトの操作性に泣きつつ、なんとか申請書類や関連書類を入力して、最後に送信。ここは流石にあっけなく送れた。こってり疲れました。

 まだ過渡期なんだろうけど、行政申請系の完全デジタル化はまだ遠い。デジタル化で簡単になっているはずなのに、なぜか手順は増えている(笑)。面倒にも思えるが、紙に印刷して提出するのが一番確実で速い気がする。ただ青色申告の控除が65万から55万に減ってしまいます。その辺りのエサの撒き方はさすがお役人様です。

2月の雑記

 複数のバラエティ番組で最近見た光景で、Z世代にレコードを掛けさせようという企画。まあかなりイジワルです。予想通りというか、プレイヤーのアームを垂直にグイッと持ち上げたり、レーベルの上に針を落そうとしたり、まず回転数というのがわからないらしい(w)。音楽やっている人だったらかなり知っているだろうけど。
 で、何かやらかす度にスタジオのおじさん・おばさんは絶叫なんですが、TVの前で自分も絶叫してました(w)。何が凄いって、3曲目掛けてと言われて、違う場所に針を落してそこじゃないと言われると、彼らはレコードが回っている状態で、そのまま横に平行移動しますからね(笑)。むろん「ガガガ……」と凄い音がしてスタジオ阿鼻叫喚。
 流石にディレクターに指示されたのだろうと思ったが、気付いた。彼らにとって、これは「スワイプ」なんです。違うか。

 Paypalの凄まじいバグで確定申告作業中にかなり悩んだ。世界中で使われているオンライン決済手段がこんなことでいいのか。1月中にPaypalから取得した過去の決済データCSVが、なぜか日付順じゃなくランダムだったんですね。これは過去にもあり気にしてなかった。実際、会計ソフトが自動ソートするし。ところが、データ入力が全て終り、月ごとの残高確認をしたら、全然合わない。見直していったら、なんと元の残高データがメタメタだった(w)。慌ててデータを再取得したらピッタリ合ってた。ついでに日付順だった。最初のデータは何らかの理由で不具合があったようです。決済機関なのにこの会社大丈夫か。

 ふと思い立って、オーディオI/Fのアウトをリスニング用のアンプに入れてみたら、音質はどうなるか実験してみた。I/Fは余っていたTASCAMのUS2x2。これはエントリークラスのもので、あまり使ってなかった。I/FにパソコンをつないでWAVを流すと、最初はかなり輪郭がボヤけた音で、これは使えないとなった。ただ、この時はPHONEアウトの信号だったんですね。後日LINE OUT(普通はパワードスピーカーを繋ぐところ)を繋いだら、これは驚きのクリア音質。特に低音が締まっていて、情報量も多いしまさにモニター品質。どうもPHONEアンプは品質を落としていたみたい。これなら直接WAVを鳴らしてリファレンスの一つにするのも可能だなと思い始めている。(他にも色んな環境で聞いてますよ)
 だから、エントリークラスのI/Fでも、PHONEじゃなくメインアウトの信号でヘッドフォンをドライブした方がいいかも、可能なら。

ヤフオクの変な出品

 ヤフオクで不思議な出品がおススメみたいな欄に出てきて、それが1円即決でデジタル写真を売っているんです。自分で撮影したものなら、ある意味不思議でないかもしれないが、素材に使うのも微妙な風景写真ばかり。しかも、同じ写真を何枚も出品しているにも関わらず、落札もされているし、なんじゃこれは?と思っていた。
 自分なりに、たぶん何かのライセンス的なものを、裏で(取引ナビで)渡しているのかな、と予想していた。

 ところが、意外なところで真相が判明した。ヤフーニュースの記事で、別のネット詐欺事件のコメント欄を見ていたら、なんとこれは詐欺師の「評価稼ぎ」のやり口なんだそうです。低い評価だと信用されないから、自作自演で出品・落札してダミー評価つける。それで詐欺に使用するアカウントに信用を付けるわけです。
 よくもまあこんなことまで考えるなぁ、という感じですね。もちろんこのアカウントで偽ブランド品などを販売するわけです。

 先日も、なんと少年ジャンプの過去号の偽物が10万円以上で落札され、落札者が見抜いて出品者が逮捕される事件がありました。外観も中身も非常に精巧な作りで、ただ異様に新しいためコピーだと気づいたそう。こうなってくると、絵画の贋作と変わらない世界だな。
(更にサイン色紙は偽物の温床のようです)

 音楽関係でも、スタジオ用機器などで、ビンテージ品の偽物が出ることがあるらしい。これはビンテージが異様な高額で取引されるからですね。よほど信用のおける出品者からでないと、オークションでその手のものを落札するのは避けた方が良いかも。(先日見たのは、実際のスタジオを運用されている方が、身元を完全に公開した上で、なぜこの機器を売りに出したか詳細に理由まで書いた出品。ここまでくれば安心して取引して良いわけです)
 皆様もどうぞお気をつけて。

November Surprise

 あるシンガーソングライターさんの新作アルバムを聴いた。

 発売前に曲目リストを見ると、シングルリリースで既に聞いた曲が何曲か入っていて、大体の仕上がりがイメージできる状態でした。実はここだけの話、あまり期待していなかったともいえる(汗)。
 ところが実際聞いてみると、いい方向で予想を裏切られて、非常に良作でした。陽光あふれるテラスで、アフタヌーンティーを楽しんでいるかのようなリスニング感。世界的につらい出来事が続くこの時代に、ふっと心を穏やかにしてくれる楽曲群。書き下ろし曲が良いのもあるが、シングル曲もアルバムの中でベストポジションに配置され、続けて聞くとまた別に聞こえ方がしてくるのだから不思議です。
 いや、不思議でもなんてもなくて、たくさんのアルバムを作ってきたアーティスト特有のマジックでしょう。
 音楽家の役目、こんな荒れた時代における使命みたいなもの、そんなことまで考えさせてくれる作品でした。

 いやー、お見それしました、って以前も書いてるが、本当に凄い方だ。たったひとつ不満は、ぜひ再ブレイクして下さい、ってことだけです。洋楽を聴いてきた音楽マニアなら、このアルバムは絶対嬉しいはず。70年代の名曲の、掛け値なしに素晴らしいカバーも入ってるし。
 余計なことかもしれませんが、CD発売日には、SNSでジャケットと販売チャンネル書いて告知すべきですね。ファンでも知らない人がいても不思議じゃない。アマゾンやタワレコ他、国内流通網に乗っているんだから。
 自分がもしレーベルスタッフだったら、「リラックス&デトックス。アフタヌーンティーをご一緒に」って帯に書くかな。

 重箱の隅、かなりの部分でミックスもご自分でやられていますが、素晴らしい出来です。ただ8曲目の一部と、11曲目の全体が、ミックス(音質)に少し違和感ありました。アナログ的歪みが感じられる、またボーカルコンプの掛け方が他と違う(11)。たぶん意図して宅録っぽい音を作ったのだと思いますが。(オープンリールテープで録った?)
 マスタリングはロンドンで行われていて(アビーロードスタジオ含)、全体的には完全にメジャーの品質。
 しっかし、最近この方、ちょっと楽曲のイメージが変わったな。音楽はまだ進化し続けるようです。

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映画「ブレードランナー2049」観た

 1982年の映画「ブレードランナー」の続編。2017年公開なので、なんと35年越しの続きになります。カルト的人気を誇った前作を見ていないと、たぶんこれだけでは意味不明のはず。人間と見分けがつかないレプリカント(生体アンドロイド)が多数暮らす世界で、脱走者を「処分」する捜査官を視点人物に据えた点では同じです。

(たまにはネタバレせずに書いてみる)

 この35年の時間の流れが(いい意味で)感じられる続編で、久々に考えさせられる映画でした。映像は徹底的に退廃的ではあるものの、奇妙に静かで美しい。退廃のもつ暴力性・暗い自己主張みたいなものは感じられない。むしろ静かに朽ち始めている廃墟、遺跡の中でじりじりと破滅に向けて暮らしているような、そんな世界(観)の映像でした。
 考えてみれば、35年前のブレードランナーは、退廃的ではあるものの、非常に猥雑で混沌のエネルギーに満ちた世界でした。あれは、今にして思えばバブル経済の世界を反映していたんですね、そうとしか言いようがない。(ちょうど同時期のアニメ「コブラ」の宇宙都市描写と相似形)
 この2049の映像は、だからラストベルト(錆付いたアメリカの工業都市群)とか、何かが終ってしまった「あと」で呆然と暮らしているような、現在の世相や世界の様相を強く反映したものといえそうです。ポスト・ポストモダンといえるかもしれません。

 興味深いのは、何度も形を変えて虚像(偽物)と実体(本物)の対比が描かれること。それは仮想とリアルの対比でもあるし、レプリカントと人間の対比でもある。
 主人公(レプリカント)はAI立体映像の女性パートナーと暮らしているのですが、彼女は愛を囁き、彼も愛を囁くものの、どこか心の底では醒めていて、それがプログラム(=虚像)の働きに過ぎないことを把握している。多分、人間への憧れからの、いわば恋人ごっこ。そのあたりも哀しい。あるいは人間に飼われている自分をシニカルに意識した戯れか。

 前作の主人公デッカード(人間)と恋人レイチェル(レプリカント)が、世界の趨勢に影響を与えるようなものを残していたことがわかります。その辺りの謎解きを縦糸に物語は進んでいきます。
 本作の主人公は、最後に(最後にも)とても人間的な行いをして目を閉じますが、彼はそれで人間に「なれた」のだろうか。そうであってほしい、と願っています。

映画「キャノンボール」観た

 アマプラで出てきた懐かしいコメディ映画。てっきり70年代かと思ってたが1981年だった、アメリカ大陸を縦断する違法公道レースの話。レース自体の駆け引きというより、参加者のキャラの濃さが売りになっている。
 主演バート・レイノルズ。この頃の違法レース物といえばこの人(w)。先頃の「ラスト・ムービースター」では老いたスター役で主演して、当時のドタバタもネタにしてました。あとジャッキー・チェン、マイケル・ホイ、サミーデービスJr、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセットも出てくる。
 まあ、今でいえばコンプライアンスなり、差別表現なりで完全にアウトな表現やギャグもあり、当時は牧歌的だったんだなあ、という変な笑いも楽しめます。

 まあなんといってもロジャー・ムーアの役がヒドイ。ロジャームーア似が自慢の大金持ち役を本人がやっている。ショーン・コネリーから2代目ジェームズボンドを引き継いだ人で、比較して色々言われていた時期。劇中オレは有名な俳優で……と自慢するものの、「誰?」と言われたり「知らん」で殴られたりする(弱い)。美女をエスコートしてボンドカーで参加してるんだけど、最後に他の役者と間違われていたと知り、なんともやるせない虚無な表情になります。洒落にならん、仕事選びなよ。(でもこの人のボンド映画は面白かったですね)
 ラストで自分がボンドカーの排出ガジェットで吹っ飛びます。よく引き受けたな。

 で、このボンドカーのシーンで、「007のテーマ」……とそっくりだがギリでアウトの音楽が流れるのですが、これが一番面白かった。普通はギリセーフで作るだろ、っていう。当時は映画音楽のほうもユルかったのか。これ今だったら絶対無理だろうと思う。今観ると80年代初頭の楽天的なアメリカの雰囲気が、濃厚に感じられる映画でした。

サイト名変更

サイトの運用目的をより明確にするため、サイト名を新しくしました。

旧:「弦央昭良 / Music Works」
新:「作曲家・弦央昭良のサイト」

外観も若干変更しています。しばらく色々弄ると思いますが、
どうぞよろしくお願い致します。

スタートレック「ピカード」観た

 キリがないからハマらないよう注意してたアマゾンオリジナルのドラマ、とうとう出来心で見てしまった。なんとスタートレックTNGの続編(スピンオフ)、「ピカード」。TNGの艦長、フランスの田舎で隠居していたピカードが、再び銀河を巻き込む大事件のため奔走。なかなかお金が掛かっていて、たぶんTVシリーズと映画の中間くらい。シーズン1、全10話。1日30分だけ観るのにちょうど良いんですね。

 データ少佐の組み立てキットが出てきて笑ったが、実は自分はTNGも最後まで見てないし、映画も未見ですが、少しネタバレ……データはピカードを救うため命を投げ出していたんですね。その友情に応えるため、ピカード元提督の人情人助け旅が始まります。
 途中でこの構造は何かに似ているな……と気付いたんですが、そうだ水戸黄門じゃないかと(w)。ご隠居様が家来を引き連れて、(時に)身分を隠して悪を退治していくんだから。助さん格さん的人物もいるし、うっかり八兵衛(女性)、お銀(元ボーグ、超強い)、モロに飛猿まで。これで弥七がいれば完璧なのに、と思ったら大ピンチに駆けつけるライカー副長がそうでした。

 まさか本当に参考にしてないと思うが、スタトレ版水戸黄門と思って見ると楽しめるかも?(保証はしない)

Roland FA-06危機一髪?

 メインキーボードとして使っているRoland FA-06ですが、先日危うく病院(メンテ)送りの危機が。システムプログラムをしばらくアップデートしてなくて、もうv2.xになっているんですね。それで流石にこれはそろそろと思い、アップデートを決行。Rolandのサイトからアップデータを入手して、USBメモリにコピー。これをFAの裏のUSBコネクタに挿して、特定スイッチを押しながら電源入れるとUSBから本体のプログラムが書き換わる仕掛け。(最近のシンセはもう中身コンピュータだから)

 で、やってみたのだが……30分経っても書き換えが終らない。マニュアルには3分と書いてある。これはおかしいぞと思ったが、アップ中は電源絶対切るなと書いてあるし、接触が悪いのか?と、恐る恐るメモリを抜き差ししてみた。
 それから30分……やっぱりダメ。これはもうトラブル確定だな、と腹を括って、電源を落としてみた。

 ダメだろうな……と思いつつ電源入れると……なんと普通に起動した(w)。やっぱりシステムバージョンは古いままだったが、こんなクリティカルな状態から復帰するとは、なかなか優秀なファームウェアだな、と。たぶん運も良かったんだろうが。
 なぜ書き換え失敗したか不明。外側にはTOSHIBAと書いてあるのにPCで中身を見ると違う社名が出るメモリのせいか(w)。ご想像通りアマゾンで買いました。

 実際、アップデートは失敗すると修理するしかなくなる場合があるようです。次はいつ試してみる気になるか……。パソコンじゃないんだから不用不急のアップデートは避けるべきかもしれない。

アニメ「パリピ孔明」

 TVアニメ「パリピ孔明」、各所で話題になっているようですが、今のところなかなか面白い。自分はアマゾンプライムで偶然見かけて見始めた。ストーリーの中心に音楽がある、業界物語。

 諸葛孔明が現代日本・渋谷に転生、偶然ヒロインの歌声を聞いて、専属軍師、早い話マネージャーとして彼女を売り込んで成功を目指す話。……と書くとメチャクチャだが、孔明は文人としての一面もあったそうで、三国志ネタもちょくちょく散りばめられ、毎回なかなか凝った造りです。

 このテでよくあるのはアイドルやバンド話だが、これはクラブが拠点の話で、クラブミュージックや洋楽系の曲ばかり出てきて、音楽的には非常にしっかりしていて安心して聞いてられる。萌え声ソングは出てこないので、音楽マニアが見ても面白いのではないかと思います。(音楽はエイベックス制作)

 ステージが複数ある大きなクラブのライブに出られたのに、人気歌手の当て馬にされたり、中規模フェスに出ても新人なので隅っこ……こんな困難を、孔明の卓越した知略で乗り越えてファンを増やしていく。ラップもあるよ。
 ライブの裏側や興行のリアルが垣間見えて、これは原作漫画はちゃんと取材してるな、と感じさせる。
(孔明、1話で既にブロックチェーンを理解し始めている…)

 OPはエイベックス得意の、空耳日本語歌詞の洋楽らしい。EDはmihimaru GTの「気分上々↑↑」のカバー。(原曲は今聞いても刺さるような尖った感じだけど、これは角を丸めた感じのアレンジ、アニメのEDだから)

 ヒロインが宅録で作曲するシーンもあるが、流石にMIDIキーボードやギターを弾くくらいで、DAWを操作しているシーンは今のところないようだ。