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デモ曲追加・気怠い昼下がりPOP

 続けてデモ曲追加です。

「足りない色」

 昼下がりの情事~家政婦は見た!のような世界(笑)というか、なんというか。

 アレンジ中に木管アンサンブルを試したらいい感じだったので、ストリングス+ブラス+木管を入れ込んで色彩感を出してみました。

 左側から聞こえるのは、GM音源にもあった謎の楽器、Dulcimer(ダルシマー)。って今は演奏動画も簡単に見つかるけど、孤高の民族楽器かと思ったら、そうでもなさそうなので、今回安心して採用。

 サビまではCドリアンスケールで、サビからはCメジャーです。転調のような効果狙い、しかし転調ほど劇的に変わる感じはないのが面白い。

 今回はkayumaiさんに再び歌って頂きました。ボーカルはWaves Reel ADTでダブリングして、ちょっとエフェクト効果。

 最近の自分の集大成のようなアレンジ、生楽器からシンセやエレピまで入れた編成の楽曲です。
 皆様からの制作のご依頼を心よりお待ち申し上げております。

’80年代音楽の秘密に迫る?

 最近ちょっとしたきっかけで、「’80年代風オーケストラサウンド」というキーワードが浮かんで、自分で思いついた癖に、それってどういうものなのか、考え込んでいた。
 試行錯誤もありつつ、しばらくしてはたと思いついた。
 ――ああ、これは“戦メリ”のことじゃないか(w)。って、実にそのものでした。

 ヤングは何が「w」かわからないと思うけど、この時代に『戦場のメリークリスマス』という映画(大島渚監督)があって、ビートたけしやデヴィッド・ボウイが出てたんですよ。特に出演と同時に音楽まで担当した“教授”こと、今や日本を代表する音楽家である坂本龍一さん(もう業界インサイダーなので、恐れ多いですが“さん”付けです、もちろん)。このテーマ音楽が素晴らしくて、インストなのに大ヒットしてしまった(そもそも日本でインストがヒットするのって稀ですからね)。カンヌ映画祭出品作品、そして音楽は日本人初の英国アカデミー賞・作曲賞。

 この、一見わけのわからない「80年代風オケサウンド」って概念を、それこそ80年代に完璧に実践されていたんですね、というか明らかにこれが本家本元ですが。
 ただ、今このテーマ音楽を聞いてみると、広義のオーケストレーションはもちろんされていますが、意外というか、ほぼ全編シンセがフィーチャーされてるんですね(たぶん全て手弾きの感じ?もちろんハードシンセ)。自分の印象だともっと生楽器が入っていたように思ったんだけど、それだけアレンジと演奏が巧みであった、ということなんでしょうね。(生ピアノはメロとユニゾンしてます)
 ほのかにエスニックで懐かしく、そして(当時最新の概念であった)環境音楽的な響きもある。ブライアン・イーノですね。

 まあそれはそれとして、なんで長々と書いているかというと、今回その戦メリのフルオーケストラ演奏を見つけました、ということを書きたくて。教授ご本人がピアノを弾いています。素晴らしいですよ、3回ガン見した。

Merry Christmas Mr. Lawrence – Ryuichi Sakamoto HD (02-08-13)

 かなりふわっとした認識で書くので、非常に心配であらかじめ妄言多謝ですが、フルオケにありがちな声部がどうこうという感じではなく、もっと音響的なところを主眼にしたアレンジに、少なくとも自分は聞こえます。「線」ではなく「面」のアレンジですね。ある意味、ポピュラー音楽(ジャズ理論をベースにした)的といいますか。作曲勢の方々にはたぶんわかってもらえると思いますが。

 バイオリンでかなり高い音域でハーモニーを作って、それこそシンセのパッドのような効果を作り出しています。こんな音が出るとは、という驚き。こういう冒険的なアレンジは失敗すれば被害甚大なわけで、この結果はさすが、としか言いようがない。
 だから「いかにも」な、ありがちなオケアレンジはやっていない。非常に実験的といえると思います。
 原曲から引き継いで、プチエスニックだったり環境音楽的だったり。今さら自分なんかが言っても仕方ありませんが、やっぱり教授は凄いってことです。
 だから、80年代的なオケサウンドを出したかったら、今みたいなところは最低限クリアしないといけない。かなり高度なチャレンジになりますね。幸い、こういう素晴らしいお手本があるので、僕らみたいな人間には有難い限りです。
(いやー、今回は書いてて冷汗が出た。これはもう、同じ日本にこんな音楽家がいて幸せってレベルだなぁ)

 最近、この曲をはじめ、ちょくちょく日本の80年代音楽を聞いているのですが、あまり表だって書いている人はいないけど、80年代音楽って日本の一つの頂点だったんじゃないか。(それ以降の音楽がつまらないと言ってるのではもちろんありません)。でも、音楽で世界進出もしていたし、売上的にも(まあ時代の流れはあるが)今とは全く違って、自分のような当時の素人からみても業界全体が活気に満ちていました。
 坂本龍一さん、YMOもそうだし、カシオペア、(T)スクウェアといったフュージョン勢、渡辺貞夫さん、日野皓正さん、このあたりはメインストリームジャズとも股にかけた活躍、もちろん冨田勲さんもいた。
 80年代のアイドル音楽も、非常にユニークで、今や海外の若者にYoutubeで再発見されて、一部でカルト人気がありますからね。(ついでにいうと、当時のアニメ劇伴も高い評価を受けている。作家の名前が通じるほどです)当時の日本のAORも素晴らしかったが、やっぱり海外で再発見されてたりする。

 これはちょっと、このあたりをはっきり意識しつつ、「今」曲を書こうという人間は、戦略的に振舞ったほうがいいかも。取り入れられるものは取り入れていく、自国の音楽を模倣するのは模倣といわれませんから、海外のをやるとモノマネといわれるが。
 もちろんただの模倣でなく現在の音楽に発展的に取り入れるってことです。
 あんまり80年代賛美はしたくなかったんですね、自分の青春時代を賛美してるよくいるおじさんみたいだから(笑)。だけど、考えれば考えるほど、これはただごとではない時代だったと思えてきて、こんな文章を書いてみました。

 やっぱり60~70年代洋楽(AORやフュージョン含む)の盛り上がりを受けての、80年代ジャパン音楽の活況と頂点、これは歴史的にみて正しい認識なのでは。
 この時代の音楽を指す良い言葉はないか考えたが、Japanese ’80(Eighties) として、Jeighties(ジェイティーズ)って造語はいかがでしょう。

 ここから、今の音楽制作者は何ができるか。できることはたぶんたくさんありますね、自分はそう思います。

Poem in May – Past and Future?

 ある歌を歌うことで、多くの人を魅了し、目頭を熱くさせ、心に暖かいもの湧かせることができる人。それはやはり、特別な人なんでしょうね。選ばれた星の元に生まれ、それだけでなく、いやそれ以上の特別な努力を人生においてずっと続けてきた人。だからこそアーティストであり続けることができる。

 様々な事情があって、かつては、どらら側にもわだかまりがあったのかもしれない。みな若く、時代は濁流だった。それでも大きな時間のなかで、それを溶け去らせ、いま吹き渡る風の中に聞こえる声々が、これが和解の宴だったと告げている。
 まさしく、歴史を動かしたパフォーマンスといえましょう。そして、こんな瞬間を呼び寄せることができたのも、ずっと音楽と向き合ってきたからこそ。
 ベテランアーティストの真髄を、垣間見るができました。

The song never die, the singer lives forever.

 以上は、SNSや公開された一部映像をみての感慨です。

 この時間、裏番組を見ていたなんて到底……しかも日本のAORセレブ特集だったなんて絶対……いえはしない(汗)。いやあ流石有名スタジオ、高価な機材が無造作に積まれてた(呆)。
 そもそもBS入らないし、まさか生とは思わないじゃないですか? 肝心な局面で、一番大事なシーンを逃すとは、きっとこれはオレがそんな星の元の生まれなんだろうなあ。地上波で再放送されることを祈るのみ。

 今はもう普段アニメも映画も見ない、音楽一辺倒の生活っすわ。

 まあそれはそれとして――。
 やはり、令和はバブル世代がひと暴れしないと始まらない時代になりそうですね。

We, the Bubble generation get hyperactive in this Reiwa period. Go ahead!

デモ曲追加・新概念「Cute AOR」

 新曲追加です、早速いきましょう。

「The days I believe」

 ’70年代ソウル色がありつつ、しかも全体としてはコンテンポラリーなAORを狙った曲。今回は「えかたん」さんに歌って頂きました。
 歌詞からはたぶん、「失意・敗北」からの「再生」みたいな方向だとわかっていただけると思いますが、非常に若い感性のかただったらしく、あんまり喪失感というところは出ずに、「未来・希望」な色が濃厚に出てて軽いショック(?)。ここのデモ曲は、歌って頂く方とのコラボレーションだと思っているので、こういう面白い化学変化なら大歓迎。

 で、このブログで何度か言っていた「Cute AOR」だとは想定してなかったのだけど、ボーカルのカラーで、まさに「それ」になってしまった感。

 ミックスは良い感じの仕上がり、結局最終的にはアレンジがしっかり考えてあれば、音圧も出るし帯域の被りもないし、どんどんやることが少なくなっていく。
 といいつつ、ハモンドオルガンです。低音が被りました、ベースとかなり。バスドラとの被りはいつものようにあらかじめ回避したが、最終工程までいって、まだなんか被っていると思ったら、ハモンドの低音が結構長い音符で鳴っているので、全編。音は目立たないのですが、存在感はしっかり。あまりEQを弄ると音質が犠牲になるので、今回はダイナミックEQで逃げました。ベースが鳴るとオルガンの低域だけEQを絞るようサイドチェイン。

 次の時代が、よき時代になることを願って。…なんて取ってつけたようなことを(笑)。もう平成なんかには任せておけない、昭和バブル世代が大暴れしますので。

ピンクのデビューアルバム

 また宛先不明が続きます、好きなことしか書かないサイトなので。

 しばらく前からの宿題だった(懸案とも言う?)、ピンク色のデビューアルバム、ようやくしっかり聞かせて頂きました。なんと36年前の作品です。時間が経つのはこんなに早い、まさかこのスケールの時間が自分の人生で普通になるなんて。時にバブル経済真っ只中、日本が一番平和で豊かだった1983年の世界……。

 1曲目を聞いた感想は、まず声がちゃんと出ていない。全体的に固く、歌を歌いきっていない。当時FMで聞いたときと同じ印象でした。とにかくボーカルが縮こまっている。ただこれは、スーパー著名プロデューサーを始め、超豪華ミュージシャンを揃え、20歳だったこのシンガーソングライターさん、さすがに緊張したのだろうな、と思ってました。アレンジも全曲このPさん、素晴らしい、というしかない。全然古びてないし。
 ところが……5曲目から印象が変わりました。あれ?ボーカルがかなり……声がしっかり出てるし、非常に伸びやかです。そのままそんな曲ばかり続き、そして11曲目で終わり。アルバム後半、かなりの力作楽曲が続きます(アレンジも相変わらず凄いが、多分それ以上に楽曲が素晴らしい。どう聞いても完全にパーフェクトなAORだし、歌詞もね(アルバム前半は、アイドルっぽいAORといえるかな?))。

 もしかして、最初は緊張したけど、慣れてきて本調子になったのかな?と思ったのが1周目でした。

 2周目を聞き出した途端、わかりました。これはプロデュース(の結果)だ! 最初の4曲くらいは、アイドルをいわば「演じて」(たぶん正確には「演じさせられて」)いるんだ、と。うひょー、こりゃびっくり。だから声が固い、そりゃそうです、本来の自分の歌声じゃないんだから。当時風にいえば「ぶりっ子」ですね、これはP氏か、あるいはおそらくもっと上からの方針では……。憶測ですよ、憶測ですが、たぶん某アニメから流れてきたファン向けに、こういう「演出」をした。
 当時はまだレコードの時代だったので、A面の4曲はアイドル風AOR+5曲目は本格AORにして、B面に繋げる。B面は5曲を本格AORにして、最後の曲だけまたアイドルAOR、それてA面の頭に繋げる流れ……。たぶんこんな戦略だったのではないでしょうか、だとしたら納得、まあ自分の見方に過ぎませんが。

 昔、メジャーバンド活動をしていた某声優さんの話だと、いわゆる「キャラ声」で歌うのは非常に難しいそうです。声を作ると音域が違ったりして、ベテランでも四苦八苦だそう。まして声優でもない二十歳のアーティストさんには……。こうして、このアルバムの何曲かで声が固い謎が36年振りに解けたのです(笑)(←笑、じゃーねーよw)

 いやー、こうして改めて聞くと素晴らしいですよ、このアルバム。以前キュートAORって書いたけど、それは前半だけですね、後半は完全にハイクオリティなAORっすわ、それこそ世界レベル。
 こんなに素晴らしいデビューアルバムだったのか。もっと早く気付くべきだった。しかし当時からこれAORって言われてたかなあ?、そういう評を見たことがなかったのだけど。やっぱりアイドルシンガーソングライターの……って流れだったと思う。アニメのせいでそう見られていたなら、ある意味不幸だったかも、ぶっちゃけ自分もそんな感じで見てたし。

 後半は歌詞の世界も切ない恋を描いたものが多いし、随分と大人っぽい曲を書く20歳だったのだなぁ……って、これが20歳ってトンデモねーっすわ。実質、18~19で書いた曲もあっただろうし。いやー、改めてガクブルっす。

 確かに、Pさんのアレンジとプロデュースは凄いっすよ、このアルバムの評には、大抵アレンジが良いから高品質な作品になった、というのがあったりしますが、駆け出しながら作家の一人としてこれだけは言いたい。元曲がダメならどんなにアレンジ頑張っても良い曲になりません。それは「華麗なアレンジを施された駄曲」になるだけです。
 万一売れても3年もしたら消えていくでしょう……このアルバム、何度もリマスターされて普通に今もアマゾンで売っています。「In Print」なんですよ。36年前のデビュー作がそのまま普通に買えるアーティストって、日本に何人いますか? それが答えです。
 時間が教えてくれるのは、Pさんのアレンジに「耐える」楽曲揃いだったということです。

 間違いなく80年代のAORを代表する名盤のひとつ、というか80年代音楽のひとつの金字塔といえるでしょう。
 こんなに凄い方だったのか、なんかスイマセンした……(なぜ謝るしw)。

 いやー、36年も経ってから気付くのもかなりアレだが、自分の場合は却って良かったかも。今だからここまで分かった、音楽的にも(楽曲、アレンジ、ミックス)、現代でも通じるヒントが一杯詰まってました。
 ミックスでいえばリバーブがアーリー・デジタルというか、当時の低ビットの感じですごく出てて、カッコイイ。シンセの音のセンスは、もう言うまでもない。
 いやいや、もう大変勉強させて頂きました。
 いつかこれを聞いて、80年代の日本は良かったなぁ、なんてみんな思う日がくるかもしれません、これから斜陽だからw せめて音楽だけは当時に負けないものを作っていきたいですね。

(毎回思うが、こんなことばっか書いてて大丈夫かな…抗議はウケツケマセーン、っておい)

(追記:なんか特に1曲目はそういうディレクションじゃないか(→声を張らない)という気がして再聴。たぶんそうですね…このように音楽の感想を言うのはとても難しい。まだまだ勉強不足、素直に反省)

進化した部族のCD

 また宛先不明のやつ、ただし今回はイニシャルトーク入り(w)。

 アマゾンの奥地で発見されたという部族のCD、聞かせてもらいました。そういえばこの前聞いたのはファーストアルバムだったから、約10年ジャンプして最新作を聞いたことになる、偶然だがこういうのも面白い聞き方かもしれん。

 なんか、あれだね、全部丸出しだったのがチラリズムを覚えたというか、裸族がいきなり「はじめ人間ギャートルズ」くらいの露出度まで進んだというか、10年分の文明の発達を感じました(w)。
 この人たちも苦労して世の中と折り合っているのだなあ、と余計なことだけど。これはJ-POP路線からインディーズ時代の路線に戻ったということなんでしょうか? ここ数年のシングルとは違うし、といって昔そのままでもないし、ちょうど折衷路線を取った感じかも? その意味では聞きやすかった。
 ファーストと比べて、よりバンド全体のトータルなサウンドで勝負しようという傾向が出てて、プロデュース力も進化しているんですね。アレンジも洗練されているし、バックバンドとのアンサンブルも抜群。世界が順調に広がった感じで、楽しめました。
 お遊びっぽいけど、意外にJソングが良かった、ボコーダーとスラップのイメージなかったけど、こういう感じの歌はやっぱ他にないので。リリカル系も良かったなあ、獣のやつとか。
 アルバム後半の盛り上がりが凄いので、これは聞き応えあります。おっさん共あまり文句を言うなという歌まであるのでなんだけど(w)、トータルで勝負してる分、バンマス様の楽器色は薄いかもしれない、このあたりはトレードオフするしかない。
 ファーストは、こうしてみると楽器プレイヤーが作ったアルバムだった、しかし最新作はもっと総合的な音楽家(あるいはプロデューサー)が作った作品、という気がする。
 そして、ボーカルのかたの音楽性も確かに感じられる、それがグループの色に幅を出してますね。声が垢抜けた感じ、ファーストより若くなってるという事実。

 それにしても、今回大変なことに気付いてしまった。この人たちは、もしや今話題のグループD・Gの再来ではないのだろうか? いや、サウンドとかやってる音楽は全然違いますよ、ただ共通点が多すぎる。まずバンド構成、そして音楽性がユニークすぎてワン&オンリーなこと、それゆえ海外でも人気で向こうのミュージシャンとも繋がりがあること、バンマス様のオリジナリティと無頼・反骨、コアなファンが大勢いること、パートナーが音楽から近い世界でも活躍していること(しかも癒し系?)。ねえ?どうすかこれ。まあ映画がTさんのアレで大変なことになりかけましたけど……(w)(←wなんて書いてる場合じゃないんだな) あとミュージシャンなのを忘れてちょくちょく全力で面白いことをしてしまう、のも同じだ。曲の方向も時々被ってませんか。音楽界での立ち位置とかね。

 まあそれはともかく、面白いですね、今後どんな風に展開していくんでしょうか。ちょっとミキシングで遊んでいるような箇所があったので、まだやってないならバンマス様の一人多重録音なんていかがでしょうか。R社のVでやれば家でも録音可能!(バーン) あ、アイディア料は頂きませんので採用はご自由に(汗)。

(今回も上から色々書いてるなー、駆け出しの作家が第一線の方々に言うようなことじゃないわコレ。今にどっかから怒られると思う、あらかじめ妄言多謝デス)

カレン・カーペンターの悩み

 カーペンターズのことでまた興味深い記事が出てたのでメモ的に書いてみます。

カレン・カーペンター ~母に引き裂かれたスーパースター~
https://www.elle.com/jp/culture/celebphotos/g26463935/carpenters-karen-carpenter-story-as-a-working-woman-190315/

 スライドショー形式+短い文章で15ページあるのでちょっと読みにくいけど、カレン・カーペンターは母親の(今でいう)モラハラにも苦しんでいた、という面に焦点を当てた記事。(スマホで読むと切り替えが少ないので読みやすい)

 カーペンター家は敬虔なキリスト教信者一家で、特に母親は信仰心が篤く保守的であり、女は仕事なんかしないで早く家庭に入るべき、という思考の人だったらしい。カレンがあれだけ世界中で認められたのに、母だけは最後までカレンの音楽の才能をガンとして認めなかった、ということのよう。
 またドラマーとして天賦の才があったが、リチャードや周囲の人たちは、ボーカルの方により比重をおきたがり、後期はボーカル専任となっていた。これも大きなストレスだった。
 マスコミに太っちょと書かれたりした結果、拒食症となったのは周知の事実ですが、にもかかわらず激しいエクササイズを欠かさなかった、強迫観念となってたのですね。

 以前もここに書いたが、リチャードが睡眠薬中毒で入院している間、カレンは単身ニューヨークに赴いてソロアルバムを制作します。ただその出来が良いとはいえず、発売中止が決まったのと前後として、かなり年上の実業家と電撃結婚します。どうも一種のヤケッパチ結婚だったようで、これも母親の強い要望(早く結婚して家庭に入りなさい)を受け入れたからだったのですね。
 そんな訳でカレンは早く子供が欲しかったようですが、なんとこの実業家、パイプカットしており子供は作れなかったと(!)。しかも事業が上手くいっておらずカレンから1500万円も借金する始末。グループのツアーで家庭生活らしいこともほとんど出来ぬまま、1年で離婚となる寸前(カレンが離婚届にサインするその日)、カレンは衰弱して、静養中の実家で亡くなります。

 記事の最後に葬儀の写真が出てきますが、カレンの棺の横に立つリチャードの表情が痛々しい、皆沈痛な面持ちです。アメリカでも世界でも驚愕の大ニュースだったので。

 それにしても、この記事の写真にもあるが、拒食症となってからのカレンは、本当にびっくりするほど痩せていて、ひと目で健康でないとわかります。死の直前は30kg台だったそう。
 そもそも、これだけ長い間あちこちでカレンの写真を見てきたが、1枚として太っている写真というものがないんだなあ。誰が太っちょと書いたか知らないが、昔の印刷の加減で、横に引き伸ばされた写真を見て書いたのではないか?
 アメリカの芸能マスコミの口の悪さは有名らしいので、適当に書き飛ばしたのかも。それこそ1980年頃ビリー・ジョエルが言っていたことですが、エルヴィス・プレスリーもマスコミの悪口を気にしすぎて、最後は心を壊してああなってしまったと(「だから僕は一切悪口を気にしない」とか。当時の新作「グラスハウス」がロックンロールだったので、ドラッグで頭やられたとか色々言われてたもんなw)
 この頃のアーティストは(いや、今も、ですが)みな真面目で純粋だったのだよなあ、と思う。カーペンター兄妹は、日本で出版された日本語の記事さえ翻訳して読み、評判を気にしていたそうなので。

 今回また考えさせられました。(男はフラフラしていてもいいけど、女性アーティストは結婚・出産のこともあるし、色々大変だなあ、と) カレン・カーペンターは現代ではもう抽象化された大スターだけど、当時を生きた一人の女性として様々な悩みがあった。

 まあこうなってくるとやはり、カレンのソロアルバムを失敗させたプロデューサーの罪は本当に重い。これが成功していたら全てが上手くいっていたかもしれないのに。いい加減しつこいが、ため息が出ます。

思い出のビッグバンド

 最近、必要があって昭和の時代の演歌やムード歌謡なんかを聞くことが多いんだけど、そうするとちょくちょくバックにビッグバンドやブラスセクションが入っていたりして、やはりこの時代の楽曲にはジャズのカラーが必須だなあ(そしてそっち方面の音楽好きにはたまらんなあ)と思ってたりします。
 昔は、ほぼミュージシャンといえばジャズミュージシャンのことだったので、(ロックは別系統で不良みたいな?w)ジャズバンドが糊口をしのぐために演歌や歌謡曲のバックをやっている、というのは暗黙の了解事項でした。実際TVなどで伴奏しているのはそうしたバンドが多かったですしね。

 ただ、最近少し考えが変わってきて、確かにそうした要素はあったにせよ、実は演歌(および歌謡曲)の人たちの精度の高い歌唱を支えるには、演奏技術的にも優れていたビッグバンドに頼ざるを得ない、という理由もあったんじゃないか。当時の歌手の人たちは(今でも演歌はそうだけど)表現も歌唱技術もとんでもなく高いので。だから、実は持ちつ持たれつだったのですね。

 なんでこんなことを書いてるかというと、もう解散したけど昔、「原信夫とシャープス&フラッツ」という日本人なら誰でも知ってるようなビッグバンドがあって、そういえば昭和の時代は本当に歌番組でよく見たなあ、と思い出していたからです。
 米軍キャンプからキャリアを始めた方々で、文字通り日本を代表するビッグバンドでした、そして演奏も(歌伴だけでなく本業のジャズも)素晴らしかったです。

 たとえば80年代初頭にあったクインシー・ジョーンズ(とそのファミリー)の武道館公演、まさかYoutubeにないよなあ?と思ったらいきなり出てきたけど(笑)、ちょっとメンバー見てくださいよ。当時クインシーがプロデュースしていたり、関係が深かったアーティストやミュージシャンが勢ぞろい。

Quincy Jones: Keyboards, Conductor
Jean “Toots” Thielmans: Harmonica, Guitar
Patti Austin: Vocal
James Ingram: Vocal
Vivien Cherry: Vocal
Peggy Lipton Jones: Vocal
Janna Tyler: Vocal
Carlos Rios: Lead Guitar
Louis Johnson: Bass
Rod Temperton: Synthesizer & Keyboards
Greg Phillinganes: Keyboards
Jerome Richardson: Soprano Saxophone & Flute
Peter Christlieb: Saxophone
Jerry Hey: Flugelhorn
John Robinson: Drums
Ollie Brown: Percussion

 クインシーはクリエイターでやっぱりヒネてるから(←怒られないかなぁw)、この陣容でアメリカでは公演しないんです。なぜかというとアメリカ人聴衆はコンサートでの態度が最悪だから、それに比べてジャパンは素晴らしい(QJ談)、で日本のみで公演。あんさんやっぱヒネてるわ~。
 当時FMでライブが流れていて、エアチェックしながらその演奏にワクワクしながら聞き入ってました。
 そしたら、バックに素晴らしいビッグバンド・ブラスがいて、そのキレキレな演奏にもう手に汗握る感じ、すごいなあこれ、ニューヨークあたりのビッグバンドを連れてきたんだろうなあ、と思っていました。

 賢明な読者諸氏はもうオチに気付いたでしょうが、そう、これが何を隠そう原信夫とシャープス&フラッツだったんですよ! 今聞いても信じられないくらい凄い。
 フルバンドのブラスでこんなにキレるのって、人数多いんで普通まず無理っすからね。しかも音にしっかり腰があるし……(だからLA系じゃなくNYだと思ったのですが)。

 実は、クインシーとシャープス&フラッツは親交があったそうですね。原さんが自らアメリカに出向いて、アレンジを依頼したことがあったらしい。それでクインシーは実力をよく知っていて、この大事なバックをまかせたというわけ。クインシーも認める日本のビッグバンド、どうすかこれ。こんなにレベルの高い人たちが歌謡曲の伴奏してたんだぜ?贅沢すぎるっしょ。

 ジェームス・イングラム、残念ながら亡くなったそうですが、在りし日の素晴らしい歌が聴けます。大ヒット曲「JUST ONCE」だなあ。
 パティ・オースティンもすごいぞ、この日はこのツートップが大活躍でしたね。
 最後の「愛のコリーダ」では、全員入り乱れての大合奏、すさまじい迫力です。こういう音楽がまた復活してくれよ、って心から思う、それならリスナーは音楽に戻ってくると思うんです。
 例えばJイングラムだったら、当時はブラコン(ブラックコンテンポラリー)って言われてた音楽の代表格の一人、今の量産型R&Bと違って、ちゃんと鑑賞できるポップスとして成立してるわなあ、この時代の曲は。
 作り手としては、なんとかこういう音楽を復活させたいなあ、という当然の思いは抱きますね。

(しかしこれ、シンセ&キーボード弾いてたの、あのロッド・テンパートン先生だったのかよ(笑)、当時ライブ映像見てたけど気付かなかったわ。ベースはルイス・ジョンソンだし、フリューゲルホーンでジェリー・ヘイが紛れこんでるわ、流石に超豪華メンバー。テンパ先生がPオースチンに並んでガチ歌唱してるんで、パティがマイクの向きで困ってるじゃんかw 舞台で踊っているおじさんがクインシーですね、当日はMCも務めてノリノリでした)

 音楽の黄金時代は、やはりすごい人たちが支えていたのだなあ、と感慨深いひとときでした。懐かしかったので、つい長々と書いてしまった。

デモ曲追加・スムースラテンPOP

 ところで、このサイトはブログ主体ではありません(笑)。ブロガーじゃないんで、作曲家ですから。ということで、新しいデモ曲追加です。

「ベローズ・チャコール」
 feat. mariko

 今回はスムース・ラテンのようなPOPS曲を書いてみました。シックでスタイリッシュな感じ、そしてまたまたアコーディオンをフィーチャー。前の曲がかなりド派手な入れ方だったので、今回は弦やブラスが入ったなかで、総合的なバンドアンサンブルの中でのアコ、しかもラテンサウンドの中で、というところを主眼に。それで、ラテン曲でよくピアノがやる16ビートのバッキングフレーズがありますが、あれをアコで鳴らしています(当然、右手左手フルアレンジ)。

 アコーディオンの左手のコード(ボタン)は、モロにギターのローコードと音域が重なるのですね。なので下手に鳴らしっぱなしにしていると、最終的にトラックの音が濁ります、響きもよくない。そのあたり気をつけつつアレンジした。(ちなみ、ベースボタンの音域は当然ベースと被る)

 今回は、marikoさんに歌って頂きました。雰囲気あるボーカルで、曲調にぴたりと合いました。有難うございます。

 マスタリングは「Abbey Road TG Mastering Chain」だけで行ってみました。こいつは音圧を上げようとするとすぐ0dbを超えたりするので、今回は音圧低め。後処理でOzoneをかましてみたりしたけど、いかにもOzoneなサウンドになっちゃって、歪っぽかったし、それは止めた。このままだと非常に音に透明感があって、かなり音楽的には正解だと思う。
 このAR-TGMC、プリセットのままではややアレってとこもあるが、少しいじると大変効果的ですね。

キュートAORという新概念

 以前も書いたけど、AORには大きく分けて2派あると思ってて、ひとつは「不良中年」コース、もうひとつは「アダルトチルドレン」コース。前者はスティーリーダン、ボズ・スキャッグス等、まあいわゆるAORの本流かも。後者はクリストファー・クロスとかJDサウザーとか、こっちも勢力大きいですが。(←この分析が少々古いのは認めるw)

 AORってのは、もともと色々な要素を取り入れた音楽なので、ある意味根無し草でもあります。ジャズ、ロック、ラテン、R&B、ソウル…普通はそんなことをしたら到底聞けたものではない悲惨な代物になるはずですが(和洋中華の料理をごちゃまぜにしたところを想像して下さい)、それを非常なセンスで絶妙な配分で混ぜ合わせて、新しい美味しい料理を作ったのがAOR、って言い方ができると思います。

 その意味で、実はAORはわれらがガラパゴスアイランズ=ジャパンにとても合う音楽だと思うし、ジャズなら本場はアメリカ、ロックもそうか(まあ欧州もあるしな)、でもAORってあんまり地域性はなくって、フュージョンと同じで世界同時進行って面もあったので、そんなにオリジンコンプレックスに悩む必要もない、日本人としては。日本文化自体が、色々なものの融合だしね、識者の学説でも。

 で、思ったのですが、実は日本には独自に発達したAORの流派があって、それはここでは一応「キュートAOR」としますか。初期の「竹内まりや」とか、もうお一人、また名前出していいんですかねこれ…?(w)
 Youtubeで80年代や90年代のライブ映像見てて、これは思いついた。こういう可愛らしい感じのAORってのは、たぶん海外にはないでしょう。ある意味、日本のアイドル文化からの本歌取りです。ご存知のように、日本のアイドル自体が、特に昔のやつとか、海外でカルト人気があったりしますからね。あれは本当に日本独自のものなので。
 こういう感じのAORってのは、今はほぼ完全になくなってしまっているので、というかAOR自体がもうジャンルとしては消滅してますが(w)、伝統を絶やさないためにも、関係者の奮起が期待されます。いかがっすか?

 AORってのは、言ってしまえば幕の内弁当だと思うのですよ。和洋中華の料理が絶妙の組み合わせと配分で入ってるでしょ? 美味しいし、みんな大好き(笑)。
 そしてキュートAORは、女子がつくった手作り弁当ですよ。そぼろでLOVEって書いてあるような。男子からするとうへっマジかよ、って思うけど、内心にこにこだったりね(笑)。
 どうすか、こんな分析。

 ちょっと書き忘れてたけど、AORの成立にはもちろん従来の様々な音楽の融合もあったけど、それに加えて新しい音楽の要素、新しい楽器=シンセサイザーの導入は必須だったわけで、そこで日本の果たした役割は、実はとんでもなく大きいですからね。つい忘れがちになるけど、YAMAHA・Roland・KORGという三大電子楽器メーカーは、世界の音楽シーンに巨大な影響を与えましたから(それは今でも続いている)。
 その意味で、もうAORは日本が本場だろ!って、僕らとしては開き直ってもいいくらい(ついで言うとフュージョンもね)。それくらい、深くコミットできる音楽ってことです(=海外から物真似といわれる心配がない)。

 以下ブツブツ独り言っぽく…。
 まあね、80年代に白のフリフリ衣装で歌っていたような曲を、いま同じようにやれって言われても、というのはわかります。でもファンはそういうのが意外と見たかったりして? 還暦でセーラー服着て歌っている大歌手の方もいるので。皆大喜びしてますよ。

 以上、大変無責任な記事でした。ご利用は自己責任でお願いします(汗)。