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6月の雑記

 話題のアニメ「推しの子」9話まで観た。地下アイドル業界だったり、芸能界の制作側を舞台にしたアニメで、音楽ネタかと思うと若干肩透かしを食う。ネットミームをストーリーに組み入れたり、ってこれネタバレだが、さすがに推しのアイドルの子供に転生(極秘出産)……ってのは人によっては拒否反応かも。犯人探しのミステリー要素もあり、ただ主人公は顔も親に似てるし非常に狭い界隈の話なので、素性はほぼバレバレじゃなかろうか。そのあたり作り手の“嘘”の付き方が下手、っていうかご都合主義っぽい。主人公、クールなようでいて親を真似た女優の演技にイチコロだったり、結構チョロイ(w)のが面白い。
 主題歌はYOASOBIでまたまたの大ヒットですが、曲単体で聞くと「?」なものの、アニメ観たあとでは、非常に世界観に合った楽曲と判明。Ayaseさんの作曲家としての力量に脱帽。ちなみ、英語バージョンはイントネーションの関係か中国語感がある。

 実家の玄関、雨が降るとちょくちょく夜に明かり窓のところにヤモリ(トカゲ)が出る。もちろん益虫ですから静観ですが、なんと初めて2匹目が出た(w)。玄関のスリガラスをだんだんと登っていくんですが、上にいる個体は見えているらしく、微妙に位置を移動して離れていく。縄張りというか譲り合いなのか。2匹とも腹の色を見ると若い個体だと思う、数年前に出ていた奴は随分年季が入っていた。この移動の動き、スパイダーマンですね、あれって蜘蛛じゃなくてトカゲの動き。

 自作でモジュラーシンセ用の簡単なエフェクターを作ってみたが、苦労した割りには音は「うーん」みたいな出来で、しかも自作だからハンダ付け不良があったり、こりゃオリジナル自作系は手を出さない方がいいな、と悟った次第。キットならまあ別だけど、キットもモジュラーのセットの中に入れるときは結構緊張する。不良で他のモジュール故障させたらたまらんもんね。やっぱりメーカー製は音質も品質も非常に良いですね、餅は餅屋ですわ。自作が趣味なら別だけど、大人しく完成品を買った方が良い結果が出ます。
 自作系の海外サイトには、自作のやつはメーカー製モジュールと一緒に使うな、壊してしまったら大損害だぞ、みたいなことがほぼ書いてある(w)。

ハードは壊れる運命

 いきなりユーロラックのシンセモジュールが一台故障。米国ガレージメーカー、Synthrotek/MSTのMIDI-CV変換モジュールでした。ウチの制作体制だと必須のモジュールで、ベロシティなんかも変換できて便利だったんだが……。わずか3ヶ月ほどの命でした。といっても中古だが、やはり安さの反面こういうリスクもある。どういう使われた方をしたかもわからんもんね。専用拡張モジュールまで用意していたんで結構キツイ。
 ただ、我ながら勘が働くというか、なんだかイヤな予感がしてたんで、先代のベンリガーMIDI-CVを処分せず持っており、こいつに差し替えてコト無きを得た。さすがはベリンガー……と褒めたいところだけど。

 今度はベリのベースシンセTD-3のスイッチの反応がいきなり鈍くなった。このお約束の展開どうですか(w)。鍵盤のスイッチのところで、ウチは音源として使っているんで、ほとんど押していない、音色確認のとき以外は。もし本来の利用法みたくガジェットとして使い倒していたら、半年持たなかったかもしれん、確かにスイッチはかなりチャチい。本体でガチガチ打ち込むのが、本来の使い方だもんね。
 もっとも、それを見越してか、USBでパソコンから本体内蔵シーケンスを編集できる。やっぱり今はガジェット派の人もそっちが主流かな。
 ベース音源としてはなかなかしっかりしていて、以前は文句書いたけど、結構気に入っています。外部のモジュラーとも連携できて、フィルターを外部から制御できますからね。

 TD-3はスイッチだから自分で交換できる可能性があるが、MIDI-CVは完全に電子部品がイカれている。修理しても今後うまく作動し続けるか不明。最悪異常な電流電圧出して他の高価なモジュールを道連れにされたら、目も当てられない。嗚呼引退決定。

 まあ経年変化や故障っていうのは、楽器である証拠でもあると思います。こんなの例えばギターなら当たり前ですからね。ソフトシンセばかり使いすぎて、ちょっと基本的なところを忘れていたかもしれない。

ベリンガーのmoogサウンド

 ドイツのベリンガーといえば、品質イマイチだけど価格はお手頃……みたいなメーカーとして業界では永らく知られてきました。ところがアナログシンセのブームに乗って、名機のリイッシューやらオリジナル製品を出すようになって、評価は一変、高品質プロダクトも出せる会社として大いに名を上げています。(むろん、今でも早い・安い・旨い系の製品も作っている)

 自分が使っているモジュラーシンセのSystem100シリーズも、無論80年代にRolandが出していたSystem100mのリイッシューです。入手不可の部品があったり、ユーロラック向けに機能を追加していたりで、完全なデッドコピーではありません。こうなると当時の音を再現するのはかなり難しいと思うけど、この製品は見事にやりきっていますね。
 自分は、80年代のオリジナルの100mの実機に触れたこともあるし、使われている曲も知っているので、一応当時の音は知っているつもり。本物の音は、ベリンガーのよりもっと荒々しかったと思うけど、ベリのは現代的にキレイにまとめている感じ。決して別物とは感じられないから、非常にうまく作り上げていると思います。
 このあたり、導入前にYoutubeで海外勢の動画を色々見てみたが、やっぱり多くのユーザーは同じ意見でした。彼らが実際に曲を演奏させている動画を見て、こりゃイケると判断したわけです。
 で、ベリンガーすごい!ってなったわけです、ここまでは……(w)。

 ベリは、同じようにユーロラック規格でモジュラーシンセの決定版、moog system55のリイッシューも作っているんですね。通称タンス、フルセットでは巨大な壁のようになってしまいますが、これはユーロラックなので、実はかなりコンパクトになっています。とはいえフルで揃えるとかなり壮観で映えます。ところが……。

 結論をいうと、これ結構moogと音が違う。
 ベリの公式動画を見ると、ちょっとイケてるベリのおじさんがモジュールを紹介していますが、音を出した時に、「あれ、なんか違うな」って顔してる(笑)。結構正直なんですね。どうかな、他人の空似、みたいな音じゃないかなコレ。moogというよりgoomみたいな感じ。
 なんか違うよな、と思いつつユーザーの動画を色々見てみたが、やはり皆微妙な空気。面白いですね、system100のやつはほぼ絶賛なのに、sytem55はやはりリイッシューとして出来が悪いんじゃないかろうか。
 実はmoog自身がsytem55はフルサイズで何度かリイッシューを出していますが、海外勢で本物とベリのやつを並べて、音を比較している動画までありました。これは意地悪だ(w)。当然、誰が聞いても違うよね……ってなります。なんか惜しいんだけどな……。

 リイッシュー品なら当時と必ず同じ音、とは限らないという話でした。特にmoogは有名メーカーで、みんな音を知っているし、評価は厳しくなります。

モジュラー全景/2023春

 成長を続ける弊社のモジュラーシンセシステム、現在の姿はこんな感じ。

 丸で囲ったところが増えたモジュール。上から4基搭載ADSR、左下がベロシティも出せるMIDI-CV、右下がCVミサキー&ポルタメント。
 その右がバッファードマルチプル、CV信号を分割するが、ちゃんとボルテージフォロワが付いていて電圧が下がらない。こいつだけ実はアメリカ製のキットなんですよ。製作時間のべ2時間くらい。今はキットの製作手順もメーカーのWebに載っているんですね、便利になったもんです。

 これまで使っていたケースに入らなくなったので、大きなケースに載せ替えたら、またスペースが出来てしまい、たちまちモジュールが増えた次第。困った困った、饅頭こわい。

 ところでこのモジュラーケース、見ての通り木製ですが、実は自作ではなく出来合いのものです。しかも驚くほどモジュラーシンセ(ユーロラック)にぴったり。というか、元々同じEIA規格の寸法で作られているんですね。ネジ穴レールを付けるとたぶんサイズが合わなくなるので、もう直接木に穴を空けて、タッピングネジで留めています。これで問題ナッシング。(そもそもレール4本で1万円近くする)
 ホームセンターで見つけたんだけど、たぶん同じようなものが全国どこでも見つかると思います。試しに捜してみてください。こいつの値段は、中央の仕切りバーを入れても全部で1000円以下。またまた業界大激震だな(w)、モジュラーケースは3万5万が当たり前だから。数が出ないから仕方がないが、ちょっとボリすぎだよね(大抵電源付きですが)。まあ弊社は外に持ち出す予定はないからこれで済んでます。

(この木箱、いわゆる6Uのサイズです。ユーロラックモジュラーは3Uサイズ。3Uサイズの木箱も売っている)

 以下、バッファードマルチプルの完成直前の写真。

 最近はこんな感じでシンセ道を追求しているわけです。

トランスの神秘

 秋月電子通商のサイトをつらつら見ていたら、目に入ったのがトランスを使ったインピーダンス変換キット。ヘッドフォン出力をライン入力に(無理なく)接続するためのものですが、なんとこれパッシブ(無電源作動)なんです。
 トランスを使ったマジックですね、電気的に絶縁された二つのラインが電磁誘導で繋がってしまう。ファラデーの法則ですな。
 このキット、部品といってもトランス2個とミニステレオジャック端子2個だけ、あと専用基板が用意されていて、組み立て簡単で電子工作リハビリにちょうどいいかと、早速注文して作ってみた。完成したのがこんな感じ↓

 これでもちゃんとステレオ対応なのが良い。
 トランスといえば音楽業界ではNeveが有名ですが、ちょっと期待したのは事実です。まあNeveというかNeyoみたいな(ゴメンこれが言いたかった)。良音化は無理でもサチュレーターにはなるんじゃないか。

 そんなに都合よく変わるわけが……と思って弊社のマスターデータで試してみたら、これがびっくり。物凄く独特の質感が現れました。粒子が粗い…というか、ところどころ歯抜けになった、音の周辺部がすすけていく感じ。プラグインでは聞いたことがない変化です。なかなか上品な効き方で味わいがある。
 モジュラーシンセのVCO出力をぶち込んだら、若干バンドパスフィルターが掛かったような音になりました。たぶん信号レベルも関係するんだろうが、トランスの周波数特性の影響でしょう。
 先日のカセットに続いて、個別トラックに掛けたら面白い感じになる秘密兵器をまた発見した感じです。

 今回は、サチュレーション効果を狙ったので、中国製トランスのキットだったんですね。秋月にはサンスイ製のトランスを使ったキットも売ってるのですが、こちらは高音質だそうで、こうなるとそっちも興味が出てきた。
 前者が牛丼大盛1杯分、後者はシングルCD1枚分のお値段。半田ごてを握ったことのある人ならすぐ作れるので、ご興味の向きはいかが。この価格でこの効果は業界激震だ。Neveが経営危機に。そんなことはありません。

(ギターエフェクターのような劇的な効き方はしませんのでご注意を。あくまでミキシング用のプロセッサ・モジュールの部類です)

 蛇足ながら、トランスはなんだか夢があるよね。アナログ部品なので厳密には一個一個音が違う。いつか古い機器からトランス外して、トランスボックスも作ってみたい。

モジュラーシンセ話2

 現在のモジュラーシンセの演奏形態は、MIDI等で制御してきっちり書き譜の楽曲を演奏させる、あるいは鍵盤等で信号を送って演奏する、というのとは、別の方向があるようです。
 16~64ステップくらいのミニマムデータをシーケンサーで走らせるなどして、それにランダムだったりカオス的変調をかけて、音程・リズム・音色すべてで、偶然性を取り入れた自動演奏を楽しむ、という方向。
 いわばモジュラーシステムで内部完結する、シンセ・オートマトン化ですね。どうも流行りはこっちらしい。
 シンセの音色を楽しむのが主眼であれば、楽曲的な部分はそれほど重要ではないわけで、このほうが面白いアウトプットが出たりするんでしょう。

 あとKORGのVolca Modularの宣伝文で知った口だが(w)、イーストコースト・シンセシス、ウエストコースト・シンセシスという分類があるらしい。前者は減算方式のシンセ、後者は加算方式のシンセスタイルなんだって。前者の代表はmoogでみんなが知っているアナログシンセはこっち。後者は倍音の少ない波形を変調して複雑な音色を作り出す。FMシンセもこっちかな?

 で、最近の流行は、オートマトン化したモジュラーでウエストコーストスタイルの音を出す方式っぽい。あまり楽曲の中でがっつり使うという人はいないようだ。(そういう実用性は低いので)

 そんな訳で、いかに凝ったCV/GATE信号を自動出力するか、というコントロールモジュール系が結構アツいらしい。VCOなんかより高額で売られている。なんせアナログ信号なので、ぐにゃぐにゃの曲線信号も自由に扱える。これに凝ったパッチングを組み合わせて、予想もできない音のストリームを生み出すのが主流(?)っぽい。

 まあ、こうなるといわゆる楽曲制作とは完全に違う方向ですね。もし自分も作曲してなかったら、そっちに走ってたでしょうが、ウチは頑固に多重録音でモジュラーを使っていきまっせ。

モジュラーシンセ話

 モジュラーシンセを取り入れて音楽制作していますが、音は存在感満点で、従来のデジタル/ソフトシンセとはかなり雰囲気が変わりますね。もちろん使う方も意識して使っているからブラシーボ効果もあるんでしょうが、いまの時代、モジュラーにはやっぱり“マジック”があると思う。

 原始的ともいえる構造でパッチングしないと音が出ない、しかもモノフォニック(単音)という、シンセの原点にあった楽器は、ご承知のようにその後の歴史の中で埋もれ、打ち捨てられていったわけです。ポリフォニック化、音色メモリの導入などで、どんどん便利になり「キーボード」化するシンセ。その後完全デジタル化され、ますます利便性は高まっていく。
 そのうち、パソコンの高性能化でハードさえ捨ててソフトシンセが隆盛を極める。ただ、その発展の中で、こう言ってはなんだけど「楽器性」みたいなものはどんどん希薄になり、(悪い意味で)「道具」になり下がっていたんじゃないか。

 ソフトシンセはそりゃ便利だよ、プリセットも使い切れないほどあるし、どんな音色パッチも記録しておけるし、処理容量の許す限り何本でも立ち上げられる。でも、つい出来のいいプリセットばかり使ってしまい、世界中でシンセの音色・質感が均一化してしまったんじゃないか。本来音作りの幅はソフトシンセの方が広いはずなのに、モジュラーの音が今は個性的に感じられる(自分で作るしかないんだし)。
 シンセの原点、原始時代のシンセが、最も濃厚に楽器性を持っていた、というか楽器そのものだった、というのは面白いところだと思います。
(シンセ発展史の中で、一度moogなんて潰れていますからね。他にもアナログシンセを作っていたメーカーが姿を消している、また復活したりしてるが)

 一周、どころか2周3周して、またモジュラー(アナログシンセ)が面白い時代が到来していると思います。
 まあ色々書いたが実用(制作)に使うには、やはり難しい面もあるから、誰にでも勧められるわけじゃないが。

アッテネーター代用

 今回モジュラーシンセ関連の話。

 Moog Mother32とベリのSystem100の間の接続ですが、一応どちらもユーロラック仕様だから、そのまま問題なく繋がるはずと思っていた。が、調べていくときっちり規格が決まってない箇所もあるらしく、ベリからムーグにEnvelope GeneratorのCVを送ると、あきらかにM32側がクリップした音の動きになっているんですね。つまりベリ側の信号が大きすぎるってこと。

 どうもsytem100はmax 10Vppで、M32は8Vppみたい。そこでこんな時登場するのがアッテネーターですが、これはまあ要は抵抗器です。一応、ユーロラックでアッテネーターのモジュールもありますが、大抵パッシブ(無電源)、中身ただの可変抵抗(ボリューム)なので。
 それを入れてもいいけど、またパッチポイントが増えるのと、ラックの場所も食うので、なんとかならないかと考えた。
 そのまま自作で抵抗をかますかと思っていましたが、ふと思いついた。オーディオアクセサリーでボリューム付きの延長ケーブルがあったではないかと。

 アマゾンで捜したら、30cmくらいのものでボリューム付きのノーブランド品が、2本セットでリーズナブル価格で見つかった。3.5mmプラグのステレオ仕様だけど、今回は実質的に無害のはず。(モジュラーはモノプラグ)
 で、買ってつなげてみたら、もともとの抵抗値もあるし、実にいい具合にアッテネートしてくれて、CVが落ち着いてドンピシャでした。ボリュームもあるし、場所も食わないしで最高。

 ただ、中国製ノーブランド品ゆえ、可変抵抗の接続が入出力逆らしく(w)、本来とは逆向きに繋がないと機器に負担が掛かる。(一応、最近のオーディオ機器は設計が優秀なので大丈夫だけど、モジュラーシンセはどうだかわからない)
 このあたり、アマゾンのコメント欄で親切に警告してくれている人がいて助かった。自分もテスターで測って確かめた。

 こういう、パッチケーブル間に挟むだけのアッテネーター製品もモジュラー業界にあるけど、やっぱりお値段はそれなりにする。
 工夫次第で気をつけて使えば、オーディオ用の製品で代用できますよ、って話でした。

蘇る70年代ビンテージペダル

 実家に転がっていたBOSSのエフェクター(ペダル)3台。昔はペダルって言い方もなかったけど、いずれも70年代後期~80年代初頭あたりのもの。自分はかれこれ音楽は30年ブランクがあったので、まあティーンエイジャー時代にアナログシンセに挿して遊んでいたやつです。
 このブログでも前に書いたけど、どれも電源が入らなくて、ああ電子スイッチとかコンデンサーあたりがイカレたか、いつか修理を……なんて思ってた。それで、先日ちょっと一台の裏蓋を明けて基板を見てみたんですね。わかりやすく電解コンデンサーの液漏れとかあるんじゃないかと思って。意外に、コンデンサはセラミックのやつばかりで、見たところ傷みもないし、かなり高密度に部品実装してあるし、これは修理するには非常に手間が掛かるなあと思って、ほぼあきらめて裏蓋戻した。
 ここでふと、もしかしたら入出力のジャックにプラグ(ケーブル)を挿したら、ちゃんと電源入るんじゃないかと、まさかなあ……と思って試したら。電源LED、入ったー!(笑) おい、そういう仕組みだったっけ?すっかり失念していた……。

 ということで、めでたく「コーラス」「フランジャー」が蘇りました。正確には故障もせず40年「持って」ました。「イコライザー」だけは、かなりLEDが暗い、動作は不安。
 なんと本物の80sビンテージ、アナログエフェクターです。これはベリやムーグ(あえてモーグと書かない)のモジュラーに挿して使わなければ、という使命感に今燃えています。
 いやはや、びっくり。この時代の日本の電子楽器・機器は異常な品質でしょ、これ。まあ、毎日40年使い倒していたわけではないので、そこは割り引きたいが、普通故障しますからね。電源も入れてなかったわけだし。
 なかなかの嬉しい驚きの夜でした。

モジュラーシンセの音色記録法

 モジュラーシンセは本当に原始的ともいえる構造なので、プリセットなんて便利なものはありません。音色を変更しようと思ったらツマミを回してパッチングして……という作業を繰り返していくわけです。
 ここで問題となるのが、作った音色をどのように記録しておくか、ということ。一期一会で音色を楽しむだけならともかく(それもまた良い趣味だが)、ウチの場合は制作に使うので、どうしてもあとで再現する必要が出てきます。たとえばラフを作って、あとで本番のレコーディングが必要になった場合。ミックスが終わってから演奏を一部修正したい…なんて時もあります。
 昔は、パッチング用の記録シート紙があって、それをコピーしてそこに筆記具で書いておく、という方式が使われていたらしい。(今でも機器構成が決まっているセミモジュラーでは使われている)

 ただ、モジュラーシンセの場合は構成も千差万別だから、記録シートから作って……というのも現実的じゃない。そこでどうするかということですが。
 もう気付いた方もおられるでしょうが、そう、スマホで撮影しておけばいいのです。文明の利器は怖ろしいな。昔は紙に手で書いてたのに。冨田先生の時代はどうされてたのかと思ってしまう(助手がいたので、さすがにその辺りは振っていたか。まあ冨田先生なら全部憶えていても不思議ではありませんが 汗)

 スマホで撮る時も、角度を変えて2枚くらいは撮影したほうがいい。結線が邪魔でツマミの位置がわからない時がある(w)。
 ウチの場合は、撮った写真はすぐPCに転送して、DAWの楽曲ファイルと同じところに入れています。

 写真を見ながらツマミの位置などを合わせても、完全に同じ音色にはなりませんが、元々アナログシンセはそういうものなので、そこは割り切っています。ギターだって次の日は音が変わっていることはよくある。生楽器は全部そうですね。

(なんか、モジュラーのパッチングや機器構成を再現・記録できるサイトもあるらしい。ただこれ2度手間だし、スマホ撮影の手軽さには敵わない)