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Session Horns Proでビッグバンド

 たまには実用記事。
 少し前から、Native Instrumentsのブラス音源「Session Horns Pro」(以下SHP)を、なんとかビッグバンド曲に使えないかと色々やっていたんだけど、良い方法が見つかったので情報書いてみます。
 ビッグバンドブラスの構成の主流は、以下のような感じ。

トランペット x 4
トロンボーン x 4
アルトサックス x 2
テナーサックス x 2
バリトンサックス x 1

 これにドラムス・ベース・ピアノ・ギターが入ったのがビッグバンド。ピアノやギターはいないこともある。ベースは歌伴なんかだとウッドでなくエレキのことも。

 残念ながらこれを再現しようというのはSHPではやや弾数が足りない。なので普通はこうするでしょう。

トランペット x 2 (Tp1 + Tp2)
トロンボーン x 2 (TenorTb + BassTb)
アルトサックス x 1
テナーサックス x 1
(バリトンサックス x 1)

 これでも歌物のバックだとかなり大きな編成で、充分すぎるほど迫力あるブラスセクションになります。余裕で4声のアレンジをクリアできるしね。
 ただビッグバンドと比べると半分くらいの陣容になっちゃうので…。

 個別の同じトランペット音源を重複して使う……って方法は、どうしても位相やらの関係で気持ちの悪いうねりや濁りが出てしまうようです。なんだか音が不自然です。自分はちょっとチューニングを変えたり試行錯誤したがあきらめました。
 他の音源のブラスを持ってくるともっと最悪で、たとえばお馴染みIKのSample Tankとかね、あきらかに不自然なハーモニーになってしまう。全く違うスタジオで録音ミックス実装された音源なんで、合うほうがおかしい。シンセも同じ。
 Kontaktのファクトリーライブラリも駄目でした。あれはSHPの前世代の音源のはずなんだが。

 そこで、なんとかSHPだけで更にスケールを大きくできないかと考えていたのですが、よく見れば個別音源として使えそうな奴がちゃんとあるではないかと。そこでこうした。

トランペット x 3 (Tp1+Tp2) + Fluegelhorn
トロンボーン x 3 (TenorTb+BassTb)+ Tuba
アルトサックス x 1
テナーサックス x 1
バリトンサックス x 1

 バッチリです。実際ビッグバンドにフリューゲルホーンが入ることもあるし、チューバはトロンボーンセクションの最低声部に入ると、不自然さはまったくなし。バリトンサックスは結構音域広いので、汎用的にサックスアンサンブルで使える。

 SHPはそんなに重くないわりに音は非常に良いし、アーティキュレーションも使いやすいのが揃っているので最高。
 たぶんこういう使い方も想定して、チューバやフリューゲルホーンを入れているんだろうな。さすがNIはよく考えてるわ、って改めて納得した次第。

 ミュートトランペット音源だけは、さすがにこのアンサンブルの中には入れないが、ソロなんかでは使えますね。これもかなり自然でバランスがいい音源。

 いかがですか。ビッグバンドは、今はほぼアレンジで使うこともないんで、それ専用音源入れるのも疲れるしお財布に優しくない。SHPなら持っている人も多いからどんどん使いましょう。

 もし足しても不自然でない音源を見つけたらまた報告します。まあアーティキュレーション等が合わなくなるんだけどね。

コーラス音源に希望の光

 引き続き、コーラス音源として権利的に問題なく使える歌声合成ソフトはないかと、少し調べていました。この種のボーカル・シンセサイザーは、皆様ご存知のとおりボカロの成功で他社からも数種出ていましたが、ボカロほど商業的に成功したものはこれまでありませんでした。最近また幾つか新しいものが出ていましたが、その中で「これはかなり自然でいい歌声だな」と思った「Synthesizer V」というソフト。AIやサンプリング等を組み合わせた発声方式だそうですが、こいつのライセンスを調べてみたら、ドンピシャで使えるものでした。
 ライセンスのページは以下にあります。

https://www.ah-soft.com/synth-v/eula.html

 ・商業、非商業を問わず利用可能
 ・カラオケ利用等における許諾要請がない
 ・法人リリース等の制限もなし

 どうやら、普通のサンプリング音源と同等の自由な利用が可能なライセンスのようです。
 ただひとつ心配なのが、いつでもメーカーが利用規約を無断で変更できる、という点だけど、これは一応この種のライセンスにはいつも書かれている一文(こういう契約が実際に有効なのかはちょっとわからない?)。
 もう一点、新興の小さなソフトハウスだと、製品の継続性が心配だけど、なんとこのソフトは発売がボカロ音源もたくさん出しているあのAHS社なんですね。こりゃ一応安心(開発は別)。まだ製品が出たばかりの発達段階のソフトだけど、ここなら無茶なことはしないでしょう。

 憶測だけど、後発のソフトなのでライセンスを緩くしたんじゃないかという気がする。なんにせよ、権利的な心配をしなくてもちゃんと使えそうなボーカル音源が出てきたのは嬉しいところ。しばらく注目してみます。
(もちろんキャラ等は勝手に使ってはダメよ)

VOCALOID5は一般の音楽制作向け

 手短に、ヤマハからの返事には、VOCALOIDという登録商標やキャラ名を明記しないのであれば、一般的な商用利用は問題ないと書いてありました。つまり、楽曲の中でコーラス音源などに使うのは問題ないということ(作曲家の立場からクライアントさんに曲を作る時も同様のようだ)。
(上記はVOCALOID5の付属ボイスバンクの場合ね、なぜか正式なEULAは製品を買わないと見られないらしいw)
 このあたりはメーカー・製品によって利用条件は様々なので、使いたいならいちいち確認するしかない。ただ、既存の他社ボカロ製品においても、ほぼ標準になっているライセンスのようです。

 まあ、こういうややこしさが本来のソフト音源として「表」では使われることがほぼなくなってしまった理由かも……(仮歌ではよく使われていますが)。実際「(株)インターネット」のKokoneというボカロのライセンスを見ると、法人がボカロを使って音楽制作した場合は許諾が必要、なんてトラップ文があったりする。怖いよね、お客さんに渡した曲が、どこかに売られて法人から勝手にリリースされちゃったら、責任問題だし。だから怖くて誰でも使わないのだろうな。

 そろそろキャラ商売もいい加減下火だし、ちゃんとこの技術を本来のボーカル音源として利用してもいい段階に来ているのではないかと思う。
 それには権利関係をもっと明確にすべきで、製品ページなどにFAQなどとして明記しておくべきだよな。そうればもっと利用者は広がるはずなのに。
 私見ですが、どうもボカロやそれ系音源は、権利関係がクリアじゃなくて、一般の音楽制作側からは手が出しにくいイメージがある。もう「絵」を付けるのはいいから、ちゃんと制作のことを考えて欲しい。製品を買うのは本来そっちの人間のはずなので。(たぶんそのあたりを考慮したのが、ヤマハのVOCALOID5だと思うけど)

●追記 2020/11/14
 恐ろしいことが判明した。YAMAHAのVOCALOID3のライセンスを見ていたら、「商用カラオケでの利用」は許諾が必要と書いてある。つまり、クライアントさんに渡した曲が勝手にカラオケ配信されちゃったらアウトってことですね。こりゃーやっぱり使えないわw 自分の立場だと国産ボカロの利用は無理。逆にZero-Gの英語ボカロはOKってことになります。…と思ったが、まさかマスターライセンスがヤマハにあって、そっちのも実は適用される(謎の理由で外国は野放しだが国内ユーザーだけは厳しい)じゃなかろうな(汗)。
 やっぱりコーラスに使うの止めますわ。こりゃ危ない。

スラップベース音源の暴発

 スラップベース、自分の世代だとチョッパーベースって言っていたけど、いつの間にかスラップという名になったんですね。これはエレキベースの弦を叩く・はじくなどしてパーカッションのような強烈なアタックをつける奏法で、名前は知らなくても音を聞けば誰でもすぐわかると思います。ちなみに超カッコイイ音です、フュージョンで多用される奏法でもある。
(この奏法の登場で、ベーシストがソリストとしてスポットライトを浴びる機会が格段に増えた)

 そのスラップですが、当然サンプリング音源でもそれを再現したものがありまして、先日それを使って曲を書いていたんですよ。今の音源は、何度も書くけど本当に優秀で、まあミックス前でも実際の演奏と聞き分けは非常に難しい。ミックスしちゃうと、ちゃんと打ち込めばほぼリアル演奏との区別は無理、と思われます。
 ところが、その優秀な音源が、曲の特定の箇所で暴発のような状態になるわけです。意図してないのに「バイーン!」と爆発音のような感じになる。おっかしいなあ、さすがにスラップだからサンプルが均一じゃないのかなあ、とか、ベロシティを下げても同じだし、奇妙でした。それも曲の最初から再生するとそうなるが、途中からだとならない。「???」となりつつも、しばらく放置していたのですが。

 ある時、ミキサーに刺さってたコンプのプラグインを見つけました……ははぁこれかと、いやもっと早く気付けよと。オフにしたら音圧は下がったが、非常に安定した音になりました。犯人こいつでした、って随分杜撰な捜査だなこれ(笑)。
 有名ハードコンプをモデリングしたやつだったので、非常に正直に挙動を再現していたんですね。途中からと最初からで挙動が違ったのもそのせい。
 ただ音質や音圧感は自体は非常に良かったので、解決策としては、こいつのあとにもう1個コンプを挿して更にダイナミクスを潰しました。これで「バイーン」現象も解消して安定した音になりました。

 やはりスラップベースのような、アタックが非常に強い癖のある楽器の処理には、念入りなダイナミクス管理が必要なのかと痛感。昔も使ったけどその時はどうしてたっけか。
 あんまり潰すと音がペタペタになって、スラップベースがスクラップになっちゃう。オヤジギャグが出たところでまた今度。

リバーブにコンプを掛けてみた

 今回はミキシングの話。これまでやったことがない方法だったが、SENDでリバーブトラックへ送ったボーカルに、リバーブ処理後、コンプを掛けて持ち上げてみた。つまり、リバーブ成分だけにコンプを掛けるわけですね。
 こうすると、SENDから戻ってきたRETURNの音量を上げなくても、リバーブだけ持ち上げられて「大きく」なるわけ。音圧稼ぎの要領です。
 実施後、確かにRETURNを上げなくてもリバーブがはっきり聞こえるようになったし、ちょっと雰囲気の違う感じでこれはこれでいいかなぁと思っていたのですが。ヘッドフォンで聞いている段階ではw

 モニタースピーカーで聞いてみたら、ギョッとするほどリバーブの感じが不自然で、とにかく1秒聞いてわかる違和感、即座にコンプ切りました(笑)。なんなんだ。
 それは、歌物のボーカル用のリバーブなんて、一番気を付けて自然に処理しなくてはいけない部分で、残響をコンプで持ち上げるなんて「不自然」なことをしては、ひと目(ひと聞き?)でわかるはずですわ、考えてみれば。一番しっかり作る部分だし、実際リスナーも一番厳しく聞くからね、ボーカルは。

 こりゃ普通の歌物のボーカルには使えない方法、という印象。たぶん自然なエコーより、エフェクティブなトラックなんかにはいいかもしれない。わざと不自然さを強調したい場合とかね。(例えばボーカルだったら台詞っぽいところとか……)

 なかなか残響系の処理は奥が深いです。単にリバーブやディレイの組み合わせだけでなく、ルーティングによっても自然だけど面白い効果が出せることもあるし。(WAVESのアビーロードシリーズのプレートやチェンバーのような、シミュレーション系のやつも適度に使えば良い働きをしてくれる)
 使いこなしみたいなところは、それこそ様々な曲の中で実際試して効果を確かめていくしかないです。自分もまだまだ試行錯誤することが多い(定番の処理は決まってきたが)。

(●追記 ここに書いたのはボーカルのことで、シンセや楽器類に掛けたらまた別の印象かもしれない。またこのテクニック自体は、よく知られた一般的なものです。ってあんまり実際やっている事例紹介はないような…)

ソフトシンセDUNE廃番

 人類の三大発明といえば、車輪・火・そしてシンセストリングスである。というくらいシンセストリングスといえば素晴らしいもので、生の弦と違うのにポピュラー音楽における重要性は同じくらい高いのですが、そのシンスト(略)が非常に美しいシンセが、Synapse Audio Software社の「DUNE」です。……いや正確には、でした……というべきか。なんと、先日同社のサイトを見たところ、廃番になっているではないか! そ、そんなぁ~。

 DUNEはソフトシンセで、つまりパソコンの中でプラグインとして稼動するソフトなので、一見永遠に存在するようにも思えます。ところが、違うんだなこれが、OSなどのバージョンアップに従って、動かなくなったり不具合が出ることがある。こんなとき現行製品ならバージョンアップしてもらえる可能性が高いが、ディスコン(廃番)品だと、たぶんそのまま歴史の闇に消えていく運命。これは悲しい。

 どうも同社の方針として、DUNEシリーズは次々に最新版を出していく感じらしい。DUNE2が出た時はまだ無印DUNEは売っていたのに、DUNE3が出たタイミングでDUNE/DUNE2がまとめてサイトから消えています(怖)。
 いつかはDUNE2を入手しようと思っていた矢先、これはつらい。独特の存在感、不思議な異世界感のあるサウンド、という基本コンセプトは同じだが、DUNE1は歌物向きの汎用シンセ、DUNE2はよりEDMに的を絞った製品という印象。当然自分はDUNE1の方が良いわけですよ。DUNE3は2の直系の後継という感じだが、まだデモ版も使ってないので正確にはわからない(汗)。

 今は世界的にはEDMが売れ線なので、新しいソフトシンセがそっち方面にばかり対応していくのは仕方ないが、歌物に使えるようなものが減っていくのはちょっとつらい。まあ他社でも探せばありますが…(あと、日本のインタネ社は、ディスコンになったLinPlug社のソフトシンセをサポートしてくれているので、ABILITYでは使えるので嬉しい。LinPlug製品も歌物向け、故に同社は廃業したと解釈しているw)。
 この業界もパイが小さいのですね。Synapse Audioも本業はシステム開発かなにかだろうし。(経営者の趣味で音楽ソフトを出している感じ)

 しかしDUNE1のシンセストリングスは何物にも替えがたい。また何かの機会にソフトシンセ巡りをしなければ、と思っている。
 こういうソフトシンセも、いってみれば一期一会なのですね。ある期間使えて、それで曲が作れればよしとしなければ。決して永遠ではないもの、のようです。
(これがハードシンセだと、逆に後からエミューションやソフト版を出して貰えることはあるが…)

(と思ってDUNE3のプリセット紹介動画みたら…おぉ、ええやん!これなら歌物もOKだぜ。ただ自分はまだまだDUNE1を使い倒していくw)

ハープシコードの不思議

 先日書いた曲でハープシコード音源を使ったのですが、面白いことに気付いた。あの楽器というのは、ピアノの前に発明された鍵盤楽器なので(バロック時代)、鍵盤をどんな風に弾いても、音の強弱がつかないのですね。つまりずっと同じ大きさの音。
 で、まあサンプリング音源の方も、ちゃんとそのあたりを再現していて。鍵盤を弾く強さは全く関係なく音が出ます。
 クラシックのバロック系の曲ならそれで良いのですが(インストとか)、今回は歌物だったので、このベロシティ固定はどうか、とふと思いました。やっぱり歌物なら鍵盤楽器は強弱付けたいし。

 で、音源をよく見ると、これが手回しよくベロシティ(強弱)付きのパッチも入ってました。ベロシコード、とかなんという無様な名前(w)。これは、と早速使ってみたのですが。
 結果……大失敗(笑)。あのきらびやかな音で、ベロシティが付くと、とんでもなく奇妙な感じ。具体的には、音だけハープシコード似の超ヘンテコ楽器。すぐに元のパッチに戻したよ。

 だから、人間の耳ってのは本当に優秀で、ハープシコードは強弱固定、というところまで含めて認識してるんですね。自分なんかはクラシックをそれほど聞いているわけじゃないが、明白。
 楽器というのは、制限があるからこそ楽器、そこまで含めて楽器なんですね、特に世界に広まっているものは全部そう。
 だからまたまた、今のサンプル音源は本当に優秀だなあ、と思ってしまった次第。

(正確にいうと音を大きくする方法はあって、それは打鍵に対してスイッチでオクターブ上や下の弦を重ねるって方法。オルガンと同じで8’に16’とか4’を足すってことらしいです←ボヤッとしてるな、おいw)

●おまけ

 この数日、アーティストさんのYoutubeライブやインスタライブを拝見。インスタは最初PCでライブ見られないのを知らなくて、見逃してストーリー?(録画)になってしまった。恐れ多い話ですが、生放送は人となりが見られて身近に感じられて良いっすね。でも見てる時間捻出するのがもう今の時点で限界(w)。何はともあれ流石最前線にいる方々の生演奏は素晴らしいのひとことに尽きます。もちろん普通にYoutubeの演奏動画も拝見してます。こういうのもネット完結で見られる時代になったんですねー。

理想のマスタリング

 ミックス後のファイル(2mix)を最終処理する工程、マスタリング。一応、正確な用語では「プリ・マスタリング」ですが。本来のマスタリングはアルバム収録曲すべてのレベルや音質を、リスナーが続けて聞いても違和感ないよう揃えるものなので。
 ただ今は配信ならバラ売りだし、だんだん区別も付ける必然性が減ってきているのは事実。(こうしてみると、コンピ盤やベスト盤は、曲ごとに色々バラバラだから、マスター作りは難しいんだろうな)

 で、プリ省略して書きますが、理想のマスタリングとは、ズバリ限りなく透明であること、でしょう。音圧を上げるにしても、できるだけ2mixのイメージやダイナミクス感を変えない。色をつけないってことです。もちろんステレオイメージも変えない。
 そんな処理で済む2mixを用意しておく、という前提がありますが。つまり、何か曲のイメージを付けたいなら、ミックスの時にやっておく。もっといえばアレンジの時に予めその辺りも考慮して作るってことですね。幸い弊社(者?)の場合は上流から下流まですべてワンストップでやってるので、こういうことが出来るのですが。これが分業だったりすると、そうはいかないけど。

 最近ますますこれは確信に変ってきてます。マスタリングの時、つい色々試してみたくなるけど、結局いつも余計なことをせず一番素直なマスター用のEQとマキシマイザーを差してそれで終り。これが一番良い結果が出る。ミックスで全てやっておけば、あとは弄るべきじゃないわけです。幸い音圧戦争もとうに終り、あまりに音圧上げた曲は歪んで聞きにくいよね、ってコンセンサンスが出来てると思います。そうするとマスタリングで2段コンプとかも、余程のことがない限り要らないんだよなあ。

 まあ、マキシマイザーの類も、色がつくようなヤツは、他のミキサーさんがやった曲で、音質を揃えたい時には要る。ただ、アナログ感を予め出した2mixに、アナログ感のあるマキシを掛けたりすると、今度は歪んで聞きづらくなるもんね。(だから手持ちの「PSP Xenon」なんか、いいプロダクトだと思うけど結局いつも出番がない)

 逆に「テラMIDI」感のある2mixやパラデータだったら、徹底的に色をつけた方が良い結果が出るんだけど。(アビーロード系のはっきり色がつくコンプやEQが良い仕事をしてくれる、そんな時は)

 ここ数日はコロナのこともあり、ますますヒキこもって音楽制作と年貢計算に精を出しています(w)。

ギター音源の再現度

 今書いている曲で、どうもバッキングのアコースティックギター音源のコードがメロと当たる箇所があって、強すぎるのかな?とかボイシングかポジション?とか、ストロークの向きか、などと色々やってみたのですが、どうしても響きが汚い感じになる。
 なんでかと首を捻っていたら、はい、コードネームをふと見たらわかりました。「EbM7」……これ、本物のギターでも響きがよくないやつですわ(w)。ギターって一番響きがいいのは「E」とか「Em」とか根音がEのコードなので。そこから半音ズレたら、これは逆に一番響きが悪くなる感じ。

 だから、今のサンプリング音源は本当によく出来ているなあ、と感心してしまった。本物のギターと同じように、響きが汚いものはそのまま再現しているんですね。昔のMIDI音源なんかだと、例えボイシングを同じにしても、音程的にはジャストでキレイに響いたりするわけだから。

 もちろん、カッティング奏法なんかだと関係ないけど、じゃらーん、みたいなコード奏法だとモロに関係してくる。ギターはそもそも、#やbがついたコードは押さえるのも難しくなるし、結局響きもよくないですね。(ローコードは特に)

 こうなってくると、ギターでコードバッキングをしたいなら、曲のキーもなるべく素直なやつにした方が無難、ということになりますね。そしてコード進行も、#やbがついたコードは避けて代理コードにするとか、無理ならアルペジオやパワーコード等で逃げるとか、考えながら曲を書かないと。
(まあカポタストをつけるって手もあるか。このあたりも今の音源は当たり前に対応してます)

 キーがBbのフュージョンの隠れた名曲を調べてみたら、やはり代理コードでトニック以外のb系コードは避けてました。うーん深い!
 楽器の特性も頭に入れつつ、曲を構想してアレンジを練っていけ、コード進行も考えろということですね。その点鍵盤楽器、なかんずくシンセは最強ですな……。(これも倍音の関係でボイシングに配慮しないといけないが)

 昔は聞き分けられなかった細かいところがだんだんわかるようになってきてるな、と思う今日この頃です。作曲楽しいよ、もう底なし沼よ(w)。

TIPS: 日本が誇るDAW”ABILITY”高音質化

 たぶん日本全国で10人くらいしかユーザーがいないDAW、(株)インターネットのABILITY(Pro)――のチョイTIPS。……いや、いくらなんでもそんなことはないと思うが、毎日毎日起動して使い倒している人は本当にそれ位かもしれない(?)。そりゃCubaseなら100人単位でいるでしょうがね……。

 といっても一口メモみたいなもん、これがね、ミックス前に自分は必ずバウンス(オーディオ書き出し)して、そこからミックス作業に入ることにしているんですが、この書き出しファイル形式を48kHz/24Bitから48kHz/32bit(浮動小数点)にしたら、かなりはっきりとわかる位、音がクリアになって驚いたって話なのですわ。ここを読んでる方で何人ユーザーがいるか知りませんが、もしやってない方がいたら、ぜひ。というか、しばらく前のアップデートで32bit書き出しがデフォ値になったようなんだけど。
 32bitにすると音割れも原理的になくなりますが、それ以上に音質改善効果がありました。やはり24bitだと、まだ音質変化があるようで。最終的にCDフォーマットにする場合は44kHz/16bitで書き出しになるのですが。欠点としてはファイルサイズが増大するくらい。
 自分は2mixも勿論48/32で、マスタリング終わりでようやくCDフォーマットやmp3に書き出しです。

(この2mixも、48/24だと音が変ってしまう時は顕著だったが、48/32にした途端、DAWネイティブで鳴らしたそのまんまの状態の書き出しになった。驚きの白さTOP。いや洗剤か)

 ABILITYも3.0になってたぶんソフトをゼロから書き直しって位根本的改良を行ったようですが、オーディオエンジンも刷新されて元々高音質化しています。そこへ持ってきてこれは鬼に金棒(?)。
 そうそう、3.0の人柱期間も無事終って、また元のように安定した動きになってきました。たまに突然落ちることもあるが、まあ実用上は差し支えない安定度。なので2.0から上げてなかった方も安心してどうぞ。

 こいつは自分のような楽譜主義者にはうってつけのDAWなので、今後も頑張って欲しい。逆にDJさんには使いにくいかもしれない。
 まあ、ABILITYはガチ作編曲勢向けのDAWですわ、昔から。
(こいつの遠い先祖は、Rolandの「ミュージ郎」とかに付属していたソフトらしい)末永く、地道に活動しつつ使っていきますよ、この歳になると自分の分ってわかりますからね(w)。違うか。