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音源レビュー「Session Strings Pro2」

 例によってボヤっとしたレビュー(感想)です、まだ一度使っただけなので。

 音質はSSP1に比べて向上している気がするが、かなり大編成になったので(20数人)、Modernパッチを使っても、結構クラシカルな感じになる。というか、これ人数の問題というより録り方が大きいかもしれない。ちなみにデフォルトのプリセットしかまだ試していない。
 インターフェース周りは、整理されて使いやすくなっている気がする。でもまあこれも好みの問題か……。

 たぶんSSP1を置き換える製品ではなく、別の雰囲気を出したいときに使ってくれ、ということだろうか。1もそのままだとシンセっぽく聞こえることがあるけど、ちょっと設定を弄るとかなりいい感じになるので、こいつもパラメータを弄ってやれば変わるかも。

 とりあえず少し聞いただけで大編成だな、ってわかる音なので、普通のポップス曲には大仰すぎる気がします。それこそストリングスをフィーチャーしたバラードとか、そういう方面に合いそうだ。(一言でいって音が「強い」。他のパートの邪魔になる可能性がある)

 あと、チェロを鳴らしていて気付いたが、一部のアーティキュレーションで、ちょっと位相が狂ってるような音に聞こえるやつがある、ミックスすると。本当に狂っているのか、音質の加減でそう聞こえるのは詰めてないが、少なくも1ではなかった現象なので要注意。
(これが事実ならアップデートして欲しい)

 今のところ自分の中では、SSP1の再評価に繋がった使い心地です。

(NIにこの製品を供給しているe-instruments社ですが、国はどこだろうと思ってHP見たらCompanyのところに住所一切書いてない。音源デベロッパーにありがちですが。で、更に調べたら普通にドイツだった、まあクラシカルなのも納得)

貴重なインタビューご紹介

 何かの用で検索していたら、「13歳からのハローワーク」というサイトに冨田勲さんのインタビューが載っているのを発見。このサイト自体、もちろん怪しいものではなく、村上龍さんの同名書籍にヒントを得て、ご本人公認で運営されている、学生向けの職業探求(啓蒙)サイトらしいです。
 そういう系統の場所なので、作曲家とはどういう職業なのかを体験談をまじえて述べておられるようで、貴重なインタビューといえそう。結構長めですがスラスラ読めるので、皆様も是非。

著名人インタビュー この人に聞きたい!
冨田勲さん[音楽家]
https://www.13hw.com/interview/07_01.html

 他にも色々な著名人がインタビューされているのですが、作曲家としてはもうお一人、三枝成彰さんも答えておられます。実は冨田勲さんとは正反対のことを述べておられる箇所もあるのですが、これは深慮があって、どちらも本当だと思えます。

著名人インタビュー この人に聞きたい!
三枝成彰さん[作曲家]
https://www.13hw.com/interview/19_01.html

 いずれにしても他では読めない、かなりざっくばらんで本音の話、読み応えあります。特に業界関係者の皆様は読まれた方が良いと思います。

迫力のサンダーバード・マーチ

「謎の円盤UFO」のテーマを演奏する海外市民オケのイマイチな動画を見ていたら、「サンダーバード」のテーマを演奏する日本の市民オケの完璧な動画が出てきた。

広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ / サンダーバード・マーチ
https://youtu.be/BZ6vLfgCVAU

 フルオケじゃなくてチャンバーオーストラなので、人数が少ない分フレージングがキビキビしていてリズミカルで素晴らしいと思えます。特筆すべきは向かって左の方を見てもらうとわかるけと、大きな図体の楽器が2台並んでいますが、これグランドハープなんですね。(普通はフルオケでも1台)これでツインでグリッサンド(シャラララ……ってやつね)をやってますが凄い迫力! ちょっと編成を変更するだけで非常に効果的になった例といえそう。
 この動画、固定アングルなので、楽曲のどの位置でどの楽器が鳴っているか一目瞭然で、オーケストレーションの参考にもなります。例えば音楽マニアが見ても面白いと思います。

 こうしてみると、やはりオーケストラは全体で一個の楽器にみえますね、少なくとも作曲家からは。昔は電気・電子楽器やPAもなかったし、大きな会場である程度のボリュームの音楽を演奏させたかったら、オーケストラに頼るしかなかった。そんな中で音響的にも優れた楽器編成が先人たちによって練られていったのだと思います。

デモ曲追加・オーケストラルPOPS

 ここでまたデモ曲追加です。声楽っぽいフルオケPOPSというか、小組曲みたいな構成の曲を書いてみました。流石にこういうのは商業配信には向かない(?)。

「サーカステントの夢」

 歌は佐藤元美さんというソプラノ歌手の方にお願いしました。かなりの経歴の方ですが、それ以上に本物の表現力をお持ちです。

オーケストラ曲のミックスの気付き

 今回は極意……というものではありませんが、フルオケ曲を書いていた時の気付き。
 結局打ち込みオケ曲も最終的に楽曲データとして完成させるには、ミックス作業が必要になってきます。生オケだってミックスが要るんだから、まあ当然といえば当然(あれはステレオマイク1本で録ってるわけではない→この話はまた今度)。
 とはいえ、さすがに作りこまれた最近のオケ音源であれば、EQ処理はほぼ要らないと思っていいでしょう。するとしても微調整で、バンド曲のようにエレキギターの低域バッサリとか、あんな乱暴な処理は要らないはず。
 では何かというと、ミックスの基本中の基本、各トラック(楽器)の音量調整と、定位(パン)の調整ですね。これが実際は意外に難しい。とはいえ、弦のパート5本は、最初からパンが振ってある(+ステレオ幅調整済)ことが多いようです。
 あとのパートは、振ってあったりそうでなかったり。このあたりは音源によって違ってくるので、オケの楽器配置を睨みつつ、慎重にパンとステレオ幅を決めていくしかない。(アナライザーと、そして最後は自分の耳で) 一旦決めてしまえば楽なので、あとはその設定を他の曲に流用していけば良いのです。

 さてここからが今回の「気付き」なのですが、もう一つ忘れてはいけないのがリバーブ(残響)の処理ですね。当然、ステージで奥の方にある楽器ほど「遠く」にあるわけで、理屈ではリバーブを深くかけないといけないのですが。ここで落とし穴。音源の内蔵リバーブを切っても、実はあれって「デッド」な音にもアンビエンスが入っているんですね、実際にホールでサンプリングしたりしているから。
 だから、音源によっては、もうちゃんと音の「遠近」がついていたりします。それで、奥の方の楽器(たとえばクラリネットとか)に深めのリバーブをかけてしまうと、お風呂場か!ってくらいのワンワンした残響が付いてしまうのです。こりゃあかんて。
 リバーブの音量は全部一緒か、それとも微調整くらいで良かったというオチ。もちろん音源によって違うので、結局最後は自分の耳で判断するしかないんですわ。流石にこんなところまでは音源のマニュアルに書いてないから、普通は。
(収録マイクポジションで分けている音源もあるが)

 どうですか。フルオケ曲ならノーミキシングでいいかと思うとさにあらず。却ってアナライザーより自分の耳で判断しつつミックスしないといけないという、より難しい処理を迫られるってオチ。まあエフェクター類やコンプは出てこないので、そこは楽ですが……。

(同じ理由で、オケ音源に他の音源、例えばソロバイオリンなんかを持ってきたときも、アンビエンスやマイクポジの処理が全然違っているので、リバーブ処理等も気をつけないとチグハグになります。ボーカルを加える時も同じ)

Spitfire Solo Violinは結構アレな製品

 ちょっと前「バイオリンのミックス処理」という記事を書いたが、あれからハマりにハマってようやく完成形まで持ってこれた。(というのが先日upした曲)

 で、使用した「Spitfire Solo Violin」ですが、これはアンビエンスまでしっかり含んだ(録音した)音源になっていて、どうやらあくまでフルオケの曲でバイオリンソロの時に使ってね、という位置付けの製品のようだ。アナライザーで見ると、定位もアンビエンスも、まさにオケをバックにソリストが立つ位置で録音されている。一種の時短音源だなこりゃ。
 たとえクラシックでも弦楽四重奏なんかでは全く使えないと思うので、その意味ではフルオケ曲専用って書いておいて欲しかった。
 ご想像通り、そのままではバンドサウンドなんかには全く馴染みませんねえ(w)。
 前述の通り、アンビエンスを全切りするとかなり音の細いモノラル音になってしまうので、それでバンドに入れると(他の楽器は大抵ステレオ収録だし)浮いてしまう。かといってわずかにアンビエンスを入れただけで(一応ステレオ信号になる)、背景に大ホールが見えてしまう(笑)。バンドの中で一人だけホールしょってたら、そりゃ変だよね。

 で、色々やってみたのですが、解決法だけ書きます。アンビエンスを全切り(ドライ)して、コンプ2段掛けで潰して、最後にAIR Stereo Width(モノ信号をステレオに変換するプラグイン、多分類似品OK)をかまします。これでバンドサウンドにいれてもなんとか違和感になく馴染みました。
 ということで、「Spitfire Solo Violin」は、ちょっと癖のある音源といえそうです、検討中の方はご注意あれ。
(なんか、よく読むとソロ弦バンドルの中から、更にバラ売りしているパッチみたい。ケチ臭いことせずに、ステレオパッチもユーザーに公開しろ~! ←こんなことで文句言ってるとクレーマーみたいで怖いか)