6/7配信予定
あのね、空を見上げてないでわたしを見て。――Mayumiのアップテンポな爽快J-POP!
ウェザーガール / Mayumi
http://dewridge-records.official.jp/artists/mayumi.html#027
#POPS #J-POP #mayumi
あのね、空を見上げてないでわたしを見て。――Mayumiのアップテンポな爽快J-POP!
ウェザーガール / Mayumi
http://dewridge-records.official.jp/artists/mayumi.html#027
#POPS #J-POP #mayumi
ラジカセが音のスムーサーになるって話は書きましたが、それは録音メディアとして「テープ」の良い部分(特性)が出たからでした。ところが、良い部分があれば悪い部分(?)もあるわけで……。メモ的に書いてみます。
テープ処理したトラックを使った最初の曲は、楽曲のほんの一部分(2小節)だったんですね。DAWで録った元の音は使わず、テープ録音のフレーズに差し替えた。
これが上手くいったので、次の曲では、打ち込みっぽさが抜けないトラックに、テープの音を薄く重ねて生楽器感が出せないかやってみた。結果は非常にうまく行って、スムーサー+リアライザーみたいな良い仕上がりになりました。
ただ、曲の前半は良いものの、サビくらいになってくると、だんだんフレーズが二重に聞こえてくる。特にギターの刻みだったので大変目立ちました。
察しのよい皆様はもうおわかりでしょうか……。そう、テープ録音→再生したことで、テンポが狂ってしまっていたのです(w)。カセットテープレコーダーは、往々にして再生/録音速度が相当アバウトなんですね。再生と録音がきっちり同テンポなら、理論上はこういうことは起こりませんが……。
弦央と同年代か年上の皆さんは、カセットがこういうものだと体験的に知っているはずです。ラジカセどころか、カセットデッキでさえ結構怪しい。自分も、今回のことがあるまですっかり忘れてましたが、100Vで動かしてもこんなもので、電池駆動だった日にゃ、最後はモゴモゴ言い出しますからね(笑)。
で、今回はどうしたかというと、演奏がない部分でテープのWAVを分割して、適宜頭を合わせて解決しました。厳密にいうとフレーズの最後では若干のズレがあるけど、この程度なら問題なかった。というか、これ一種のダブルトラッキングといえなくもない。(テンポが狂っているということは、音程もその分変化してます。デチューンですな)。
弊社は転んでもタダでは起きません(w)。なんと、スムーサー+リアライザー+ダブルトラッキング(ディレイ?)のエフェクトとなってしまいました。これは新しいな。プラグインではまず出せない味です。
いやー、アナログ機器は本当に面白い。
プレートリバーブってありますね(プラグインでなく実機の方)。今回はその試作の話。
リバーブの歴史を簡単に書くと、最初はエコーチャンバーという仕掛けで残響を作っていました。これはお風呂場エコーそのもので、タイルなどを張った専用室にスピーカーとマイクを置いて、部屋の反響でリバーブを拾ってました。これだと場所を取るし大掛かり過ぎということで開発されたのが、プレートリバーブ。ドデカい鉄板に振動子(スピーカーと同じ)を押し付け、貼り付けたコンタクトマイクで振動を拾って、その結果残響を作ってました。
(これでも場所を食うということで開発されたのがスプリングリバーブ、その次がテープやBBDが出てきます)
で、そのプレートリバーブですが、調べたら構造も簡単だし、小型のものなら自作できそうな気がしてきた。とりあえず実証実験的に、ありもので作ってみようと思い立ってやってみた。
まず振動子ですが、これは小型スピーカーで代用することにした。実家の電子部品箱に1個入っていたはずだがこのン十年間に紛失w で、パソコン用の外付けスピーカーユニットを分解して取り出した。4Ωだったがコーヒー缶ほどの直径でいい感じ。
次に鉄板ですが、当時の名機と言われたEMT140なんかは、畳3-4畳分くらいの面積がある鉄板を使ってます。さすがに今回は無理なので、ダイソーでA4サイズ/0.2mm厚の鉄板を買ってきた。ほんとに何でもあるな(w)。これなら前述のスピーカーで楽にドライブできそう。で、鉄板をマイクスタンドに吊るし、コンタクト(ピエゾ)マイクを貼ります。
当時のプレートの振動子は、スピーカーでいうとコーン紙がなく、中央の電磁石に円錐ヘッドをつけて、テンションをかけて鉄板に押し付けていたらしい(正式名トランスデューサー)。
今回もコーン紙を取って同じにするかと思ったが、まあまずはスピーカーのまま押し当てることにした。
スピーカーは、死蔵していた小型中華アンプでドライブします。アンプにはラジカセで再生したCDを入力。
ピエゾはオーディオI/FのHiZ(ギターと同じ)に繋ぐ。これをヘッドフォンでモニターします。
今回は試作なので、スピーカーは固定せず手で鉄板に押し当てた。
こんな簡単な仕掛けでリバーブが掛かるのかと半信半疑でしたが、音を聞いてみると、ちゃんと残響がついています。さすがにプラグイン等の美しい響きではないが、色んな意味で「脱力お風呂場カラオケ」(字面から感じて下さいw)でした。曲の特定楽器/音域のところで急に残響が大きくなったり、たぶん固有振動数なんだろうけど、面白かった。
スピーカーを当てていると、鉄板がビンビン振動するのがわかりますね。あと下手に鉄板をつついたりすると、ドーンという音が入ってしまう。このあたりはスプリングリバーブと同じで、物理エフェクターの面白いところ。当然、スピーカーの振動が伝わった鉄板も「鳴り」ますので、深夜には使えないなこれは。
実は、どうせならもっとビザールな感じの音を期待していたんだが(あまりに本物と比べて構成要素がプアなので)、わりとマトモに中途半端なリバーブとして動作してしまった。
今後はビザールな鳴りを求めて、もう少し追及してみたい。
ミックス作業をしていたんですが、制作手順としてMIDI制作はABLITYで、ミックスからはProToolsにしているんですね。で、今回の曲はモジュラーシンセとハード音源がアレンジの主体なので、レコーディング作業も大量に発生して、20トラックくらい録ったわけです。音質向上のため、この録りもProToolsで行っています。(やっぱりABIで録るのと音が違う)
ところがいざミックス用のヘッドフォンで全体を聞いてみたら、やけに音が濁って?聞こえるわけです。最初は疲れてるのかなーとか(体調が悪いとこういうことはある)、ヘッドフォンが寿命かな、とか色々考えた。ただとりあえずどんどん作業を進めていたら、この濁りがだんだん消えてきた。それで気付いたんですが、これなんと、20トラック分の微小ノイズが重なって聞こえていたのです。
実際は、演奏のある部分だけ録ったりしているトラックもあるから、10トラック強かな? このノイズを除去したら、すっきりしていつもの聞こえ方になった。
このノイズ、波形表示を見ても見えないし、アナライザーにもほぼ表示されないのですが、これだけ重なると濁りとして耳に認識されるんですね。さすがアナログ録音データ。
これが、ソフトシンセやサンプリング音源の直接バウンスだと、アナログエミュの何かを挟んでいない限り、無音部分は本当に信号ゼロですからね。フルデジタルパスだから。
これまでそっちに慣れていたからそんなもんかと思っていたが、レコーディング作業が発生するスタイルになると、微小ノイズは気をつけないといけないと思った次第。
実は前回もこれにちょっと近いことがあって、その時も丁寧に処理したけど、今回は特に酷かった。で、処理の方法ですが、ProToolsには「ストリップサイレンス」という機能があって、演奏波形がない部分(つまりノイズ部分)を、スレッシュホールドをかけてオフラインで自動カットしてくれるんですね。手動でやるとメンドイが超便利です。
ドラムのトラックみたいに、ほぼ鳴りっ放しのやつは、GATEプラグインでやはり微小ノイズ部分をカットする。(CPU能力食うが動的にパラメータを弄れる)
ただボーカルトラックは、ブレスの関係があるので、この自動処理はやらないほうが吉。でないと必要なブレスを消したり、逆に不用なブレスが残ったりしかねない。手動で消していくわけです(あるいは一瞬ボリュームを絞るか)。
ProToolsは、噂に聞いていた通りWAV周りの便利機能がかなり搭載されている感じ。処理後の結果も良い(こんなはずでは…ってのがないw)。痒いところに手が届く。いまのところ2段構えの制作体制はいい感じに進んでいます。
NHKラジオR1を聞いていたら、80年代の曲特集が流れていて、これは休日祝日に時々ある番組ですが、ここ何日かは連続だったようです。こうやってまとめて聞くと、80年代の曲というのは本当にわかりやすい特徴がありますね。8ビートのFM音源シンセベースだったり(DX7だったりするんでしょう)、スネアにゲートリバーブを効かせた独特の「ドゥン」という音、デジタルリバーブ初期のハード的制約からくるダークな残響、ギターの歪ませ方や使い方、シンセもポリフォニックになりフィーチャーされています。こうやって書くと特徴だらけのコテコテな感じですが、当時はそんなことは意識されずに、色々なアーティストやクリエイターが時代の中でベストな楽曲を作った結果、その時代のスタイルが形成されて音のなかに映りこんでしまったわけですね。
もちろん経済もバブルで非常に勢いがあったし、予算も潤沢で音楽業界もイケイケの活気があり、名曲が次々に生まれた時代でもあります。アイドルも全盛期、いわゆるシティポップも全盛となっていました。
で、考えたわけです。
50年代の音、60年代、70年代と、やはり時代の音ってのはあり、ギリ90年代もあるかなあ、その後はというと……果たして? 00年代、10年代の音ってあるのかな? ボカロやヒップホップ、ラップなんかがそのピースに当てはまっていくのかもしれないけど、時代の音、とまで言えるかというと……。さらに今2023年ですから、20年代の音というと、更に曖昧になってきます。うーん、大きな流れとしては10年代からはEDM、広義のEDMなのかもしれませんね。クラブミュージックやそれに派生するPOPSまで含む感じの。
で、今が広義のEDM(の続き)なのだとしたら、確かに音楽作っていてそんな気はしてきてます、それがまた発展していくのが20年代なんじゃないか。それが後から振り返ったら「時代の音」になる、という予感がしないでもない。たぶんこの10年間で加わるのは、世界中でマニュアル化された音楽制作に楔を打ち込むかのような、プリミティブなシンセサイザーやサンプリング音源の使い方……かもしれません。あるいはエフェクトプロセッシングの方も含む。時代の標準的の道具を使うとそうなるはず。DAWとホームスタジオが今の音楽制作環境のスタンダードですから。そこに何かが加わるイメージ。
(生成AIについてはまだわからない。今のところ総合的には混沌? 音楽は究極の秩序、低エントロピーの芸術だから…)
流れていく日々のなかでそんなことを考えてみました。
(追記:00年代の音、あったよ…。「音圧最終戦争の結果、グロテスクに歪んだ聞くに堪えないサウンド」。いやな時代の音だなw 多くがアーティストの責任ではなかったと思うけど。これで年代が繋がりましたね)
最近モジュラーと自作系のことしか書いてない気がするが、今回もそんな話題。
引き出しの中に、壊れた古い携帯型カセットプレーヤーが眠っていたんですね。いわゆるウォークマンタイプのやつ、といってもこの比喩がもうヤングピーポには伝わらないが(w)。
電池とカセットを入れてプレイボタンを押すと、ヘッドフォンから「サー」と背景ノイズは聞こえるが、テープが一切回らない状態。カセットの故障あるあるです。
どこかで、こういう場合はモーターと回転軸の間のゴムベルトを交換すると動くことがあると読んだので、ダメ元でネジを空けて裏のカバーをパカッと開けてみた。
こんな感じ。
右上の白+黒の丸いプーリーがテープの回転軸で、その下がモーターの駆動軸。もう取り払ったが、確かにちぎれたゴムベルトが両者の間に絡まっていた。この状態で電池を入れてプレイボタンを押すと、モーターだけがむなしく空転します。
手持ちの輪ゴムをベルト代わりにつけてみたが、サイズが合わないらしくすぐ絡まって無理でした。たぶん補修部品のゴムベルトが必要。
ここでふと、プーリーを手で回したらどうなるか……と思いたった。やってみると、モゴモゴ……と音が聞こえるではないですか(笑)。手だけで回すのは限界があるので、割り箸を突き立ててぐるぐるやると、結構うまく回った。モゴモゴがモゴゴ……くらいにはなりました。カセットは本来結構早く回っているんですね。毎秒4.7cm程度だと思った。たぶん手動では毎秒2cmくらいが限界。(瞬間接着剤で割りばしをプーリーに固定しようとしたがすぐ取れて無理だった)
いわゆる「テープストップ」というエフェクトがプラグインにもあるけど、あれと同じようなことが手動・完全アナログで出来てしまいます。ディスクスクラッチにも近いかもしれない。ただこの状態だと逆回転はできません。テープがゆるむだけ。
音楽的にどうこうの話ではありませんが、サウンドエフェクトしては面白いので、壊れたカセットが家にある方は一度いかがでしょうか。(たぶん構造が単純ですぐ分解できる、こういう携帯プレイヤーが向いている。ラジカセになると、もう分解して駆動軸を出すのも大変な気がする)
成長を続ける弊社のモジュラーシンセシステム、現在の姿はこんな感じ。
丸で囲ったところが増えたモジュール。上から4基搭載ADSR、左下がベロシティも出せるMIDI-CV、右下がCVミサキー&ポルタメント。
その右がバッファードマルチプル、CV信号を分割するが、ちゃんとボルテージフォロワが付いていて電圧が下がらない。こいつだけ実はアメリカ製のキットなんですよ。製作時間のべ2時間くらい。今はキットの製作手順もメーカーのWebに載っているんですね、便利になったもんです。
これまで使っていたケースに入らなくなったので、大きなケースに載せ替えたら、またスペースが出来てしまい、たちまちモジュールが増えた次第。困った困った、饅頭こわい。
ところでこのモジュラーケース、見ての通り木製ですが、実は自作ではなく出来合いのものです。しかも驚くほどモジュラーシンセ(ユーロラック)にぴったり。というか、元々同じEIA規格の寸法で作られているんですね。ネジ穴レールを付けるとたぶんサイズが合わなくなるので、もう直接木に穴を空けて、タッピングネジで留めています。これで問題ナッシング。(そもそもレール4本で1万円近くする)
ホームセンターで見つけたんだけど、たぶん同じようなものが全国どこでも見つかると思います。試しに捜してみてください。こいつの値段は、中央の仕切りバーを入れても全部で1000円以下。またまた業界大激震だな(w)、モジュラーケースは3万5万が当たり前だから。数が出ないから仕方がないが、ちょっとボリすぎだよね(大抵電源付きですが)。まあ弊社は外に持ち出す予定はないからこれで済んでます。
(この木箱、いわゆる6Uのサイズです。ユーロラックモジュラーは3Uサイズ。3Uサイズの木箱も売っている)
以下、バッファードマルチプルの完成直前の写真。
最近はこんな感じでシンセ道を追求しているわけです。
あの夜、君に触れてはいけなかったのに。たぶんすべて異界の幻…
#POPS #エレクトロニカ #rina
秋月電子通商のサイトをつらつら見ていたら、目に入ったのがトランスを使ったインピーダンス変換キット。ヘッドフォン出力をライン入力に(無理なく)接続するためのものですが、なんとこれパッシブ(無電源作動)なんです。
トランスを使ったマジックですね、電気的に絶縁された二つのラインが電磁誘導で繋がってしまう。ファラデーの法則ですな。
このキット、部品といってもトランス2個とミニステレオジャック端子2個だけ、あと専用基板が用意されていて、組み立て簡単で電子工作リハビリにちょうどいいかと、早速注文して作ってみた。完成したのがこんな感じ↓
これでもちゃんとステレオ対応なのが良い。
トランスといえば音楽業界ではNeveが有名ですが、ちょっと期待したのは事実です。まあNeveというかNeyoみたいな(ゴメンこれが言いたかった)。良音化は無理でもサチュレーターにはなるんじゃないか。
そんなに都合よく変わるわけが……と思って弊社のマスターデータで試してみたら、これがびっくり。物凄く独特の質感が現れました。粒子が粗い…というか、ところどころ歯抜けになった、音の周辺部がすすけていく感じ。プラグインでは聞いたことがない変化です。なかなか上品な効き方で味わいがある。
モジュラーシンセのVCO出力をぶち込んだら、若干バンドパスフィルターが掛かったような音になりました。たぶん信号レベルも関係するんだろうが、トランスの周波数特性の影響でしょう。
先日のカセットに続いて、個別トラックに掛けたら面白い感じになる秘密兵器をまた発見した感じです。
今回は、サチュレーション効果を狙ったので、中国製トランスのキットだったんですね。秋月にはサンスイ製のトランスを使ったキットも売ってるのですが、こちらは高音質だそうで、こうなるとそっちも興味が出てきた。
前者が牛丼大盛1杯分、後者はシングルCD1枚分のお値段。半田ごてを握ったことのある人ならすぐ作れるので、ご興味の向きはいかが。この価格でこの効果は業界激震だ。Neveが経営危機に。そんなことはありません。
(ギターエフェクターのような劇的な効き方はしませんのでご注意を。あくまでミキシング用のプロセッサ・モジュールの部類です)
蛇足ながら、トランスはなんだか夢があるよね。アナログ部品なので厳密には一個一個音が違う。いつか古い機器からトランス外して、トランスボックスも作ってみたい。
先日NHKで放映された「クイーン 21分間の奇跡 〜ライブエイドの真実〜 」を見ました。なかなか面白い話が流れていたので、記憶を頼りに書いてみる。
https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/episode/te/XLJ6NXRL83/
世界中を熱狂させたライブエイドでのクイーン伝説のステージ。それはたった21分間のパフォーマンスだった!しかしクイーンはこのステージを迎える際、人気は低迷、メンバーの不仲など瀬戸際にあった。あの類いまれなパフォーマンスはいくつかの偶然とつながりの奇跡が生んだものだった。映画には描かれなかった伝説のステージのもうひとつの真実を、クイーンのメンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーが初めて明かす!
まず、紹介文にも書いてある通りバンドは非常に厳しい局面だった。人気は低迷、女装MVは大不評でアメリカで放映禁止(w)、南アフリカでライブをすれば、アパルトヘイト支持と取られ社会的批判を受けた(実際は収益の一部を寄付)。
出演依頼が来たとき、そんな事情もありメンバーの最初の会合では断る方向だった。だがブライアン・メイの証言では、その後の会合で彼自身が、純粋に音楽史上に残るイベントだから出演しようと提案、それが受け入れられたそう。
あのパフォーマンスのために、クイーンはシアターを貸切で、3日間もみっちりリハをした。
それが当日の伝説の演奏につながった。ボヘミアンラプソディは、普段はライブではやらない曲で、それをわざわざ一曲目に持ってきたのは作戦だった。
当日の映像が何度も流れてましたが、なんとダイアナ妃とチャールズ皇太子も臨席していたんですね。時に1985年。
更にショッキングな事実なんですが、実はライブエイドには当初クイーンは呼ばれない予定だったそう。それはこの運動の呼びかけ人、ボブ・ゲルドフが、クイーンを嫌いだったから(笑)。この人、ブームタウン・ラッツのボーカルだったんですね。世代としてはニューウェイブなので、クイーンのような旧世代バンドを敵視していた。ところが、プロモーターが呼ぼうと提案し、それを渋々入れたらしい。
当日、会場で演奏を聞いて驚嘆したと、ゲルドフ本人の弁。
最後にボヘミアンラプソディについて。歌詞の意味が色々考察されているが、フレディとデビュー時から親交のある音楽ライター氏の話では、皆考え過ぎとのこと。単に新聞で殺人事件の記事を見てそれで着想を得たんじゃないか、という。
同じ質問をロジャーにすると、「ファ(ピー)」というお答えで、インタビュー会場は大爆笑(NHKもノリノリでピー音入れるなよw)。もう数え切れないくらい聞かれて答えたくないらしいです。
ブライアンは、色々な解釈ができると思うが、バンドとしてはこうという決め付けはしない、という優等生的回答。
いやー、面白い番組でした。ブライアン・メイは、当時のインタビューも流れていましたが、語り口が今と全く同じ。とても論理的で立て板に水と喋る人で、ザ・理系ですね。博士号を取る予兆は当時からあったわけだ。(今はれっきとした天文学者でもあるので)
逆にロジャーは、考えながら短く本質的な言葉を毎回捜している感じ、正にザ・ミュージシャン。
ブライアンの言葉で、僕らは何も名曲を作ろうとしていたわけじゃない、その時どきで(悩みながら)ベストを尽くしてきただけだ、というのが重かった。ハッとさせられましたよ。