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奏法キースイッチを素早く入力する方法

 また音楽制作者の皆様向けの記事。

 サンプリング音源に必ず付いている、アーティキュレーション(奏法)の切り替えスイッチ。多くは音源の音域外の音程を叩くと該当の奏法に切り替わるようなっていますね。例えばヴァイオリンでC1ならサスティン、D1ならトレモロ……みたいなやつ。
 これ、結構入力が面倒なんですね。スコア派の自分としては、毎回ピアノロールに切り替えて、低い方へスクロールして、音源の画面を見ながらこの奏法はどの音だっけ……なんてやっている。

 噂ではメジャーなDAWにはこれに対応した入力機能を持つものもあるそうだけど、ウチのABILITYには付いていない。それでなんとか素早く入力する方法はないか考えてみた。
 例えばポップス楽曲テンプレートの該当トラックに、最初からいくつか主要キースイッチを入力しておく。最初の小節が望ましい。(トラック例:ストリングス、ブラス等)
 コメントで奏法名を入れておき、これを毎回コピペして使えば時短になる。

 あともうひとつ、MIDIキーボードという文明の利器があるから、こいつで入力するのも速い。該当小節の前に来たら、MIDIレコーディングにしてキーボードをポンと叩く。
 キーボードには手製のオーバーレイを作ってそこに奏法名を書いておくという方法もある(自分はまだそこまではやってないが)。
 いっそA4の紙に書き出しておいてクリアケースに入れておいても良いか。

 いかがでしょうか。自分もまだ試行錯誤中なので、また良い方法があったらシェアしたいと思います。

ダイナミックEQの質感

 マルチバンドコンプとダイナミックEQは動作が非常に似ていて、というかほぼ同じと言っていいと思うんだけど、それでも実際に使用してみると、結果としての質感がかなり違いますね。(前者は特定帯域を圧縮する、後者はただゲインを下げる)
 これはサイドチェインで使った場合だが、やっぱりダイナミックEQの方が自然な仕上がりになる。ジグソーパズルをかちっとハメ込んだ感じ、とイメージして頂ければ良いかも。

 といっても、ウチの場合はほぼマルチバンドコンプは使わなくなった。打ち込みで生楽器アンサンブル&バンドサウンドを再現していく音楽制作なので、音圧対策には良いが結果が不自然になりがちなプラグインは、自然と使わなくなりました。
 そもそもちゃんとアレンジすると、2mixで14LUFSくらいの音圧はすぐ出ますからね。フルオケ曲で何もしなくても13-12まで行ってしまうこともある。
 ということで、自ずとこのテのチート(?)プラグインを使う時は、問題の出たミックスを解決する場合になるのだけど、トラックとしては普通に良いが、音域的にどうしても重なってしまう場合。どっちかのパートを動的に抑えないといけない。……こんな時、最近はダイナミックEQにしています。ウチは普通に「Waves F6(RT)」ですね。

 例えば女性コーラスとエレピの白玉。美味しい音域が重なりがちですね。EQで削るのも限界がある。こんな時はサイドチェインでコーラスの信号をエレピのF6に送り、声が出ている時だけ該当音域を動的に3dbくらい削ってやる。非常に自然に溶け込みます。
 これがマルチバンドコンプだとそこまで自然でもない。(まあ好みの領域であることは認めますが)

 しかしF6も操作がなかなか複雑で、うかうかしているとただの静的EQとしてしか動作していない状態になる。あれは動作するとちゃんとモニタラインが「へこっ」と下がるので、目視で確認は必須ですね。

 ダイナミックEQは昔はなかったと思う(手コンプならぬ手EQで下げてたエンジニアもいたかも?w)、こいつはプラグイン時代の文明の利器といえそうです。

音源の「音痴状態」を直す方法

 フルートの音源を曲の中で使っていたんだが、何度聞いても音程が狂っているように聞こえる箇所があった。イントロなので目立つこと目立つこと。何度スコアやMIDIを確認しても合っているし、どう考えても自分の勘違いではない。
 こんな時は、意外とバックのコード楽器の構成音が一音だけ半音ずれているとか、そんなパターンもある。間違ったコードが鳴っているため単音楽器が外れて聞こえるやつね。しかしこれも違う。ちなみにベースが半音ずれて……ってもあるが、これでもない。
 フルートのパートは後にピッチベンドを使っているので、それがちゃんと0に戻ってないのか……と思ったがこれも違う。

 これはいよいよ音源のサンプルの音程自体を疑わないといけなくなったのだが、さすがにそっちを直接編集は面倒。しかも悪いことにUVIのやつなので、あれは内部弄れないんですね。
 そこでふと思い立った。あ、これもしかしたら「Waves Tune」で修正できるんじゃないかと(w)。(ご存じない方へ、主にボーカルの音程修正に使われるプラグインです)

 で、やってみたのですが、これがずばり効きましたよ。ちゃんと該当部分の音程を譜面通りに修正できて、きれいにイントロが決まりました。ちなみに狂った箇所の音程をプラグイン画面で見ると、かなり暴れて縦線が出てたので、サンプルの音痴ではなく、たぶんレガートエンジン等がバグってるか挙動不審なのでしょう(w)。まあこんなこともある。
 Waves Tuneはボーカルにしか使えないかと思ったら、そんなことはなかった。普通の単音楽器ならたぶん全部イケるんじゃないだろうか。こいつはMelodyne等より音質が良いです。
 ニーズがあるかわからんが、ハーモニーを作ったりビブラートを掛けたり、ってこともボーカルと同様可能なはず。(まあ音源があればそっちで鳴らせばいいが)

 ちなみ、音源出力を直に食わせてリアルタイム音程変更できるプラグインじゃないので、一旦WAVに書き出してからの修正になります。(リアルタイム版は Tune RTというやつで、また別製品。負荷はたぶん高い)

NIのNTKdaemonのトラブル

 どうも最近DAWを使っていると定期的にブチブチ音が入ってきて、これが非常に軽いプロジェクトの時でもそうなんですね。大抵こんな時はオーディオインターフェースのドライバをアップデートすると直るんだけど、YAMAHAのサイトを見たら去年が最新の更新という、非常に安定したバージョンだった(ここは不具合は放置しないメーカー)。

 何だかネット絡みな気がして、試しにネット切断したら途端にノイズが止まった。どうやら不審なプロセスがバックグラウンドで何かを送信してる可能性が大。タスクマネージャーでネット接続のグラフを見ると、なんと10秒ごとに送受信の山が出来てやがる。
 で、モニターとにらめっこして色々やって、何が犯人か突き止めました。その名は「NTKdaemon」。なんとNative Instrumentsのデーモンプロセス(常駐ソフト)であった(w)。試しにこいつを終了させるとピタリと送受信とノイズが止まったからね。おいおい……。なにしてくれてんの?

 ググってみたら、以下のNIのフォーラムで話題になっていた(2019年)。

https://www.native-instruments.com/forum/threads/ntkdaemon.348397/

 NIの公式回答があるが、sound.com (Machineなんかで使えるサウンドライブラリ)との連携を図るために動いているデーモンプロセスなんだって。今のところ自分は利用予定ないからサクっと停止させちゃって問題なさそう。
 で、やっぱりこのプロセスのせいでトラブルが起きているというMachineユーザもいるようだ。

 ということで、”Native Instruments is watching you”――ただし同社のソフトを使っている人だけですが。

(ノイズはパソコンリセットしたら直りました。たぶんそっちは複合的な要因だろうと推測)

消えていく楽曲

 オリジナル曲をリリース処理していて気付いたこと。今はサブスクのシェアが膨らんで、世間的にもダウンロードの売れ行きは減っているんですが、つまりこれってもしアーティストやレーベルがサブスクを止めてしまったら、そのまま消えて聞けなく曲が出てくるということですね。
 楽曲をリリースしている側からするとサブスクに出すのもコストが掛かるわけで、いつかは止めてしまう時が来ます、当然。そうすると、もしダウンロード購入でリスナーの手元に楽曲ファイルがあれば良いが、プレイリストに登録しただけ……という状態だと、そのまま消滅ですね。あくまでサブスクは「聞く権利」を買っているだけで、それがいつまでもあることを保証しているわけではない。今はまだあまり問題になっていないが、だんだんそういう事例も増えるのでは。
 アーティストがやーめた、ってなればYoutubeのクリップなんかも消しちゃうだろうし。その点、CD等物理メディアは最強なんだけど、これもDL以上に数が出ない時代。
 まあ本当に好きな曲やアーティストなら、やはり物理メディアを買っておくのが良いですね(せめてDLだなあ)。

(メジャー曲にしても、リリース側の都合でいつサブスクから消えてもおかしくない。条件面で折り合えなければ今後中止するところも出てくると思います)

 今はスマホ(再生機器)⇔クラウド(保管場所)という生態系があるわけだけど、これもいつまで続くか。AR拡張現実系のウェアラブル機器が出てきたら、また変わってくるかもしれません。最近の用語だとメタバースか。
 あるいは、あまりに手軽に音楽が再生できて、皆飽きてしまうんじゃなかろうか。却って面倒臭い物理メディアが見直される時代が来るかもしれません。(個人的にはCDをプレイヤーに入れるとか、レコードをターンテーブルに置いて針を落す、くらいの儀式は全く苦でない。むしろ「さあ音楽を聞くぞ」という集中力が増して好きかもしれません)

 とりあえず、今はスマホに最適化された、ダイナミクス(抑揚)のない平板なアレンジやミックスばかりの曲になってしまって、これはやっぱり音楽ビジネスにも悪影響だと思う。耳がすごく疲れるでしょう?(個人的には、こういう今時の曲は聞くに堪えなくなってしまった) ちゃんとした音楽リスナーの多くがそれで離れてしまった、ってのもあると思う。この人たちは音楽の黄金時代を知っているし、業界的にも音楽にしっかりお金を落としてくれる上客のはず。なのにその人達のための音楽が、やっぱり今はとても少ない。
(今自分が好きで聞いているアーティストさんは、現在でも皆CDで勝負出来ている方々ばかりだなあ)

 自分は、だから、そういう耳の肥えたリスナーが聞いて面白いと思えるような音楽を作っています。音圧ひとつとっても、今時の上げ過ぎのやつは、全体的に歪んでて不自然で、やはりとても疲れます。詰め込みすぎた弁当箱みたいなもんだ(w)。

 まあ最後は結構脱線したけど、近頃思っていることを書いてみました。

サンプリング音源の国別カラー

 楽曲制作してて気付いたんだけど、サンプリング音源にも国別のカラーが厳然としてあるね。国別といってもざっくりヨーロッパ・アメリカくらいの区別だが。
 普段使っている音源は欧州製で固めているけど(現在の制作環境だと皆そうなると思う)、そこへSoundironの音源を入れてみたんですね。(Traveler Organ、Reedオルガンの親玉みたいな奴で、かなり高品質)
 ミックスしてCDに焼いて色んな環境で聞いたみたんだが、どうもそのパートだけ音がクリアで明るすぎて浮いてしまう。気のせいかと思ったが違和感が拭えないので、理由を考えたら「ああアメリカ製だから…」と思い付いた。
 それでトラックにWavesのKramer Master Tapeをかましてみたら、いい感じにサチュレーションが掛かって馴染みました。

 Soundironが非常に高品質なデベロッパーなのは事実だけど(価格もリーズナブル、笑えるネタ音源も多い)、やっぱりアメリカだから、サウンドのカラーがクリアで明るいんですね。他の音源を聞いてもやっぱりそうなっている。
 で、現状の欧州勢の中に入れるときは、多少汚してやるといい感じに溶け合ってくれるようです。逆にいえば欧州の音源は独特のダークさと深みがある。
 このあたり、実際のレコーディングと同様、機材やエンジニアや空気感、更に風土や文化的な違いなんかもあるし、そのあたりは録音物でもあるサンプリング音源にも確実に影響しているようで、面白いところです。機材なんかほぼ世界共通で、なんならみんなProTools使っているのに、やはり違いは出てくる。
(こうやって考えると日本の音源は世界からどう見られているのか興味ある。今は有力デベロッパーもあるし。もしや独特の湿度感があったりする?w)

 Soundironのネタ音源はオモロイし、本気で作った楽器やコーラスの音源は非常な高品質で、UI設計なんかも使いやすい。サウンドのキャラさえ理解していれば、今後もっと使っていけそうです。

(ここのライバルになるのかなぁ? イギリスのSpitfireは、いかにもコテコテのブリティッシュサウンドだもんね←特に管弦楽系。比較するとよくわかる)

音源レビュー「Session Strings Pro2」

 例によってボヤっとしたレビュー(感想)です、まだ一度使っただけなので。

 音質はSSP1に比べて向上している気がするが、かなり大編成になったので(20数人)、Modernパッチを使っても、結構クラシカルな感じになる。というか、これ人数の問題というより録り方が大きいかもしれない。ちなみにデフォルトのプリセットしかまだ試していない。
 インターフェース周りは、整理されて使いやすくなっている気がする。でもまあこれも好みの問題か……。

 たぶんSSP1を置き換える製品ではなく、別の雰囲気を出したいときに使ってくれ、ということだろうか。1もそのままだとシンセっぽく聞こえることがあるけど、ちょっと設定を弄るとかなりいい感じになるので、こいつもパラメータを弄ってやれば変わるかも。

 とりあえず少し聞いただけで大編成だな、ってわかる音なので、普通のポップス曲には大仰すぎる気がします。それこそストリングスをフィーチャーしたバラードとか、そういう方面に合いそうだ。(一言でいって音が「強い」。他のパートの邪魔になる可能性がある)

 あと、チェロを鳴らしていて気付いたが、一部のアーティキュレーションで、ちょっと位相が狂ってるような音に聞こえるやつがある、ミックスすると。本当に狂っているのか、音質の加減でそう聞こえるのは詰めてないが、少なくも1ではなかった現象なので要注意。
(これが事実ならアップデートして欲しい)

 今のところ自分の中では、SSP1の再評価に繋がった使い心地です。

(NIにこの製品を供給しているe-instruments社ですが、国はどこだろうと思ってHP見たらCompanyのところに住所一切書いてない。音源デベロッパーにありがちですが。で、更に調べたら普通にドイツだった、まあクラシカルなのも納得)

ドラムアレンジの盲点

 バンドアンサンブルの要のひとつ、ドラムスのアレンジ。定番的なパターンはあっても、和声理論のようなものがリズムにあるわけでもなし、このジャンルのこの曲調ならこんな感じと、世にある楽曲を思い起こしつつ、毎回その場で作っていくわけですが。
 ドラムスは録音も難しいので、ギターやキーボードは宅録でも、ドラムだけは打ち込みということも多いと思います。そんなニーズもあり、現代のドラム音源は非常にリアルなわけで、ちゃんと打ち込めば非常に高品質なトラックが出来上がります。そこで最終的にはアレンジが重要になってくるわけですね。

 自分の場合は、メロディとコードを付け終わったら、大抵すぐドラムのアレンジを作り始めます。それはやはりバンドアンサンブルの土台だから、ここからアレンジを作っていくと非常にやりやすい。(もちろんこの時点で全体のアレンジプランは頭にあるが。次はご想像通りベース)

 ここでキック、スネア、タムあたりは非常にはっきりした音で、ピアノロールに入力するとしっかり聞こえますが、問題はハイハット(特にクローズ)。これ、案外音が小さくて聞こえないのですね(特に他にコード楽器なんかが乗ってくると埋もれてしまう)。最近の音源はオーバーヘッドでちゃんと拾っていたりするもんね、で直接のマイクの音は小さかったりする。
 そこで自分は解決策として、ドラムのアレンジを始める段階で、事前にバスコンプをドラムバスにインサートしてしまいます。これで大抵はっきりとハイハットが聞こえるようになる。最終的なミックスをした後のバランスに近いので、いざ出来上がったらハイハットのアレンジが変だった……なんてトラブルもない。なのでこの方法をやってない方がいたら、お勧めです。

 制作の最終段階まで埋もれているのに、意外とハイハットは完成トラックになると急に存在感を増すので注意。たぶん被っている音域を削っていくと残るからでしょう。モニターヘッドフォン等ではミックス中は(他の音が)「聞こえすぎる」ってことでもあると思います。

 実際のアレンジでいうと、あまり細かいスカした刻みを入れてしまうと、途端に打ち込みっぽくなってしまうのがハイハットでもあります。といってあまりに”透明”なアレンジもつまらないし、この辺りはさじ加減次第といったところ。

Guitar Rig 6 Proを軽く試用

 先日導入したKomplete13CEに入っている「Guitar Rig6」を試しに軽く使ってみた。音質はRig5よりリアルな感触で、少なくともAmplitubeに近い感じになってると思った。……ところが、Ampliと同じく、いざトラックに入れるとそのままでは使いずらい。たぶん本物のギタートラックと同じ処理をミックスでやらないといけない感じ。痛し痒しってとこ。こんなんなら最初から音が作りこまれているRig5で良いんじゃないかと思えてくる。
 たぶん本物のギターを繋いでアンプシミュとして使いたい人には6がいいが、ギター音源で打ち込み曲作るなら5かなあ。まだ少し触ったくらいなのでボヤッとした感想です。とりあえずいきなり5から6にすることはできんな自分は。まず自分の曲で使ってみて様子見ですね。
 今回からギター用のエフェクトラックだけでなく、汎用化されているんですね。シンセやキーボード類にも使えってことらしいが、どの程度使い物になるか、その辺りも徐々に見極め。

 K13で生楽器類も増えたが、なかなか試用してる時間がない。もちろん最初からクライアントさんの曲に使えないから、これもまず自分の曲で試すってことですね。

(Expansionsって、MACHINE用だから関係なかろうと思っていたら、なんとBattery用のデータもあるんですね。今のところノータッチ。Massive X? Super8? 存在すら忘…)

オーケストラ曲のミックスの気付き

 今回は極意……というものではありませんが、フルオケ曲を書いていた時の気付き。
 結局打ち込みオケ曲も最終的に楽曲データとして完成させるには、ミックス作業が必要になってきます。生オケだってミックスが要るんだから、まあ当然といえば当然(あれはステレオマイク1本で録ってるわけではない→この話はまた今度)。
 とはいえ、さすがに作りこまれた最近のオケ音源であれば、EQ処理はほぼ要らないと思っていいでしょう。するとしても微調整で、バンド曲のようにエレキギターの低域バッサリとか、あんな乱暴な処理は要らないはず。
 では何かというと、ミックスの基本中の基本、各トラック(楽器)の音量調整と、定位(パン)の調整ですね。これが実際は意外に難しい。とはいえ、弦のパート5本は、最初からパンが振ってある(+ステレオ幅調整済)ことが多いようです。
 あとのパートは、振ってあったりそうでなかったり。このあたりは音源によって違ってくるので、オケの楽器配置を睨みつつ、慎重にパンとステレオ幅を決めていくしかない。(アナライザーと、そして最後は自分の耳で) 一旦決めてしまえば楽なので、あとはその設定を他の曲に流用していけば良いのです。

 さてここからが今回の「気付き」なのですが、もう一つ忘れてはいけないのがリバーブ(残響)の処理ですね。当然、ステージで奥の方にある楽器ほど「遠く」にあるわけで、理屈ではリバーブを深くかけないといけないのですが。ここで落とし穴。音源の内蔵リバーブを切っても、実はあれって「デッド」な音にもアンビエンスが入っているんですね、実際にホールでサンプリングしたりしているから。
 だから、音源によっては、もうちゃんと音の「遠近」がついていたりします。それで、奥の方の楽器(たとえばクラリネットとか)に深めのリバーブをかけてしまうと、お風呂場か!ってくらいのワンワンした残響が付いてしまうのです。こりゃあかんて。
 リバーブの音量は全部一緒か、それとも微調整くらいで良かったというオチ。もちろん音源によって違うので、結局最後は自分の耳で判断するしかないんですわ。流石にこんなところまでは音源のマニュアルに書いてないから、普通は。
(収録マイクポジションで分けている音源もあるが)

 どうですか。フルオケ曲ならノーミキシングでいいかと思うとさにあらず。却ってアナライザーより自分の耳で判断しつつミックスしないといけないという、より難しい処理を迫られるってオチ。まあエフェクター類やコンプは出てこないので、そこは楽ですが……。

(同じ理由で、オケ音源に他の音源、例えばソロバイオリンなんかを持ってきたときも、アンビエンスやマイクポジの処理が全然違っているので、リバーブ処理等も気をつけないとチグハグになります。ボーカルを加える時も同じ)