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サイト開設2周年

 なんとまあ、今月でサイト開設2周年なのでした。この2年怒涛のごとく色々なことがありました。日々気付いてなくてもこうして区切りがあるとわかるもんですね。間違いなく人生でもっとも濃密でクリエイティブな時間を過ごしています。
 なかなか面白い状況になってきたので、それがどう発展するのか、それとも何も発展しないのか(w)、それはわかりませんが、とにかく来年も音楽的に面白い方向に全振りしていこうと思います。

 制作周りでの最近の変化、プラグインや音源を買うとき、値段や品質もそうだけど、どれくらいインストールが面倒か、それをまず考えるようになった(笑)。ぶっちゃけダウンロードしてアカウントとってアクティベートして、ってのに時間が掛かって仕方がない。その時間に曲書けるじゃん?って思ってしまう。だから、単品とかより、バンドル物のほうが便利だったりするんだよなあ、手間は同じなので。(しかもバンドルは品質や操作性が揃っていて扱いやすい。バラバラの製品だと当然バラバラ)といっても、楽器音源なんかそれなりの値段なので、最初は単品からだよなあ、と思うし。
 結局ある程度の品質のものがあれば、現代の制作に間に合うはずなんです。音源もプラグインも充分プロユースに耐えるものが安価に入手できる時代なので。
 あんまり変なの買うと邪魔になるだけだしね、仮想音源といってもディスク上の領域は食うし。試している時間も無駄。
 だからかなり新規購入に慎重になったなあ。

 余談ながらMy体重、おじさんのは誰も興味ないでしょうが(w)、二十歳代のベスト体重をここ何年か維持。お陰様で身体の調子は比較的良い。しかし油断するとすぐ+800gとかになってショックなのであった。ウォーキングと柔軟体操と腕立て腹筋を欠かさない日々。しかしこの歳になって体力落ちたなあとしみじみ思う。もう人生の折り返しはとっくに過ぎているわけですよ。余分なことをしている時間はない。

 ということで来年も皆様よろしくお願いいたします。(……まだちょっと早いねーこの種の挨拶は)

Eギターのミックスで気付いたこと

 といっても例によって打ち込みですが、エレキギターというものはアンプと組み合わさって初めて一個の「楽器」となるわけですね。正確にいうとアンプと(ペダル)エフェクターか。
 今の音楽制作だと、ご存知のない方は驚くと思いますが、ギター音源はギターのほぼ生音そのまんましか入ってない、それに本物と同じように、プラグインのエフェクターやアンプを繋げ、それをマイクで拾う、というところまでパソコン内でできてしまう。こうすると、打ち込みかリアルかの判別は非常に困難といっていい、ベタ打ちじゃない限り。特に歪ませてしまうとまあ判別不能。(それでも微妙なニュアンスや、音の揺れやノイズなどで、結局は本物が一番なのも事実)

 で、こうなると実際と同じように音作りをしなければならないわけで、リアルな分面倒といえば面倒(この分野にもプリセットはあるが)。
 今は打ち込みのことを書いたけど、別段アンプシミュレーターは本物のギターに使ってもいい。リアルタイムの音出しにも、録音にも使えます。というか、今の主流はこっちの用途の方が大きいのかな? エフェクターやアンプを持ち運ばなくてもノートパソコンがあればそれで済んでしまう(やや簡易版だがスマホ用もある)。

(ここからいきなり作曲勢にしかわからん話)
 で、最近少しづつアンプシミュをGuitar Rig5からAmplitube4にしてみてるんだけど、アンプリはリアルで確かに音がいいんだが、その分結局ミックスで苦労するんですわ。Guitar Rigは、作曲中に音を聞くとなんだか冴えない音抜け悪い感じなんだけど、ミックスするとかなりハマる。だから用途が違うのかもしれんね。アンプリはリアル用、ギタリグは打ち込み用の製品じゃないのかしらん。イタリアvsドイツで、音にもお国柄が出てる気がする。アンプリはスカっといい音だが暴れ馬、ギターリグは糞真面目なドイツ人のカチコチ感がある。
 それでも流石にギターリグは音をもう少し何とかして欲しいって思う時があるから、両者のちょうど中間くらいの製品があったら嬉しいんだが。Ver6に期待か。
(BIASもリアルな分、ミックスで苦労するのかな?)

 ちなみにWavesのアンプシミュは、なんだか無印駄アンプの音がして、それはそれで嫌いじゃない(w)。世の中ブランド製品じゃないのも欲しい時があるじゃないですか? 根無し草なのはイスラエルだからか。あとストンプは意外と出来がいいです、皆持ってると思うから一度試して下さい。(これもなんかのモデルって感じじゃないが)

 悩める秋の夜長に。

ちょっと面白いアジアの民族楽器

 つらつらと、民族楽器といっても例によってサンプリング音源の話です(w)。まあ実物の写真はググってみたり、Youtubeで演奏動画を漁ったりはしてるんだけど、最低限。でもさすがに情報量は少ないですね、日本語のページも軽く触れている程度のものが多く、といって英語圏で詳しいページがあるかというとそうでもなく。Wikipediaにコンパクトにまとまっているだけとか。例えばこれ、なんだと思います?→「Er Hu」 なんと、日本語だと「二胡」なんですね。例の、人の声のような音色の素朴な(そして素晴らしい)弦楽器です。

 世界の民族楽器をいじっていると、本当に様々音があって退屈しない。便宜上音程の出る楽器は、もちろんちゃんと西洋音階にチューニングして収録されています。本来は、きっちり割り切れる音階がないものも多いんでしょうが。
 で、まあ、やっぱりこういうのはアレンジでスケールを使った方がなんだかしっくりくるんだよなあ(といってもチャーチモードだったりしてねw これも実は今の西洋音楽成立前の世界だから)
 楽音のイメージ想起力みたいなものが半端ないですね、やっぱり民族楽器は各民族の長年の文化・伝統が染み込んでいるから、知らない国の知らない楽器でも、ちょっとフレーズを作っただけで、中東に飛ばされたり、ケルトの世界に飛ばされたり。本当に音の魔法といえると思います。

 打楽器もヘンなのが多くて面白いでっせ、ドラムセット+ラテンパーカッションに加えたら、かなり面白いリズムセクションになるはずです。

 ただ、民族楽器は個性が強いだけに、使い方が難しい。すぐ浮いてしまう。あんまり使っている人(曲)もないから、どう現代の楽曲に取り入れるかは、トライ&エラーみたいにして定石を見つけていくしかない。
 その中でも、特にアジアの楽器というのは、比較的使われていることがないから、新しいことをやりたい人間には穴場だと思っております。(インドとか、アフリカとか、中東とか、東欧なんかは割りとありますよね? ラテンなんかは言うに及ばず)
 アジアの楽器でも、意外と、ああモンゴルだ~とか、ああチャイナだ~とか、そういう系統の曲でしか普通は使われていないんですね。だからこれを(ラテンパーカッションのように)汎用的にPOPSの中に入れてみたらどうなるか。かなり面白いんじゃないか。

 まあ、こういうことを書くということは、つまり、そういうことですので(笑)。
 本当に無限の可能性があるなあ、音楽は。まあエスニックというくくりでムーブメントになったことは過去何度かあるとは思うので、偉大な先人の功績を横目で見つつ、自分もチャレンジあるのみです。

 聞くべきCDはたくさんあるが、音楽制作が忙しくてなかなか後回しになりがちなのが、最近の悩み。

ハープの不思議

 アレンジしてていつも思うのが、ハープという楽器の音色の美しさ。まあ自分の場合はサンプリング音源(バーチャル楽器)ですがw それでも現在の音源は、ただ録音した音を並べただけのものとは大違い、ちゃんと演奏エンジンで奏法も網羅して、音の強弱で音色まで変わり、同じ音程・強さの音を複数用意して自然に聞こえるようにしたりと、驚くべき細かな作り込みがされています。これはもう便宜上でなく本当にVirtual Instrument=仮想楽器といって差し支えない。特にヨーロッパのデベロッパの音源は素晴らしい物が多い、音楽への愛がないと作れないってのばかり。
 ちょっと脱線したけど、ハープの話。もちろんハープの音色が美しいといっても、おいしい音域ってのはやっぱりあるわけで、高すぎるところ低すぎるところは、やはりイマイチ響かなかったりする(このあたりは音源毎の差もある)。それで、アレンジでちゃんとハマるように使うわけです、そうするとああハープだね美しいねってなるw

 で、なぜかハープでアレンジを書いていると、ホールトーンスケール(全音音階)が使いたくなるんですよね。多分これ自分だけじゃないでしょ?作曲勢の皆様も同じじゃないかなぁ。
 わからない方は、鉄腕アトムのオープニングの不思議なフレーズを思い出して下さい、あれがホールトーンです。(何?アトムがわからんて?w 白黒のやつだしな)
 ねえ?ピアノとかでやると、ちょっと不自然な感じもあるんだけど、ハープでやると非常に美しく響くんです。チューニングの関係もあるんだろうけど、どうもこれハープという楽器に内在している、なんらかの根本原理的なものに触れるからちゃうかと、思えてきます。むしろこのスケールこそ本来のハープだったのでは?とかね。

 今僕らが思い浮かべる一般的なハープは、オーケストラのどでかいグランドハープですが、あれは非常に洗練された複雑な楽器で、あのフレームの中に精密メカが入っていて、ペダルを踏むと弦が半音(全音)上がったり下がったり、というシステムですからね。
 昔のハープはむしろ民族楽器で、ハープ類のリラなんか手で持てるくらいの大きさだったわけで(その代わり音域も狭い)、当然西洋音楽確立前からあるわけで、その頃はメジャースケールなりマイナーなりにチューニングされてたわけじゃない。むしろ今でいう民族音楽スケールだったり、それこそホールトーンだったかもしれない。その名残りなのかもしれないですね。
 グランドハープは、これらのハープを発展拡張してオーケストラでも使いやすいようにしたものだから、やっぱり昔を引きずっているわけです。

 民族楽器を使うと、それがたとえ仮想楽器でも、つい違うスケールを使いたくなるのは、やはり知らず知らずのうちにその楽器の歴史に影響されているんだなあと。それくらい一つの楽器の背負っている背景・文化は重い。そしてそういうスケールを使うと、また非常に美しく鳴ったりするのだから不思議ですね。
 面白いなあ、と日々思っています。

(そこへ行くとピアノやギターは、歴史はあるが明らかに根無し草で汎用的だなあ。楽器界のコンビニってとこか? 更にシンセサイザーは……って広げるとキリがないのでこの辺で)

コンプレッサー小論

 最近ミックスしてて気付いたこと。

 ミックスダウンの必需品といえばコンプレッサー。本来はトラックごとの音量感を揃えたり音圧を出したりといった用途のプラグインですが(ハードもあるけど)、最近ではもっと積極的に音質を変えたり、アタックやリリースを調整してノリを変えたりと、音作りツールとしての価値の方が重要視されてる。いわば音の色付けですね。

 そこで、スタジオにあるハードコンプをモデリングしたプラグインが多種多様作られ大人気なわけですが、これらはかなりはっきりと色の付くものが多いように感じます。もしかしたら本物より更に本物っぽい、って言い方も変だが、ちょっとマンガチックに誇張されているものもあるんじゃないだろうか。でないとユーザに文句言われそうだもんね、効果がはっきりしない、なんてね。
 で、それはそれで使う方もわかっていればいいわけで、実際自分も大好物で、打ち込みの楽器をリアルにしたい時に大変効果的だったりします。これは宅録したハードシンセに使っても同じ効果がある、宅録のシンセ類は音がやっぱりアッサリ綺麗すぎるのですね。

 ところが、以前も書いたが、これらのモデリング系コンプをソフトシンセに使うと、ソフトシンセの良さが死んでしまい、まるでハードシンセの音みたいになるんですわ。これは実機モデルのEQやチャンネルストリップでも同じ。前々から薄々感じていたが、今回色々試してみて確信した。面白いもんで、あれだけ技術の粋を集めた実機モデリングが、完全無駄で有害なものになってしまう。
 ソフトシンセって、なんのかんのいって「デジタルな美しさ」があるじゃないですか? 歪み感や汚れとは無縁の無垢で澄み切った感じ。作曲勢の皆様ならわかりますよね(w)。
 これはこのまま活かしたいわけで、となると実機モデルなんてもってのほか。コンプなんかWaves C1でいいし、EQなんかQ10でいい。なんならどっちもDAW付属のやつで充分。余計な色づけは一切ない方が望ましいのです。

 面白いですねえ、ソフトシンセってのはパソコン内のみの“生命体”だから、実機のしがらみ?なんかで汚さない方がいいんだな、こいつらは。逆にハードシンセ風にしたかったら実機モデル使えばいい。
 今風の打ち込み曲だったらこれでOK、今はプラグインも多種多様だから、適材適所で色々と使い分ける必要があるわけです。これらは全て最終的には良い音をリスナーに届けるための工夫。

 作り手としてはリスナーにkneeと微笑んで欲しいわけですね、コンプだけに。
(わかるかな~?w)

Wall of Sound

「Wall of Sound」について書いてみます。

 直訳すると「音の壁」ですが、要は上から下まで帯域を埋め尽くすようなみっちりとしたサウンド、ビートルズもプロデュースしたフィル・スペクターが得意としたアレンジ手法で、語源はここと言われていますね。
 ずっとこんな音じゃリスナーも疲れるかもしれないが、例えばサビのところでやると盛り上がって効果的です。ただ、フルアレンジされた曲が洋の東西で減って、ギターやピアノなど少数の楽器の組み合わせでトラックが作られるような時代なので、あまりピンと来る人はいないかもしれない。

(ひとつには、予算がなくて楽器を増やせない、という切実な事情はありそう。ならば打ち込みでやればいいよう思えますが、それは好まれないのですね、なぜか。過度の本物志向というか……実際は映画音楽などでも超リアルな打ち込みが使われてて誰も気付かないのですが。アイドル音楽なんてバックはほぼ全て打ち込みだしなあ)

 自分もこういうアレンジを好んで制作してますね、当然’70-80年代の曲はこういうタイプが多かったし。現状、予算がなくフルアレンジが減って、結果世の曲のテイストに多彩さがなくなり、それでリスナーが音楽から離れる状態になっているとしたら、哀しいなあと。もっと(生系の)打ち込みを積極的に使った曲が増えないかなあと思っています(当然、ここに制作屋が一人いますので)(笑)。

 で、まあ、その流れからいくと、世の中不景気な話ばかりではなく、中には運よくプロジェクトに予算がつくこともあるわけで、その時にどう考えるか、です。
 意地でも従来の少数の生楽器スタイルでいくか、それとも打ち込みでもいいから楽器を増やしてゴージャスにするか。
 例えば昔の曲を大切に歌ってきたアーティストさんは、新しいトラックの作成に躊躇するかもしれない。歌のイメージを壊したくない、という想いは当然だし、最大限尊重されるべきものです。もし尊重されてなかったら……それを蹴るのも一案、でも気に入らない部分を交渉で直してもらうのも一案。
 名曲のセルフカバーという扱いであれば、たぶんトラックが昔と違う解釈で書かれても、ファンは納得するんじゃないでしょうか。むしろそれはそれで喜ぶかも……今、少しそういう流れが来ているし。やっぱりPOPSがPOPSらしかった時代の曲は、今聞いても素晴らしいので。
 オリジナルが一番いいのはまず変わらないですし、ミーム(文化的遺伝子)を増やすという意味では、セルフカバーはあってもいい選択のように思います。

 ちょっと脱線したけど、結局打ち込みで作るにしろ、その曲の良さを引き出すようなアレンジでなければならないわけで、そこが発注者側としては心配なのかもしれない。わかってない人間に滅茶苦茶にされる可能性は、やっぱりある。その点昔はどのレコード会社もスタジオにアレンジャーが常駐していたりして、ストリングスやブラスも専門の演奏者がいたから、すぐにトラックを録音できて、品質が高止まりしていた。安心してWall of Soundだろうがなんだろうが制作できたというわけでしょうね。
 で、そんな心配をする位なら、いつものバンドメンバーだけの編成で安心できるアレンジにしよう、ってなってしまう。もちろんそれはそれでいいのですが、結果どの曲を聞いても似たようなアレンジばかりに、というのは音楽の可能性を狭めているような気がします。

 もっと積極的に、確信犯的に生系打ち込みを使ってサウンドメイクをしていくべき時代なんじゃないでしょうか。今のサンプリング音源はほんと芸術品といっていいレベルの品質だし。(特に欧州のデベロッパーが作る音源には素晴らしいものが多い) 
 といっていたら、もう「Bedroom Pop」という概念が出てきているようで、まあこれは長くなるのでまた今度。

仕事の周辺

 つい先日音楽制作をしている身として、大変喜ばしいことがありまして、嬉しいと同時に気が引き締まる思いがしました。喜びと責任の重大さで、アンバレンツな感じ。作曲家ですから、今後もこういうことは普通になっていくだろうし、ボヤボヤしている訳にはいかないぞと、改めて。

 今はもう、ひと通りハードやソフトを揃えれば、一人レコードレーベルみたいなことができる時代になので、逆に一人でできることが多い分、作業量も膨大になるし神経も使います。音楽的には上流から下流までタッチできて、抜群に面白いのですが、その分勉強しないといけないことも多いし、時間はいくらあっても足りません。

 で、まあぶっちゃけ、自分の音楽を追求したり制作を突き詰めるためには、他のことは全て犠牲になるし、むしろしなくちゃいけないわけで、寄り道している時間はないのですよ。(時間という意味では、自分もいい歳だから本当にないしねw)

 音楽をやればやるほど、やりたいことが増えて、曲想も湧いてくるし、もうこればっかりはどうにもね。本当に自分の中で溢れくる情熱を止めることはできません。たぶん死ぬ瞬間まで変わらないと思います。

 やはり自分は一人で音楽を創っていくのが向いていると思うし、これはもうカルマの類だと思います。バンドや制作集団でもまれて成長していく人もいれば、こんな男もなかにはいるさ、世界は広い。
 音楽に携われる幸せと責任をかみ締めつつ。

 で、また新たなアイディアの曲を書き始めていて。
 2年振りくらいに引っ張り出したカワイイヤツを撫でたり突いたりつまんだりしています(笑)。
 やっぱりVolca Beats、ええわー。自分にとってはCR-78と同じ雰囲気の素敵キッチュなアナログハード音源。
 オーディオIFの上に乗せるとちょうどピッタリなことに気付いた。

 ハード音源、揃えたい気もするけど、これも底なし沼だからなあ。DJとかを開業するなら別ですが……。FA-06からして、全然使いこなせてないからね。TR-808/909やTBの音色が入っていたのもすっかり忘れていた始末……。

 まあそんな感じの日々です。

実機としてのキーボードシンセ

 最近、曲を書いていて気付いたこと。ハモンドオルガンをバッキングに使おうとして音源を色々試していたのですが、NIのKompleteに入っているVintage Organs、あの中のパッチを色々試してみたがどうもしっくりこない。(一見高品質で良さそうだが、こういうことが多い気がする)
 それで、目の前の高級MIDIキーボード(として使うことが多いw)FA-06もハード音源だったなあと思い出して、この中の「B3 Organ」を呼び出してみたら、まあ一発でハマりまして。
 たくさんパッチを用意しても使えない音色ばかりだったら無駄というか邪魔でしかないな、と、やはり70年代からオルガンやキーボードを作っているハードメーカーは、ソフト音源のデベロッパーとは積み重ねが全然違うし、ノウハウも段違いですわ。実戦的な音色ばかり揃ってる。
 これはあんまり書いている人がいないが、キーボード(シンセ)は「実機」なわけで、DAWからドライブしてもその音の説得力は歴然としてますね。オルガンとかエレピならソフトより絶対こちらの方がいいし、シンセでも歌物で使うような典型的な奴は、やはりハマることが多い。(まあこのあたりはソフトシンセもカバーできるやつはあるが)
 実機は、やっぱり音色や操作性がハードに合わせて練りこまれているわけで、実体のないソフト音源よりはるかに優位かと。弾いたそのまんまのフィーリングで打ち込みでも使えるわけで。

 だから、打ち込み制作の場合、音源のないMIDIキーボードで作業する人も多いが、できれば少し奮発してキーボードシンセを揃えた方が、あとあと幸せになれる気がする。(Roland FA-06の場合、フェンダーローズの音もかなり良いっす、FM系のエレピも入っているし。まあYAMAHAでもKorgでも好きなメーカーを選べばOK)
 これは一番手軽に揃えられる「実機」なので。

(さすがにギターやら弦やら菅やらは、もう容量無制限のソフト音源にハードは太刀打ちできないが)

 FA-06の場合、レスリースピーカー(回転スピーカーね、扇風機の前のワレワレハ~、の原理)もシュミレートしていて、ピッチベンダーを倒すと、回転数が上がってレスリー効果が出ます。これが、実機に即して徐々に上がっていくの、切ると徐々に下がる、リアルでかわいくて笑えました。まあライブで使うときはペダルにアサインするしかないんだろうな、両手塞がってるし。打ち込みは後からできるから関係ありませんが)

 ちなみ、ハモンドオルガンも元はトーンホイールという歯車が中でぐるぐる回って発音していたという、「電気」オルガンですからね(「電子」オルガンではない)。
 エレピもローズやヤマハCP-70は電気ピアノだし(ピックアップで弦の振動を拾う、エレキギターと同じ原理)
 こういうのは重いし高価だしメンテも大変だしで、ほぼ全て「電子」キーボードに駆逐されましたね。現代では、サンプリングから更に進んで、こういう物理的な機構をソフトでシュミレートするような方向に来ているのが面白い。ハモンドもかなり前に潰れて、日本の鈴木楽器(浜松)が買収して鈴木ハモンドとして、今は製品展開しています。
 伝統的な「電気」楽器も、消えることなく技術の発達により受け継がれていくわけです。

アコーディオンのマイキング

 アコーディオンの録音(マイキング)方法について解説した珍しいページを見つけましたのでシェア。(しばらくアコのことを書かないと禁断症状が…)

アコーディオンのマイキング、8つの方法
http://www.shureblog.jp/shure-notes/%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%80%818%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95/

 といっても、マイク・音響機器メーカーのSHUREのブログですが、なかなか質のいい情報だったので。あっ……今オヤジギャグ思いついたけど我慢する(←察してくれ)。

 それよりつかみのジョークが凄いぞ。

「あんまり治安が良くない場所で、車の後ろの座席にアコーディオンを置いたまま、車を降りて店に入った人がいたんだって。車に戻ってきたら、窓が開けっぱなしだったことに気がついたんだ。焦って車に乗り込んで、後ろの座席をチェックしたら…アコーディオンが二つに増えてたんだって!」

 いや、ちょっと待て(笑)。欧米ではそれだけありふれた物ってことですかね? ジョン・レノンの最初の楽器もアコーディオンだったって書いてある。
 このページにもあるし、その手の本にも書いてあるけど、アコの原型は紀元前の中国で出来たものらしい。それがいきなり19世紀のヨーロッパで改良・発展して現在の形になったそう。アメリカではピアノ鍵盤のタイプが多く、欧州ではクロマチック(ボタン)が主流って書いてある。

 こういうマイクでこんな風にセッティングするとこんな音で録れるよ、って実例が並べてあるので分かりやすい。アコは右手部分と左手部分のレジスターに、リードがパネル裏表にズラッと並べてあるので、やはり一番実感に近い音で録れるのは、右・左にマイクを1本づつ立てた場合らしい。
 これだと右手(メロ)と左手(ベース&コード)がはっきり分離して録れますね、当然ながら。

 少し離れたところからアンビエンス(残響)も含めて録るってやり方も実はポピュラーで、アンサンブル感を重視する場合は、この方法が多いかも?(いわゆるオフな感じ、前述のやつはオンな音)
 国内のアコーディオン奏者の皆さんの録音を聞いていても、この「L/R分離派」と「アンビエンス派」の2通りに分かれるみたい。(大抵、特定の奏者はどちらかの方式で固定してることが多い、サウンドイメージが変わってしまいますからね)

 さすがにライブのPAだと、レコーディングとは違ってくるとは思いますが。特に、あれだね、襲いくるナマハゲを笑止千万といった表情で待ち受けるアコーディオニストの音を録る時は、クリップマイクみたいなヤツで録るしかないわな、ワイヤレスで(極端な例)。

 まあ、ぶっちゃけ自分は打ち込みなんですけどね、今度試しに録ってみるかなあ。サンプリング音源のアコーディオンでも、高品質なやつはやっぱり左右きっちり分かれてますね、打ち込みも別々入力。ベローズ(ふいご)の開け閉めはMIDIのModulation信号等で行い、音色・音量がリアルタイムで変化します。キーの打鍵音もVelocityで強弱ついたりする。
 といっても、最終的には生楽器(+名プレイヤー)には絶対勝てるわけがないので、このあたりは割り切るしかない。でも、ダメなプレイヤーの生より、今は打ち込みが勝ってしまう時代ではあります。キビシイのよ、音楽業界も。

 逆にそれだけ名プレイヤーの生演奏には、高い価値が認められているということでもあります。テクノロジーの発達で生演奏の価値が上がってるのだから、面白いですね。

「UVI Orchestral Suite」の使用感

 ちょっと前から導入してフルオケ系の曲で使っている標記の製品ですが、かなり良い感じです。(最近の自分のそれ系の曲は全部コレ)
 といっても、実はガチ・クラシックの音じゃなくて、かなりPOPS/劇伴の方にターゲティングしてある印象。だから、DTMで本格クラシックをやりたい!という人は、買うと後悔するかも? 自分はまさに軽音楽系なので良いのですが。

 具体的な音の方向としては、かなり印象派っぽい感じかな? 全体的に濃密で色彩感が強い雰囲気。上品で華やかです。やはりこんなところはフランスっぽいなーと思う。(UVIはフランスのデベロッパー)
 よくあるハリウッド系オケの音とは一線を画してますね。

 お値段お手頃で容量が少し抑え目ですが、決して安かろうナントカでなく、かなり考えて奏法とか厳選してある感じで、悪い印象はありません。ストリングスなんてクラシックでしか使わないようなアーティキュレーションはない代わり、Run Up/Run Down(駆け上がり・駆け下がり的な?)なんてのがあったりする。割り切って劇伴なんかに使ってくれ、ということなんでしょうね。

 その証拠に、そっち方面で出番の多いパーカッションは種類も奏法もかなり充実してる。下手をすると単独製品より奏法が揃ってるのもあったりする(笑)。
 弦や管のソロの音も、いかにも劇伴なんかでメロを弾いたりすると合うような音。奏法は必要最小限ですが。

 クワイア(コーラス)まで入っていますが、男声・女声・混声、そして少年合唱まで入ってる(!)。これ、かなり力の入った出来で、少年合唱だけ奏法がたくさんあったりする。非常に美しい収録です。

 何もいつも全部一緒に使う必要もなく、単独のパートだけ使ってもいいし、かなり使い勝手は良い。
 今思い出したけど、こういうPOPS系の音って、ボストン・ポップス・オーケストラみたいな、あっち方面を狙っているのだろうな(→ボストンフィルがPOPSや映画音楽なんかを演る時の別名。日本でも新日本フィルが別名で色々録音してたりしますね、昔は世界中でこういう企画が一杯あった)
 まさにそういう系統の音で、なかなか良いところを狙ってきたなあという印象。正直UVIはMelloとかシンセサンプルのが酷かったんで、かなり心象悪かったんだけど(笑)、これで結構見直しました。