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続・お宝雑誌発掘

 実はひとつ前に書いた80年代の音楽雑誌「KB Special」の件、翌月号も見つかりました(1988/6)。2号続けてCASIOPEAの最新アルバム「EUPHONY」が特集されていたのですね(それだけ音楽的にも面白い作品だったといえそう)。
 紙面に登場されているのは……

 当時のトレンディードラマに出ていた俳優さんです、って言ったら今の若い子は信じますね(w)。
 もちろんリーダーでギタリストの野呂一生さんです。今も昔もカッコイイ。ここで色々書くのも恐れ多いですわ……。文字通り日本を代表するミュージシャンのお一人です。

 ギターのコードプレイで、テンションノートがハイに行くほどコードの機能が強くなるって話。キーボードとの比較で、どうしてもボイシングに制限が出てくるので苦労するって話。作曲のとき、転調はするが基本となる調の調性感は大切にしているって話。あまり転調してやろうと思って転調しないそうです、あくまで楽曲の流れを見て、一時転調とか臨時転調とか。(やっぱり、これがカッコイイのですね)
 前回も出てきた「m7(b13)」は野呂さんが発明された表記とのこと。

 実はこの特集だけでなく、別の新製品紹介のページでYAMAHAのMIDIギターシステムG10のレビューがあり、そこで野呂さんが実際の利用者として登場されています、
 このG10、「EUPHONY」の中でも使われていたのですね。「SENTIMENTAL AVENUE」や「SOLID SWING」でTX802やRoland D-50をドライブしていたとのこと。G10は純粋にMIDIコントローラーに絞った製品で、今のようにピックアップでギターとしても使えるものではなかったようです。またハマリングオン等、細かいテクは拾えなかった。ただしチョーキング等でクォータートーンを出すのは可能だったらしい。

 この号、表紙は坂本龍一さんでした。当時からオーケストラと共演するスタイル。もうこれだけでも30年以上の積み重ねがあるってことになりますか。

 そしてKORGからは驚異の新製品が……!

 うーん物凄い時代だったよ、80年代。実はこの頃の音楽雑誌は一杯実家に取ってありました。また面白い記事があったらシェアします。

新表記法: 4度堆積和音

 雑誌の音楽理論の記事を見ていて思ったこと。フュージョンやジャズはやはり4度堆積和音の利用頻度が高く、だからこれらの音楽をずっと聞いていた自分も、知らず知らすのうちに馴染んで好きになっていたんだな、と。
 ボカロ曲を書き始め、コードを自分で決められるようになって(最初は、なんとDAWの自動判定機能に頼っていた!←メロから判定)、結構初期からsus4コードが好きで、なんでこんなに惹かれるか分からなかった。結局既存のコード体系のなかで、一番4度堆積と親和性があるコードだからなんですね。なんせ4度の音がしっかり入っている。
 そしてこいつは、メジャーでもマイナーでもない不思議なフレーバーで、ちょっと浮遊感があり、オリエントな雰囲気もある面白いやつでもあります(作曲勢の皆様は先刻ご承知ですね)。
 昔のポップスなんかだと、「Csus4 | C 」みたいな進行が常套句だったのですが、自分は結構知らん顔して他のコードに進んじゃったりとか(笑)、理論知らないうちからやってましたが、これは正しかったのだと後に知りました。現代曲だとそういうのは結構ある、違うsus4が連続したりとか。もう独立した和音のようなっている。これなんかも、たぶん考え方としては4度堆積の方から引っ張ってきたと思っていいのでしょうね、あちらは明確なコードケーデンスもないから(むしろ既存のケーデンスに組み込まれていない、という言い方のほうが正しいか)、どうやら感覚的に使う世界のよう。非機能というより脱機能っていう感じですかね。自分も曲では結構こういう使い方です、昔よりは控えているけどw こうやってちょっと解析不能なところを作っておくと、やっぱり曲のアクセントになって面白いんですよ。

 まあそれはともかく(長い前置きだw)、音楽理論(コード理論)は3度堆積和音を主眼に考えられているから、ここに4度堆積を持ち込もうとすると、コードネームの表記に非常に苦労するわけです。それでも皆さん、なんとかかんとか既存の和音の展開形を使うことで、4度堆積を表現しているのですが、いかんせんやはりパッと見わかりにくい。譜面にコメントで書いておくという方法もありますが、できればそろそろ4度堆積を表すコード表記を考えてもいいんじゃないか、とふと思いました。まあこれが必要なのは、フュージョン&ジャズ業界が中心になるのでしょうが……。オンコードだのオミットだの、オプションがたくさん付いてしまう現状を、なんとか打破できないか、というひとつの試案です。

 例えばCからの4度堆積

    C-F-Bb

 こんな和音があったとします。既存の表記だと「C7sus4 omit5」ですね。
 これを、CM7とかCmとかと同じく、簡単に書きたい。
 だったらQUAD(ラテン語で4が語源)からもってきて、4度堆積和音には「Q」を付けてはいかがでしょうか。
 「CQ」です。若干アマチュア無線を思い出しますが、それならCMだってコマーシャルですからね。
 今のは3和音(トライアド)でした。4和音(テトラド)の場合は、「CQ#9」あたりがよろしいのではないでしょうか。4音目が#9になるので。

 この表記が良いのは、ひと目でベースになる音がわかること。CQならCだし、FQならFです。いかがですか?
 もしかしたら、というか絶対こういうことを考えている人は世界のどこかにいると思うのですが、自分が知る限りでは見当たらないので、とりあえず提唱してみました。
 今後4度和音が理論に組み込まれていく(というか、モード理論とかあるけど)過程があるなら、絶対に簡便なコード表記は必要になるはず。

 まあこういうのは広まらないと意味がないので、このローカルブログで言っていても仕方ないのですが(笑)、とりあえず、自分はこの表記で便利になるかどうか、自分で書いていく曲では使ってみてセルフ人体実験してみることにします。DAWのコメント機能でスコアに入れればいいだけだからね。何か新しい知見が生まれるかもしれないし、そうなったらまた報告します。

(世の中には5度堆積ってのもあるそうで、こっちは表記するとしたらPentaのPかな?)

(何か致命的に変なこと書いてないか、ちょっとドキドキ)(笑)

お宝雑誌が発掘された

 実家で古い雑誌を整理していたら、お宝(もちろん音楽的な意味で!)発見。
 ちょっと若手芸人感のあるこの方、どなただと思います?(色々と各方面で怒られそうだなぁ…)

 キーボーディストの向谷実さんでした!(すいませんすいません、土下座←大汗) 若い!細い!黒が似合う、カッコイイ。

 すごいなあー、弾いてるのモロにDX7ですね。ビンテージでも何でもない、現役機種だった頃だから。なんとこの雑誌、1988年5月号。リットー社の「KB Special」(今は休刊)。32年前ですよ。ほぇー。

 当時、CASIOPEAの最新アルバムだった「EUPHONY」にあわせての特集で、リットーの雑誌なので理論的に踏み込んだインタビューが載っています。それによると、「m7(b13)」がバンドサウンドにとって重要なファクターになっている、とのこと。4度堆積コードです。これは半音下降のような進行でdimの代わりに使っても、かなり上品で良い響きになる、と。
(しかし、当時読んでチンプンカンプンだったけど、まさか自分が理解できるようになるとは思わなかったw)

 他にも当時のCASIOPEAライブでのキーボード構成とか、巻頭にカラー特集で。まさにお宝中のお宝。こういうものは秘蔵して誰にも見せません(笑)。なんでも価値ある情報をシェアすると思ったら大間違いだよ。秘匿してライバルに差をつけろ!違うか。

 他の記事で、当時新進女性シンガーソングライターだった方のインタビューもあって、のけぞりました。LAレコーディングの6枚目新作アルバムの話。カラー写真、今と変ってないなー、驚異。32年経ってるのに、本当は絶対おかしいでしょ?
(しかしこのインタビュアーは、今読むと少し悪意がある気がする。ピアノは何曲弾いたの、とか、アレンジはどうしたの、とかやや詰問調。若手苛めって気もしないでもない。アーティストさんも大変だ。なおMajor7thコードがお好きということですw いいっすよねー)

 もう永久保存版ですね、ダンボール箱にしまい込んでいたので状態も良いです(外気に触れず酸化しない)。他にも清水信之さんや久石譲さんの連載とか、デヴィッド・ペイチとか。
 いやー、しかしびっくりしましたわ(w)。

(追記:まさかここを読んでいる人で向谷実さんを知らない人がいるとは思えないけど、日本を代表するミュージシャンの一人でっせ。最近では社長業の方でもよくメディアに出ておいでです)

音感について

 作曲家と称しているからは当然かと思いますが、ボカロ曲を書いていた時代よりは、確実に準絶対音感的なものがついてきてる。
 まあしょうもない自慢っぽいけど、聞いて下さい(笑)。つい先日、日本が誇るインストのフュージョンバンド、カシオペアの名曲「ギャラクティック・ファンク」を、ふと思い返してたんですよ。
 長年活動しているバンドなので、幾つかバージョンがありますが、1982年にリーリトナー・バンドとがっぷり四つに組んでセッションしたアルバム「4X4」に収められていたやつ(どうでもいいが煩雑に80年代話が出てくるブログだなw)。延々とソロ回し、いわゆるバトルというやつがあるんですが、あのバックのコード(進行)。あれってずっとディグリーの「I」っぽいな、と思って。しかもあのコードって、テイストがなんかEっぽいけど違うかな? と。

 ここでカシオペアのリーダー、野呂一生さん監修のギタースコア「Best Selection」という伝家の宝刀を参照するわけです(自分なんかからすると、まさに神様レベルの音楽家)。公式スコアです。……これがね、ずばり合ってたんですわ。
 ワイもなかなかやるな、と(笑)、まあ自画自賛ですよ。
 たださすがにテンションまではわからなかった、「D/E」だそうですね(オンコード表記でなく、アッパーストラクチャー・トライアド=2段重ねのコード表記)。普通の書法だと「E7(9,11)」ですか。
 まあ長年聞いていた曲なので(今でも聞いている)、わかりやすかった、ってのはある。
(しかもこの曲、実はレコードには公式バンドスコアが付いていた。なぜか長年ミッドマンハッタンのスコアだと思っていたw 何を見ていたんだろう……当時は一杯#がついていて難しいなあとしか)

 コードのテイストやフレーバーで、これはメジャーセブンスとかディミニッシュとかオーギュメントだな、ってのはもう直感的にわかる。曲をずっと書いているとこういう感覚がついてくるんだな、と判りました。
 これはテンションについてもいえて、9/11/13あたりはかなり判る。オルタードテンションになるとちと難しいが。複数ってのも無理かなあ、これはもう聴音の技能になってくるかもしれませんが。
 基本的なところで、V7-IVなんて進むと、どうも落ち着かなかったり(音楽の流れがぶちっと切れた感じがする)、V7sus4-IVならアリだけど。こういうコード進行感も結構前についた。あと禁止系テンションもダメね、結局アレンジの時、音が当たって気持ち悪くて直す羽目になる。だから音楽理論というのは本当によく出来ているんだな、と。

 しかしこんなことを自慢気に書いているようじゃ、まだまだですか(w)。我←加油!

「転拍」という概念

 最近考えていたことをつらつらと。

 これまで何度か書きましたが、音楽理論には実は重大な欠陥があって、それはリズムを全く規定・体系化できていないこと。「音楽」理論というからには、音楽の重要な要素であるリズムについて、なにかコミットしなければならないはずですが、見事に丸っと抜け落ちていますね。
 まあ音楽理論といっても、実態はコード(和声)理論だし、ちょっと調べれば彼ら(?)もそう自称しているのですが、それでも往々にして「ザ・音楽理論」のような顔をしているのも事実。極めれば全ての音楽を制したことになる、かのような勢いですが、実はそんなことは全然なくて、まあ理論を極めた人になるだけで。早い話陸サーファーですわ。なんか怒られそうな展開になったきたが(w)、そろそろ戻ると、とにかくリズムについては音楽理論は何も言っていないし、自分で色々な音楽を聞いて研究・体得していくしかない。
 なぜこうなったかは判りませんが、ただ理論の成立過程からして、たぶんリズム軽視という要素は大きかったんじゃないかと。考えたら20世紀に入ってジャズメンが理論を整理したときも、リズムについては何もしなかったんですね。

 で、まあ、体系化も規定もされてないってことは、自由度も非常に大きいわけで、音楽の根源であるからこそ(リズムがなければハーモニーもメロディも存在しません、リズム=時間なので)、様々なパターンが考えられるし、コード理論が行き詰っても、リズムが枯れたり劣化クローンだらけになることはないでしょう。常に新しい物が生み出されてゆく、そして古いものも残り続ける。(陳腐なものはどの分野にもあるでしょうけどね)

 実は、作曲家の腕の見せ所に、カッコ良いリズムを作れるか、ってのは絶対にあると思います。今日的にいうなら、ベース・ドラムをはじめ、リズムセクション全体で曲を盛り立てるアレンジができるか、ってことですね。

 今書いてるデモ曲で、仮歌まで終ってミックス中で放ってある(仕事が入ったので)曲があるのですが、この中でやっているのが転調ならぬ「転リズム(拍)」。リズムセクションが、ドラムマシンから生ドラムへスイッチします。面白い効果が出ます。
 リズムパターンとしてはそれほど変わってないのですが、名アレンジャーだと曲の途中で本当にリズムがコロッと変わってしまう例もあります。しかも不自然でない。正に転調のように、転リズムで曲調を変化させるわけ。ぼーっと聞いている人にはわからないだろうけど。

 リズムをこのように自由自在に扱えてこそ、現代の作曲家といえるのではないでしょうか。自分はまだまだ、このあたりは修行中。
 実はこれ、フュージョンにはよくありましたね。今すぐ思い出せるのは、スパイロ・ジャイラの「モーニング・ダンス」の中の曲とか、カシオペアの「MAKE UP CITY」に入っている曲とか。流石フュージョンの名手・名バンドの皆様は、抜群のセンスでリズムをコンロールしていらっしゃいます。

 歌物でも必要あればガンガン使っていきたい、と思う次第です。業界の諸先輩方はもちろんこういうアレンジを既に使ってらっしゃいますが。

近況報告

 お陰様で、音楽制作のご依頼が続いてなかなかに忙しくさせて貰っています、本当に有り難いお話です。しかも、自分のやりたい方向で存分に力を発揮できる分野なのだなあ、こんなに幸せなことがありましょうか。
 しかし、兼業のせいもあるけど、こういうクリエイティブな分野の仕事って、机の前に座ってやることだけが仕事ではなく(そういう作業も多いが)、全然別ごとしているときもアイディアが浮かんだりするので、ある意味一日中音楽漬けって感じです。アレンジのアイディアなんて、DAW触っている時より外にいるときの方が浮かびやすい。たぶん曲全体を俯瞰して考えられるからでしょうね。寝床に入ってから考えたりね(w)。翌日まで覚えているもんです、不思議と。
 音楽の組み立てというのも無限にあるわけで、その中でどんな風に選択を積み重ねていったら良い曲が出来るか、最終的には自分の価値観で決めていくしかない、そうすると結局良い音楽とは何か、ということがわかっていないといけない。それはこれまで聴いてきた音楽に照らし合わせてどうか、というところに尽きます、自分の場合。(もちろん全部自分でわかってしまう人もいます、若くて才能ある人は大抵このタイプw) 自分なんかは30年、40年と良い音楽を聞き続けてようやくそれがわかってきました。だから、どんな音楽を聞いてきたか、というのは大切なことなんですね。
 加えて新しい音楽との出会いもあり、古くからずっとファンだったアーティストの新作もあり、その全てから刺激を貰っています。

 結局何が言いたいかというと、CASIOPEA 3rdの新作「PANSPERMIA」聞きました、おーこれはプログレフュージョンやと、この暑さに負けない“熱さ”から元気を頂きました。有難うございます。あと20年は戦えるバンドです。日本を代表するベテランミュージシャン揃いの、このアグレッシブなパワーには圧倒されるばかり。
 最近はまたプログレ/前衛的な流れがちょっと来てるんでしょうか?

(ここでご注進情報。ニューヨークにオフィスのあるミュージシャン向けネットディレクトリで、”Sound like..”の選択欄に”Casiopea”や”Casiopea 3rd”がちゃんとありました。流石世界的に名を知られているバンドです)

 さあて今週もガンガン張り切って制作しまっせ~。

YAMAHA CP80に別バージョンが

 何かの拍子にシャカタクの「Night Birds」の来日ライブがYoutubeで出てきて、懐かしくて見てました。イギリスのフュージョンバンドで、80年代に一世を風靡したグループですね、といっても世間的には前述の曲だけの一発屋状態ですが、インストバンドで一般の人まで知っているような大ヒットがあるんだから、まあとんでもない話。
(しかし、なぜインストが流行らなくなってしまったのか、本当に不思議)。

 といっても、このライブ’00年代のものですが、昔と結構グルーブ感が違うなこれ。
 まあこれはこれでいいんですけどね。

 で、Night Birdsなんで、ビル・シャープが本来ならピアノでメロを弾くんですが(念のため、吉幾三さんは別に出てきませんよw)。アコースティックピアノではなく面白い構成になっていまして。
 ここからがようやく本題(笑)で、なんとこれ、今どき往年の名機・YAMAHAのCP80でした。’70-’80年代に使われまくっていたあの電気ピアノですね、生ピアノと同じように弦が張ってあって、ピックアップで振動を拾います。アタック感の強い腰のある音なんですぐわかります。しかしデカい、重い、運搬時は二分割という、もちろん定期的にチューニングは必要だし、今世紀に入ってからは完全に絶滅したかと思ってましたが、ビル・シャープは拘りがあったんでしょうね。普通、もう電子ピアノを使うだろうから。

 これで結構すごいわと見直したんだけど(笑)、このCP80、アップになった時によく見ると、微妙に前面パネルのツマミ配置が違う。調べたら、なんとMIDI対応になってたバージョンが後期に作られていたんですね。CP80Mという品番だけど、どうもそれを使っているらしい。おお、流石やないかい。

 そして、メロだけはこのCP80Mで弾いて、その上の電子ピアノ、RolandのたぶんRD-800かその前の機種か、こいつでコード出して、その上にアナログっぽい矩形波が出せるシンセ、これはKORGだけど機種未確認、なんと日本の電子楽器メーカー3社の製品を使いまくりでした。やっぱりフュージョンは日本メーカーの力がないと成立しないよな、ってよくわかるキーボード構成ですわ。

 そんなこんなで、文句を言いつつ色々と楽しめた映像でした。
(もうYAMAHAにもCP80は補修部品はないって聞いたことがある。メンテはさぞかし大変かと。ビルシャープ兄さん、お疲れっす)

(追記:このMIDIはMIDI OUTで、要はCP80が超大型MIDI鍵盤になるというわけです)

レコード屋さんの思い出

 誰でもあることだろうけど、定期的に見る夢というものがあり(年に1度とか)、そんななかに、昔家族でやっていた小さな商店の夢、それも閉店間際で引き戸をほぼ閉めている時に、一人店番をしている夢というのがあった。照明も薄暗く、繁華街なのに人通りもなく、灰色でなんとも寂しい夢だが、不思議と懐かしい。この店、バブル時代前後までやってたんだけど、建物の老朽化で取り壊されてしまった。だからもう30年以上前のことなんですね。
 これを思い出したのは、「そういえばあの夢最近見てない」と思ったから(←ややこしいけど)。…というか夢自体を最近見てないが。

 なんでこんなことを書いたかというと、実はこの店の隣がレコード屋さんで、店番の間、ずいぶんと隣から曲が聞こえていたなあ、と。
 戦前からある長屋みたいな建物にずらっと店が入っていて、間口も狭いし扉もない(前面開放)のでそりゃあもうよく聞こえました(w)。

 だから、ここでも歌謡曲やら演歌やら、流行っているものは自動的に聞いてたんですね、偶然なかなか良い音楽環境にいたのかも。
 
 ここの店主が、お袋と同年代でなかなかお綺麗な方でした、今にして思えば昔業界にいたりしたのかなあ?、でも声がキンキン声で、よく隣りから「まぁたこんなレコード持ってきてェ、もっと売れる物持ってきなさいよォ」なんて営業に文句言ってるのが聞こえてました(笑)。
 間口こそ狭いが、場所は超一等地なので、随分と商品は回転させてたと思います、なので強気だったのでしょうね。

 そんな店なので、今でいうインストア・イベントも時々やっていて、といっても商品ぎっちりで場所がないので前の歩道で歌うんだけど、歌手の方が時々来ていたみたい。
 一度見たのは、お名前は覚えてないが女性演歌歌手が着物を着て、自分の写真の立て看板の横で、選挙候補みたいに名前のタスキをかけて歌っていたところ。着替える場所もないので、バンで直接来て、機材も降ろしてそこで歌っていたと思う。

 自分は見てないんだけど、記憶に間違いがなければあの八代亜紀さんも来たことがあるらしい。お袋の話だと、凄い人だかりで全く身動きがとれなかったと、流石に。そして物凄~くキレイだったそう。そりゃそうですよねえ、演歌でバリバリの頃ですね。

 こんな店だったので、前の歩道にいつも立て看板を2~3台は出していて、ここに流行りの曲やらイチ押し曲なんかのポスターもよく張ってありました。宣材は豊富、というかいつも捨てるほどあったらしく、クイーンのポスターも2~3回貰って勉強部屋に貼ってたなあ、そういえば。

 当時アニメ声優をして、それからデビューしたシンガーソングライターさんのアルバムポスターも、立て看板に貼ってあった気がする。このアニメ、ガチで見てました。当時二十歳そこそこで凄いなあと思ったが、自分はもう片方のヒロイン派でしたので(w)(←声優さんにファンレター書いたなあ)。実は、FMラジオで聞いたくらいで、ちゃんと聞いてないのですね、その頃もう自分は洋楽かインストばかり聞いてました。西海岸・東海岸フュージョン、ジャズ、ウェザーリポート、日本なら渡辺貞夫とかカシオペアとか(T)SQUAREとか。

 この店のことで、もっと色々面白い話を思い出したので、また機会があれば書いてみます。

作曲を始めて変わったことや何やら

 年末だし、最近思っていることをつらつらと書いてみよう。

 作曲を始めて――といってもボカロ曲書いていた時代は無我夢中だったから(五里霧中か)あまり変化らしい変化はない。ただやっぱり、昨年の夏くらいから、そろそろ売れる(値段のつく)ような曲を書いてみよう、ということをやり始めて、コンペにたくさん出すようになって、自分が変わったなあと思うこと。

 まず、ダメなサンプリング音源の見分けがつくようになった。ぶっちゃけ安いやつは大抵ダメ。値段でいうと、定価50ドルとか50ユーロくらいを境に、それ以下のはちょっと聞いた時はいいかな?と思っても、よく聞くと「うーん」ってなっちゃう。やっぱりどこかで手を抜いてるんですね、悪いマイクやプロセッサーを使っているとか、録ったあとのトリート(EQやらコンプやらの処理)でも手を抜いたり、それで総合的にクオリティが下がってしまう。デベロッパーも商売だから仕方ないんだけど、あとまあ、エンジンのスクリプティングもおざなりだから、本物感が遠のく。

 これは結構哀しくて、昔なら安い音源でも喜んで使っていただけど、早い話耳が肥えてしまって、もうクオリティの低いものは使えなくなってしまった。趣味でやっている分なら十分なんだけど、もうそういう世界には戻れないw まあ耳が良くなったわけで、プロを目指すなら喜ぶべきことですけどね。
 音楽マニアとしては自分の耳に自惚れていたが、作る側に回ったらハードルが更に上がってた。

(安くても良い音源はありますよ、そういうデベロッパは良心的、そして勝負価格帯のやつは激ハイクオリティだったりする。
 そしてソフトシンセでは不思議と、アラが見えたっていうプロダクト皆無。例えば日本製のフリーシンセ、世界のSynth1は今も昔もやっぱりいい音です。開発者様が無茶苦茶センス良いからかと)

 あ、上に書いたのはいわゆる「楽器」音源の話で、よくあるグラスを叩いて音階作りましたとか、金属オブジェクトでどうこう、みたいなのは入りません。こういうのは安くても割とちゃんと作ってる印象。ただ、その手ってネタ重視で、実際曲の中で使えるかっていうと、まず無理。浮いてしまう。でもつい買っちゃうんだよなあw
(音楽は「楽器」でやるものです。当たり前だけど、これも気付いたことだな。楽器という道具は偉大です。ここには形のないソフトシンセも入る、言い換えれば今のシンセはみんな楽器として成立してる、芸術品です)

 あとね、ある程度分量を書くことで、コード進行感が身に付きました。例として音楽理論的にいえば、トニック(T)→サブドミナント(SD)→ドミナント(D)→T進行の気持ち良さとか、D→SDって進んだ時のブツ切れ感とか。もちろん曲調とか展開によっては敢えて行ってもいいんだけど、基本不自然に感じるようになった。知識としてじゃなく、肌感覚でわかるようなったので。これは大きい。
 アレンジしてて音が一音間違っているとすぐわかったりとか。アヴォイドノートだったりすると「音が当たってる」ってなったり。これも肌感覚。
 いわゆる半音進行の気持ち良さは、ボカロ書いている時から割と。ツーファイブ進行も、ジャズ良く聞いてたので普通に最初から。

 もひとつ、コード進行は「進行」というだけあって、必ず幾つかつながって形になるものだから。コード単体で存在してるんじゃなく、流れがあって音楽になっていく。このあたりも肌感覚かなあ。

 音楽におけるリズムの重要性は、最初から気付いてました。
 ここで名言を吐くぜ!
「人生に必要なSixteen beatは、全て、CASIOPEAから学んだ」(ドン!)
 ジャパフューなめんなよ、あ? お前どこ中よ?

 こんなところかなあ。リズムアレンジはほんとフュージョンから一杯教えられたなあ、ここは音楽理論関係ない世界なんで。(音楽理論はリズムのことは本当に何も言ってないので、これは「音楽」理論という以上、大きな欠陥だと思っています)
 リスニングオンリーの時代から、自分はそういう分析的な聞き方をしてましたので。なんでこの曲はこんなカッコいいのか、そうかこの楽器のリズムがこうなってるからか、みたいな。理論わからなくてもこれは分かります。

 もうちょっと人生論みたいなことを書けば、少しはカッコツケになったか?w
 あ、音楽始めてから夢見は本当にいいですよ。下手をすると夢の中でもアレンジ考えていたりして。いや松下幸之助に洗脳された昭和の社畜か、みたいな。

 あとね、誰も興味のないオレ情報を書くと、今年になってジーンズのウエストが10代20代の頃と同じまで下がりました。体重も当時のベストウエイト。身体が軽くてノリノリです(笑)。
 いやー、シリアスに音楽作ってるんで。贅肉なんてひとりでに落ちてしまうんだよね……(年末にひと笑いして頂けましたか?寒くなったって?w)。
 これは毎日身体作りを欠かさないからだなあ、あと健康大切、体調が一定でないと良い曲は書けません。朝と晩で曲への感じ方が違ったら良くない。

 来年は、アーティストさん・歌い手さんから直接依頼とかしてもらえたら嬉しいな、なんて。大それたことを密かに考えてます。めっさいい曲書きますよ(スリスリ)。身許のしっかりした方なら大歓迎。
 そういう風に少しは思ってもらえるよう、がんがん精進しよう。

 それでは皆様よいお年を。
 来年も張り切って参りましょう。Happy Composing!