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モデルナ初回接種済

 クーポン券が届いたのが今月始めで、某大規模会場にようやく月末の予約が取れて、モデルナ接種したのがつい数日前。これでようやくひと安心だと、その夜は安らかに眠れたのです(かなり心理的に不安だったと判った)。ところがすぐ異物混入騒動……。ロットナンバー違うし、さすがに全てに異物混入はないはずだが、一挙にまた不安になりました(汗)。我らがポンコツ日本政府と霞ヶ関の通常運転か…。
 できれば2回目はファイザー、と思ったらそちらも混入発見されたようで。これだけ短期間に大量生産されたワクチンなので、合理的に考えてこういうこともない訳がないとは思いますが。
 とりあえず混入金属の正体が分からないと心配で仕方ない。なかなか発表されないのはかなりヤバイことになっているのでは…とかね。2回目打ちたくないなあ……とはいっても今の状況では打たないという選択は非常に大きなリスクだし。

 自分の場合は、接種当日も翌日も翌々日も熱やだるさなどはありませんでした。接種も非常に上手い医師の方で、これまでで一番痛くない注射だったくらい。ただ翌日腕の上部が鈍痛に見舞われた。これくらいはインフルエンザのワクチンでもある現象です。
 ただし、接種後の就寝前に、今思えば結構怖い現象があったので記録しておきます。いつも部屋を真っ暗にして寝ているのですが、電灯を消して布団に横になる前、なにかカラフルな光が2回ほど見えた気がしたんです(怖)。さらに目を瞑るともう1回鳶色の光。気のせいだろうと思ってたが、異物混入のことで一挙に震え上がりました。網膜か視神経に直接何か作用したんじゃないか……。ワクチンそのものの接種でこういう現象って聞かないし、異物の作用ではと、気が気でありません。もちろん窓から何か光が差し込んだということも考えられるが、普段はない現象です。
 ヤバイです。…ええと、ファイザー製で5G受信、モデルナはWiFiだっけ? などとだんだん冗談では済まなくなってきてる。その夜以来なにもないが、頼むから気のせいであって欲しい。

 今回、該当ロットに当たってしまった著名人の方が結構いらっしゃるんですね。(どうやら文化庁が斡旋した職域接種で使われたようだ) しかもニュースで見たが、国会の職域でも大当たりで、職員だけでなく議員も結構な数が接種済らしい。さすがにこれでは厚労省も逃げられないと思うが…それが希望といえば希望か、該当者の皆様には申し訳ないが。

 この社会不安、いつまで続くんでしょうか。そろそろ経済自粛も限界だし、どこかで良い着地点が見つかると良いのですが。

ISRCについて

 配信で曲をリリースしてて気付いたこと。曲のWAVデータをディストリビュターで登録すると、ISRCというコード番号が自動的に曲(のデータ=録音物)に対して発行されるんですね。これはInternational Standard Recording Cordの略で、録音物に付けられる世界に一つだけのコード番号。これで配信サイトやディスリビューターは曲の区別をしているようだ。
 ISRCを管理・発行している機関(日本レコード協会)があって、こことオンラインで繋がっていて即時発行されるらしい。たぶん曲データのフィンガープリントとかは取ってないので、曲名やグループ名その他で申請・発行されるんでしょう。
 面白いのは録音データに対しての番号なので、同じ曲でも新しく録音するとまた番号が新しくなるんですね。ミックス違いも同様。楽曲の爆発的増加に伴ってか、いつの間にかこんな便利な仕組みが出来上がっていた。

 ACTiVATEの「A’ROUND」はディストリビューターを変更したんだけど、前のISRCを新しいところで登録したら、ちゃんと配信サイト側で2020年9月発売の曲ということで認識してくれたようだ。なかなか頭がよろしい。
(ちょっと調べてみると、これはCDなんかの曲にも付くものらしい。昔は発行が面倒だったり有料だったりしたらしいが、いまの配信は無料で全自動発行。文明は進んでますね)

 同じように、ディストリビューターによってはJANコードも自動で発行してくれます。

 これの応用でグループ・アーティストごとに番号が発行されると便利だと思うのだが(これで名前が被っても区別できる)、かなり収拾が付かなくなりそうなので、見送られているのかもね。

悪用されるディープフェイク写真

 ちょっと前、読売新聞記事をヤフーで読んだんだけど、以前も紹介したAIによる偽造人物写真の技術ですが、もうかなり「悪用」されているのこと。よくある「お客様の声」欄の写真、あれに実在しない人物の写真を使っているんだそうです。
 国内ベンチャーで仮想人物写真を生成するサービスを提供している会社があるそうで、規約でその種の悪用禁止としているにも関わらず、作った写真をそうやって使っている企業が後を絶たないと。
 もともとお客様の声…なんてサクラだらけでアテにはらないが、以前は勝手に誰かの写真を使ってしまう話も聞いた。(無論コメントも名前も全て捏造) それがよりやりやすくなったということですね。存在しない人物なら文句を言われることもないので。
 今はよく見るとどことなく不自然ですが、それも全く違和感なくなるのも時間の問題でしょう。さらに顔だけでなく全身、部屋や屋外などで自由に構図もポーズも付けられる、顔の表情も変えられる、ということになるのも間近なはず。一体何が本当なのか、わからなくなる時代がきそうです。

 こうなると、以前も書いたけど、とうとう「誰が」その情報を発信しているか、という点が重要な判断基準の世界になりそう。マスコミやメディアの役割が非常に重要になってきますが、大丈夫か(w)。

 あと、現政権の加藤官房長官が悲惨なニュースにも関わらず笑いながら発表……という偽造写真が出てたが、あれはてっきり本物の笑い顔にあとからテロップ足したのかと思ってたが、なんとこれもAIによるディープフェイクだったのですね。元は悪戯でSNSに投稿されたものらしいので、引っかからないよう注意しないと。
 ニュース写真なんかは、もうSNSで流れてきても飛びついてはダメで、一旦マスコミのサイトでチェックするようしないと危ないですね。ショッキングなニュースほど人は騙されやすいそうなので。

 本当にとんでもない時代になってきました。情報リテラシーが全ての人に求められるわけです。今後も確実に頻発する「情報テロ」にかき回されないようにしないと。意外と“ローテク”な紙の新聞が見直される時代が来るかもな。

(海外では、ロシアや中国発信を中心に、架空人物によるデマ政治記事を連発するBotアカウントもたくさんあるって話)

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リアルアバターの恐怖

 今回はちょっと趣向を変えてサイバー犯罪に利用されそうな技術の話。
 ちょっと前、オバマ大統領やイギリスの首相の映像を加工して、言っていないことを言わせている映像が話題になりましたが(実験という種明かしはしていた)、これはリアルタイムでやっているのではなく、後で時間と手間を掛けて加工して作られたものでした。他の人が喋っているのを一種のモーションキャプチャで読み取って、その通りにオバマの顔を動かすんですね。

 ただ、どうも今はそれがリアルタイムで出来るようになっているようで、ある研究者がパソコンでそれを実現してしまったようです。

ZoomやSkypeでリアルタイムに他人になりすませるオープンソースのディープフェイクツール「Avatarify」
https://gigazine.net/news/20200417-zoom-skype-avatarify/

 記事の内容が正確だとしたら、以下の映像はその技術を使ってZoomで友人を騙したものです。なんと、テスラのイーロン・マスクに成りすましています(笑)。間違ったZoom会議室に入っちゃった……ごめん、みたいに言ってますね。マスクは割りと無表情な感じだから、余計にリアリティがある。あとネット会議は割りと映像凍ることもあるから。

 これは実験だから良いけど、こんなことが手軽に出来るようになってきたのでは、本当に詐欺などに悪用されると怖いと思う。一種のアバターみたいなもんだから、もう映像で喋っていても相手が本物なのかわからなくなる。今はまだ稚拙な面もありますが、すぐ本物の人間と全く見分けがつかなくなるでしょう。
 相手が男なのか女なのか、若いのか年寄りか、そもそもAIかもしれない。もうこんな時代になっているんですね。
 オレオレ詐欺に悪用されたら、どう防げば良いか…。

 声をリアルタイムに変換することもできますからね。ボイスチェンジャーみたいなもんもあるし、最近ではボカロ技術の応用で、ボカロの声で喋ることができるソフトも出て来ました。自分は試してないので品質はわからないが、これもパソコンで「誰の声でも喋れる」ようになるのは時間の問題でしょう。(低品質のものなら、ワークステーション等でもうあった気がする)

 上手く使えば一人で実写映画が撮れる可能性もあるが、例えば俳優さんを勝手に出演させてしまうことすらできるので……。
 もうネット上の映像や音声は信用できない、という世界が来るかもしれません。
 そんな時、最終的に真実性を担保するのは、信頼できるメディアの報道……ってことになってくる(そうして貰うしかない、心配だが)。あとは刑法を改正してそういう行為に重い刑事罰を科すか。アイコラ画像みたいなのは、ちゃんと取り締まりをやってほぼ公共の場からは絶滅しましたよね。

 なんだかわけのわからないデジタル泥沼みたいなところへ、世界は突っ込もうとしている感じがする(w)。個人番号カードを端末に差し込むと、公的機関が通話画面に認証マークを出すようにしますか? まあそのマークも偽造されますね(汗)。

神童モーツァルトの真実?

 ラジオで聞いたモーツァルトの面白い話。幼い頃から神童として各国で知られていたのは、父親が幼い姉とともに演奏旅行でヨーロッパ中を連れまわしたからなのですね。モーツァルトの生まれた宗教国家ザルツブルグは、現在のドイツのあたりで(まだ統一ドイツはない)、それでも周辺で一番強力な国だった。そして宗教国家(カトリック)の方針として、神童=神の奇跡であり、それは広く世界に示されなければならない、という使命があったらしく、それで旅の許可が出ていた。
 この演奏旅行というのが、実は半分くらいは見世物興行といって良いものだったらしく(w)、幼い姉弟に目隠しして楽器を弾かせたり、初見の楽譜を一瞬だけ見せて演奏させたりと、ちょっと大道芸に近いものでもあった。モーツァルトの姉も実は大変な才能だったが、むろん当時は女性が作曲家になるなど考えられなかったから、ある時期からは花嫁修業に専念したらしい。
 父親というのがなかなか山師的だったというべきか、子供の才能を利用して隙あらばどこか有力な国で仕官の道を探ったりということもあった。

 無論それだけではなく、モーツァルトを各地の有力音楽家に会わせ、あるいは学ばせて、どんどん音楽家としての力に磨きを掛けていった。一種の留学としての意味もあった、とのこと。
 この演奏旅行、当時は馬車での長時間移動でずいぶんハードな生活だったらしいけど、それでも姉弟はそれに耐えてやりきった。
 だから、モーツァルトが天才だったのは事実だけど、こうした父親のスパルタ英才教育もあって才能を開花させていった、ということらしい。(幼い頃から人前で演奏していたら、今でいうストリートライブ出身みたいなもんで、度胸や勘が自然とついたでしょう)
 で、8歳で交響曲を書く、という驚くべきことを成し遂げているわけですね。
 それにしても(その後を見ても)、名声の割りになかなか楽な人生とは言い難いようです。生まれてから死ぬまで同じ街を出なかったバッハが、当時の偉人としては一番幸せだったかもしれません。

映画「レディ・プレイヤー1」観た

 VRゴーグル装着で遊べる超巨大ネットゲームの世界、「オアシス」を舞台にした映画。……というとよくある感じの話だろうと思われるかもしれませんが、正にその通り(w)。ただこの映画の醍醐味は臆面もない他作品からのキャラの引用、パロディというより楽屋オチみたいなことを堂々とやっていること。ハリウッド映画はもちろん日本アニメ・特撮のキャラもたくさん登場します。ネットゲームでプレイヤーがアバター(自キャラ)として使っているという設定です。
 創業者が亡くなるが、ゲーム世界で謎を解いて幾つかの鍵を集めれば、巨大産業となったゲームの運営権を相続させると発表され、世界中のプレイヤーや大企業がこぞって参戦……という、まあ宝探しのようなストーリー。(以下ネタバレ)

 最初のカーレースのシーンで、キングコングが襲ってくるんだけど、これってどこかで見たな……と思ったら任天堂のドンキーコングだった(笑)。映画「シャイニング」の世界が舞台の試練があったり、ゲーム中でアタリのゲームをプレイする試練があったりと、まあ飽きさせない。
 面白いのは、主人公のアバターをホログラムで現実に投影して、敵大企業の社長がアバターと会話するシーン。ARですな(今の技術で可能)。敵に捕まってゲーム世界で強制労働させられるヒロインが、外れないゴーグルを付けられてしまったり。小ネタが笑えます。
 主人公とヒロインがゲーム中のディスコ(死語)でデートするシーンで、ビージーズが掛かっていたりして、バブル世代はフィーバーできるぞ。

 最後の決戦シーンでは、ガンダムやメカゴジラ、春麗など色んなキャラが総出演。何にも考えずに楽しみたい時に良い映画です(w)。
 それにしても、一応実写映画のくくりだけど、映像の8割以上はCGじゃなかろうか。もうハリウッド映画もアニメなのか実写なのか区別が曖昧。そういった意味では、だんだん人間の役者も要らない方向に来てるのかもね。

新しいオーディオアンプ

 突然死したTRIOのプリメインアンプに代わって、SONYのオーディオアンプを購入。コンポに入れ替えて、音をよく知っている愛聴盤をいくつか鳴らしてみたところ、中域の透明度がやや曇ったものの、低域は締まり高域はクリアになって、なかなかの満足度。値段的にはかなりランクが下だが、さすがに40年も経てばアナログ回路は劣化しまくりですわ。この手の機器は5年も経てば同価格帯の物を購入しても音が良くなる、というのは昔オーディオ評論家の長岡鉄男さんの記事で知った知識。

 で、その中域も、インピーダンスをスピーカーに合わせて6Ωに切り替えたら、なぜか消え去りました。これって音質に関係あったっけ?(最大音量に影響する話だったような)とりあえず結果良ければ全て良し。(最近のアンプはインピーダンスも設定で変更可能なんですね、驚いた)
 いやー、やっぱりオーディオ機器はいいっすわ。触ってて気持ちいいし、「良い音」のために設計製造されたマシンはそこにあるだけで楽しい。
 んで、こいつBLUETOOTHまで入ってるの、やはりそこは現代(笑)。早速ノートパソコンとペアリングしてYoutubeでクリップを再生してみた、音質的にはmp3とそう変わらないと思うが、便利で面白い。

 もう音楽をガンガン聞くってこともあまりなくて、これもミックス・マスタリングを行った後の最終確認用の環境だけど、なかなか原音に近いモニター環境になりました。
 ヘッドフォンアンプも、パソコンなんかで聴くのとは全く段違いの音の良さ。

(オーディオアンプ系は、中古は確実に音質劣化しているので、フリマなんかで買う時は注意。よく30年40年もののアンプが結構な値段で売られているのを見るけど、絶対止めた方がいい。リストアしてあっても同じ、むしろ音が変わっているはず。みんな日本製の新品オーディオをガンガン買おうぜ、メーカーが全て潰れてしまうぞ。無印中華製品とは全く質が違うしね、今回それが良くわかった)

有名ジャズレーベルの秘密(2)

 前回最後に書いた放任主義のレーベル、これはもう完璧主義の「BLUE NOTE」とは全てが正反対だったそうですが、その名はなんと……「Prestige」。おい待て嘘だろ、とジャズ好きの方は言われるかもしれませんが、後藤雅洋氏の話によればそうだったらしい。あの一杯名盤を出しているレーベルが、驚きですね。
 BLUENOTEは移民のA・ライオンが設立したのですが、Prestigeはアメリカ人のレコードコレクターのB・ワインストックが設立。やはりここも当時は中小企業で(インディーズといった方が多分早い)、初回刷り枚数は500-1000枚がせいぜいだった。
 ここはレコーディングに当たってリハをほとんど、あるいは一切やらせなかったらしい(w)。とにかくテープを回して、ミュージシャンを放り込んで好き勝手にやらせて一丁上がり、という方針。プロデュースも何もないです、時間(金)が惜しかったのだろうな。スタジオだって時間貸し。
 それでもあれだけ名盤を出せたのは、一重に時代状況が良かったせい。1950年代中盤のマイルス・デイヴィス・クインテットが典型だけど、今から考えると世界的なプレイヤーが壮年期でノリにノっている時なんです。そんな人達がスタジオで好きにやっていいと言われたら……もうわかりますね。モダンジャズが芸術として花開いていく時代だったし、それを無造作に記録するだけで、世界中のミュージシャンが今でも聖典と崇める名盤が次々と生まれてしまったのです。
 ドイツの完璧主義から生まれたのがBLUENOTEなら、正にアメリカの実践主義から生まれたのがPrestigeだったわけ。

 後藤氏によると、マイルス・クインテットには面白い逸話があって、当時Prestigeと契約していたんだけど、なんとメジャーレーベルのCOLUMBIAと契約が取れてしまった。それでマイルスはPrestigeとのレコーディング契約を一刻も早く消化しようと、2日で4枚のアルバムを録音してしまった(w)。無論リハなんて一切なかったらしいが、これでも名盤が生まれてしまう、当時の状況なら当然ともいえるでしょう。(曲が流れていましたが、さすがに若き日のコルトレーンも準備不足で冴えないソロでした、初見だったかもしれんw)無茶するわー、この人。

 こんな感じだったので、売れるかどうかわからないミュージシャンもスタジオに放り込まれて録音ができた(ある意味幸運)。結果玉石混淆なんだけど、後に有名になっていく人もいて、その代表格がエリック・ドルフィーだったとのこと。
 なおここは運営も緩いが金払いも(悪い意味で)緩かったらしく、ギャラ未払いを連発していたらしい(w)。もしかして当時の名盤でギャラを貰ってないプレイヤーがいたかもしれません。
 また何かラジオで聞いたら書きますね。(番組名→NHKR2カルチャーラジオ~「今、もう一度ジャズ入門」)

有名ジャズレーベルの秘密

 ラジオで聞いた面白い話。ジャズ評論家の後藤雅洋氏によると、世界屈指といっていいジャズレーベル、アメリカの「BLUE NOTE」ですが、始めの頃は本当に中小企業のような感じで、レコードの刷り枚数も初回500枚とか1000枚だったらしい。レーベル設立者はA・ライオンというユダヤ系ドイツ人の移民で、移民だからこそアメリカのジャズを「外」からの視線で芸術として評価できた。(米国内ではあまりに身近なので正しい評価が難しかった)
 あと、BLUENOTEのアルバムは、プロデューサーでもあったライオンの考えで、実は非常に作りこまれた「完成品」であった。コンセプトに沿って何度もリハーサルし、アドリブも練りこんでから本番の録音をしていたらしい。実例の曲が流れていましたが、そういえばミスもないし非常に流麗にプレイしている。ある意味ジャズの生っぽさからはちょっと離れているんですね。

 ライオンは、リハにもミュージシャンにギャラを払うという徹底っぷりで、自分のプロデュースを貫いていた。また著名なレコーディング・エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーに指示して、徹底してミドルの音域を強調した音作りをした。それは当時の黒人家庭は裕福でなく小さなスピーカーしかなかったため、それに合わせたとのこと。
 後藤氏が例としてバド・パウエルの曲を流したあと、「ほら、これってホントのところ実際のピアノの音からかけ離れているでしょ?」と言われたのは衝撃でした(w)。まあ確かにそう。だから当時の曲を今聞くとややストレンジなのは、モノラルとかレコーディング機材のせいばかりでもなく、極端な音作りの結果ということもあるらしい。ただ、“作った”ウッドベースの音もそうだけど、名盤の数々がこういう音で録音されてしまったので、それがジャズのスタンダードになってしまった面もあるとのこと。
 また移民から見たジャズなので、音の“黒人音楽っぽさ”も強調していた。

 もともとライオンはジャズマニアだったそうですが、完成品を作ってしまうあたり、完璧主義のドイツ人といえばドイツ人らしい。
 逆に超放任主義のレーベルもあったそうですが、この話はまた次回。

 季節の変わり目、皆様どうかお身体はお大事になさって下さい。(個人的には早く花粉の季節が終わって欲しい…)

オーディオアンプご臨終

 花粉が身体を直撃!ここ数日はヘロヘロです。今年は鼻水はそうでもないが、身体のだるさはなかなか半端ない。
 そして確定申告の作業も続く。もちろん本業のお仕事も。そんな合間を縫って音楽制作は止まらず進んでいくわけです。

 久々に制作曲を焼いたCDを実家の古いステレオコンポで再生してたんです。目的の曲を聞き終わって、次のCDを入れたら、なんだか急に音が出ない。CDプレイヤーは正常そうなのに、アンプかスピーカー接触が悪いのかな?と(いつものこと)カチャカチャやってみたが影響なし。そうこうするうちに、アンプの通気口からなんだか焼け焦げるような臭いが……これは半田か? ヤバイ、ってことですぐ電源切ってコンセント抜きました。
 ヒューズが飛んだわけでもなし、どこか部品が溶けたんだろうと(w)。
 とうとうこの日が来たか、まあ以前も書いた40年物のプリメインアンプなので、逆によくここまで持った、ご苦労さんといいたい。なんせメーカーは「TRIO」……「KENWOOD」の前身です。もう今の人は知らんよな。調べたら社名変更は1986年で、その数年前に買ってるから、下手をすると45年超えているなあ。
 もう修理もできそうにないし、このまま引退させることにした。スイッチやボリューム類もガリや接触不良でほぼ限界でした。
 あまりに古い電化製品は危険だよって話でした。火災にでもなったら最悪だもんな。
 しかし’80年代頃のオーディオ製品の頑丈さといったら、まあ奇跡ですね。日本の絶頂期と重なっているんだよなあ。