タグ: ムード歌謡

深夜のムード歌謡

 ムード歌謡大全集みたいなCD-BOXを買ったんだけど、これを深夜にちょこちょこ聞いています、一度に3~5曲くらいづつ。いまBOXの半分くらいを聞いた。こういう時にヘッドフォンで一人静かに聞くムード歌謡の味はなかなかに格別で、実にいいんですね。上質のお酒を味わってるかのよう。
 「夜」の音楽そのもの、といえるかもしれません。以前も書いたけど本当に大人向けのPOPSだと思う、R40くらい。

 で、コンピなので様々な歌手の(アーティストというより歌手というのがしっくりくる)、様々な年代の曲が入っているわけですが。古いのはモノラル録音でたぶん60年代くらいから、新しいところでは80年代まで(このあたりが衰退期)。
 さすがにモノラル時代のものは、戦前から続く日本の歌曲系の伝統を強く感じるものが多いが、フランク永井さんの曲なんて、モノでもぐっとお洒落で洋楽っぽい。もしかしたらアレンジも含めて、当時は革命的だったかもしれません(たぶんそうですね)。山下達郎さんもフランク永井はお好きでしたね(コラボ作品まである)。
 面白いアレンジの曲もあって、おおこれは勉強になるなーとか、美しいメロや歌詞があればブックレットを見て作家さんの名前を確認したり、忙しいったらありゃしない(笑)。ちゃんと静かに集中して聴くよう心がけてはいますが。

 で、ここまで聞いた中で声を大にして言いたいのですが、八代亜紀さんの歌。続けて2曲入っていたのですが、もうその間中、ブックレット見るのも忘れてCDコンポの前で凝固ですよ。凄まじい歌唱力、なんと表現してよいか、もう深淵の表現力。通常の歌唱っていう次元じゃないですわ、この方は。完全に引き込まれてました。今頃ほんと勉強不足ですが、こんな素晴らしいボーカリストでいらしたとは。これは売れるわけですわ(w)、ファンの方々はちゃんと解ってたんだな、と。やっぱり大スターって違いますね。興味のある方は絶対CDでじっくり聞いて欲しい、配信なんかじゃ伝わらないこの表現は。

 そしてあのテレサ・テンさんの曲もありました(あの、って言っても最近は通じないかもなあ)。声質も非常に良いし少し外国訛りが入るから、エキゾチックで実にいいんですね。そしてアレンジやミックスが完全に洋楽! もうあと2歩3歩でシティポップですぜ、これ。歌詞なんかも実に深いし(もちろん一流作家の手になるもの)お洒落で儚く美しい。3曲入ってましたが、当時を思い出しつつ、今聞いても全然オッケーだな、と。(テンさんは元々アジアで大成功したあと、日本でもデビューしたんだそうですね)
 ちょっと面白いのは、ボーカルにほぼコンプを掛けないで録っているらしいこと。声のダイナミズム、息づかいがそのまま残ってる(その分、伴奏に埋もれて聞きづらい箇所もある)。たぶん歌唱を活かすのに最良だったのでしょう。

 なかなか、ムード歌謡というジャンルは奥深い。まだまだ潜れそうです。
 これが消えたことで失われた、あるいは忘れ去られた歌の世界はとても大きいと思えます。

「東京待ちぼうけ」Amazonで1位

「東京待ちぼうけ」ですが、昨日のアマゾンデジタルミュージックランキング(演歌・歌謡曲・その他邦楽)で5位を獲得しました。同ロックで18位。
 そして、新着ランキング(演歌・歌謡曲・その他邦楽)で堂々の1位。終日この状態だったようです。現在の新着で2位。
 皆様の変わらぬ暖かい応援に感謝します。

Zガンダム~主題歌の秘密

 今回は「機動戦士Zガンダム」の主題歌の話。いわゆるアニソンですね。当時は珍しかったと思うけど、OP曲が前期と後期で変わるのですね。(EDは通期同じ)

 前期が「Ζ・刻を越えて」という曲で、歌は鮎川麻弥さん。驚くなかれ、これ作曲はニール・セダカ。そう、あの往年の洋楽の大スターです、「おお!キャロル」や「恋の片道切符」の。びっくりでしょ?(作曲家としても活動) しかも当時も思ったけど、このテーマ曲、アレンジが滅茶苦茶カッコイイんですわ。キメキメのシンセのリフが入るわ、ストラトのカッティングにハイパワーのブラスセクションがくるわ、今聞いても(テンポこそやや遅いが)ハマってる。歌詞は富野監督節が炸裂ですね。(アレンジは渡辺博也さん)。
 エヴァンゲリオンも主題歌が滅多やたらにカッコよくてアニソン革命起こしたと言われてるが、そんな面でもやっぱりゼータの方が早い。
 ED「星空のBelieve」もやっぱりニール・セダカ。これまた非常にEDに似つかわしい曲でスルメ曲。
 当時はわからなかったけど、今にしても思えばこれまたバブル時代の予算のなせる業だと……。

 と、まあそんなことを思っていたんですよ、つい先日までは(w)。今回この記事を書こうとWikipediaを調べてみたら驚愕の事実が。この2曲、ニールセダカ作曲ではあるものの、なんと彼の過去のアルバム曲だったというのです(!)。ええ~?そ、そんな……。これだけ大プロジェクトのアニメに、そんなリサイクルを? いくらなんでもガセだと思ったが、曲名をYoutubeで調べたら、なんと「その曲」がありました。ずばり、ゼータのOPとEDでした。ひ、ひでえ……(笑)。どうしてこうなった。
 当時の事情は関係者にしかわからないけど……。普通はこういうことはしないよなあ、と。なんか余程の事情か?

 完全な憶測だけど、曲の発注が締め切りまでタイトで(業界でありがち)、向こうさんが無理だから過去曲でどう?って言ってきた可能性はある。ニールセダカ起用は、富野監督のリクエストだったと、どこかに書いてありました。監督世代だと、セダカはずばり青春の音楽だったでしょう。
 ま、原曲はアニソンぽさもキメっぽさもないから、これはアレンジャーの方の腕が素晴らしかった、というしかないのではないでしょうか。完全に世界レベルのアレンジと演奏っすよ。(Bメロのブラスのクレッシェンドなんか最高!)
 いやーバブル怖いね、この時代はフュージョンも世界進出していたし、日本の音楽が一個頂点を極めたのは間違いない。

 で、まあ以上が前期OPの衝撃の事実ですが。実はこれだけでは終らない。後期ED曲「水の星へ愛をこめて」も、今回ゼータを見てて仰天モノでした。歌は、当時新人アイドルだった森口博子さん(デビュー曲)。いえ、そこは衝撃ではありませんよ、有名な話ですから。

 実はこの曲、今の自分の耳で聞いて判ったのですが、いいですか、もろに「ムード歌謡」なんですよ。いやあ驚いた。この(ちょっと素朴さ漂う)センチメンタルで日本人好みのメロディ、そして歌詞といい、アレンジといい、完全にムード歌謡の世界です、これ。ガンダムファンの間では歴代一の名曲との呼び声高いそうですが(実際、NHKの人気投票で1位をとっている)、まさかここにムード歌謡が登場するとは。
 Youtubeのバンダイ公式でゼータ見てて、突然この曲が始まったときの驚きといったら。まあ腰が抜けそうでした。
 そして、なんとこちらの曲こそが、ニールセダカの書き下ろし曲、正真正銘ゼータのために作られた曲だったのです。ぬおお。
 つまり、ムード歌謡っぽい曲が上がってきたので、それっぽい歌詞とアレンジがついて今の曲が完成した、ということだと思います。(作詞は大御所・売野雅勇さん、編曲はこれまた大ベテラン馬飼野康二さん。磐石の布陣、お二人とも歌謡曲の世界の達人です)
 こういう発注をしてこうなったのか、それとも……って話は関係者に聞いてみないとわかりません。それでもこれはまた当時驚天動地の新OP曲だったと思います。
 一度、このOPを当時見た覚えがありますが、ED曲感が凄く強くて、非常に違和感がありました。少なくともロボットアニメのOP曲という感じはゼロ。これを平気で流すってのは、あるいは引き寄せるってのは、やっぱり富野監督という人は今更ですが只者じゃないなあ、と。

 そして、このアニメ界のムード歌謡、よく聞くとメロはどこか’50~60年代洋楽に通じるものがあるんですよ。それこそ「恋の片道切符」じゃないけれど。だから、確かにセダカの世界でもあるんですね。ムード歌謡は日本にローカライズされた洋楽だったのだから、それも納得できます。(こんなところでも自説を補強できた)
 ゼータは1985年だから、ムード歌謡衰退期にこんな良曲が誕生し、そして今でも歌い継がれているとは。なかなか稀有な話です。(森口博子さんは、この曲を含むガンダムのカバーアルバムが大ヒット中なのは、ご承知の通り) ムード歌謡は死なず、アニソン界で脈々と生きていた、というわけ。

 以下、蛇足。この「水の星に……」は、明らかに劇中に登場する敵方の強化人間の少女、妖しい魅力のフォウ・ムラサメをイメージした曲(今でいうと綾波レイ)。主人公カミーユとは出会った瞬間大恋愛w、敵味方だから悲恋ですが、「ねえ、頼める?……キスして」「あぁ」なんてシーンもあって、おじさんは「なんだこれ甘酸っぺー!」ってなったよ(笑)。アムロとララァは手も触れ合ってなかったのに……うーん80年代だね。
(フォウは、人でありながら人であらざる者、そして儚い生死の狭間を生きる者だから、やはりモラトリアムだ)

恐縮です。Amazon 1位獲得

 再三お知らせしている、ヒカリ真王子さんの新曲「見つけて群馬」ですが。
 昨日の17時台&18時台のAmazonデジタルミュージックの演歌ランキングで、なんと堂々の1位獲得しております。

Amazon 売れ筋ランキング: アルバム – 148位 (アルバムの売れ筋ランキングを見る)
87位 ─ J-POP (アルバム)
1位 ─ 演歌・歌謡曲・その他邦楽 (アルバム)

 こんなに応援して下さる方がいるとは思いませんでした。制作させて頂いた立場として、改めて皆様にお礼を申し上げます。
 やはり良い曲を良い歌手の方が歌って世に出せば、ちゃんと理解してくれる方がまだまだたくさんいらっしゃるのだな、と、胸が熱くなりました。
 今後とも初心貫徹の意気で制作して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

「見つけて群馬」Amazon 6位

昨日深夜の時点でのデジタルミュージック・ランキングにおいて、「演歌・歌謡曲・その他邦楽」で6位を達成しました。

Amazon 売れ筋ランキング: アルバム – 678位 (アルバムの売れ筋ランキングを見る)
266位 ─ J-POP (アルバム)
6位 ─ 演歌・歌謡曲・その他邦楽 (アルバム)

こんなに聞いて頂けて、制作させて頂いた側としても大変幸せです。
皆様、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

「見つけて群馬」配信開始

 先日こちらでPVをご紹介したご当地ソング「見つけて群馬」ですが、主要各配信サイトで配信が始まりました。

アーティストページ
https://www.tunecore.co.jp/artist/Hikari-maoji

 気鋭の新人演歌歌手「ヒカリ真王子(まおじ)」さんの熱唱が光るコミカル曲です。ソフトで甘いハートフルボイスでの演歌は、現代的で稀有な存在感です。
 これからぐんぐん活躍されていく方なので、いまヒカリ真王子さんのファンになっておくとおトクですよ。どんどん階段を駆け上がっていくところをリアルタイムで体験できます。こちらの奥様方や、そちらのお嬢様方も、いかがでしょうか。

「見つけて群馬」公開

 昨年当方で制作させて頂きましたコミカル調のご当地ソング「見つけて群馬」が、Youtubeで公開になりましたので紹介させて頂きます。

 群馬県のご当地ソング(演歌)なので観光地の名前を曲の中に織り込んでいます。歌は演歌歌手の「ヒカリ真王子(まおじ)」さんです。
 皆様どうぞよしなにお願い致します。

ムード歌謡とシティポップの関係

 名曲「中央フリーウェイ」の先日書いた話で、ひとつ書き忘れていた。それは昭和の時代にあったいわゆるムード歌謡について、今はご存知のように消滅してしまったのですが。
 もしかしたらそれは、シティポップの方に発展・吸収されていったという部分もあるんじゃないかと。もちろん全部ではないが、ムード歌謡の一部分はシティポップに進化していったのではないか、という仮説を立てています。
 というのは、ムード歌謡は本当に泥臭いものもある反面、めったやたらにお洒落で、ありていに言えば「日本にローカライズされた洋楽」という体裁のものもたくさんあったのですね。アレンジャーがいい意味で遊びまくっていて、音楽的に非常に面白いアレンジになっていたりする。今聞いてもカッコイイ感じなんですわ、もちろん当時はストリングスもブラスも生だしね(レコード会社の自社スタジオにプレイヤー常駐のところもあった)。まあいい面ばかりでなくてピッチが悪い弦とかも時々いるが(w)。

 ググってみると、ムード歌謡の衰退は、夜の街から酒場やキャバレー等が消えていった時期と重なっている、やはりムード歌謡はそういう場所で一番歌われていたから、などと書いてある。だからこれもバブル期くらいに、日本の社会が変質していったことと関係がある可能性が高い。ムード歌謡も最後期はサンプリング楽器(ハード)が入るわシンセが入るわ、という曲もあって、古くからの酒場も新しい風が入っていたのかもしれないけど、結局ジャンルとしては消えていくんですね。
 この時期はもうお洒落な部分はシティポップに、泥臭い部分は演歌に分裂していったのかもしれません。その演歌も森進一さんが大滝詠一さん作の曲を歌ったりと、むしろAORみたいな動きもあったりした。

 ムード歌謡の、気取らない飾らない、文字通り人の心に寄り添うような歌、人の心のダメなところネガティブなところを慰めてくれるような歌の世界、こういうのはジャンルと共に消えてしまったわけで、復活してもいいんじゃないかと自分は思うんですけどね。今のJ-POPではカバーしていない世界だし。ほんと、大人の世界よムード歌謡は。まあR30、30歳未満はお断りみたいな世界だな。今の時代ならむしろR40が近いかもしれない。
 大人のリスナーを音楽の世界に呼び戻せば、業界は絶対に復活すると思うんです。それには大人の耳が肥えたリスナーを満足させるような楽曲が無論必要。そんな曲を書いてみたい、と日々つらつらと考えているわけです。