新年シンフォニックジャズ

 大晦日~新年の年またぎの時間帯で毎年TV東京でやっている東急ジルベスターコンサート、東京フィルハーモニーががっつり演奏を聞かせてくれるのですが、今年も行われていました。コロナのため、チケット払い戻しで無観客だったのに、堂々の全プログラム演奏。東急の男気を見た。といっても後半少ししか見られなかったけど、これがちょうど良いところだったようで、なんとジャズの小曽根真トリオが出演、東フィルとのガチ生共演ですよ。曲は小曽根さんオリジナルの「No Siesta」でしたが、物凄かった。この曲、結構なアップテンポの16ビートジャズなのですが、完全にフルオケアレンジされていて、複雑なキメやらハモやらギミックが絡み合い、それらを全部小曽根さんのピアノが引き受けてリード、圧倒されるうちに6分以上にも渡る曲が終っていた。まさにシンフォニックジャズの頂点、テンションボイシングの宝石箱や~、って感じ。
 この「No Siesta」という曲、原曲もかなり複雑なグルーブ感で、トリオ編成でありがながら、16ビート+8分裏打ち+ピアノ左手リフが交錯してます。それをそのまんま東フィルが踏襲してくるとは……唖然。海外有名フィルでもバンドとの共演だと全くリズムに乗れてない演奏はよくありますが、東フィルさんは違いますね。コンサートマスター席の女性が、弦が休みの時にトリプルグルーブで身体を揺らせていたので、これは確実(笑)。
 いやー新年早々とてつもない演奏を聞かせて貰いました。お陰で1年分のパワーを貰った感じ。もしどこかで見られる機会があれば皆様も是非。
(一体どうやってこんな演奏を仕上げたのか。今オケも感染考えたら命がけなわけで、その気迫が乗っていたのかも……。指揮者の方は大変そうでしたw そしてこのオケに負けない小曽根トリオのパワーこそ超一級。グルーブは結局トリオが司令塔なので)