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水無月のボヤキ漫才?

 黒人差別問題にせよ、あまりアメリカのことは言えないよな、と心から思う、そりゃ日本だって差別はありますからね(アメリカほど苛烈ではないと信じてますが…)。どこの国にもある、これは少しづつでも努力して撲滅に持っていくしかない。

 ジャズの原型(というか黒人音楽そのもの)が生まれたのは、定説ではアメリカの南北戦争で、敗れた南軍の軍楽隊が楽器を放り出して逃げたので、それを手に入れた黒人たちが音楽を始めたのがきっかけ、ということでしたね。
 最初、それを聞いた白人の中でもトランプみたいな奴(w)は、やっぱり黒人は何をやらせてもダメだ、調子外れだ、なんて言っていたそうだけど、音楽がわかる人はこれは大変なことが起こっているぞ、とわかったらしい。ブルーノートという非常に魅力的な音程が生まれていたんですね。そしてリズム(グルーブ)が白人とは全く違うことも明白だった。
 それがもう今日まで続く素晴らしいブラックミュージックの発展に繋がっていくんだから。商業的にも非常に大きいですからね。今のR&B(おっさんの自分はモータウンみたいなの想像するが、要は昔のソウルやらブラコンやらあの辺全部取り込んでいるみたいw)は商業音楽の中でも最も売れ線でしょう。

 ラッパーも(日本ではあまりウケないがw)、黒人ばかりが目立っている印象。それで思い出したけど、やはり何かのルポに書いてあったと思うけど、70年代から既にアメリカ英語のかっこいいスラングは、全部黒人発になっていると。黒人がクールなスラングを作って使い始めて、それを白人が真似して、そうすると黒人が「ダッセー奴らが使い始めたぜ。やめよう」ってなって流行が終わるらしい(w)。
 ポピュラー音楽界にも、それこそマイケル・ジャクソンをはじめ、大スターが数えきれない位いるからね。未だに差別がなくならないのが不思議。

 まあ、アメリカも白人=成功者じゃなくて、貧困層の白人もたくさんいるわけだから、一筋縄ではいかない。それらの「忘れ去られた人々」の票を掘り起こしたのがドナルド・トランプなので事態はとても複雑。そして、没落した白人貧困層を発生させたのが、80年代からのバブル日本だったりするので。だからトランプは日本を攻撃して支持者から喝采を浴びる。
 その日本も没落に没落を重ねて今や先進国とはいえない有様(すでに国民の多くが中間層から脱落している)。中国に抜かれ韓国に抜かれ。どうなるんでしょうね。ボヤキ漫才か。

 今の日本の若者は大変だと思うよ、政府が借金に借金を重ねてジャブジャブ無駄使いしているから。支払いは全部未来にやってくる。投票するときはよく考えた方がいいぞ。

Whatever you say, I’m not a dreamer

 人種差別問題、日本にいるとなかなか実感が湧きませんが、昔読んだ吉田ルイ子氏のルポ諸作で、黒人差別については何度も米国で問題になってきた、という話は知識としては知っていました、といってもこれも実感を持って語れるような話ではないが。ただ、自分はジャズが好きで高校時代から聞いていたので、その周辺でやはり黒人音楽の発展は差別との闘いを無くしては語れないという言説はたくさん読んだし、こちらは多少実感を持って語れますね、ジャズが素晴らしいのはもう絶対的事実なので。

(そして、これだけポピュラーになったアメリカ発のオリジナル音楽=ジャズが、本国ではなんとカウンターカルチャー扱い、という仰天するような話も知りました。ちょっとでも音楽やっている人なら、ジャズが現代の音楽理論に与えた巨大な影響はみんな知ってますよね。なんでそうなるのか。なんと根本的には差別があるからだ、というのですね)

 そもそも音楽をやっている人で人種や国境で何かを区別・差別しようという人がいることが自分には信じられませんが……。本当に関係ない、そんなことは。音楽の価値はそんなものを超えたところにある。いや、ちょっとでも音楽を深く聞くことを覚えた音楽マニアなら、既にそういう意識でしょう。
 ところがまあ、音楽家も多様性の中に生きているので、哀しいかな多少はそんな人もいることはいるのは事実ですが。全体の1%もいないのでは……0.1%くらいか?もっと少ないかもね。
 音楽は、根本的には「調和」のなかでしか響かないものなので、戦争大好きって人も当然いませんね、基本的に。平和がないと音楽は存在が難しくなる。(軍事国家の提灯持ち音楽の類は別) 例外は一部の社会派ラップかな?これも戦争というより運動・闘争だろうけど。

 あまり暴動状態にならずに、平和的に解決していってほしいものですが。アメリカは黄色人種差別、インディアン(ネイティブアメリカン)差別もあるからなあ。

(今思い出したが、『ミスター・ソウルマン』というコメディ映画で、スーパー日焼けランプで黒人になりすました白人大学生が、散々な目に遭う話。車で走ってたらセンターライン踏んだだけで警官に暴行され、牢屋にぶち込まれる。こんなの日常茶飯事という解説が載ってたが、本当だったのですね)

ジミヘンのギターでトリップ?

 ふと思い立って、ジミ・ヘンドリクスの曲をYoutubeで探してみました。当時の映像はフィルムだと思いますが、デジタル修復されたのか、驚くほどクリアで発色の良いものが見つかりますね。ついでに音の方も処理されたのかなかなか良い状態。以下はそんな映像の一つ。

 これもフェスでのライブ映像らしいけど、プレイの様子がこんなに克明に見られるのはそれだけで歴史的価値があります。結構、右手だけで音を出しているフレーズがあったりしますね(左利きなので、右手はフレットを押さえる方の手)。右利き用のストラトを逆さにして強引に使うところなんか、もう60年代のカウンターカルチャーの象徴のようなもの。
 楽器が身体の一部のようになっている。インプロヴィゼーションとしても言うまでもなく素晴らしい。こんな人がドラッグのせいで若くして亡くなったのだから、本当にドラッグカルチャーというのは(生み出したものもあるにせよ)、罪深い。
 何度も書いてるけどソニー・ロリンズなんか、廃人同様のとこから復活できたのは、正に奇跡だったでしょう。(並外れてメンタルもフィジカルも、音楽への想いも強かったと思う)

 ディストーションの掛かったハイの強いストラトのソロを延々聞いていると、実はそれだけでトリップしてしまいます。60年代という時代に(自分はまだ子供だったが)何故か引き戻されてしまうのだから、音楽というのは本当に不思議です。そういえばこの人はサイケデリックでもあったのでしたっけ。だからこの衣装なのか?(w)袖が広がっていてギター弾きにくそうだ。

 ジミヘンじゃ極端ですが、こういう自分のスタイルを強固に持っている名プレイヤーに曲を書こうと思ったら(あるいは曲に参加してもらおうと思ったら)、脚本の当て書きみたいに曲も当て書きするしかなさそうですね。(あるいはソロだけまかせるか)
 こういうのはボブ・ジェームスが得意でした、スティーブ・ガッドを起用した「はげ山の一夜」なんかその典型。プレイヤーのことを熟知していなければいけない分、普通のアレンジより数段難しくなるでしょう。(当然、スティーリー・ダンの事例のように、没も出てくるはず)

 ジミヘンは、ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演が死去により実現しなかった話が有名ですが、今回調べてみたら、それ以前にマイルス・デイヴィスとも親交があり、マイルスの自宅で行われていたセッションには何度か参加していたらしい(!)。マイルスから非常に高い評価を得ていて、2度ほど共演話があったが流れ、3度目でギルとマイルスとジミヘンでコラボする予定だったのとこと。もし実現していたら、ジャンルを超える歴史的名盤、どころかここから新しい音楽ジャンルが生まれていたかもしれません。

 ギルは、ジミは本当はジャズミュージシャンだ、彼は恥ずかしがりやだからそれを認めないだけ、と言っていたとか。

(今回、ジミヘンの顔って誰かに似ているな、と思ってしまったのですが、よく考えたら若い頃のカルロス・サンタナと似てません? 驚愕の大発見、かも?w)

向谷実さんの珠玉のピアノ

 今回は、ここで四の五の説明する前に、日本を代表するミュージシャンのお一人、向谷実さんの珠玉のピアノ演奏をお楽しみ下さいませ。

 明治の大作曲家、成田為三さんの名曲「浜辺の歌」(作詞・林古渓)、この日本人なら誰でも知っている歌曲を、流麗なハーモナイズで蘇えらせておられますね。ここで紹介するまでもなくもう3万回以上再生されてますが……(w)。
 これは本当に心に染みます。たぶん海外のプレイヤーでは、どんな名手でもこんな風に楽曲の良さを引き出せないでしょう。

 最後のお洒落な半音下降のところ、例のアレだと思いますが、自信がないので断言はしません(我ながらちょっと情けない?)。少なくともdimではないと思いますが、テンションが当たっている気がするので多分。

 向谷実さんは、マルチキーボードのプレイスタイルを極められた方なので(明らかにオーソリティの一人)、ルーツ楽器はオルガン系かと思われがちですが、実はピアノですからね。
 こうしてみると、アップライトピアノというのも、グランドピアノには絶対ない持ち味があるなあなどと感慨に耽りました、まあ名手が弾いた時限定かもしれませんが。

 これは秋田内陸線の新列車運行記念イベントでの一コマらしいです。この駅では接近を知らせる音楽も、向谷さん作曲のものが流れているとのこと、ご興味のある向きはツイッターを辿って下さい(すぐ下です)。この到着音楽も考えたら環境音楽の一種っすね。

 ……というようなことを書こうとしていた矢先、なんとこの6月には、向谷さんが率いるビッグバンドでのコンサートがあるとのニュースが。豪華メンバー等詳細は[こちら]をご覧いただくとして、ドラムスは神保彰さん。ぬおお。
 「向谷実と輝くオーケストラ」から35年ですか、ついに本物のビッグバンドが結成されるとは……。(輝くオーケストラとは、向谷実さんソロアルバム第1作の中にあった、FMシンセの多重録音による一人ビッグバンド……ですが、調べたら2011年に自主製作版でもあったのですね、勉強不足でした)

 自分も、凄腕ミュージシャンの皆様のお仕事を遠くから拝見しつつ、これからも自分なりにちまちまガンバリマス……。

神保彰さんの新作「26th Street NY Duo」

 遅ればせながら、世界的ドラマー・神保彰さんの新アルバム「26th Street NY Duo」を拝聴しました。いや~もうエガったです(思わず訛った)。

 アダルトコンテンポラリー・フュージョンとでも呼びたくなるような大人のインストゥルメンタル(Smoothというにはまた違うハードさ、シリアスさが底にあります)。なんだかふとMJQ(Modern Jazz Quartet)を思い出しました、不思議です。一音一音の密度・濃度が高いのに、音数は少ないのだから(そう、まるでマイルスのソロのように)、実はスリリングでもあり、次の展開が楽しみで、一度聴き始めたらCDを止めることができません(w)。
 これが実質デュオで演っている音なのだから、驚いてしまいます。

 参加ミュージシャンは、ギターがOz Noy、ベースはWill Lee。二人一度に参加している曲はなく、Oz-Will-Oz-Willとデュオ曲が並ぶ構成。
 Will Leeは、いわずと知れた大ベテランのセッションメンですが(一体世界中で何枚に参加しているか本人もわからないはずw)、今回は非常に落ち着いたプレイ。というか、神保さんの出方を見て少し遠慮しているか、やや楽曲解釈に迷いがある感じはする。
 その分、Oz Noyは激ハマリの大暴れで(といっても節度はありますよ、人のセッションなのでw)、大当たりで楽しめました。方向は違うけど、故Hiram Bullockを髣髴とさせるヤンチャな弾きっぷり。実はこの人のギターは初めて聞きましたがこれはいいプレイヤーっすよ~。
(このあたりの差が、1曲目=withノイ曲という構成になったのかもしれません、まあ憶測ですが)

 前述の通り、音数を絞った神保さんのプレイのカッコ良さ。うーんこれは若いドラマーには無理ですねー、ベテランの余裕と貫禄。そして、もし自分の聞き間違いでなければ、まるで一時転調ならぬ「一時転拍」とでも呼びたくなるような、絶妙なタイミングでのショットが入ったりして、これがまたクール。ただただ脱帽です。
 ステディでタフなタイム感、これはジャズでもロックでもみられない、ジャパニーズ・フュージョンで培った神保彰さん独特のものではないでしょうか。このドラムプレイだけで値千金。

 またミックスがカッコよいのですよねー、実は、今回のを聞いて言うんじゃありませんが、少し前から神保さんのドラムをワンマイクでスタジオブースじゃない場所(練習部屋とか)で録ったらどうなるだろう……かなり面白いんじゃないかな、などと妄想しておりまして(w)。そしたら、まさにこのCDのサウンドがそれに近いじゃないですか! えええ……と驚くとともに、流石にご本人が一番分かってらっしゃるのだな、と。で、ですよねーw
 神保さんのドラムは、いつも現代レコーディング技術の粋を集めた環境での超ハイファイ録音なので(当然、世界最高レベルのドラマーなので)、そうでない音というのは非常に新鮮で面白いです。
 一言で言えばローファイですか、テープっぽい質感もあって、ルーミィなアンビエンスもたっぷり、スネアなんてアンビエンスのお陰で’80年代のゲートリバーブみたいな感じにも聞こえる。このミックスはとにかくクールっす。
(最近の音は全部こうだったのでしょうかね。妄言多謝です)

 あと同期シンセの音が、ユーロラックモジュラー感のあるアナログRAWな感じで非常に尖ってて現代的、これもプログラミングは神保さんなので。(なお全曲書き下ろしオリジナル曲)

 いやー、世界の名ドラマーから世界の今のフュージョンの音を教えて頂きました。アマゾンのカテゴリランキングで(同時発売のもう1枚と同時に)1位になるはずですね。
 フュージョンの可能性を再認識した作品でございました。

秋吉敏子さんの心構え

 この前深夜にTVをつけたらETVで「SWITHインタビュー達人達」という対談番組をやっていて、この回のゲストがなんとジャズピアニストの秋吉敏子さんと、女優の松坂慶子さん。
 秋吉敏子さんといえば、業界最長老のゴッドマザーにして、文字通り音楽界の生きるレジェンドですが(なんと御年90歳)、全然見えないしまだアメリカでバリバリの現役、番組でもピアノを弾いておられましたが、全く衰えがないですね~。
 そして松坂慶子さんがまたお綺麗でして、ご主人はジャズミュージシャンですから、そしてやっぱりお綺麗ですし(しつこいw)これは良い番組が見られました。って言っても全部見られなかったけど、秋吉さんがすごく印象的なことを言っておられて。

 番組は、まず松坂さんがニューヨークのSOHO地区にある秋吉さんのご自宅を訪問するところから始まりました。
 ここで秋吉さんが言っておられたのは、自分は(音楽家として)まだまだだと思っている、でも今日よりは明日は1日分進化しているから、1日1日良いミュージシャンになっている、ということだったんですね。自分はまだまだ、と思うからこそやっていける、慢心してしまったらそこで終り、まだまだだからこそもっと腕を磨こうと生きていける、とおっしゃる。現役音楽家として70年にも及ぶプロ生活を過ごしてきた方がこうなんだから、これは僕らは絶対見習わないといけないことなんでしょうね。
 それでも、やはり年齢のことがあるから、1日寝てばかりという日もあるそうですが。歳をとっても、それだけ経験を積めばより良いミュージシャンになっていけるはず、ということです。凄いなぁ~。

 秋吉敏子さん、アメリカでのデビューが1953年なんですね。もう驚くなかれですよ、昭和53年じゃないよ(笑)、ガチガチのモダンジャズ全盛期、普段うんちく三昧のジャズマニアがぶっ倒れるよ。
 戦後、九州のジャズクラブで演奏をはじめて、その後東京へゆき、そこで来日したあのオスカー・ピーターソンに見出され、渡米してレコードデビュー。
 当時、向こうのTVに出てたときのビデオが流れてましたが(よく残ってたな)、着物を着てクイズ番組に出演、この日本から来たお嬢さんの職業は何でしょう、みたいなやつ。正解後、スタジオでピアノトリオ演奏するわけです。こういうのは嫌う人は嫌うかもしれませんが、秋吉さんは宣伝になると思ってどんどん出演したらしい。実際それで結構名が売れたそう。そのあたりは流石にショーマンシップ溢れるジャズメンって感じですか。
 ご主人はサックス&フルート奏者のルー・タバキンだし、秋吉・ルーの双頭ビッグバンドじゃ、そりゃお客来ますよ。二人いっぺんに見られる上にビッグバンド、一粒で三度おいしい状態だし。
 うーん、このあたりで時間切れで全部見られなかったのよ、残念。

 以下はおまけ。秋吉さんといえば、「ジャズと生きる」という自叙伝がありますが、この中の渡米後初日夜のエピソードがなかなか衝撃です。知り合いのジャズメンに連れられて、ジャズクラブに行った。演奏していたのはなんと帝王マイルス・デイビス。ビバップばりばりの頃でっせ、1953年なので。
 そしたらマイルスが「一緒に演るか」とゲストに誘ってくれた。ところが緊張とパニックのあまり「NO!」と言ってしまった(笑)。
 その夜のマイルスは「おれって本当は…嫌われているのかな…」などとカウンターで俯いて独りバーボンをあおっていたという。いやそれは嘘ですが。
 怖い怖い、アメリカでデビューするってこういうことなんだよなあ、と。その後、マイルスとは無事共演したそうですが。

 もうこのまま10年でも20年でも現役でいて頂きたい、日本が誇る世界の秋吉敏子さんのお話でした。

新表記法: 4度堆積和音

 雑誌の音楽理論の記事を見ていて思ったこと。フュージョンやジャズはやはり4度堆積和音の利用頻度が高く、だからこれらの音楽をずっと聞いていた自分も、知らず知らすのうちに馴染んで好きになっていたんだな、と。
 ボカロ曲を書き始め、コードを自分で決められるようになって(最初は、なんとDAWの自動判定機能に頼っていた!←メロから判定)、結構初期からsus4コードが好きで、なんでこんなに惹かれるか分からなかった。結局既存のコード体系のなかで、一番4度堆積と親和性があるコードだからなんですね。なんせ4度の音がしっかり入っている。
 そしてこいつは、メジャーでもマイナーでもない不思議なフレーバーで、ちょっと浮遊感があり、オリエントな雰囲気もある面白いやつでもあります(作曲勢の皆様は先刻ご承知ですね)。
 昔のポップスなんかだと、「Csus4 | C 」みたいな進行が常套句だったのですが、自分は結構知らん顔して他のコードに進んじゃったりとか(笑)、理論知らないうちからやってましたが、これは正しかったのだと後に知りました。現代曲だとそういうのは結構ある、違うsus4が連続したりとか。もう独立した和音のようなっている。これなんかも、たぶん考え方としては4度堆積の方から引っ張ってきたと思っていいのでしょうね、あちらは明確なコードケーデンスもないから(むしろ既存のケーデンスに組み込まれていない、という言い方のほうが正しいか)、どうやら感覚的に使う世界のよう。非機能というより脱機能っていう感じですかね。自分も曲では結構こういう使い方です、昔よりは控えているけどw こうやってちょっと解析不能なところを作っておくと、やっぱり曲のアクセントになって面白いんですよ。

 まあそれはともかく(長い前置きだw)、音楽理論(コード理論)は3度堆積和音を主眼に考えられているから、ここに4度堆積を持ち込もうとすると、コードネームの表記に非常に苦労するわけです。それでも皆さん、なんとかかんとか既存の和音の展開形を使うことで、4度堆積を表現しているのですが、いかんせんやはりパッと見わかりにくい。譜面にコメントで書いておくという方法もありますが、できればそろそろ4度堆積を表すコード表記を考えてもいいんじゃないか、とふと思いました。まあこれが必要なのは、フュージョン&ジャズ業界が中心になるのでしょうが……。オンコードだのオミットだの、オプションがたくさん付いてしまう現状を、なんとか打破できないか、というひとつの試案です。

 例えばCからの4度堆積

    C-F-Bb

 こんな和音があったとします。既存の表記だと「C7sus4 omit5」ですね。
 これを、CM7とかCmとかと同じく、簡単に書きたい。
 だったらQUAD(ラテン語で4が語源)からもってきて、4度堆積和音には「Q」を付けてはいかがでしょうか。
 「CQ」です。若干アマチュア無線を思い出しますが、それならCMだってコマーシャルですからね。
 今のは3和音(トライアド)でした。4和音(テトラド)の場合は、「CQ#9」あたりがよろしいのではないでしょうか。4音目が#9になるので。

 この表記が良いのは、ひと目でベースになる音がわかること。CQならCだし、FQならFです。いかがですか?
 もしかしたら、というか絶対こういうことを考えている人は世界のどこかにいると思うのですが、自分が知る限りでは見当たらないので、とりあえず提唱してみました。
 今後4度和音が理論に組み込まれていく(というか、モード理論とかあるけど)過程があるなら、絶対に簡便なコード表記は必要になるはず。

 まあこういうのは広まらないと意味がないので、このローカルブログで言っていても仕方ないのですが(笑)、とりあえず、自分はこの表記で便利になるかどうか、自分で書いていく曲では使ってみてセルフ人体実験してみることにします。DAWのコメント機能でスコアに入れればいいだけだからね。何か新しい知見が生まれるかもしれないし、そうなったらまた報告します。

(世の中には5度堆積ってのもあるそうで、こっちは表記するとしたらPentaのPかな?)

(何か致命的に変なこと書いてないか、ちょっとドキドキ)(笑)

エロいミュージシャン

 何気なくYoutubeを見ていたら、原信夫とシャープス&フラッツの「シング・シング・シング」の動画が出てきて、これは見たい!とクリックしました。

 演奏は流石、もうビッグバンドジャズの最高峰という感じですが、コメント欄の皆さんが「エロい」って言っていて思わず笑ってしまった。曰く、大人の色気が溢れている、中高生が頑張ってますみたいな演奏とは大違い、どうやったらこんなにエロくなれますか、だそうです(w)。
 確かに、この円熟のプレイ、言われてみればエロいとしか表現しようがない。シャープス&フラッツは2010年に、バンマスの原さんがご高齢になられたこともあり活動停止していますが、若い子たちにネットでこんな風に言われていると知ったら、原さん始めメンバーの皆さん喜ばれるだろうなあ、と。
 しかし大人の色気とは、まさに言い得て妙。コメントは楽器をやっている人が多そうな印象だけど、だからこの演奏の価値が伝わるんでしょうね。
(海外から英語コメントも一杯!やっぱりこの凄さインターナショナルですわ)

 シャープス&フラッツはジャズナンバーだけでなく、歌伴も超一流だからなあ。こんな人たちが歌謡曲の伴奏をしていたんだから、そりゃ曲も売れるわけっすわ。
(ちなみに、インスト曲をやるときとは別の難しさが歌伴にはあるようで、必ずしもいいインストバンドが良い歌伴ができるわけでないようです。別スキルということです)

 そういえば美空ひばりが20代のときに吹き込んだジャズアルバムがあるんだけど、これ最初ラジオで聞いたとき、英語の発音も綺麗だし、「ん。ドリス・デイかな?にしては録音が新しいな」と思ってて(w)、まあ美空ひばりさんと知って仰天したんだけど(本当に天才!)、伴奏なんかどう聞いてもニューヨークの超一流ビッグバンドとしか思えなくて。もちろんシャープス&フラッツでした。ジャズマニア捕まえて音聞かせてクイズ出したらいいと思う、絶対わからないですよ。本格ジャズシンガー&東海岸ビッグバンドそのものなので、この録音は。
 いやーレベルが高い人には同レベルのバックバンドがつくもんですよ。すごいよね。

「転拍」という概念

 最近考えていたことをつらつらと。

 これまで何度か書きましたが、音楽理論には実は重大な欠陥があって、それはリズムを全く規定・体系化できていないこと。「音楽」理論というからには、音楽の重要な要素であるリズムについて、なにかコミットしなければならないはずですが、見事に丸っと抜け落ちていますね。
 まあ音楽理論といっても、実態はコード(和声)理論だし、ちょっと調べれば彼ら(?)もそう自称しているのですが、それでも往々にして「ザ・音楽理論」のような顔をしているのも事実。極めれば全ての音楽を制したことになる、かのような勢いですが、実はそんなことは全然なくて、まあ理論を極めた人になるだけで。早い話陸サーファーですわ。なんか怒られそうな展開になったきたが(w)、そろそろ戻ると、とにかくリズムについては音楽理論は何も言っていないし、自分で色々な音楽を聞いて研究・体得していくしかない。
 なぜこうなったかは判りませんが、ただ理論の成立過程からして、たぶんリズム軽視という要素は大きかったんじゃないかと。考えたら20世紀に入ってジャズメンが理論を整理したときも、リズムについては何もしなかったんですね。

 で、まあ、体系化も規定もされてないってことは、自由度も非常に大きいわけで、音楽の根源であるからこそ(リズムがなければハーモニーもメロディも存在しません、リズム=時間なので)、様々なパターンが考えられるし、コード理論が行き詰っても、リズムが枯れたり劣化クローンだらけになることはないでしょう。常に新しい物が生み出されてゆく、そして古いものも残り続ける。(陳腐なものはどの分野にもあるでしょうけどね)

 実は、作曲家の腕の見せ所に、カッコ良いリズムを作れるか、ってのは絶対にあると思います。今日的にいうなら、ベース・ドラムをはじめ、リズムセクション全体で曲を盛り立てるアレンジができるか、ってことですね。

 今書いてるデモ曲で、仮歌まで終ってミックス中で放ってある(仕事が入ったので)曲があるのですが、この中でやっているのが転調ならぬ「転リズム(拍)」。リズムセクションが、ドラムマシンから生ドラムへスイッチします。面白い効果が出ます。
 リズムパターンとしてはそれほど変わってないのですが、名アレンジャーだと曲の途中で本当にリズムがコロッと変わってしまう例もあります。しかも不自然でない。正に転調のように、転リズムで曲調を変化させるわけ。ぼーっと聞いている人にはわからないだろうけど。

 リズムをこのように自由自在に扱えてこそ、現代の作曲家といえるのではないでしょうか。自分はまだまだ、このあたりは修行中。
 実はこれ、フュージョンにはよくありましたね。今すぐ思い出せるのは、スパイロ・ジャイラの「モーニング・ダンス」の中の曲とか、カシオペアの「MAKE UP CITY」に入っている曲とか。流石フュージョンの名手・名バンドの皆様は、抜群のセンスでリズムをコンロールしていらっしゃいます。

 歌物でも必要あればガンガン使っていきたい、と思う次第です。業界の諸先輩方はもちろんこういうアレンジを既に使ってらっしゃいますが。

ガンダムという巨大コンテンツ

 深夜何気なくTV付けたら、NHKでアニメ「ガンダム THE ORIGIN」が流れてて、つい引き込まれてしまう。ちょうど再放送で、1~3話だったかな? 乗り遅れ組への救済策か。最近ドラマもアニメも全然見てなかったが、これは乗っかろうかと。
 時系列的には最初のTVシリーズの前で、シャアがいかにしてシャアになっていったか、辺りから描く話なんですね。ガンダム知らない人には何のことかわからんだろうけど(w)。この最初のシリーズが、もう40年前の放送なんだから、驚くべき息の長いコンテンツです。
 以下、知らない人に無配慮なガンダムネタ続きます。

 若き日のランバ・ラルとハモン(愛人的な?)が出てきたんだが、ハモンはジャズ・シンガーでクラブで歌っていたんですね。ランバラルはそのヒモ&用心棒、ジオン軍を追放されてからそんな生活だったのか。
 このバンドの中にテナー・サックスがいたんですが、この人がどっかで見たことがある感じで、いやこれソニー・ロリンズやないかーい、と(笑)。他には現代風ないかにもバンドマンの方々。演奏シーンは割りとちゃんと動いていたので、ライブアクション(=演奏ビデオを元にアニメを書き起こす)かもしれません。最近はちゃんとバンドのシーンで実際に即した動きになってることが多いですね。

 そこへ悪酔いした連邦軍の不良軍人が絡んきてラルと大立ち回りになるのだが、バンドマンたちが楽器を庇いながら隅に寄る行動がまたリアル。このあたりも、実際にミュージシャンに意見を聞いたのかも? まず楽器庇いますよね、やっぱ。

 大立ち回りといえば、モビルスーツ戦はすべて3DCGなのですが、昔と違ってちゃんと重量感のある動きになってきてて、ほう、かなり見れるようになったなあ、と。このジ・オリジンは人間ドラマ主体でロボットはむしろオマケなので、このあたりも昔と違って面白い。昔のロボットアニメは、玩具メーカーの宣伝のために作られていたんだから。

 音楽ネタ関連だと、しばらく前、やはり深夜にNHKスペシャル・ガンダム1stの秘密的なやつが流れてて、キングレコードの幹部の方が出演されてました、当時のサントラの話。LPレコードで、vol.1はジャケットがいかにも子供向けアニメな感じ、これは数千枚しか売れなかったと(今からするとこれでも凄い数字だけど)。そこでvol.2は安彦良和の描き下ろしジャケ+ポスター付きにしたら、初回だけで10万枚だかの数が出てしまった。実は1の方に主要なBGMはすべて収録してて、2はその残りだったそうですね。音楽的にはそうなのに、そんなことになってしまった。それでキングとしてはアニメに本腰入れるようになったそうです。

 頑張ってリピート見て最新話に追いつくぞ~。