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新表記法: 4度堆積和音

 雑誌の音楽理論の記事を見ていて思ったこと。フュージョンやジャズはやはり4度堆積和音の利用頻度が高く、だからこれらの音楽をずっと聞いていた自分も、知らず知らすのうちに馴染んで好きになっていたんだな、と。
 ボカロ曲を書き始め、コードを自分で決められるようになって(最初は、なんとDAWの自動判定機能に頼っていた!←メロから判定)、結構初期からsus4コードが好きで、なんでこんなに惹かれるか分からなかった。結局既存のコード体系のなかで、一番4度堆積と親和性があるコードだからなんですね。なんせ4度の音がしっかり入っている。
 そしてこいつは、メジャーでもマイナーでもない不思議なフレーバーで、ちょっと浮遊感があり、オリエントな雰囲気もある面白いやつでもあります(作曲勢の皆様は先刻ご承知ですね)。
 昔のポップスなんかだと、「Csus4 | C 」みたいな進行が常套句だったのですが、自分は結構知らん顔して他のコードに進んじゃったりとか(笑)、理論知らないうちからやってましたが、これは正しかったのだと後に知りました。現代曲だとそういうのは結構ある、違うsus4が連続したりとか。もう独立した和音のようなっている。これなんかも、たぶん考え方としては4度堆積の方から引っ張ってきたと思っていいのでしょうね、あちらは明確なコードケーデンスもないから(むしろ既存のケーデンスに組み込まれていない、という言い方のほうが正しいか)、どうやら感覚的に使う世界のよう。非機能というより脱機能っていう感じですかね。自分も曲では結構こういう使い方です、昔よりは控えているけどw こうやってちょっと解析不能なところを作っておくと、やっぱり曲のアクセントになって面白いんですよ。

 まあそれはともかく(長い前置きだw)、音楽理論(コード理論)は3度堆積和音を主眼に考えられているから、ここに4度堆積を持ち込もうとすると、コードネームの表記に非常に苦労するわけです。それでも皆さん、なんとかかんとか既存の和音の展開形を使うことで、4度堆積を表現しているのですが、いかんせんやはりパッと見わかりにくい。譜面にコメントで書いておくという方法もありますが、できればそろそろ4度堆積を表すコード表記を考えてもいいんじゃないか、とふと思いました。まあこれが必要なのは、フュージョン&ジャズ業界が中心になるのでしょうが……。オンコードだのオミットだの、オプションがたくさん付いてしまう現状を、なんとか打破できないか、というひとつの試案です。

 例えばCからの4度堆積

    C-F-Bb

 こんな和音があったとします。既存の表記だと「C7sus4 omit5」ですね。
 これを、CM7とかCmとかと同じく、簡単に書きたい。
 だったらQUAD(ラテン語で4が語源)からもってきて、4度堆積和音には「Q」を付けてはいかがでしょうか。
 「CQ」です。若干アマチュア無線を思い出しますが、それならCMだってコマーシャルですからね。
 今のは3和音(トライアド)でした。4和音(テトラド)の場合は、「CQ#9」あたりがよろしいのではないでしょうか。4音目が#9になるので。

 この表記が良いのは、ひと目でベースになる音がわかること。CQならCだし、FQならFです。いかがですか?
 もしかしたら、というか絶対こういうことを考えている人は世界のどこかにいると思うのですが、自分が知る限りでは見当たらないので、とりあえず提唱してみました。
 今後4度和音が理論に組み込まれていく(というか、モード理論とかあるけど)過程があるなら、絶対に簡便なコード表記は必要になるはず。

 まあこういうのは広まらないと意味がないので、このローカルブログで言っていても仕方ないのですが(笑)、とりあえず、自分はこの表記で便利になるかどうか、自分で書いていく曲では使ってみてセルフ人体実験してみることにします。DAWのコメント機能でスコアに入れればいいだけだからね。何か新しい知見が生まれるかもしれないし、そうなったらまた報告します。

(世の中には5度堆積ってのもあるそうで、こっちは表記するとしたらPentaのPかな?)

(何か致命的に変なこと書いてないか、ちょっとドキドキ)(笑)

エロいミュージシャン

 何気なくYoutubeを見ていたら、原信夫とシャープス&フラッツの「シング・シング・シング」の動画が出てきて、これは見たい!とクリックしました。

 演奏は流石、もうビッグバンドジャズの最高峰という感じですが、コメント欄の皆さんが「エロい」って言っていて思わず笑ってしまった。曰く、大人の色気が溢れている、中高生が頑張ってますみたいな演奏とは大違い、どうやったらこんなにエロくなれますか、だそうです(w)。
 確かに、この円熟のプレイ、言われてみればエロいとしか表現しようがない。シャープス&フラッツは2010年に、バンマスの原さんがご高齢になられたこともあり活動停止していますが、若い子たちにネットでこんな風に言われていると知ったら、原さん始めメンバーの皆さん喜ばれるだろうなあ、と。
 しかし大人の色気とは、まさに言い得て妙。コメントは楽器をやっている人が多そうな印象だけど、だからこの演奏の価値が伝わるんでしょうね。
(海外から英語コメントも一杯!やっぱりこの凄さインターナショナルですわ)

 シャープス&フラッツはジャズナンバーだけでなく、歌伴も超一流だからなあ。こんな人たちが歌謡曲の伴奏をしていたんだから、そりゃ曲も売れるわけっすわ。
(ちなみに、インスト曲をやるときとは別の難しさが歌伴にはあるようで、必ずしもいいインストバンドが良い歌伴ができるわけでないようです。別スキルということです)

 そういえば美空ひばりが20代のときに吹き込んだジャズアルバムがあるんだけど、これ最初ラジオで聞いたとき、英語の発音も綺麗だし、「ん。ドリス・デイかな?にしては録音が新しいな」と思ってて(w)、まあ美空ひばりさんと知って仰天したんだけど(本当に天才!)、伴奏なんかどう聞いてもニューヨークの超一流ビッグバンドとしか思えなくて。もちろんシャープス&フラッツでした。ジャズマニア捕まえて音聞かせてクイズ出したらいいと思う、絶対わからないですよ。本格ジャズシンガー&東海岸ビッグバンドそのものなので、この録音は。
 いやーレベルが高い人には同レベルのバックバンドがつくもんですよ。すごいよね。

「転拍」という概念

 最近考えていたことをつらつらと。

 これまで何度か書きましたが、音楽理論には実は重大な欠陥があって、それはリズムを全く規定・体系化できていないこと。「音楽」理論というからには、音楽の重要な要素であるリズムについて、なにかコミットしなければならないはずですが、見事に丸っと抜け落ちていますね。
 まあ音楽理論といっても、実態はコード(和声)理論だし、ちょっと調べれば彼ら(?)もそう自称しているのですが、それでも往々にして「ザ・音楽理論」のような顔をしているのも事実。極めれば全ての音楽を制したことになる、かのような勢いですが、実はそんなことは全然なくて、まあ理論を極めた人になるだけで。早い話陸サーファーですわ。なんか怒られそうな展開になったきたが(w)、そろそろ戻ると、とにかくリズムについては音楽理論は何も言っていないし、自分で色々な音楽を聞いて研究・体得していくしかない。
 なぜこうなったかは判りませんが、ただ理論の成立過程からして、たぶんリズム軽視という要素は大きかったんじゃないかと。考えたら20世紀に入ってジャズメンが理論を整理したときも、リズムについては何もしなかったんですね。

 で、まあ、体系化も規定もされてないってことは、自由度も非常に大きいわけで、音楽の根源であるからこそ(リズムがなければハーモニーもメロディも存在しません、リズム=時間なので)、様々なパターンが考えられるし、コード理論が行き詰っても、リズムが枯れたり劣化クローンだらけになることはないでしょう。常に新しい物が生み出されてゆく、そして古いものも残り続ける。(陳腐なものはどの分野にもあるでしょうけどね)

 実は、作曲家の腕の見せ所に、カッコ良いリズムを作れるか、ってのは絶対にあると思います。今日的にいうなら、ベース・ドラムをはじめ、リズムセクション全体で曲を盛り立てるアレンジができるか、ってことですね。

 今書いてるデモ曲で、仮歌まで終ってミックス中で放ってある(仕事が入ったので)曲があるのですが、この中でやっているのが転調ならぬ「転リズム(拍)」。リズムセクションが、ドラムマシンから生ドラムへスイッチします。面白い効果が出ます。
 リズムパターンとしてはそれほど変わってないのですが、名アレンジャーだと曲の途中で本当にリズムがコロッと変わってしまう例もあります。しかも不自然でない。正に転調のように、転リズムで曲調を変化させるわけ。ぼーっと聞いている人にはわからないだろうけど。

 リズムをこのように自由自在に扱えてこそ、現代の作曲家といえるのではないでしょうか。自分はまだまだ、このあたりは修行中。
 実はこれ、フュージョンにはよくありましたね。今すぐ思い出せるのは、スパイロ・ジャイラの「モーニング・ダンス」の中の曲とか、カシオペアの「MAKE UP CITY」に入っている曲とか。流石フュージョンの名手・名バンドの皆様は、抜群のセンスでリズムをコンロールしていらっしゃいます。

 歌物でも必要あればガンガン使っていきたい、と思う次第です。業界の諸先輩方はもちろんこういうアレンジを既に使ってらっしゃいますが。

ガンダムという巨大コンテンツ

 深夜何気なくTV付けたら、NHKでアニメ「ガンダム THE ORIGIN」が流れてて、つい引き込まれてしまう。ちょうど再放送で、1~3話だったかな? 乗り遅れ組への救済策か。最近ドラマもアニメも全然見てなかったが、これは乗っかろうかと。
 時系列的には最初のTVシリーズの前で、シャアがいかにしてシャアになっていったか、辺りから描く話なんですね。ガンダム知らない人には何のことかわからんだろうけど(w)。この最初のシリーズが、もう40年前の放送なんだから、驚くべき息の長いコンテンツです。
 以下、知らない人に無配慮なガンダムネタ続きます。

 若き日のランバ・ラルとハモン(愛人的な?)が出てきたんだが、ハモンはジャズ・シンガーでクラブで歌っていたんですね。ランバラルはそのヒモ&用心棒、ジオン軍を追放されてからそんな生活だったのか。
 このバンドの中にテナー・サックスがいたんですが、この人がどっかで見たことがある感じで、いやこれソニー・ロリンズやないかーい、と(笑)。他には現代風ないかにもバンドマンの方々。演奏シーンは割りとちゃんと動いていたので、ライブアクション(=演奏ビデオを元にアニメを書き起こす)かもしれません。最近はちゃんとバンドのシーンで実際に即した動きになってることが多いですね。

 そこへ悪酔いした連邦軍の不良軍人が絡んきてラルと大立ち回りになるのだが、バンドマンたちが楽器を庇いながら隅に寄る行動がまたリアル。このあたりも、実際にミュージシャンに意見を聞いたのかも? まず楽器庇いますよね、やっぱ。

 大立ち回りといえば、モビルスーツ戦はすべて3DCGなのですが、昔と違ってちゃんと重量感のある動きになってきてて、ほう、かなり見れるようになったなあ、と。このジ・オリジンは人間ドラマ主体でロボットはむしろオマケなので、このあたりも昔と違って面白い。昔のロボットアニメは、玩具メーカーの宣伝のために作られていたんだから。

 音楽ネタ関連だと、しばらく前、やはり深夜にNHKスペシャル・ガンダム1stの秘密的なやつが流れてて、キングレコードの幹部の方が出演されてました、当時のサントラの話。LPレコードで、vol.1はジャケットがいかにも子供向けアニメな感じ、これは数千枚しか売れなかったと(今からするとこれでも凄い数字だけど)。そこでvol.2は安彦良和の描き下ろしジャケ+ポスター付きにしたら、初回だけで10万枚だかの数が出てしまった。実は1の方に主要なBGMはすべて収録してて、2はその残りだったそうですね。音楽的にはそうなのに、そんなことになってしまった。それでキングとしてはアニメに本腰入れるようになったそうです。

 頑張ってリピート見て最新話に追いつくぞ~。

コルトレーン大喜利

 ちょっと必要があって、ジョン・コルトレーンの「Giant Steps」をYoutubeで捜して聞いていたら、コメント欄が完全に世界のジャズ野郎諸兄の大喜利状態でした。

 ご存知のない方に、コルトレーンとはサックス奏者でジャズの巨人の一人、Giant Stepsとはテンポが比較的速いのにほぼ一音ごとにコードが変わるという高難易度曲です。また理論的にもかなり面白いことをしているのですが、これに即興演奏を乗せるというのはプロでも至難の業でした。
 この苦行ともいえる演奏、実際何度も録りなおしたそうですね、この時は極限までビバップのルールを追求する方針だったので。(これがモダンジャズの最初の限界、この後マイルスがモードを導入する)

 で、まあそんな高難易度曲なので、ジャズプレイヤーの腕試しに今でもよく演奏されているし、ぶっちゃけスタンダードの一つなのですが、プレイヤーにもリスナーにも非常に愛されている名曲なのですね。
 そんな曲のコメント欄がなんでこんなことに……。

Flanagan: What key are we in?
Coltrane: Yes.

トミーフラナガン「おれたち今どのキーにいるっけ?」
コルトレーン「イエス」(←キリストかと思ったらなんかネタ元があるらしい)

Me: i can make a song in 2 keys!
John Coltrane: hold my beer.

自分「おれは2つのキーで曲を書けるぜ」
コルトレーン「ビールでも飲めよ」(これも訳難しい)

This is ADHD in real life!

(この曲は)リアルADHDだ!

……とまあ、こんな感じ。残念ながら英語のジョークはどこが面白いか、わからんやつは全くわからんなあ。

 世界のジャズラバーの皆さんがわいわいやっている感じがして、それだけでも楽しいですが。まさかコルトレーンも60年も経ってからこんば場所でネタにされるとは、夢にも思っていなかったはず。
 こ、こるは、これは、笑いが、トレーン。
 お茶の間大爆笑ですね、ジャア今夜はここまでにステップス。

レコード屋さんの思い出

 誰でもあることだろうけど、定期的に見る夢というものがあり(年に1度とか)、そんななかに、昔家族でやっていた小さな商店の夢、それも閉店間際で引き戸をほぼ閉めている時に、一人店番をしている夢というのがあった。照明も薄暗く、繁華街なのに人通りもなく、灰色でなんとも寂しい夢だが、不思議と懐かしい。この店、バブル時代前後までやってたんだけど、建物の老朽化で取り壊されてしまった。だからもう30年以上前のことなんですね。
 これを思い出したのは、「そういえばあの夢最近見てない」と思ったから(←ややこしいけど)。…というか夢自体を最近見てないが。

 なんでこんなことを書いたかというと、実はこの店の隣がレコード屋さんで、店番の間、ずいぶんと隣から曲が聞こえていたなあ、と。
 戦前からある長屋みたいな建物にずらっと店が入っていて、間口も狭いし扉もない(前面開放)のでそりゃあもうよく聞こえました(w)。

 だから、ここでも歌謡曲やら演歌やら、流行っているものは自動的に聞いてたんですね、偶然なかなか良い音楽環境にいたのかも。
 
 ここの店主が、お袋と同年代でなかなかお綺麗な方でした、今にして思えば昔業界にいたりしたのかなあ?、でも声がキンキン声で、よく隣りから「まぁたこんなレコード持ってきてェ、もっと売れる物持ってきなさいよォ」なんて営業に文句言ってるのが聞こえてました(笑)。
 間口こそ狭いが、場所は超一等地なので、随分と商品は回転させてたと思います、なので強気だったのでしょうね。

 そんな店なので、今でいうインストア・イベントも時々やっていて、といっても商品ぎっちりで場所がないので前の歩道で歌うんだけど、歌手の方が時々来ていたみたい。
 一度見たのは、お名前は覚えてないが女性演歌歌手が着物を着て、自分の写真の立て看板の横で、選挙候補みたいに名前のタスキをかけて歌っていたところ。着替える場所もないので、バンで直接来て、機材も降ろしてそこで歌っていたと思う。

 自分は見てないんだけど、記憶に間違いがなければあの八代亜紀さんも来たことがあるらしい。お袋の話だと、凄い人だかりで全く身動きがとれなかったと、流石に。そして物凄~くキレイだったそう。そりゃそうですよねえ、演歌でバリバリの頃ですね。

 こんな店だったので、前の歩道にいつも立て看板を2~3台は出していて、ここに流行りの曲やらイチ押し曲なんかのポスターもよく張ってありました。宣材は豊富、というかいつも捨てるほどあったらしく、クイーンのポスターも2~3回貰って勉強部屋に貼ってたなあ、そういえば。

 当時アニメ声優をして、それからデビューしたシンガーソングライターさんのアルバムポスターも、立て看板に貼ってあった気がする。このアニメ、ガチで見てました。当時二十歳そこそこで凄いなあと思ったが、自分はもう片方のヒロイン派でしたので(w)(←声優さんにファンレター書いたなあ)。実は、FMラジオで聞いたくらいで、ちゃんと聞いてないのですね、その頃もう自分は洋楽かインストばかり聞いてました。西海岸・東海岸フュージョン、ジャズ、ウェザーリポート、日本なら渡辺貞夫とかカシオペアとか(T)SQUAREとか。

 この店のことで、もっと色々面白い話を思い出したので、また機会があれば書いてみます。