日: 2019年8月17日

アレンジ・リアレンジ

 必要があって、昔のメジャーリリース曲のアレンジの解析を時々行ってますが、聞き流していると判らなくても、詳しくみていくと本当によく出来ていて、先人の仕事は凄いなあ、と感心することばかり。
 実は、この「聞き流す」ってのは、高度なアレンジを施されているからこそ(リスナーが)できるわけで、どこか引っかかったり不自然なところがあったら、聞き流せないんですよね、気になって。いかに自然に、音楽の流れを止めず繋げてゆくか、そして歌の邪魔をせず、歌を最大限盛り立てて聞き手に届けるか、そういうことが全てできているわけです。それが普通に「聞き流せる」曲。

 例えば、先日男女のデュエット曲のアレンジを解析してたら、アルトサックスは女性ボーカルの時だけバックでオブリガート吹いてたりね。男性だと音域が重なりますからね。逆に男性ならソプラノサックスにすべきかもしれない、あるいは重ならないようにする。(思い出したがビリージョエルの「素顔のままで」はアルトサックスだなぁ) しかもうっすらとパンで振ったチェロが鳴っていたり、ちゃんと不足する音域を埋めるような構成になっている。もう達人の技ですわ。

 こういうのは作曲・アレンジの本を見ても載ってるわけじゃなし、楽曲を聴いてノウハウを学んでいくしかない。幸い今はYoutubeもあるし、古い曲のCDだって入手しやすい。あと意外に良いのが、古いEPシングルレコード、オークションやメルカリで出てたりすることもあるのでそれを買っても良い。(当時の雰囲気がジャケットからわかったりする)

 もちろんそのままどんどんテクを盗んでもいいけど、現代の曲ならこれを応用してこうするかなあ、などと考えるのもまた滅茶苦茶楽しいですわ(w)。
 今は高品質サンプリング音源で、事実上古今東西どんな楽器の音でも(非楽器の音でも)使えるわけで、これをDAW内の仮想スタジオで鳴らせる快感。
 もうなんだよ危険なこの底なし沼は、むしろ先陣を切って飛び込みたいぞ(笑)。いや、業界の諸先輩方はとっくに奥深いところまで到達されているわけですが。

 そんな楽しい制作の毎日です。