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デモ曲追加・新概念「Cute AOR」

 新曲追加です、早速いきましょう。

「The days I believe」

 ’70年代ソウル色がありつつ、しかも全体としてはコンテンポラリーなAORを狙った曲。今回は「えかたん」さんに歌って頂きました。
 歌詞からはたぶん、「失意・敗北」からの「再生」みたいな方向だとわかっていただけると思いますが、非常に若い感性のかただったらしく、あんまり喪失感というところは出ずに、「未来・希望」な色が濃厚に出てて軽いショック(?)。ここのデモ曲は、歌って頂く方とのコラボレーションだと思っているので、こういう面白い化学変化なら大歓迎。

 で、このブログで何度か言っていた「Cute AOR」だとは想定してなかったのだけど、ボーカルのカラーで、まさに「それ」になってしまった感。

 ミックスは良い感じの仕上がり、結局最終的にはアレンジがしっかり考えてあれば、音圧も出るし帯域の被りもないし、どんどんやることが少なくなっていく。
 といいつつ、ハモンドオルガンです。低音が被りました、ベースとかなり。バスドラとの被りはいつものようにあらかじめ回避したが、最終工程までいって、まだなんか被っていると思ったら、ハモンドの低音が結構長い音符で鳴っているので、全編。音は目立たないのですが、存在感はしっかり。あまりEQを弄ると音質が犠牲になるので、今回はダイナミックEQで逃げました。ベースが鳴るとオルガンの低域だけEQを絞るようサイドチェイン。

 次の時代が、よき時代になることを願って。…なんて取ってつけたようなことを(笑)。もう平成なんかには任せておけない、昭和バブル世代が大暴れしますので。

デモ曲追加・スムースラテンPOP

 ところで、このサイトはブログ主体ではありません(笑)。ブロガーじゃないんで、作曲家ですから。ということで、新しいデモ曲追加です。

「ベローズ・チャコール」
 feat. mariko

 今回はスムース・ラテンのようなPOPS曲を書いてみました。シックでスタイリッシュな感じ、そしてまたまたアコーディオンをフィーチャー。前の曲がかなりド派手な入れ方だったので、今回は弦やブラスが入ったなかで、総合的なバンドアンサンブルの中でのアコ、しかもラテンサウンドの中で、というところを主眼に。それで、ラテン曲でよくピアノがやる16ビートのバッキングフレーズがありますが、あれをアコで鳴らしています(当然、右手左手フルアレンジ)。

 アコーディオンの左手のコード(ボタン)は、モロにギターのローコードと音域が重なるのですね。なので下手に鳴らしっぱなしにしていると、最終的にトラックの音が濁ります、響きもよくない。そのあたり気をつけつつアレンジした。(ちなみ、ベースボタンの音域は当然ベースと被る)

 今回は、marikoさんに歌って頂きました。雰囲気あるボーカルで、曲調にぴたりと合いました。有難うございます。

 マスタリングは「Abbey Road TG Mastering Chain」だけで行ってみました。こいつは音圧を上げようとするとすぐ0dbを超えたりするので、今回は音圧低め。後処理でOzoneをかましてみたりしたけど、いかにもOzoneなサウンドになっちゃって、歪っぽかったし、それは止めた。このままだと非常に音に透明感があって、かなり音楽的には正解だと思う。
 このAR-TGMC、プリセットのままではややアレってとこもあるが、少しいじると大変効果的ですね。

デモ曲のミックス改良

 今回はミックスを改良した話。

 生楽器の音が非常によく録れているアルバムを聞いていて(演奏も良かった)、ふと自分のミックスが心配になって、この前書いた曲を聞きなおしてみた。
 するとまあ、こうして比べると低域スカスカのかなり不自然な音に聞こえて、ベースやバスドラがどうこうより、曲全体の空気感が変という感じ。意外とこういうのは気付かないんですね、特にミックス作業の直後は。

 思い当たるところがあって、今回は各トラックの低域をかなりバッサリとEQで削っていて、たぶんそのせいじゃないかと思えた。
 アナライザーで見ても全く信号がない音域なので、いいかと思って。このあたりの音は、目立たないのにエネルギーだけは高いので、うまく処理しないと最終的に音の透明感に影響したり、音圧が上がらなかったります。
 ところが、これが削りすぎるとやはり良くなかったようですね。

 そこでミックスに戻って、削りすぎていたところを戻して、ベースやバスドラも50Hzくらいから下はバッサリいったり、重なっているところはえぐったりしてたので、そのあたりも適宜戻した。あとストラトのエコーが深すぎ他、若干微調整。

 こうして作った新しい2mixに、前と同じ設定のマスターを通して作ったのが、以下のファイルです。
 諸般の事情でmp3ですが320kですし、良いヘッドフォンで聞けば、違いは結構わかると思います。イントロのところが一番分かりやすいと思う。

元ファイル「キミの彼氏はアコーディオン」(若干改良済)

低域EQを修正

 面白いことに、低域をバッサリ削った元のやつのほうが、やはり音圧は上がってるんですね、セオリー通り。ただその分前述のように不自然な感じになるので、やはり(音圧上げだけが目的でないなら)低域の極端なカットは禁物のようです。
(音圧の差は、冒頭のアコーディオンの「鳴り」を聞いて頂ければ、明白ですね)

 参考までに、今回のマスタリング処理で、使用しているプラグインチェインは以下の通りです。

(1)Waves API2500 Compressor
(2)PSP E27 Equalizer
(3)PSP Xenon Limiter

(1)で2mixをまとめつつ若干レベル上げ。
(2)でコンプ処理で失われがちな高域を持ち上げる。
(3)でいよいよ音圧上げ処理。

 API2500は結構はっきりとキャラのつくタイプのコンプで、アメリカンな明るい音になります(悪くいえばチャラい音?)。
 E27も実機のモデリングだそうですが、実機にはトランスが入っているそうで、独特のヌラヌラした音になります。非常に面白い。
 Xenonはオリジナル設計だけど、これまたアナログっぽいイイ感じの歪み成分が付与される感じ、これまた個性的なリミッターです。
 こいつらを通すと、もうDAWで完結しているとは思えないような、アナログ感満載の音になります、お聞き頂いたとおり。こういうところがマスタリングの面白さだったりします。

 で、今回はシンセベース(を、ベースアンプに通してある)とブレイク系の打ち込みドラムのリズムセクションだったので、こういう感じの少し暖かい歪み成分があるマスタリングにしてみましたが(インディーズ風?)、この前買ったWavesのAbbey Road TG Mastering Chainも、せっかくなので試してみました。

 名前の通り、ロンドンのアビーロードスタジオが監修して作られたプラグインです。同シリーズは非常に高品質のプロダクト揃い。
 マスタリングをこいつだけでやってみたのが、以下のファイル。いかがでしょうか? 設定としては前述のやつと似た感じにしたのですが、これは同じ音圧が出ているのにかなり透明感がある仕上がり、しかもアナログっぽいし、ちょっと市販のCDにも近づいた音です。(高域だけは上げすぎてたので若干絞った)

TG Mastering Chainで処理

 かなり優秀だと思いますわ、なかなか使えるやつだと思います。

 ミックスは油断してるとこういうことがあるから、常に気をつけていないといかんですね。

(おっ、でも今聞いたら、コンプを1段抜かした分、2mixのまとまりがなくなってる気がする。こういうの、無限にあるんですよミックス作業はw)

デモ曲追加・16ビートのキメキメなアコーディオン

 時間なくて公開遅れてきた曲。
 アコーディオンは16ビートでびしばしシンコペーションしてもカッコいい、ってことを証明するために書きました。
 新世代LEADアコーディオン・サウンド、それではいきましょう。

「キミの彼氏はアコーディオン」
 feat. のざか

 この曲は、アコのスタッカート奏法を多用してます。いかにもアコ的なウワーッと鳴らす感じではなく、タッタッと小刻みに鳴らすあれですね。タンゴ等によく使われてますが、現代的な16ビート曲でも、「リズム楽器」として抜群の存在感を発揮するはず、と考えました。
 それで、もう片方の「リズム楽器」の雄、ストラトキャスター・ギターと対決させたわけですよ。
 アレンジ的には、アコがリズムを刻むときはストラトはレイジーなアルペジオ、アコがどわっとコードを鳴らす時はストラトは激しくカッティング、という風に対比感を出しました。

 アコーディオンは、あの小さな筐体で(重いけど)音域が相当広く、本気で右手+左手で鳴らすと、かなりの帯域を占有します。もちろん今回は右手+左手のフルアレンジしてますが、プロなら問題なく弾けるはず。サビの最後の16分音符の駆け上がり(スケール)だけは少し難しいかな、どうかな?w

 今回は、詩の内容がちょっとティーンな感じなので、洋楽曲によく合う声質で、年若くいい感じにキーの高い「のざか」さんに歌って頂きました。
 

 この曲を世界のアコーディオン女子の皆さんに捧げます。うむ、今かつてないほど晴れがましい気分(笑)。

デモ曲追加・クレズマー風またはジプシー音楽的な小品

 この前の曲のボーカルをご依頼して、仕上がってくる間にささっと書いた曲。
 バイオリン+アコーディオン+フルートだけで勝負してみました。

「Tanto, tanto」

 こういう小編成だと誤魔化しが一切効きません。打ち込みはこういうのは却って弱いのですが、今回は敢えてそこへ。お洒落バイオリンをアコーディオンが伴奏する小品を書いてみたくなって、それだけではアンサンブルが寂しいのでフルートを。

 最初はバイオリンは「UVI World Suite」に入っているFiddleでやっていたんだけど、音の薄さがモロに出てしまってダメでした。しかもこれ、UVIはかなり雑なレコーディングしてた、波形見ると。最初からなんとマキシマイザー掛けて胡麻化してたので、それを切ってみたが無理でした。
 で、「UVI Orchestal Suite」のソロバイオリンを使って一件落着。やっぱりこのバンドルはポピュラー音楽向き。フルートもそうです。

デモ曲追加・夏だAORだフルオケだ!

 まだ暑いのでギリギリ秋じゃないということで。
 実は夏のボーカル曲三部作でした、なんとか間に合った。

 世界よ、これが2018年版Orchestral AORだ!
 なんと驚異のフルオケ曲です。弦、金管、木管、打楽器、クワイアすべて入っています、文字通りのオーケストラ総力戦。では早速いきましょう。

「届かないラヴレター」
 feat.寺島 稔

 今回はフルオケが主人公のアレンジですがAORなので、エレキギター、チョッパーベース(スラップ)、エレピ(ローズ)、ドラムスも入っています。特にドラムはツインドラムであり、曲のテーマに合わせてポップミュージックとしては最大級の重厚長大な編成にしました。
 フルオケの弦を使ったAORはあっても、ここまですべて入れ込んだ曲は世界を探してもないのでは?…なかったらいいな、と思ってます(w)。世界初だからね。

 しかしあれだね、フルオケのアレンジといってもそれほど苦労しなかったというか、オケの楽器編成(パート)ってそりゃ長年の蓄積で非常に整理されていて、音域ごとに楽器の持ち分って決まっているし、弦・管・打楽器…と使い方も(前衛音楽でない限り)決まっているじゃないですか? 普通はバイオリンの下にビオラ、チェロ…と重なっていくわけだし。それぞれ楽器の使い方なんて、クラシック聴いてれば典型的なやつはほぼわかるから、それを参考にすればいい。
 アカデミックな管弦楽法を知らなくても、ここまで形になりますよ、ってことでこれが実例です。
(さらにいえば、フルオケは楽器の「定位」(場所)も決まってるんで、ミックスで悩む必要はない)

 とはいえ、ツインドラム、ティンパニ、チョッパーベース、コントラバスと低音のモンスターが揃ってましたので、その点でミックスは苦労した(w)。定位はバラけているんだけど、コンサートホールでライブ録音…を想定したミックスなので、低音の反響もぐわんぐわんくる。
 そのあたり、どう避けたかは、今回は企業秘密にしますか(笑)。
 気が向いたら別記事で書くかも。

 今回は、ご自身でアーティスト活動もなさっている寺島稔さんに歌って頂きました。
 ほとんど類似曲がない、キーも女性ボーカル並みに高い曲を、ファルセットのシャウトを交えて、見事に歌いきっていただきました。大感謝です。(ほんと、あっしが好きに書いた曲はシンガー泣かせだよなあ、とつくづく思っていますw)

 この曲は最近やってきたことの集大成だったので、ミックス・マスタリングも無事終わってこうして公開でき、ひと安心です。フルオケ曲は書いてて楽しいのでまた挑戦したい。

デモ曲追加・夏だ16ビートだFusionだ

 デモ曲追加です。夏曲第二弾間に合った!

「わすれじ」

 夏なのでちょっとアンニュイで退廃的なミドルナンバー書こうとしたら、ベースをスラップ(チョッパー)にしたばかりに、各パートが16ビートで応酬をくりひろげるフュージョンになってしまった。が、無論後悔はしていない。
 アップテンポで元気のいい曲ですが、ちょっと懐かしい感じも狙いました。これでエレピとストラトなら定石すぎるので、生ピアノとアコギにして現代的な感じに。
 ブラス、ストリングス、シンセも入ってきます。
 アウトロで少しおっと思っていただけたら大成功。

 今回は「まよ」さんにボーカルをお願いしました。声に安定感と華やかさ、ほんのりとした大人っぽさもある、上品な感じのボーカルです。曲にぴったりのテイクを一発で仕上げて頂いて大感謝。
(お願いしておいてなんだけど、この曲難しいんですよ。「どう歌うか」ってところがね…。毎度ボーカルさんたちの優秀さにテンション上がりまくりですよ)

 ミックス、またも苦労しました。スラップベースはダイナミクスが大きいので扱いが難しい。アレンジ的には打楽器と同じ効果があると再確認。しかしベースライン考えるの超・楽しかった。
 中域が混雑してて、ボーカルパートに被って音が濁りがちだったので、ピアノとアコギをコンプのサイドチェインで抑えました。

 な~んか、デモ曲作ってるのが一番自分の勉強になってると思う、心から。

(Dedicated to the faraway diva)

デモ曲公開・夏だアイスだボサノバだ

 なんと怒涛の更新です。まあたまたまデモ曲完成が重なってしまっただけではありますが。

 では早速いきましょう。当社比待望の本格ボサノバ曲です。
 タイトルは「甘えて…」

 今回歌っていただいたのは、大変表現力のあるボーカルのHARUさん。かなり難しいのではないか?と思いつつご依頼したのですが、見事に歌いきって頂きました。
 この曲は、歌としては音域もそんなに広くないし、多少ブルーノートが入るくらいで技術的にはそんなに難易度は高くないのですが、歌の内容から、これをどう表現していくか、というところが格段に難しい。言うまでもなく、ここは単なる歌唱技術とは違う、高度な表現の領域になってくるので。
 いや~、ずばり来ましたねこれは。

 楽曲としては、ボサノバなのでお洒落な一時転調や、多少の非機能的コード進行も挟みつつ。今回、かなり後になってからパーカッション(シェイカー、ボンゴ)を入れたのですが、その時点から楽曲が見違えりました。やはりこの手の曲でパーカッションは命。

 しかしマスタリングは結構苦労して、音圧を上げるとバランスが崩れたり、楽器の音色が気に入らなかったり、エンディングが気になったりして、ミックスに戻ったりその前に戻ったりで、結局7回やり直す羽目に(普段は3回位)。まあこんなこともある。ぶっちゃけこの暑さで集中力が落ちてるんだなこれ、この段階って異常な集中力が要るから。
 ひとりでやっていると、こんな時は便利です。

 なおなぜ「夏だアイスだボサノバだ」かというと、その心は…「あま~い」からです。(笑)

デモ曲追加・フルートが優しいヨーロピアンポップ

 どんどん曲追加です。今はとにかく曲を書いていく、書ける時期、ですわ。

「Sweet Square」

 ヨーロッパの地方の小さな街、石造りの家々が立ち並び、石畳みの街路がうねうねと続く、そんな街の中心部、街路が交差する場所。人々が行きかい、ストリートミュージシャンがそこかしこで演奏してる……そんな光景を思い浮かべつつ書いた曲。

 自分史上、ストリングスのレガートが一番きれいに決まった曲……かな? これはフルオケのストリングスではなくて、小編成のSession Strings Proですが、POPSやイージーリスニングっぽい曲には、音が重くないので合いますね。まあそういうプロダクトなので。ブラスは同じくSession Horns Proです。こいつはやっぱりソフトなフレーズがかなりいいなあ、ドイツです、やはり。(一応ファンクなブラスもいいが)

デモ曲2曲追加

 デモ曲追加です。

「Mistral Court」

 フランス東部の海岸に向けてアルプスから吹く風、ミストラルをイメージして書きました。冬枯れのテニスコートを、冷たく清冽な風が吹き抜けていく感じ。メロディをとるのはミュゼット風のアコーディオン、イントロはきらきらしたシンセ。オーケストラとバンドサウンドの融合を目指しました。70年代洋楽にはロックバンド+オケって組み合わせがちょくちょくありましたので、それを参考に。

「School Diva」

スクールデイズなナンバーを書いてみたかったので、普通にバンドっぽいインスト曲。学校のマドンナみたいな子、昔いたよね。って感じ(w)。
 左側から聞こえてくるハモンドオルガンはRolandのFA-06ですが、こいつはオルガンやエレピも無茶苦茶いいです。そこはさすがに実機のキーボードですから。これだけでもお釣りがくるなあ。
(ライブにも音楽制作にも音源としても使える製品ってこと)