モジュラーシンセ話2

 現在のモジュラーシンセの演奏形態は、MIDI等で制御してきっちり書き譜の楽曲を演奏させる、あるいは鍵盤等で信号を送って演奏する、というのとは、別の方向があるようです。
 16~64ステップくらいのミニマムデータをシーケンサーで走らせるなどして、それにランダムだったりカオス的変調をかけて、音程・リズム・音色すべてで、偶然性を取り入れた自動演奏を楽しむ、という方向。
 いわばモジュラーシステムで内部完結する、シンセ・オートマトン化ですね。どうも流行りはこっちらしい。
 シンセの音色を楽しむのが主眼であれば、楽曲的な部分はそれほど重要ではないわけで、このほうが面白いアウトプットが出たりするんでしょう。

 あとKORGのVolca Modularの宣伝文で知った口だが(w)、イーストコースト・シンセシス、ウエストコースト・シンセシスという分類があるらしい。前者は減算方式のシンセ、後者は加算方式のシンセスタイルなんだって。前者の代表はmoogでみんなが知っているアナログシンセはこっち。後者は倍音の少ない波形を変調して複雑な音色を作り出す。FMシンセもこっちかな?

 で、最近の流行は、オートマトン化したモジュラーでウエストコーストスタイルの音を出す方式っぽい。あまり楽曲の中でがっつり使うという人はいないようだ。(そういう実用性は低いので)

 そんな訳で、いかに凝ったCV/GATE信号を自動出力するか、というコントロールモジュール系が結構アツいらしい。VCOなんかより高額で売られている。なんせアナログ信号なので、ぐにゃぐにゃの曲線信号も自由に扱える。これに凝ったパッチングを組み合わせて、予想もできない音のストリームを生み出すのが主流(?)っぽい。

 まあ、こうなるといわゆる楽曲制作とは完全に違う方向ですね。もし自分も作曲してなかったら、そっちに走ってたでしょうが、ウチは頑固に多重録音でモジュラーを使っていきまっせ。