日: 2021年3月29日

現代ジャズの到達点

 NHKR2ラジオの「今もう一度ジャズ入門」最終回。ジャズ評論家の後藤雅洋氏による現代ジャズの紹介。

 ジャズというと、僕らは1950-60年代のモダンジャズを一般には思い浮かべますが(マイルス・コルトレーン・ビルエヴァンスとか)、70・80・90年代にも色々な面白い動きがもちろんあり、特に2010年くらいから非常に興味深い動きが出てきているということです。

 そのひとつが、女性ボーカルの大フィーチャーだというのですね。エラ・フィッツジェラルドやサラ・ボーンなどの伝統的な歌唱スタイルを継承しつつも、インストゥルメンタルとの融合・調和のような曲がたくさん出てきた。それはコーラスやボイスを積極活用し、声(歌)も楽器の一つとして使う。従来はジャズボーカルとインストの間にはファン層でも垣根があったが、それがなくなってきた。この種のライブに行くと、従来のジャズを聴いてないだろうと思われる若い人もたくさん見かけるそうです。普通にセンスのいい洋楽と思われているのでしょうね。
 そこで、インストプレイヤーのアルバムにも普通にそんな女性ボーカル曲がばんばん入るようになってきている。
 加えてもうひとつは、女性ミュージシャンの活躍とエスニックな要素。これまたコーラスと融合したりして、楽器のプレイ・音色もその人なりの個性があり、独自の世界を作っている。

●グレッチェン・パーラト「許してあげよう」
 (現代女性ジャズボーカル)

●ヌバイア・ガルシア「クンビアが私を呼んでいる」
 (女性テナーサックス+コーラス+エスニック)

●シャバカ・ハッチングス(サンズ・オブ・ケメット)「マイ・クイーン・イズ・ハリエット・タブマン」
 (男性テナーサックス+チューバ+ツインドラム、モダンジャズ黄金時代にも通じるホットさ、確かに聞きやすい)

 3曲紹介されていましたが、いずれも確かにポップスでもR&Bでもラテンでもなく、これはジャズ。

 同じブラックミュージックでも、ディアンジェロなんかは既存の金太郎飴R&Bへのアンチテーゼで手作り感満載の音楽ですが、あれも非常にジャズっぽい、実は(でもジャズじゃないんだね、明らかにミームが違う)。
 だから、既存のマスプロダクション音楽に飽きたリスナーには、これらのPOPな現代ジャズは、非常にウケるんじゃないかと思いました。
 やっぱり女性ボーカルは偉大。音楽のなかで昔より大きなウェイトを占める要素になっている、現代では。(女性クリエイター、プレイヤーは言うに及ばず)
 などということを思った夜でした。やはり良い音楽は評価されて欲しいし、広まっていって欲しいですね。

(明日までまだギリギリ聞き逃しサービスで聞けるので、ご興味のある方は是非)

 ここでたまには宣伝! 女性ボーカル・コーラス・ジャズギターをフィーチャーしたフュージョンもありますよ。なんと無意識にやっていたことが現代ジャズの到達点と重なっていたとは……。