日: 2020年1月13日

新表記法: 4度堆積和音

 雑誌の音楽理論の記事を見ていて思ったこと。フュージョンやジャズはやはり4度堆積和音の利用頻度が高く、だからこれらの音楽をずっと聞いていた自分も、知らず知らすのうちに馴染んで好きになっていたんだな、と。
 ボカロ曲を書き始め、コードを自分で決められるようになって(最初は、なんとDAWの自動判定機能に頼っていた!←メロから判定)、結構初期からsus4コードが好きで、なんでこんなに惹かれるか分からなかった。結局既存のコード体系のなかで、一番4度堆積と親和性があるコードだからなんですね。なんせ4度の音がしっかり入っている。
 そしてこいつは、メジャーでもマイナーでもない不思議なフレーバーで、ちょっと浮遊感があり、オリエントな雰囲気もある面白いやつでもあります(作曲勢の皆様は先刻ご承知ですね)。
 昔のポップスなんかだと、「Csus4 | C 」みたいな進行が常套句だったのですが、自分は結構知らん顔して他のコードに進んじゃったりとか(笑)、理論知らないうちからやってましたが、これは正しかったのだと後に知りました。現代曲だとそういうのは結構ある、違うsus4が連続したりとか。もう独立した和音のようなっている。これなんかも、たぶん考え方としては4度堆積の方から引っ張ってきたと思っていいのでしょうね、あちらは明確なコードケーデンスもないから(むしろ既存のケーデンスに組み込まれていない、という言い方のほうが正しいか)、どうやら感覚的に使う世界のよう。非機能というより脱機能っていう感じですかね。自分も曲では結構こういう使い方です、昔よりは控えているけどw こうやってちょっと解析不能なところを作っておくと、やっぱり曲のアクセントになって面白いんですよ。

 まあそれはともかく(長い前置きだw)、音楽理論(コード理論)は3度堆積和音を主眼に考えられているから、ここに4度堆積を持ち込もうとすると、コードネームの表記に非常に苦労するわけです。それでも皆さん、なんとかかんとか既存の和音の展開形を使うことで、4度堆積を表現しているのですが、いかんせんやはりパッと見わかりにくい。譜面にコメントで書いておくという方法もありますが、できればそろそろ4度堆積を表すコード表記を考えてもいいんじゃないか、とふと思いました。まあこれが必要なのは、フュージョン&ジャズ業界が中心になるのでしょうが……。オンコードだのオミットだの、オプションがたくさん付いてしまう現状を、なんとか打破できないか、というひとつの試案です。

 例えばCからの4度堆積

    C-F-Bb

 こんな和音があったとします。既存の表記だと「C7sus4 omit5」ですね。
 これを、CM7とかCmとかと同じく、簡単に書きたい。
 だったらQUAD(ラテン語で4が語源)からもってきて、4度堆積和音には「Q」を付けてはいかがでしょうか。
 「CQ」です。若干アマチュア無線を思い出しますが、それならCMだってコマーシャルですからね。
 今のは3和音(トライアド)でした。4和音(テトラド)の場合は、「CQ#9」あたりがよろしいのではないでしょうか。4音目が#9になるので。

 この表記が良いのは、ひと目でベースになる音がわかること。CQならCだし、FQならFです。いかがですか?
 もしかしたら、というか絶対こういうことを考えている人は世界のどこかにいると思うのですが、自分が知る限りでは見当たらないので、とりあえず提唱してみました。
 今後4度和音が理論に組み込まれていく(というか、モード理論とかあるけど)過程があるなら、絶対に簡便なコード表記は必要になるはず。

 まあこういうのは広まらないと意味がないので、このローカルブログで言っていても仕方ないのですが(笑)、とりあえず、自分はこの表記で便利になるかどうか、自分で書いていく曲では使ってみてセルフ人体実験してみることにします。DAWのコメント機能でスコアに入れればいいだけだからね。何か新しい知見が生まれるかもしれないし、そうなったらまた報告します。

(世の中には5度堆積ってのもあるそうで、こっちは表記するとしたらPentaのPかな?)

(何か致命的に変なこと書いてないか、ちょっとドキドキ)(笑)