日: 2019年12月28日

ミックスTIPS: リバーブとEQの順序

 久々に実用記事っぽいやつ。ミックスダウンの必需品エフェクトといえば、残響系のプラグイン。リバーブ(お風呂場エコー)とかディレイ(山びこ効果)なんかがこれに当たりますね。これらを入れないミックスは皆無といってもいいでしょう。
 ただ、カラオケボックスで歌うだけならともかく、やはりミックスの場合は掛けるだけでは駄目で、EQ(イコライザ)で音質の補正も必要になってきます。
 具体的には、全帯域にエコーを掛けっぱなしにするのではなく、ローかハイをばっさり切って音の篭りを防止します。そうしないと他のトラックと干渉しあって透明度が失われるので。
 ローかハイ、と書いたのは、実はミキシングエンジニアによって正反対のことを言う人がいるからですね(w)。具体的には、濁りを防止するためにローをカットしろ、でも別の人はハイをカットしろ、とかね。曲のジャンルによっても違ってくるというのはあるのでしょう。
 自分は一貫してローカット派なので、そっちにあわせて書きますが、このカットのためのEQを入れる場所というのも、音質に影響してくるのを最近気付きました。

 エコーなどはFXトラックへSENDで音を送ってそちらで掛けるのが常套手段ですが、そこで音質補正のEQもここに挿すわけです。ところが……

(1) EQ -> REVERB
(2) REVERB -> EQ

 この1と2では音質にかなりの差が出るのですね。自分はつい最近までその辺りは気にせずにずっと1の方式で来ましたが、2の方も試してみたところ、かなり「自然」な残業が得られました。逆に少し篭り気味といえばそうです。どちらかといえば、生楽器などに合う並びといえるでしょう。ナチュナル系。
 1だと篭りは感じられない明瞭な感じになりますが、その分音が軽く微かに不自然ではあります。シンセなど電子音や、ドラムの重低音などあまり音が篭っては困る場合に良さそうです。ソリッドな感じ。
(結局カットとした信号にエコーを掛けるか、エコーを掛けてからカットするかの差)

 こんな簡単なことでミックスが改善するのだから、面白いもんです。やっていなかった方はぜひお試し下さい。

 ちなみ、残響系プラグインの中にもローパス・ハイパスフィルタが入っているものがありますが、自分はあまり触りません。プラグインによってフィルタの効きがバラバラで、制御しにくいからです。やっぱり外部のEQでやった方が効きが同じなので制御しやすいですね。