日: 2019年1月5日

キュートAORという新概念

 以前も書いたけど、AORには大きく分けて2派あると思ってて、ひとつは「不良中年」コース、もうひとつは「アダルトチルドレン」コース。前者はスティーリーダン、ボズ・スキャッグス等、まあいわゆるAORの本流かも。後者はクリストファー・クロスとかJDサウザーとか、こっちも勢力大きいですが。(←この分析が少々古いのは認めるw)

 AORってのは、もともと色々な要素を取り入れた音楽なので、ある意味根無し草でもあります。ジャズ、ロック、ラテン、R&B、ソウル…普通はそんなことをしたら到底聞けたものではない悲惨な代物になるはずですが(和洋中華の料理をごちゃまぜにしたところを想像して下さい)、それを非常なセンスで絶妙な配分で混ぜ合わせて、新しい美味しい料理を作ったのがAOR、って言い方ができると思います。

 その意味で、実はAORはわれらがガラパゴスアイランズ=ジャパンにとても合う音楽だと思うし、ジャズなら本場はアメリカ、ロックもそうか(まあ欧州もあるしな)、でもAORってあんまり地域性はなくって、フュージョンと同じで世界同時進行って面もあったので、そんなにオリジンコンプレックスに悩む必要もない、日本人としては。日本文化自体が、色々なものの融合だしね、識者の学説でも。

 で、思ったのですが、実は日本には独自に発達したAORの流派があって、それはここでは一応「キュートAOR」としますか。初期の「竹内まりや」とか、もうお一人、また名前出していいんですかねこれ…?(w)
 Youtubeで80年代や90年代のライブ映像見てて、これは思いついた。こういう可愛らしい感じのAORってのは、たぶん海外にはないでしょう。ある意味、日本のアイドル文化からの本歌取りです。ご存知のように、日本のアイドル自体が、特に昔のやつとか、海外でカルト人気があったりしますからね。あれは本当に日本独自のものなので。
 こういう感じのAORってのは、今はほぼ完全になくなってしまっているので、というかAOR自体がもうジャンルとしては消滅してますが(w)、伝統を絶やさないためにも、関係者の奮起が期待されます。いかがっすか?

 AORってのは、言ってしまえば幕の内弁当だと思うのですよ。和洋中華の料理が絶妙の組み合わせと配分で入ってるでしょ? 美味しいし、みんな大好き(笑)。
 そしてキュートAORは、女子がつくった手作り弁当ですよ。そぼろでLOVEって書いてあるような。男子からするとうへっマジかよ、って思うけど、内心にこにこだったりね(笑)。
 どうすか、こんな分析。

 ちょっと書き忘れてたけど、AORの成立にはもちろん従来の様々な音楽の融合もあったけど、それに加えて新しい音楽の要素、新しい楽器=シンセサイザーの導入は必須だったわけで、そこで日本の果たした役割は、実はとんでもなく大きいですからね。つい忘れがちになるけど、YAMAHA・Roland・KORGという三大電子楽器メーカーは、世界の音楽シーンに巨大な影響を与えましたから(それは今でも続いている)。
 その意味で、もうAORは日本が本場だろ!って、僕らとしては開き直ってもいいくらい(ついで言うとフュージョンもね)。それくらい、深くコミットできる音楽ってことです(=海外から物真似といわれる心配がない)。

 以下ブツブツ独り言っぽく…。
 まあね、80年代に白のフリフリ衣装で歌っていたような曲を、いま同じようにやれって言われても、というのはわかります。でもファンはそういうのが意外と見たかったりして? 還暦でセーラー服着て歌っている大歌手の方もいるので。皆大喜びしてますよ。

 以上、大変無責任な記事でした。ご利用は自己責任でお願いします(汗)。