日: 2018年4月3日

ミックスTIPS: シンセパッドの位相乱れを防ぐ

 この前上げたの曲のミックスやってて気づいたこと。これまでいまいちミックスにおける「位相の乱れ」はピンときてなかったんだけど、初めて「これがそうか」ってなりましたわ。
 倍音をたっぷり含んだシンセのパッド、これにがっつりコンプ掛けたら、音質と音量がふわっふわっに揺らめいて、かなり妙な質感になってしまった。変な例えだけど、エビフライ(名古屋だけに)のコロモだけがぶわぶわになって、中身がつかめない感じ(なんちゅう比喩や)。これ何だろ?(これまでも時々起こってた、ここまで派手でないが)、と思ったら、これが位相をぐちゃぐちゃにしちゃった状態。コンプの掛けすぎで。

 実は、同じようなコンプをストリングス等の生楽器にかけても、こうはなりません。やはり元が生のやつはいい意味で波形が揃ってない、ランダムネスがあるから、いい感じに自然にコンプレッションするんですね。ただシンセみたいな人工波形だと、ほぼきっかり波形が揃っているので、位相の乱れがガチで目立ってしまう、ということのようです。
 これは、VOX系のシンセパッドと生クワイヤでも同じような関係になる。

 もともとシンセパッドやシンセストリングスなんて、ダイナミクスも揃ってるんでコンプなんてそう必要ないんだけど。つい癖で掛けてしまっていたんですが、生楽器と同じようにやると、かなり位相の乱れが目立つ拙い状態になると今回判明。
 あと、生楽器用の、アナログモデリング系のコンプ掛けたりすると、シーケンスのシンセパッドでなく、キーボードシンセの手弾きみたいな質感になる(w)。これも曲調によっては変なことになるんで、まあ適材適所ってこと。

 今回は、リニアフェイズの無色系マルチバンドコンプで中~高域あたりをうっすらとコンプレッションしてみました。これでほぼ質感は変わらず、位相も崩れず穏やかな音圧UPになりました。